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中原 将海; 石井 保行*; 山縣 諒平*; 山田 尚人*; 江夏 昌志*
QST-M-52; QST Takasaki Annual Report 2023, P. 47, 2025/03
高レベル放射性廃液からAm及びCmを回収のために抽出溶媒や分離プロセスの研究が行われている。効率的な有機溶媒からのAm及びCmの逆抽出のために荷電粒子誘起発光による錯体構造の解析及び評価を試みている。本研究では、マイナーアクチニドの模擬物質としてSmを使用し、構造評価のためにHイオンビーム照射による
-テトラオクチルジグリコールアミド有機溶媒中のSm錯体の荷電粒子誘起発光スペクトルを測定した。
中原 将海; 渡部 創; 石井 保行*; 山縣 諒平*; 百合 庸介*; 湯山 貴裕*; 石坂 知久*; 江夏 昌志*; 山田 尚人*; 羽倉 尚人*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 554, p.165449_1 - 165449_5, 2024/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)マイナーアクチニド回収プロセスにおける抽出溶媒の錯体構造を把握するために、有機溶媒中のランタニド元素の荷電粒子誘起発光分析を行った。本実験では、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構のイオン照射施設においてシングルエンド加速器から得られる水素イオンビーム及びサイクロトロンから得られるアルゴンイオンビームを利用した。本実験において、荷電粒子誘起発光スペクトルを測定し、得られたスペクトルと錯体構造との相関について考察した。
中原 将海; 渡部 創; 湯山 貴裕*; 石坂 知久*; 百合 庸介*; 石井 保行*; 山縣 諒平*; 山田 尚人*; 江夏 昌志*; 加田 渉*; et al.
QST-M-47; QST Takasaki Annual Report 2022, P. 64, 2024/03
高レベル放射性廃棄物からマイナーアクチニドを回収のために抽出クロマトグラフィ法の研究が実施されている。効率的な吸着材からのマイナーアクチニドの溶離のために、荷電粒子誘起発光による錯体構造の解析を試みている。本研究では、Eu錯体構造の解析のために吸着材中のEu錯体にArイオンビームを照射し、荷電粒子誘起発光スペクトルを測定した。
中原 将海; 渡部 創; 竹内 正行; 湯山 貴裕*; 石坂 知久*; 石井 保行*; 山縣 諒平*; 山田 尚人*; 江夏 昌志*; 加田 渉*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 542, p.144 - 150, 2023/09
被引用回数:5 パーセンタイル:80.64(Instruments & Instrumentation)マイナーアクチニド回収のための抽出クロマトグラフィ技術において、荷電粒子誘起発光分析により様々な抽出剤を用いて調製した吸着材中のユウロピウム錯体構造の評価を行った。測定は、量子科学技術研究開発機構のイオン照射施設においてシングルエンド加速器から得られる陽子ビーム及びサイクロトロン加速器から得られるアルゴンイオンビームを利用して行った。本研究において、抽出剤の種類によって荷電粒子誘起発光スペクトルが変化することが確認され、これらの変化と錯体構造のとの相関について評価を行った。
中原 将海; 渡部 創; 石井 保行*; 山縣 諒平*; 山田 尚人*; 江夏 昌志*; 湯山 貴裕*; 石坂 知久*; 加田 渉*; 羽倉 尚人*
QST-M-39; QST Takasaki Annual Report 2021, P. 62, 2023/02
マイナーアクチニド回収のための抽出クロマトグラフィ法において、効率的にマイナーアクチニドを分離するために吸着材中の錯体構造解析に係る研究を行っている。本研究では、マイナーアクチニドの模擬物質としてEuを使用し、シリカ担持型吸着材にEuを吸着させた試料を調製した。吸着材中のEu錯体の荷電粒子誘起発光スペクトルを測定し、Eu錯体構造解析に向けた基礎データを取得した。
山縣 和仁*; 大内 和希; 丸茂 和樹*; 半田 友衣子*; 原賀 智子; 齋藤 伸吾*
Inorganic Chemistry, 62(2), p.730 - 738, 2023/01
被引用回数:3 パーセンタイル:42.77(Chemistry, Inorganic & Nuclear)ネプツニルイオン(NpO)に対し解離不活性な錯体を見出すため、蛍光プローブ化学ライブラリーの中からポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)を用いる速度論的手法により、安定なNpO
錯体の選抜を試みた。フルオレセイン修飾フェナントロリン-2,9-ジカルボン酸錯体は、自己解離速度定数8
10
s
と非常に解離不活性であることを見出した。この速度定数は、これまで報告されているNpO
錯体の解離速度より100万倍遅い。この特異性を利用しPAGEによるNpO
錯体の蛍光検出を試みたところ、検出限界68pmol dm
(17fg)の極微量検出を達成した。模擬使用済み核燃料及び高レベル放射性廃棄物試料への適用にも成功した。
呉田 昌俊; 山形 洋司*; 宮腰 賢*; 増井 達也*; 三浦 義明*; 高橋 一憲*
JAEA-Research 2022-007, 28 Pages, 2022/09
ボルテックスチューブにおけるエネルギー分離を促進するために、新たに設計した中空螺旋状フィンを管内に挿入した。本報では、3種類の管を用いて、フィンがエネルギー分離に及ぼす影響を実験的に調べ、次に、数値流体力学(CFD)シミュレーションを行い、実験結果と中空螺旋状フィン付き管内の流動構造との関係を研究した。実験データから、フィンがエネルギー分離を促進し、管長を短くできることがわかった。入口空気圧が0.5MPaのとき、入口から出口までの最大温度差は62.2Cであった。レイノルズ応力モデル(RSM)乱流モデルを組み込んだCFDコードを用いて流体解析をした結果、フィン無とフィン有の場合とで淀み点の位置が大きく変わり、流動構造が全く異なることを確認した。中空螺旋状フィンによって、低温側フィン端と淀み点との間に小さな循環渦構造を持つ強い反転渦流が形成され、乱流運動エネルギーが大きな領域が生成されることによってエネルギー分離が促進されたと考えられる。
吉本 政弘; 仲野谷 孝充; 山崎 良雄; Saha, P. K.; 金正 倫計; 山本 春也*; 岡崎 宏之*; 田口 富嗣*; 山田 尚人*; 山縣 諒平*
Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.850 - 854, 2021/10
J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器(RCS: Rapid Cycling Synchrotron)では、大強度陽子ビームを実現するために荷電変換フォイルを用いた荷電変換ビーム多重入射方式を採用している。この入射方式では、リニアックから入射される負水素ビームが荷電変換フォイルを通過する際に陽子に変換され、周回ビームに重ねることができる。そのため、ビームサイズを広げずに大強度ビームを蓄積することができる。一方で、ビーム入射期間中は、リニアックからの負水素ビームとRCSで周回する陽子ビームの双方がフォイルを通過するため、荷電変換フォイルのビーム照射に対する耐久性能の向上は大きな課題となっている。RCSでは、ホウ素を添加した炭素電極によるアーク放電法で製膜した薄膜(Hybrid type thick Boron-doped Carbon: HBC)を荷電変換フォイルとして用いている。HBCフォイルは、ホウ素を添加することで従来の純炭素薄膜と比較してビーム照射に対する寿命の向上に成功し、RCSにおいてもビーム強度700kWでの長期間利用運転及び1MWでの2日間連続運転試験で壊れることなく使用できることを示した。我々は、ホウ素添加によりビーム照射耐久性能が向上するメカニズムを明らかにし、さらなる長寿命化に向けたフォイルの実現を目的とし、量子科学技術研究開発機構(QST)高崎・イオン照射施設(TIARA: Takasaki Ion Accelerators for Advanced Radiation Application)のイオンビームを用いた照射試験を行ってきた。これまで、ホウ素の添加量やカソード・アノード電極に使用するホウ素添加炭素電極と純炭素電極の組み合わせにより、イオンビーム照射による寿命が異なることが分かってきた。本報告では、ビーム照射試験の結果からHBCフォイル内のホウ素の役割に関する考察について報告する。
Wallner, A.*; Froehlich, M. B.*; Hotchkis, M. A. C.*; 木下 哲一*; Paul, M.*; Martschini, M.*; Pavetich, S.*; Tims, S. G.*; Kivel, N.*; Schumann, D.*; et al.
Science, 372(6543), p.742 - 745, 2021/05
被引用回数:66 パーセンタイル:97.00(Multidisciplinary Sciences)鉄よりも重い元素の半分は、極短時間に無数の中性子を捕獲する過程(r過程)によって生成される。理論的研究によって、このr過程の物理的な条件や基礎課程は明らかになってきているが、その天体サイトと元素合成量に関してはいまだに議論の的で、超新星爆発や中性子星合体などが候補に挙がっている。我々のグループでは、太平洋で採取したマンガンクラスト試料から太陽系外起源の超微量のFe(半減期260万年)と
Pu(半減期8,060万年)を加速器質量分析で定量した。
Feは主に巨大質量の星が爆発(超新星爆発)してその一生を終えるときに形成・放出される一方で、
Puはr過程のみで生成される。
Feの分析結果からは過去1,000万年の間に太陽系近傍で起こった2つの異なる重力崩壊型の超新星爆発による
Feの地球への流入があったことが明らかになった。
Pu/
Feの流入比は、どちらの重力崩壊型の超新星爆発でも同様の値であった。
Puの分析結果から求めた
Puの地球への流入量は、超新星爆発がr過程を支配していると仮定した理論予想値よりも低かった。つまり本研究結果は、超新星爆発がr過程を支配しているのではなく、中性子星合体など他の寄与があることを示唆している。
Ma, B.*; 勅使河原 誠; 若林 泰生*; Yan, M.*; 橋口 隆生*; 山形 豊*; Wang, S.*; 池田 裕二郎*; 大竹 淑恵*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 995, p.165079_1 - 165079_7, 2021/04
被引用回数:2 パーセンタイル:25.50(Instruments & Instrumentation)理研加速器駆動型小型中性子源における冷中性子モデレータの最適化を行った。安全かつ管理の容易な物質であるメシチレンをモレデータ材として選択し、粒子・重イオン輸送計算コードシステム(PHITS)を用いて、20Kメシチレンモデレータに室温ポリエチレン(PE)プレモデレータ組み合わせ、スラブ形状で結合した冷中性子の最適化を行った。冷中性子強度を増加させるために、メシチレンとPEの厚さ, 反射体、及び遮へい配置のパラメータを検討した。中性子発生ターゲットから2mの位置で冷中性子強度1.1510
n/cm
/
Aを達成した。これは現在のPEモデレータの12倍である。メシチレンが冷中性子モデレータ材料として魅力的なモデレータ材であることを示した。
吉本 政弘; 仲野谷 孝充; 山崎 良雄; Saha, P. K.; 金正 倫計; 山本 春也*; 岡崎 宏之*; 田口 富嗣*; 山田 尚人*; 山縣 諒平*
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011019_1 - 011019_7, 2021/03
荷電変換フォイルを用いたHビーム多重入射方式はMW級の大強度陽子ビームを実現するための重要な技術である。大強度陽子加速器施設(Japan Proton Accelerator Research Complex: J-PARC)3GeVシンクロトロン加速器(Rapid Cycling Synchrotron: RCS)では、高エネルギー加速器研究機構(KEK)で開発され耐ビーム寿命が大幅に更新した、ホウ素添付炭素薄(Hybrid type Boron-doped Carbon: HBC)フォイルを採用している。これまで、RCSの利用運転時に使用しており、大強度ビーム照射に対して優れた長寿命性能を有することを確認した。HBCフォイルの性能評価のために、RCSにおいて長期間照射に対する形状観察や荷電変換効率測定を実施してきた。また量子科学技術研究機構(Quantum and Radiological Science and Technology: QST)高崎量子応用研究所(高崎研)のイオン加速器(Takasaki Ion Accelerators for Advanced Radiation Application: TIARA)においてイオンビーム照射試験を実施し、組成分析や不純物同定などの物性解析や電子顕微鏡によるミクロ観察を行ってきた。その結果、フォイル破損に至るメカニズムとして、照射欠陥による密度変化とピンホールの成長、温度上昇にともなうガス化などが重要な鍵ではないかとの兆候を得た。近年、HBCフォイルの蒸着装置をJAEA東海サイトに移設し、フォイル製作を開始した。(以降のフォイルをJ-HBCフォイルと称する。)J-HBCフォイルの性能評価をこれまで同様にQST高崎研のTIARAで実施してきた。さらに、蒸着パラメータを変えてHBCフォイルの耐ビーム性能について試験を行った。その結果、これまで重要なパラメータと考えられていたカソード・アノード電極の消費比率よりも、ボロンの混入率がより重要なパラメータであることが分かった。
奥平 琢也; 清水 裕彦*; 北口 雅暁*; 広田 克也*; Haddock, C. C.*; 伊藤 維久也*; 山本 知樹*; 遠藤 駿典*; 石崎 貢平*; 佐藤 匠*; et al.
EPJ Web of Conferences, 219, p.09001_1 - 09001_6, 2019/12
原子核が熱外中性子を共鳴吸収する反応において、弱い相互作用起因のパリティ対称性の破れが核子間相互作用の最大10倍増幅される現象が観測されている。この反応では時間反転対称性の破れにも同様の増幅効果があることが理論的に予言されており、全く新しい手法で未知の時間反転対称性の破れを世界最高感度で探索できる可能性がある。しかし、その増幅率は全ての核種で未知であり、この手法がもつ可能性を具体的に議論できていなかった。本研究ではJ-PARC, MLF, BL04のGe検出器群を用いて、
La(n,
)反応の角度分布測定を行い、世界で初めて
Laで時間反転対称性の破れの増幅率を求めることに成功した。この結果を用いて、実験に必要な測定時間を見積もると、偏極率40%のLa核偏極技術、偏極率70%, 79atm・cmの
He Spin Filterを用意すれば、1.4日の測定で世界最高感度で時間反転対称性の破れ探索実験が可能であることが判明した。現在原子力機構では高性能な
He Spin Filterの開発を行なっており、本発表では
線の角度分布測定の結果、及び共用ビームラインに適用するための
He Spin Filterの開発の現状について発表する。
佐藤 雄二*; 塚本 雅裕*; 菖蒲 敬久; 山下 順広*; 山縣 秀人*; 西 貴哉*; 東野 律子*; 大久保 友政*; 中野 人志*; 阿部 信行*
Applied Physics A, 124(4), p.288_1 - 288_6, 2018/04
被引用回数:19 パーセンタイル:62.04(Materials Science, Multidisciplinary)レーザーコーティングによる高品質な金属膜生成をめざし、本研究ではシンクロトロン放射光実験により、レーザー照射により溶融したチタンの動態を調べた。濡れ性の指標として、レーザ照射中を30keVのシンクロトロンX線により、Ti64ベースプレートとTi球との接触角を測定した。その結果、ベースプレートの温度が上昇すると接触角は低下し、ベースプレートの温度が500Cのときに接触角度は28度まで減少することを確認した。そして予熱をした状態でレーザーコーティングを行うとスパッタリングが少なく、表面粗さも少ない高品質な金属膜の生成に成功したが、この要因として濡れ性の改善が大きく関与していることを明らかにした。
関尾 佳弘; 山県 一郎; 赤坂 尚昭; 坂口 紀史*
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles; Next Generation Nuclear Systems for Sustainable Development (FR-17) (USB Flash Drive), 8 Pages, 2017/06
改良316オーステナイト鋼(PNC316)のスエリング特性に直接的に影響を及ぼす照射点欠陥挙動(特に空格子の拡散挙動)を定量的に評価することを目的として、異なる温度で中性子照射されたPNC316に対してランダム粒界近傍に形成されたボイド欠乏帯の幅をそれぞれ測定し、温度とボイド欠乏幅の関係からPNC316の空格子移動エネルギーを評価した。その結果、その値は1.46eVと評価され、既存の評価手法である電子線その場観察試験(転位ループの成長速度評価)の結果とよく一致した。このことは、ボイド欠乏帯解析が特に照射中の空格子移動エネルギー評価に有効な方法であり、このエネルギー評価が照射損傷形態が異なる電子線照射からではなく、中性子照射後試験から直接的に評価できることを示している。
上松 敬; 宇野 定則; 花屋 博秋; 山縣 諒平; 清藤 一; 長尾 悠人; 山崎 翔太; 川島 郁男*; 八木 紀彦*; 高木 雅英*; et al.
JAEA-Review 2015-022, JAEA Takasaki Annual Report 2014, P. 173, 2016/02
高崎量子応用研究所の電子加速器及び線照射施設を2014年度年間計画に基づいて照射利用に供した。利用件数は、2013年度に比べ、電子加速器では故障のため減少し、
線ではわずかに増加し、それぞれ205件及び857件だった。東京電力福島第一原子力発電所の事故に対する復興対応関連の課題については、電子加速器では35件、
線照射施設においては172件の利用があった。
宇野 定則; 花屋 博秋; 山縣 諒平; 清藤 一; 長尾 悠人; 山崎 翔太; 上松 敬; 川島 郁男*; 八木 紀彦*; 高木 雅英*; et al.
JAEA-Review 2015-022, JAEA Takasaki Annual Report 2014, P. 172, 2016/02
平成26年度の高崎量子応用研究所の線照射施設及び電子加速器の運転状況を報告する。
線照射施設はおおむね順調に稼働したが、電子加速器は34年間にわたる稼働による経年劣化のために、主に放電による故障が頻発し、約5ヶ月間停止した。
線照射施設第1棟,第2棟及び食品照射棟の年間運転時間は、各19,907時間、13,831時間及び7,293時間で、電子加速器では746時間であった。
線照射施設では2.22PBqの新線源を5本補充し、20本の古い線源を処分した。電子加速器では、前述の故障に対してその都度適切に対処をしたが、完全な修復には至っていない。
宇野 定則; 花屋 博秋; 山崎 翔太; 山縣 諒平; 清藤 一; 長尾 悠人; 上松 敬; 川島 郁男*; 八木 紀彦*; 高木 雅英*; et al.
第28回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.121 - 123, 2015/12
高崎量子応用研究所の電子加速器は最大出力2MV、30mA、60kWで、1981年1月に運転が開始された。この加速器は圧力容器内に2本の加速管を内蔵しており、垂直および水平方向に電子線を発生できるデュアルビーム型電子加速器である。平成26年度は4月から10月にかけて経年劣化による故障が頻発し、稼働率は60%に低下した。垂直ラインは、これらの故障が原因で0.5MVの運転はできない状況であり、更に水平ラインの部品を垂直ラインの故障した機器に転用したため水平運転は停止中である。本研究会では、当電子加速器の運転・故障の状況および整備の内容を報告する。
上松 敬; 花屋 博秋; 山縣 諒平; 清藤 一; 長尾 悠人; 金子 広久; 山口 敏行*; 川島 郁男*; 八木 紀彦*; 高木 雅英*; et al.
JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 182, 2015/03
電子・線照射施設はほぼ順調に稼動した。2013年度における運転時間は、電子加速器では1242時間、コバルト第1棟では18900時間、コバルト第2棟では11804時間、食品棟では6587時間であった。主要なメンテナンスは次の通りである。電子加速器ではSF
ガス回収装置の更新を行った。コバルト施設の整備時にプール水を保管するための600m
の貯水タンクを設置した。コバルト第1棟及び第2棟では線源の補充を行った。食品棟では定期整備を行った。
上松 敬; 花屋 博秋; 山縣 諒平; 清藤 一; 長尾 悠人; 金子 広久; 山口 敏行*; 川島 郁男*; 八木 紀彦*; 高木 雅英*; et al.
JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 183, 2015/03
電子加速器及び線照射施設を2013年度年間計画に基づいて照射利用に供した。電子線及び
線照射施設の利用件数は2012年度と同様であった。東京電力福島第一原子力発電所の事故に対する復興対応関連の課題については、電子加速器では47件、
線照射施設においては91件の利用があった。
関尾 佳弘; 山県 一郎; 山下 真一郎; 井上 賢紀; 前田 宏治
Proceedings of 2014 Nuclear Plant Chemistry Conference (NPC 2014) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2014/10
福島第一原子力発電所では、東日本大震災による電源喪失に伴い、使用済燃料プール内の燃料を冷却するために海水が注入された。これらの燃料集合体の健全性評価に資するため、燃料集合体部材であるジルカロイ-2被覆管の腐食挙動や強度特性に及ぼす塩化物イオン等の影響を評価する目的で、ジルカロイ-2燃料被覆管の照射材及び非照射材に対して海水(人工海水及び天然海水)を用いた約1,000時間までの浸漬試験及び浸漬後の引張試験を実施した。これらの結果、照射の有無や海水の違いによらず、材料表面の腐食やジルカロイ-2被覆管の強度特性の劣化が生じなかったことから、腐食挙動や強度特性に及ぼす塩化物イオン等(実海水特有成分)の影響は小さいと考えられる。