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Fablet, L.*; Pdrot, M.*; Choueikani, F.*; Kieffer, I.*; Proux, O.*; Pierson-Wickmann, A.-C.*; Cagniart, V.*; 蓬田 匠; Marsac, R.*
Environmental Science; Nano, 12(5), p.2815 - 2827, 2025/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)ニッケル(Ni)は環境中に遍在する微量元素である。Niは酸化鉄ナノ粒子との親和性が高く、土壌や水中から酸化鉄ナノ粒子、特に環境中に普遍的に存在する磁鉄鉱によって除去することができれば、環境浄化のための新たな戦略の1つとなり、その研究の意義は大きい。しかし、磁鉄鉱の化学量論(Fe(II)とFe(III)の比率)を制御することが困難であるため、Niと磁鉄鉱の相互作用は十分に理解されていなかった。そこで本研究では、異なるFe(II)とFe(III)の比率を持つ磁鉄鉱ナノ粒子を用い、吸着実験とX線吸収分光法によって溶液中と嫌気雰囲気下におけるNiと磁鉄鉱の相互作用を調べた。この研究により明らかにされた磁鉄鉱とNiの相互作用は、将来的にNi汚染の環境浄化戦略を立案する上で重要な知見となりうる。
蓬田 匠; 高橋 嘉夫*
地球化学, 59(1), p.1 - 10, 2025/03
X線吸収微細構造(XAFS)分光法は、元素の価数や局所構造の情報を与える上に、殆どの元素に応用可能で元素選択性が高く、高感度な分析が可能であるため、天然試料中の主要および微量元素の化学種解析や天然模擬系での化学反応素過程の研究に広く応用されており、宇宙地球化学や環境化学では必須な手法になっている。本稿では、蛍光X線を高いエネルギー分解能で分析してXAFSを測定することで従来検出の難しかった元素を調べた事例や、新しい化学種についての情報を得た事例など、近年のXAFSを用いた研究例を紹介する。
Scaria, J.*; Pdrot, M.*; Fablet, L.*; 蓬田 匠; Nguyen, T. T.*; Sivry, Y.*; Catrouillet, C.*; Pradas del Real, A. E.*; Choueikani, F.*; Vantelon, D.*; et al.
Environmental Science & Technology, 59(11), p.5747 - 5755, 2025/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Environmental)クロム(Cr)とマグネタイトの相互作用メカニズムを理解し予測することは、環境中のCrの物地球化学的挙動を解明し、最適な土壌浄化および水処理戦略を開発する上で特に重要である。最も毒性の高いCr(VI)がCr(III)に還元されて除去されることは広く報告されているが、Cr(III)のマグネタイトへの吸着に関わる正確なメカニズムは解明されていなかった。本研究では、Cr(III)溶液と10nmサイズのマグネタイトの相互作用を調べた。本研究では、pHとマグネタイトの化学量論の双方がCr(III)吸着メカニズムに及ぼす複合的な影響を調べることで、Cr(III)-(hydr)Oxide沈殿の生成が必ずしも溶液からのCr(III)の除去を駆動するプロセスではないことが明らかになった。これらの結果は、環境中のCrの輸送と終着点の予測、およびマグネタイトを用いたCr浄化プロセスの開発に役立つと期待される。
蓬田 匠
放射光, 38(1), p.19 - 25, 2025/01
高エネルギー分解能蛍光検出-X線吸収端近傍構造分光(HERFD-XANES)法を用いることで、従来のXANES法よりも詳細にウラン(U)化合物の電子状態を議論できるようになった。我々はHERFD-XANES法を元に、将来的に様々な環境試料中のアクチノイドスペシエーションを行うことで、微量アクチノイド元素の環境中移行挙動の予測に貢献することを目指して研究を進めている。本稿では、これらの応用研究を進める上で基盤となる、マイナーな化学種であるU(V)の電子状態をHERFD-XANESにより明らかにするとともに、XANESのシミュレーションを加えて議論した内容を紹介する。
鈴木 優里*; 平舘 俊太郎*; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; 蓬田 匠; 神田 裕貴*; 永野 博彦*
Soil (Internet), 11(1), p.35 - 49, 2025/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Soil Science)The present study evaluated overall trends of the dry-wet cycle effect on carbon dioxide (CO) release and explored environmental and soil predictors for its effect size among ten Japanese forests and pastureland soils. In the 84-days incubation including three dry-wet cycles, CO
release was 1.3 to 3.7-fold greater than that under the continuously constant moisture condition. This increasing magnitude of CO
release by dry-wet cycles was found to correlate with pyrophosphate extractable aluminum content in soil. Whereas soil microbial biomass carbon was significantly lower in dry-wet cycle than in continuously constant moisture, there was no significant relationship between the microbial biomass decrease and the increasing magnitude of CO
release. Thus, the present study showed that comprehensive increase in soil CO
release by dry-wet cycles is regulated by organo-aluminum complexes which are vulnerable against dry-wet cycles.
高橋 嘉夫*; 山口 瑛子; 蓬田 匠
Treatise on Geochemistry, 3rd edition, Vol.6, p.105 - 150, 2025/00
放射性核種の環境地球化学は、近年の測定技術などの発展に伴い、さまざまな研究対象へ新しいアプローチが展開されている。本レビュー論文では、放射性核種の環境地球化学分野における過去1015年間のいくつかのトピックについて議論した。特に、2011年の福島第一原子力発電所事故で放出された放射性核種の移行に関する研究、X線吸収微細構造分光法の開発と放射性核種の地球化学過程への応用の2つのトピックを中心に取り上げて概説している。
青柳 登; 元川 竜平; 奥村 雅彦; 上田 祐生; 斉藤 拓巳*; 西辻 祥太郎*; 田口 富嗣*; 蓬田 匠; 佐崎 元*; 池田 篤史
Communications Chemistry (Internet), 7, p.128_1 - 128_13, 2024/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)Dissipative structures often appear as an unstable counterpart of ordered structures owing to fluctuations that do not form a homogeneous phase. Even a multiphase mixture may simultaneously undergo one chemical reaction near equilibrium and another one that is far from equilibrium. Here, we observed in real-time crystal seed formation and simultaneous nanocrystal aggregation proceeding from tetravalent cerium complexes to ceria nanoparticles in an acidic aqueous solution and investigated the resultant hierarchical nanoarchitecture. The formed particles exhibited two very different size ranges. The hierarchically assembled structures in solutions were ceria colloids, viz. primary core clusters of crystalline ceria and secondary clusters assembled through surface ions. Such self-assembly is widespread in multi-component complex fluids, paradoxically moderating hierarchical reactions. Stability and instability are not only critical but also complementary for co-optimization around the nearby free energy landscape prior to bifurcation.
蓬田 匠; 大内 和希; 森井 志織; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 駒 義和; 今野 勝弘*
Scientific Reports (Internet), 14, p.14945_1 - 14945_11, 2024/06
被引用回数:1 パーセンタイル:36.75(Multidisciplinary Sciences)福島第一原子力発電所3号機建屋滞留水中の固形分の多数の粒子状物質の中から、核種を含有する微粒子の検出を試みた。
核種濃度の異なる、トーラス室と主蒸気隔離弁室の2か所から採取した試料について分析を行った。大部分の
核種は10
m以上の固形分に存在していた。SEM-EDXを用いる元素分析により、
mサイズのUを主成分とする微粒子を検出した。また、アルファトラック法により検出した粒子では、粒径100
m程度までの鉄粒子上に
核種が分布する様子を観測できた。3号機滞留水中におけるUやその他の
核種の存在形態が明らかになった。
蓬田 匠; 橋本 直; 奥村 拓馬*; 山田 真也*; 竜野 秀行*; 野田 博文*; 早川 亮大*; 岡田 信二*; 高取 沙悠理*; 磯部 忠昭*; et al.
Analyst, 149(10), p.2932 - 2941, 2024/03
被引用回数:1 パーセンタイル:40.01(Chemistry, Analytical)本研究では、ウラン鉱山より採取した黒雲母に含まれるUの分布状態と化学種を分析するため、超電導転移端センサー(TES)をマイクロビーム蛍光X線分光分析時の検出器として用いる手法を開発した。通常のシリコンドリフト検出器(SDD)の約220eVのエネルギー分解能の蛍光X線スペクトルでは、13.615keVのU L線の蛍光X線と13.395keVのRb K
線の蛍光X線を分離することは困難であった。一方、TESを用いることにより13keVのエネルギー領域で50eVのエネルギー分解能が達成され、U L
とRb K
の蛍光X線を完全に分離することができた。このTESを用いたピーク分離により、マイクロ蛍光X線分析における微量Uの正確なマッピング解析と、マイクロX線吸収端近傍構造分光における信号対バックグラウンド比の減少を達成できた。
森井 志織; 蓬田 匠; 浅井 志保*; 大内 和希; 岡 壽崇; 北辻 章浩
KEK Proceedings 2023-2, p.132 - 137, 2023/11
放射性廃棄物処分時の安全評価対象核種であるZr-93分析の簡易化法として、溶液化が困難な固体試料に含まれるZr同位体をレーザーアブレーション(LA)-ICP-MSで分析する固体同位体希釈質量分析法(固体IDMS)を検討した。固体放射性廃棄物を模擬した分析試料(模擬固体試料)に固体状のスパイク(同位体参照固体)を添加して作製したIDMS用試料をLA-ICP-MSにより同位体比測定し、固体IDMSの成立性を調べた。その結果、溶解操作を経ずに模擬固体試料中のZr同位体の定量分析が固体IDMSにより可能であることが実証でき、溶液化が困難な放射性廃棄物中Zr-93の新規分析法として実現できる見込みが得られた。
森井 志織; 蓬田 匠; 浅井 志保*; 大内 和希; 岡 壽崇; 北辻 章浩
分析化学, 72(10.11), p.441 - 448, 2023/10
高レベル放射性廃棄物(HLW)等の処分時の安全評価対象核種のひとつであるZr-93のICP-MS定量分析をより迅速化する手法として、Zrを選択的に固相抽出した試料をそのままレーザーアブレーション(LA)してICP-MSで定量分析する技術開発を行った。DGAレジンにZrのみを吸着させる新規Zr固体試料調製法により、試料調製時間を従来よりも大幅に短縮した。Zr固体試料をLA-ICP-MS測定するための最適なレーザー照射条件を検討した。開発した手法をHLW模擬試料中のZr同位体定量に適用した結果、IDMSにより求めた同位体定量値は試料の元素濃度から求めた含有量と不確かさの範囲で一致したため、実際の放射性廃棄物試料中のZr-93についても同様の手順で定量できる見込みを得た。
Li, W.*; 山田 真也*; 橋本 直; 奥村 拓馬*; 早川 亮大*; 新田 清文*; 関澤 央輝*; 菅 大暉*; 宇留賀 朋哉*; 一戸 悠人*; et al.
Analytica Chimica Acta, 1240, p.340755_1 - 340755_9, 2023/02
被引用回数:10 パーセンタイル:66.73(Chemistry, Analytical)希土類元素は放射性元素であるアクチノイドのアナログ元素としてしばしば利用される。セリウム(Ce)は希土類元素の中でも+3価と+4価の両方をとり得る特別な元素である。環境試料中のCeの+3価と+4価の比を調べる手段としてX線吸収端近傍構造(XANES)が有力であったが、チタン濃度が高いと蛍光X線の干渉のために測定ができないという問題があった。本研究では、L吸収端だけでなくL
吸収端を調べ、さらに新しい検出器であるtransition-edge sensor (TES)を利用することでこれまでは測定が難しかった試料も測定可能にした。この結果は様々な環境試料に応用可能である。
永野 博彦*; 安藤 麻里子; 田中 草太*; 蓬田 匠; 香西 直文; 小嵐 淳
Frontiers in Forests and Global Change (Internet), 6, p.1228053_1 - 1228053_9, 2023/00
被引用回数:3 パーセンタイル:51.05(Ecology)Microbial decomposition of soil organic matter (OM) is crucial in terrestrial carbon cycles; however, analytical approaches to explain the decomposition process in soil have not been completely successful. Forty air-dried soil samples were applied to water extraction and OM analysis. The C and N contents and natural abundances of C and
N exhibited positive correlations between the bulk soil OM and water-extractable OM (WEOM). However, the C/N ratio in WEOM showed values around 10, a value similar to that for microbial biomass. The
C and
N enrichments in WEOM relative to soil OM were negatively and positively correlated, respectively, with the concentrations of organo-mineral complexes and short-range order minerals, which play significant roles in soil OM stabilization in soils. These relationships suggest that the stable isotopic enrichments in WEOM can be a good indicator of the microbial utilization of soil C and N under different substrate availabilities.
蓬田 匠; 秋山 大輔*; 大内 和希; 熊谷 友多; 東 晃太朗*; 北辻 章浩; 桐島 陽*; 河村 直己*; 高橋 嘉夫*
Inorganic Chemistry, 61(50), p.20206 - 20210, 2022/12
被引用回数:7 パーセンタイル:59.79(Chemistry, Inorganic & Nuclear)近年、U(VI)が(IV)に還元される時の中間体や、長期安定性をもつU(V)化合物の特異的な物性に関する研究が注目されている。しかし、U(V)の電子状態を詳細に分析した例は少ない。本研究では、U(V)の化合物のFeUO中のU(V)の電子状態を高エネルギー分解能蛍光検出(HERFD)-X線吸収端微細構造分光法(XANES)によって調べた。X線発光分光器を用いて取得したFeUO
中のUのL
端HERFD-XANESスペクトルから、従来のXANESスペクトルにはないピーク分裂をはじめて観測することができた。理論計算によるXANESスペクトルのシミュレーションの結果、このピーク分裂が良く再現でき、6d軌道の分裂によるものであることが明らかになった。この発見により、環境中で従来検出が困難であったU(V)の検出が容易になると期待され、環境科学をはじめとした幅広い分野での応用が期待される。
富田 涼平; 富田 純平; 蓬田 匠; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ
KEK Proceedings 2022-2, p.108 - 113, 2022/11
ウラン粒子に対するSIMS分析では最初に粒子自動測定(APM)を行う。APMを行うことで試料台上に存在するウラン粒子の個数とその位置や、どの程度の濃縮度であるかを知ることができる。APMは測定範囲350m四方に酸素イオンビームを短時間照射する同位体比測定を座標を移動しながら繰り返すことで試料台全体の様子を網羅していくが、その精度や確度は試料の状態の影響を大きく受ける。そこで、試料の前処理で行っている加熱処理の温度がウラン二次イオンの発生効率やウラン水素化物の生成量、粒子の結晶性等に与える影響を調べ、APMに適した条件を求めた。得られた実験結果を元に試料の状態に応じた粒子分析スキームを作成した。実験により800
Cの加熱処理は350
Cと比較してウラン二次イオンの検出量が33%まで低下し、ウラン水素化物の生成も4倍となる結果が得られた。ラマン分光分析によって800
Cの加熱は結晶性の向上に繋がることがわかったが、二次イオンの発生効率を低下させるような変質が引き起こす悪影響の方が顕著であり、今回の実験では350
Cによる加熱が適した加熱条件であるとわかった。
蓬田 匠; 北辻 章浩; 宮本 ユタカ
KEK Proceedings 2022-2, p.148 - 153, 2022/11
保障措置分析化学研究グループでは現在、顕微ラマン分光法を用いて、原子力施設で採取された環境試料中に含まれる、ウラン微粒子の化学状態を分析する手法の開発を行っている。環境中では、長期間の空気曝露によってウラン粒子本来の化学形が一部で変化する可能性があり、粒子全体を分析する手法の開発が必要である。本発表では、大気雰囲気下で長期間保存された二酸化ウランをモデル化合物として分析を行った。顕微ラマンマッピングによって微粒子表面の化学状態を分析したところ、二酸化ウランの他、局所的に過酸化ウランが存在していた。そのため、粒子中心部を分析する点分析では、570cmや1150cm
付近のUO
の構造に由来するラマンピークが観測されない場合があった。一方、ラマンマッピングによって粒子全体のラマンスペクトルを得て平均化する面分析では、同じ粒子から570cm
や1150cm
付近のUO
の構造に由来するラマンピークを観測できたため、ラマンマッピング分析が微粒子全体の化学状態を分析する手法として有効であることを実証した。
蓬田 匠; 大内 和希; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 駒 義和; 今野 勝弘*
Scientific Reports (Internet), 12(1), p.7191_1 - 7191_10, 2022/05
被引用回数:9 パーセンタイル:56.94(Multidisciplinary Sciences)福島第一原子力発電所2号機トーラス室滞留水に含まれる線放出核種の存在形態を、走査型電子顕微鏡X線検出(SEM-EDX)やアルファトラック法により分析した。SEM-EDXによる観察の結果、Uを主成分とするサブ
m
数
mサイズの粒子を複数同定できた。これらの粒子はZrなどの燃料被覆管や構造材を構成する元素を含んでいる。また、同じ粒径フラクションの固形分に含まれるU同位体比(235/238)は、原子炉燃料のそれと一致した。このことから、U粒子は原子炉に由来し、これが微細化したものであることを示している。アルファトラック分析により同定した
核種含有粒子は、粒径数10
m
~数100
mのサイズであり、SEM-EDXの元素分析の結果、鉄を主成分としていた。
核種の物質量は極わずかであることから、Pu, Am, Cm等が鉄粒子上に付着する形態であると考えられる。分析した滞留水中の固形分試料では、Uと他の
核種の存在形態が異なる場合があることが明らかになった。
佐伯 盛久*; 松村 大樹; 中西 隆造*; 蓬田 匠; 辻 卓也; 齋藤 寛之*; 大場 弘則*
Journal of Physical Chemistry C, 126(12), p.5607 - 5616, 2022/03
被引用回数:2 パーセンタイル:12.90(Chemistry, Physical)パルス紫外線レーザー照射によって引き起こされるRhイオン錯体のRh
種への直接光還元反応機構を、分散型X線吸収微細構造(DXAFS)分光法によって調べた。時間分解X線吸収端近傍構造(XANES)には等吸収点がなく、Rh
の直接光還元に2種類以上のRh
が寄与することを示した。時間分解XANESデータの特異値解析から、直接光還元には3つのRh
種が関与することが示唆された。時間分解XANESデータを、交互最小二乗法による多変量解析(MCR-ALS)により解析したところ、3つのRh
種の純粋なスペクトルと濃度プロファイルが得られた。Rh
種は、3つのXANESスペクトルの特徴から、Rh
, Rh
, Rh
種に分類できた。得られた濃度プロファイルから、Rhの直接光還元はRh
Rh
Rh
の順で進行することが示唆され、Rh
とRh
の光還元、Rh
とRh
の光による自己触媒的還元、Rh
の光酸化による反応機構により、3種のRh
の濃度プロファイルがよく再現できることが示された。
蓬田 匠; 佐伯 盛久*; 森井 志織; 大場 弘則*; 北辻 章浩
Analytical Sciences, 37(12), p.1843 - 1846, 2021/12
被引用回数:1 パーセンタイル:3.83(Chemistry, Analytical)高レベル放射性廃液(HLLW)中に含まれる長寿命核種であるPdの存在量を知ることは、HLLWの処分安全評価の観点から重要である。我々は、HLLW等に含まれる
Pdの定量のために、キセノンランプの光照射による簡易で単ステップのPd沈殿分離法を開発した。14元素を含む模擬HLLW試料に、キセノンランプによる光照射を行い、遠心分離によって生成したPd沈殿を回収した。光照射時の照射時間とエタノール濃度の最適化を行った結果、模擬HLLWからのPd回収率は50%に達し、他の13元素は99.5%以上除去された。Pd沈殿中には、HLLW中での主要な放射能源(Sr, Cs, Ba)や、
Pdの定量分析の際に測定妨害となる元素(Zr, Ru)が含まれておらず、開発した分離法は実際のHLLWなどへ適用可能であることが示された。
富田 涼平; 富田 純平; 蓬田 匠; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ
KEK Proceedings 2021-2, p.146 - 150, 2021/12
大型二次イオン質量分析装置(LG-SIMS)を使用したウラン粒子のスクリーニング測定(APM)は広い測定領域に複数の粒子を収め、測定範囲内に存在する個々の粒子の座標と同位体組成の情報を得る連続測定である。特に高濃縮の粒子を含むAPMではウラン粒子表面の水素化物生成比が高い場合にU$測定値$=
U
H+
U$真値$となる影響を受けて
Uの存在率が見かけ上高くなる。APMでは個々の粒子から得られる二次イオンが少ないため正確な水素化物補正ができず、この影響でウラン全体に対する
Uの存在率が見かけ上低下する問題が起きる。そこでAPMの測定前に一定時間だけイオンビームを照射することでウラン粒子表面の水素化物生成比の低減を試みた。また、粒子表面を十分にスパッタしやすいマニピュレーション-APM(APM-mani)についても実験を行い、水素化物を効果的に低減できるスクリーニング条件を検討した。