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廣木 成治; 阿部 哲也; 井口 昌司*; 山田 浩一*; 高山 勝*; 村上 義夫
真空, 38(3), p.291 - 294, 1995/00
核融合炉環境のように高放射線場において使用可能な真空ポンプを開発するため、セラミック被覆電線を用いたターボ分子ポンプ用モータを試作した。モータのコイル用電線は普通、高速回転の巻線機にかけられるため、その絶縁層には過酷な曲げの力や引張り力が加わっても剥離しないこと、適当な滑りを有すること等の特性が要求される。この特性を満たすため、セラミック被覆電線はセラミックスと有機物の多層構造となっており、巻線後にコイルを焼成し、一体化する。試作したモータの大気中回転試験では、固定子コイルの絶縁に有機物を使用した従来品とほぼ同等の性能が得られた。
廣木 成治; 金子 一彦*; 阿部 哲也; 村上 義夫
真空, 38(2), p.74 - 79, 1995/00
四極子質量分析計においては、四極子電極の両端に発生する端電界が感度や分解能に影響を及ぼすと考えられる。そこで本実験では、端電界長をxyzマニピュレータを用いて変化させ、四極子質量分析計の感度やピーク波形に与える影響を調べた。実験に利用したイオン種は、He、Ar、Ar、Xe、Xeである。入口側端電界長を増加させていった場合、Heを除く4種類のイオンはある端電界長の領域で感度が増していった。これに対して出口側端電界長を増やしていくと、5種類のイオンとも感度が単調に減少した。これらの実験結果は、1次近似による端電界を含むイオン起動解析の結果と定性的に一致した。
三代 康彦; 荻原 徳男; 西堂 雅博; 林 尚樹*; 鶴田 浩一*
真空, 38(3), p.274 - 277, 1995/00
Spindt型冷陰極電子源(素子)は電子放出の際ほとんど発熱しない。これを従来の熱陰極電子源に代わり真空計測に用いた場合、周辺部材からの放出ガスを少なくできる。ところが、素子から電流を引き出す時少量ながら放出ガスが存在することが分かった。超高真空では極力放出ガスを減らす必要がある。そこで放出ガスを減らすため素子に熱処理を施した。試験方法は(1)赤外線加熱炉を用いて特定の温度で素子に熱処理を加える。(2)素子から電流を引き出し四重極質量分析計にて分圧を測定する。電流引き出しによって、H、CH、HO、F、CO、COが放出されることが分かった。素子に400Cの熱処理を加えることでガス放出がおさえられることが確認できた。但し、熱処理については取扱いによって、寿命に大きな差が出る。以上、本素子を用いて真空計測を行うことが可能であることが確かめられた。