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石坂 知久; 上松 敬; 百合 庸介; 湯山 貴裕; 石堀 郁夫; 奥村 進
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.642 - 644, 2010/08
原子力機構のサイクロトロンでは、ビーム調整や各種実験で数個/秒から数Aまでの広範囲なビーム強度制御が要求されているため、ビーム強度を減衰させるためのアッテネータ(以下、ATT)が設置されている。ATTは多数の穴が等間隔に配置された複数の金属板から成り、これらの幾つかを入射系のビームに挿入することにより、ビームサイズやエミッタンスを変えずに、また、サイクロトロンや輸送系のパラメータを調整せずに素早くビーム強度を減衰させる。開口率が1/2, 10
, 10
, 10
のメッシュを複数枚組合せることにより、原理的には1/2
5
10
のビーム強度減衰が可能である。しかし、実際には組合せによって減衰率が開口率の積と大きく異なったり、ビーム形状及び強度分布が変化する事象が発生した。そこで、ATTの設置箇所を1箇所から2箇所に増やすことでメッシュ間の距離を延長するとともに、穴径と穴間隔を従来の1/10にする改良を行った。その結果、減衰率が開口率の積に近づき、ビーム形状等の変化も低減した。
吉田 健一; 奈良 孝幸; 石堀 郁夫; 倉島 俊; 湯山 貴裕; 石坂 知久; 上松 敬; 宇野 定則; 千葉 敦也; 山田 圭介; et al.
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.23 - 26, 2010/08
原子力機構のイオン照射研究施設TIARAが有する各加速器の2009年度の運転状況と近年の技術開発の概要を報告する。2009年度はいずれの加速器においても大きなトラブルはなく、サイクロトロン:3148時間,タンデム加速器:2100時間,シングルエンド加速器:2416時間,イオン注入装置:1866時間の運転を行った。技術開発については、サイクロトロンのビーム引き出し効率の向上等を図るため、加速周波数を上下にスキャンしたときの引き出し前のビーム電流の変化からビームの加速位相を算出し、その結果をもとに中心領域の磁場分布を調整することでビームの加速位相を制御する方法を開発した。またタンデム加速器では、負イオンの荷電変換効率を高めるために重要なパラメータであるガスセル内のガス圧力を加速管の出口後の真空度から算出する方法を確立した。イオン注入装置では、フラーレンビーム形状を正確に測定するためのマルチファラデーカップを開発した。
小林 鉄也; 池上 雅紀*
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.696 - 698, 2010/08
J-PARCではリニアックの400MeVへのエネルギー増強計画が進められている。加速周波数972MHzのACS(Annular Coupled Structure)空洞を21台追加することで400MeVまで加速する。ACS用の低電力高周波(LLRF)制御システムにおいてこれまでの324MHzのシステムとは大きく異なる点として、周波数以外にチョップドビーム負荷補償がある。チョップドビームとは、マクロパルスビーム(幅500us)を、RCS入射の同期のため、さらに上流のRFチョッパーにより約0.5MHz又は1MHzでチョップ(櫛形に形成)されたビームであり、中間パルスとも呼ばれる。324MHzの空洞と比べACS空洞ではQ値が小さいため、計算上このチョップドパルス構造がビーム負荷として加速電界の変動に大きく現れると予想される。そこで、その振幅・位相に対する要求安定性を十分に満たすためには、チョップドパルスに対するビーム負荷補償機能がLLRF制御に必要となる。このための機能は既に追加され模擬試験による評価を以前に報告した。今回は初めて実際にビームによるチョップドパルス負荷賞試験を行い、その有効性をはっきりと確認できた。その結果について報告する。
小林 鉄也
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.1082 - 1084, 2010/08
J-PARCリニアックの400MeV増強のため、加速周波数972MHzのACS(Annular Coupled Structure)空洞が21台追加される。これらの加速電界制御では、これまでのRFシステムと比べ周波数が3倍高いうえにACS空洞の構造は複雑で負荷Q値が8000程度と低い(DTLは約20000)ため、FB制御が324MHzのRFシステムより厳しい条件となる。特に最下流のデンバチャー(RCS入射ビーム調整用ACS空洞)では、装置や建屋の都合により空洞とクライストロンが110m以上程離れて設置されることとなり、FBループ遅延も通常の約3倍となる。本稿では、ACS空洞の高周波FB制御の特性について改めて長いループ遅延を含めたRFパルス制御のシミュレーションをし、その特性評価を行った。その結果、PI制御の比例係数は十分でないが積分係数を大きくすることで要求される安定性を確保できることが確認できた。
畠山 衆一郎; Saha, P. K.; 吉本 政弘; 山本 風海; 林 直樹; 佐藤 健一郎*
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.1013 - 1015, 2010/08
J-PARC(Japan Proton Accelerator Research Complex)ではLINACで加速された負水素イオン(H-)は、RCS(Rapid Cycling Synchrotron)に入射する前に荷電変換フォイルによって陽子(H)に変換される。約99.7%のH-が第1荷電変換フォイルで2つの電子を剥ぎ取られる。残りのH0とH
は第2,第3荷電変換フォイルでH
に変換されH0ダンプに捨てられる。H0ダンプに流れ込むビーム電流をモニターすることで加速器の供用運転中の安定したビーム供給のために有益な情報を得ることができる。本稿ではH0ダンプビームラインのビーム電流を見積もるためのオンラインモニターの方法を述べる。
畠山 衆一郎; 外山 毅*; 手島 昌己*
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.631 - 633, 2010/08
J-PARCのMR(Main Ring)は2008年からビームコミッショニングが始まり、現在第1期の設計目標の約1/10の40kW-70kWで定常運転を行っている。ビーム強度増大のハードルの一つは、入射直後のビームロスである。その原因の一つはRCSの出射機器及びMR入射機器の偏向角度の誤差で、それを監視するために横方向の入射エラーを常時モニターすることが要求された。横方向の入射エラーは入射直後のビームバンチの位置情報から計算される。この目的のためにBPMの波形測定のための専用のデジタイザーを新たに用意した。このデジタイザーを用いて入射時のベータトロンチューンの常時モニターも行った。ベータトロンチューンは入射から93ターンまでの短いレンジのバンチ位置を求め高速フーリエ変換を行うことにより3.52秒周期の定常運転でのモニターを可能にした。バンチ位置を求める際、波形に乗るノイズを取り除くためにデジタルハイパスフィルタを使うなどの工夫を行った。
永井 良治; 西森 信行; 羽島 良一; 武藤 俊哉*; 山本 将博*; 宮島 司*; 本田 洋介*; 飯島 北斗*; 栗木 雅夫*; 桑原 真人*; et al.
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.806 - 808, 2010/08
ERLを基盤とした次世代光源のために設計された500kV, 10mA光陰極電子銃を原子力機構,高エネルギー加速器研究機構,広島大学,名古屋大学の共同研究により開発した。われわれはサポートロッドから放出される電子によるセラミック管の損傷を防ぐために、分割型セラミック管とガードリングを採用した。その電子銃において550kVまでの高電圧コンディショニングと加速電圧500kVでの8時間無放電保持に成功した。加速電極,ビームラインの組み立てが現在行われており、まもなくビーム試験が開始される。
三浦 昭彦; 小林 鉄也; 長谷川 和男; 佐甲 博之; 池上 雅紀*
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.939 - 941, 2010/08
J-PARCでは、500s程度の時間幅を持ったマクロパスルビームをLINACで加速し、下流のRCS加速器(1MHz程度)に入射するために、LINAC上流のMEBT区間に設置したRFチョッパ空洞を用いて、数百ns幅で、RCSのRFの位相に同期した周期を持つ中間バンチ構造(櫛状構造)を形成する。この櫛状構造の「谷」部分に残留するビームは、下流施設に輸送される前にビームロスを引き起こす可能性があり、このビームロスを小さくするために、RFチョッパ空洞の下流(SDTL部)に設置してあるワイヤースキャナモニタを用いたチューニング方法を提案し、ビームコミッショニングに採用した。本報では、ここで採用したチューニング方法及びコミッショニングにて得られたデータ類を紹介するとともに、RFQのタンクレベルを変えた場合のトレランスの変化について報告する。
菅沼 和明; 渡辺 真朗; 竹田 修; 金正 倫計
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.972 - 974, 2010/08
高電圧同軸ケーブル用コネクタの絶縁破壊と対策に関する報告である。2010年3月に高電圧同軸ケーブルのコネクタ部でポリエチレン絶縁層が絶縁破壊した。コネクタを目視点検したところ、すべてのケーブルで、ポリエチレン絶縁層の表面に傷が多く確認された。傷は放電によると思われる。放電を抑制するコネクタを検討した。結果、半導電層端部を高誘電率材で覆うことで電界の集中を抑えた。
川瀬 雅人; 吉本 政弘; 竹田 修; 金正 倫計
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.1065 - 1067, 2010/08
RCS荷電変換装置は、荷電変換膜の交換,入射位置移動等の処理を自動・遠隔操作で行う装置である。本装置は、真空システムと駆動システムを組合せたシステムであり、両システムを一元管理しかつ安全性及び安定性が担保された総合制御システムが必要となる。ハードウェア及びソフトウェアの両面で制御系全体の見直しが必要となった。本装置は、真空システムはPLCで、駆動システムはMCUで制御している。各々のシステムはそれぞれ独立のシーケンスで動作しており同時に両システムを管理するためのWorkstationを別途設置しているが、装置の構成上Workstationの管理アルゴリズムは非常に複雑になる。リミットスイッチの増強によるハードウェアの改造を行うと同時に、各々のシーケンスを適切に管理し、同期のあるシーケンス処理ができるようWorkstation内のアルゴリズムを全面的に見直しを行いPLCとMCUの全情報を管理し、操作性,安全性,安定性を向上させたソフトウェアを新たに開発した。本報告は、本装置の制御システムの見直しとソフトウェアの再設計について述べる。
宮脇 信正; 奥村 進; 湯山 貴裕; 石坂 知久; 倉島 俊; 柏木 啓次; 吉田 健一; 石堀 郁夫; 百合 庸介; 奈良 孝幸; et al.
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.975 - 978, 2010/08
原子力機構AVFサイクロトロンでは、材料・バイオ研究利用が主流であるため、同じビームでの照射時間が短く、ビーム切換が高頻度のため、ビーム切換時間、つまりサイクロトロンの運転条件変更時間の占める割合が大きい。マシンの利用効率を向上するために、このビーム切換時間の短縮を目指しているが、この時間の大半は、磁場の立ち上げに費やされている。減衰振動型励磁方法を用いた迅速な主磁場立ち上げを行うことで、従来よりも短時間で磁場を立ち上げることが可能となった。
島田 太平; 山本 昌亘; 野村 昌弘; Schnase, A.; 田村 文彦; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 戸田 信*; 鈴木 寛光; et al.
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.549 - 551, 2010/08
J-PARC RCSの高周波加速部のビームパイプは、1MWのビームをロスさせることなく通過させるために、内直径247mmと大変大きい。したがって、金属磁性体(MA)コアのハイパワー試験において、試験用空胴の分解と再組み立ては大変な作業となる。実機用のビームパイプはセラミック絶縁部を有する大変高価かつ納期のかかるものなので、試験中に傷を付けたり放電させたりして壊してしまうことは避けなければならない。そこで、実機用と同等の機能を有する軽量かつ安価な試験用パイプを開発した。さらに、空胴に高周波電力を導入するための銅部品を再設計し、空胴の分解と組み立てに要する時間を短縮した。その結果、J-PARCの高出力化によって起こりうる高放射線環境化での空胴回りの作業時間を短縮し、高出力化を律する要因の一つを除外した。
沢村 勝; 永井 良治; 西森 信行; 羽島 良一; 早川 岳人; 静間 俊行
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.868 - 870, 2010/08
われわれは、エネルギー回収型リニアックとレーザーを組合せたレーザーコンプトン散乱を用いた核物質の非破壊検査法を提案している。このシステムを再処理工場内の建屋に設置する場合、加速空洞を小さくすることが重要である。スパーク型空洞は楕円型空洞と比較して、われわれのシステムに用いる場合、多くの利点がある。3次元電磁場シミュレーションコードMAFIAを用いてスポーク型空洞の形状を最適化する設計計算を開始した。
伊藤 崇; 南茂 今朝雄*
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.555 - 557, 2010/08
J-PARCリニアック部を構成するドリフトチューブ型リニアック(DTL)は、負水素ビームを3MeVから50MeVまで加速する。このときのビームの収束はドリフトチューブ(DT)に内蔵した四重極電磁石(DTQ)によって行う。DTQには最大で600Aの直流電流を流す。その発熱は大きく、冷却はコイルを形成するホローコンダクターの内部に冷却水を流すことにより行う。冷却水漏れによる極度の流量低下はDTQあるいはDTの故障・損傷につながるため、149系統あるすべてのDTQへの冷却水流路には流量計が取り付けられている。2009年夏に行われたメンテナンス以降、DTQ用流量計のインターロックが発報するという状況が頻繁に発生した。流量を規定値に調整しても早い時は数日後に再び発報するという状態で、ビーム加速のスケジュールにも影響を及ぼす状況となった。原因究明とともに行ってきた流量低下に対する対策が功を奏し、約一か月間に渡るビーム加速期間中にDTQ用流量計からのインターロック発報が発生することはなくなった。本稿では、この一年間に行ってきた冷却水流量低下に対する原因究明とその対策について詳述する。
J-PARCセンター加速器ディビジョン
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.8 - 11, 2010/08
J-PARCの加速器の最近の1年の運転状況について報告する。RFQ Linacの放電問題は着実に改善し、MLF利用運転に対しては、120kWビームを安定に供給してきた。加速器としては300kW超の供給は可能であるが、中性子発生用ターゲット系の安定かつ確実な動作という観点から出力を抑えている。MRの速い取り出しでは調整を続けながらニュートリノ実験の利用運転を開始した。遅い取り出しによるハドロン実験は取り出し系やビーム・ラインの調整と建設を進めながら、データ取得システムの調整を行っている。
Fang, Z.*; 道園 真一郎*; 穴見 昌三*; 山口 誠哉*; 内藤 富士雄*; 福井 佑治*; 小林 鉄也; 鈴木 浩幸; 千代 悦司; 篠崎 信一
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.1068 - 1070, 2010/08
J-PARCリニアックはあと2年のうちに181MeV加速から400MeV加速へと増強される。本リニアックの低電力高周波(LLRF)制御システム(FPGAを用いたデジタル制御)において、400MeV加速に向けて、新しく多くの機能をLLRF制御システムに追加した。例えば、(1)324MHz(181MeV加速)と972MHz(400MeV加速)の両方の周波数に対応,(2)パルス先頭におけるフィードバックゲインの緩やかな立ち上げ,(3)チョップドビーム負荷補償の追加,(4)ビーム供給先変更によるビーム負荷補償のパルスごとの切り替え,(5)空洞立ち上げにおける入力RF周波数の自動チューニング,(6)空洞チューナー制御における離調度取得方法の改善(入出力位相差測定をパルス減衰波形による測定に変更)などである。
青 寛幸; 浅野 博之; 大内 伸夫; 坪田 直明; 長谷川 和男; 平野 耕一郎; 森下 卓俊; 高田 耕治*; 内藤 富士雄*; 山崎 良成
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.552 - 554, 2010/08
平成20年3月よりJ-PARC LINACのエネルギー増強が始まり、本計画ではAnnular Coupled Structure(ACS)空洞20台を製作する。ACS空洞では組立前に機械加工により共振周波数を調整する。この調整のためのデータ取得を目的として、試作セル(寸法決定用セル)を製作した。この結果をもとに量産寸法の決定,周波数調整を行い、完了した5台分については目標値(971.930.05MHz)の範囲内に調整することができた。現在、ロウ付け、全体組立を進めており、平成22年秋には量産の1号機が完成する予定である。
篠江 憲治*; 阪井 寛志*; 梅森 健成*; 沢村 勝; 中村 典雄*; 古屋 貴章*
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.511 - 513, 2010/08
ERL超伝導主加速器のための入力カップラーの開発を開始した。入力カップラーの構成要素であるセラミック窓やベローズを製作し、30kW出力のIOTを用いた大出力試験を行った。この試験で突然の熱負荷のためセラミック窓が損傷したが、これは予期していなかった双極モードの励起によることがわかった。セラミック窓を新しく製作し、27kWまでの大出力試験に成功した。
小栗 英知; 池上 清*; 大越 清紀; 滑川 裕矢; 上野 彰
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.829 - 831, 2010/08
J-PARCで稼働中の負水素イオン源は、2006年11月に加速器へのビーム供給を開始してから約3年半が経過している。運転開始初期はフィラメント断線など加速器の稼働率に影響を及ぼす重故障が数回発生したが、ここ1年間は重故障の発生はなく安定に動作している。現在、加速器のビームRUNは約1か月単位で行われ、各RUNでのイオン源の稼動時間は600時間程度である。現用のイオン源は最高36mAのビーム電流を引き出す性能を有しているが、現在はRFQの放電対策のために16mA以下で稼動している。各RUN終了後は、イオン源の定期メンテナンスを実施しており、フィラメントなどおもにプラズマ生成部品の交換を行っている。運転開始初期はメンテナンスに約3日間を要していたが、最近、加速器のさらなる稼働率アップの要求が高まっているため、メンテナンス時間の短縮が現用イオン源の大きな課題となっている。現在、フィラメントベーキング装置の整備や部品交換作業の効率化により、メンテナンス時間は当初の半分程度まで短縮できている。また、交換部品のユニット化等でさらなる時間短縮を図ることも計画している。
野村 昌弘; 田村 文彦; Schnase, A.; 山本 昌亘; 長谷川 豪志*; 島田 太平; 原 圭吾*; 戸田 信*; 大森 千広*; 吉井 正人*
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.877 - 879, 2010/08
J-PARCシンクロトン(RCS, MR)RF空胴では、高い加速電圧を達成するために、通常用いられているフェライトコアの代わりに金属磁性体コアを採用している。コアの状態を知るために、シャットダウン期間にはRF空胴のインピーダンス測定を定期的に行ってきた。その結果、RCS及びMRでそれぞれ別の要因でインピーダンスの低下が観測された。RCSとMRの金属磁性体コアの一番の違いは、RCSがアンカットコアを採用しているのに対し、MRではカットコアを採用している点である。本論文では、RCS, MRそれぞれのインピーダンス測定結果、インピーダンス低下の原因及び対策について述べる。