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岸 敏明; 市村 茂樹; 木名瀬 政美; 和田 茂
JAEA-Conf 2008-010, p.146 - 158, 2008/12
研究炉加速器管理部では、JRR-3, JRR-4及びNSRRの3つの研究炉を運転している。JRR-3は、2007年度は、180日の運転を行った。中性子ベンダーシステムを改良し、冷中性子ビームラインに設置した。この装置は、約0.3mの短距離で最大20度にビームを分岐でき、1本の中性子ビームを3つに分岐して利用できるようにした。また、従来の装置の10倍の強度を得られた。JRR-4は、2007年度は、93日の運転を行った。医療照射を25回実施した。黒鉛反射体の伸びによるトラブルにより、2007年12月より、原子炉は停止中である。来年の6月に再開の予定である。NSRRは、反応度事故時条件下での核燃料のふるまいを研究するためのものである。最近の研究では、高燃焼度及びMOX燃料のふるまいに関する研究が行われている。現在、最大71GWd/tの高燃焼度燃料の実験が行われている。これらの照射設備の現状について、報告を行う。
田口 剛俊; 相沢 静男; 塙 善雄; 北岸 茂; 土谷 邦彦
JAEA-Conf 2008-010, p.343 - 352, 2008/12
ベリリウムは、中性子吸収断面積が小さく、散乱断面積が大きいため、試験研究炉用の中性子反射体及び減速材として利用されている。JMTRに用いられているベリリウム枠は、中性子照射によりベリリウム内にトリチウム及びヘリウムボイドが発生することにより変形するため、一定期間ごとに交換する必要があり、JMTRの初臨界からこれまでの約40年間に5回の交換が行われる。現在、約2トンの使用済のベリリウム枠がJMTRのカナル内に保管されている。このため、ベリリウム枠の長寿命化のための開発の一環として、JMTRにおいて2種類の金属ベリリウム(S-200F及びS-65C)の予備照射試験を行った。本セミナーでは、照射キャプセルの設計・製作、インナキャプセル中のトリチウムを除去するための開封装置及び照射後の曲りを測定するための高精度寸法測定装置の開発、照射済試料の照射後試験結果について発表する。
小野澤 淳; 原田 晃男; 本田 順一; 仲田 祐仁; 金沢 浩之; 佐川 民雄
JAEA-Conf 2008-010, p.325 - 332, 2008/12
反射電子像の画像解析による被覆管の水素濃度測定手法(BEI法)は、スタズビック社により開発された照射後試験技術である。当該技術は被覆管中に析出した水素化物の反射電子像を撮影し、得られた像中の水素化物の面積率を画像解析にて計測することにより水素濃度を算出する手法であり、被覆管中の局所的な水素濃度を測定するのに非常に適した水素濃度測定法である。燃料試験施設では、このBEI法の試料調製法と画像解析法に改良を加え、より精度の高い「改良BEI法」を開発した。前回のJoint Seminarで既報の未照射被覆管を用いた確認試験において、改良BEI法と高温抽出法それぞれによって得られた水素濃度は良好な一致を示し、改良BEI法の信頼性の高さを確認することができた。今回はこの改良BEI法を用いて、照射済被覆管の軸方向及び半径方向の水素濃度分布測定を行った。その結果、改良BEIは他の水素濃度測定手法と比較し、局所水素濃度をより詳細に分析できることが確認できた。
柴田 晃; 近江 正男; 中川 哲也
JAEA-Conf 2008-010, p.54 - 66, 2008/12
材料試験炉に付随するホットラボ(JMTR-HL)はおもにJMTRで照射された試料を試験するために1971年に建設された。JMTR-HLは原子力燃料及び材料の研究開発のために3ラインのベータセルを有する。JMTR-HLはホットセルとJMTRが水カナルで接続されているという利点を有しており、これにより照射済みキャプセルや試験片を容易に輸送することができる。1971年よりJMTR-HLでは約2,400本の照射済みキャプセルが取り扱われ、種々の照射後試験(PIEs)が広く実施されている。本発表ではこのホットラボの概況,現在の組織,照射後試験の現状、及び100GWD/tを超える高燃焼度燃料の取り扱いのための施設変更計画について述べる。
田口 剛俊; 稲葉 良知; 川又 一夫; 中川 哲也; 土谷 邦彦
JAEA-Conf 2008-010, p.193 - 202, 2008/12
JMTRホットラボは、JMTRと直接カナルと繋がっているため、短い時間で効率的に照射された照射キャプセルをJMTRホットラボに移動できる。照射試験及び照射後試験技術開発の一環として、(1)FPガス圧力計・中心温度測定用熱電対を計装する再計装技術,(2)照射済の材料試料をキャプセルに封入して再度照射を行うための組立て技術,(3)特殊照射キャプセルのための異種接合材の開発,(4)照射済材料の溶接及び試験片加工技術などのさまざまな溶接技術開発を行った。本発表では、これらの溶接技術や開発中の照射後試験を紹介する。
飯村 光一; 細川 甚作; 出雲 寛互; 堀 直彦; 中川 哲也; 菅野 勝; 河村 弘
JAEA-Conf 2008-010, p.251 - 258, 2008/12
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターでは、2011年度に材料試験炉(JMTR)を再稼働させる予定で改修計画が進められている。再稼働後におけるJMTRの有効利用の一環として、放射性医薬品として核医学の分野で最も多く用いられているテクネチウム-99m(Tc)の親核種であるモリブデン-99(Mo)の製造が計画されている。Moは、その供給をすべて輸入に依存している状況にあることから、産業界と共同でMoの一部国産化を目指すものである。本報告書では、Moの製造に必要な照射装置の選定,構成及び照射後工程において製品化のために必要な装置等の技術的な検討並びに製造にかかわるコスト面の検討結果について述べる。
稲葉 良知; 井上 修一; 出雲 寛互; 北岸 茂; 土谷 邦彦; 斎藤 隆; 石塚 悦男
JAEA-Conf 2008-010, p.30 - 41, 2008/12
JMTRの再稼働時に利用できる新しい照射技術の開発を行うため、照射試験炉センター照射試験開発課が組織された。照射試験開発課では、新しい照射技術の開発を進めるために、旧RI棟を改修し2008年9月からの供用開始を目指して照射試験開発棟の整備を行った。照射技術開発に関しては、その場計測技術(高温用多対式熱電対,セラミックセンサー,光計測技術),Mo溶液照射法によるMoの製造技術,ベリリウム反射体のリサイクル技術等の開発を計画している。これらの技術開発は、国内だけでなくアジア各国の若い技術者の教育やトレーニングにも貢献できるものである。本セミナーでは、新しい照射技術開発の現状として、新たに整備した照射試験開発棟,高温用多対式熱電対,光計測技術及びベリリウム反射体のリサイクル技術について紹介する。
竹本 紀之; 塙 善雄; 五来 滋; 深作 秋富; 宮澤 正孝; 新見 素二
JAEA-Conf 2008-010, p.97 - 105, 2008/12
原子力機構は、JMTRを原子力の基盤技術を支える原子炉と位置づけ、2011年度から再稼働することを目指し、2007年度から改修に着手することを決定した。そこで、2007年度から4年間で原子炉機器の更新を実施し、2011年度から再稼動させるために原子炉機器の更新計画を策定し、現在、改修工事を実施している。本報では、継続使用する機器の選定基準及びその概要についてまとめるとともに、更新工事の工程の基本的な考え方についてまとめた。
稲葉 良知; 石川 幸治*; 石田 卓也; 蓼沼 克嘉*; 石塚 悦男
JAEA-Conf 2008-010, p.259 - 267, 2008/12
医療診断用Tcは、世界中で利用されており、その需要は年々高まっている。日本において、Tcの親核種であるMoは全量輸入に頼っているが、輸送や製造炉のトラブルによって輸入が停止した経験から国内での生産が指摘されるようになった。このため、JMTRにおいても固体Mo化合物を照射してMoを製造する計画が進められている。しかし、ラビット照射設備を利用して固体Mo化合物を照射する場合は照射体積が小さいことから、国内の需要をまかなうことは困難である。Moの製造量を増やすため、新しい製造方法としてモリブデン水溶液を照射ターゲットとした溶液照射法を提案した。溶液照射法は、モリブデン水溶液を循環させながら照射する方法で、キャプセルを利用するため照射体積を大きくとれること、既存の方法より簡便に低コストでMoを製造できること等の特長がある。このため、溶液照射法の実用化を目指して、モリブデン水溶液の未照射試験及び線照射試験を行った。本セミナーでは、水溶液の化学的安定性や構造材との両立性について報告する。
田中 康介; 廣沢 孝志; 大林 弘; 小山 真一; 吉持 宏; 田中 健哉
JAEA-Conf 2008-010, p.288 - 296, 2008/12
MOX燃料の照射挙動に及ぼすAm添加の影響を調査するため、原子力機構ではAm-1照射試験を実施している。本報では、短期(10分間及び24時間)照射したAm-MOX燃料においてこれまでに得られた燃料組織観察結果及びEPMAによる元素分布測定結果について報告する。
佐々木 新治; 阿部 和幸; 永峯 剛
JAEA-Conf 2008-010, p.362 - 371, 2008/12
FBR燃料集合体ラッパ管の変形を測定するため、革新的な技術を開発し、原子力機構大洗のFMFにあるホットセルに設置した。この装置の性能を確認するために、高速実験炉「常陽」で照射された高燃焼度集合体のラッパ管を測定した。これまで使用していた装置では、対面間寸法は3点だけを軸方向に沿って測定していた。一方、開発した技術による装置はラッパ管の外表面の対面間寸法を横方向に沿って連続的に測定する。この技術を用いて、ラッパ管の変形の詳細な分析ができるようになった。
河村 弘; 新見 素二; 石原 正博; 宮澤 正孝; 堀 直彦; 長尾 美春
no journal, ,
原子力機構の材料試験炉(JMTR)は1968年3月に臨界に達した軽水冷却タンク型の原子炉である。JMTRは軽水炉,HTGR,核融合炉のための燃料及び材料の照射試験とRIの製造を行ってきた。JMTRとホットラボ施設がカナルによって接続されており、再照射試験や照射試料の輸送が簡便に行えるようになっている。JMTRは改修を行うため2006年8月に運転を停止した。原子炉施設は2007年度から4年間かけて改修や健全性の調査を行う予定であり、計画通り進んでいる。JMTRの再稼動は2011年度を予定しており、約20年間(2030年頃まで)運転する予定である。より高い稼働率,早く照射結果が得られるようにターンアラウンドタイムの短縮,魅力的な照射費用,企業秘密の堅持などJMTRの利用性の向上を目指し再稼動のための検討を行っている。
堀 直彦; 出雲 寛互; 菅野 勝; 中川 哲也; 河村 弘
no journal, ,
原子力機構大洗研究開発センターでは2011年度の再稼動を目指して材料試験炉(JMTR)の改修が行われている。これまでJMTRでは医療用線源や非破壊検査用の工業用線源であるイリジウム(Ir-192)の照射を行ってきた。再稼動後のJMTRにおける産業利用の拡大の一つとしてテクネチウム(Tc-99m)の親核種であるモリブデン(Mo-99)の製造を検討している。Tc-99mは核医学界で最も利用されている放射性医薬品でガンの診断等に利用されている。これらのほかのRI、例えば、ガンの治療薬と考えられているレニウム-188(Re-188)などについても考慮していく。
塙 悟史; 扇柳 仁; 知見 康弘; 笹島 栄夫; 中村 仁一; 西山 裕孝; 中村 武彦
no journal, ,
軽水炉の安全性を確保しつつその長期利用・高度利用を達成するためには、燃料や材料に生じるさまざまな問題を引き続き解決してゆく必要がある。このような状況に応えるため、材料試験炉(JMTR)を改修し新しい照射試験装置を整備する。高燃焼度化に対応した新型燃料の国内導入に先立ち異常過渡試験装置を整備し、新型BWR燃料の出力急昇試験を実施する計画である。また、ステンレス鋼の照射環境でのSCC試験を実施するために軽水炉の水環境を精度よく模擬できる照射ループを整備するととともに、圧力容器の照射脆化の評価手法の高度化のために1インチ厚さのCT試験片を取り扱える照射キャプセルを準備する。これら燃料・材料の照射試験は、2011年に予定されるJMTR改修後に開始する計画である。
西野入 賢治; 赤坂 尚昭; 小川 竜一郎; 井上 利彦
no journal, ,
高速炉において、徐熱能力低下事象(LOF事象)下の燃料被覆管の変形挙動や強度を評価することは安全上重要な評価項目である。LOF事象における第1次熱ピークでの被覆管挙動を評価するために急速加熱バースト試験を行った。供試材は高速実験炉「常陽」で照射されたPNC316鋼被覆管である。本報告では、急速加熱バースト試験技術と照射後試験結果を報告する。試験の結果、非照射材と比較すると照射材における破裂温度の著しい低下は認められなかった。