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井田 瑞穂; 中村 博雄; 杉本 昌義
Fusion Engineering and Design, 82(15-24), p.2490 - 2496, 2007/10
被引用回数:7 パーセンタイル:46.54(Nuclear Science & Technology)IFMIFターゲット系のリチウムループ中の放射性核種のうち、作業員被曝への影響が最も大きなベリリウム-7の挙動を評価した。IFMIFターゲット系でのベリリウム-7生成量,ループ内温度分布とそれに対応した溶解度等をもとに評価した結果、ベリリウム-7のほとんどが熱交換機の最下流部分にBeNとして堆積することを明らかにした。この局在化がある場合の線量評価をQAD-CGGP2Rコードで実施し、以前評価した均一堆積の場合に比べ熱交換機近傍での線量は約1桁大きくなり、必要な鉛遮蔽体の厚さも6.5cmから8.0cmへと増加するが、鉛遮蔽体重量は約40tから約10tへと減少することを明らかにした。
中嶋 秀夫; 濱田 一弥; 奥野 清; 阿部 加奈子*; 清水 辰也; 角井 日出雄*; 山岡 弘人*; 丸山 直行*; 高柳 貞敏*
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.1473 - 1480, 2007/10
被引用回数:7 パーセンタイル:46.54(Nuclear Science & Technology)ITERのトロイダル磁場コイルでは、コイルに作用する大電磁力を支えるため、外径約14m9m,幅約611mm,厚さ約112mmのラジアル・プレートと呼ばれる両側に溝を加工したD型の大型ステンレス構造物が使用される。このような大型のステンレス構造物の製作経験はこれまでにないことに加え、ラジアル・プレートには平面度2mm以内という厳しい製作精度が要求される。さらに、9コイル分のラジアル・プレート63個を約4年という短期間で製作する必要があり、ラジアル・プレートの製作方法の最適化がITER実現には必須となる。そこで、原子力機構では、ラジアル・プレートの製作方法を検討するとともに、必要となる製作技術の開発を行い、最適製作方法を考案した。本発表では、製作技術開発のために実施した試験の結果とこの結果に基づいて考案した最適製作方法について発表する。
濱田 一弥; 中嶋 秀夫; 河野 勝己; 高野 克敏; 堤 史明; 奥野 清
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.1481 - 1486, 2007/10
被引用回数:20 パーセンタイル:76.17(Nuclear Science & Technology)国際熱核融合実験炉(ITER)のトロイダル磁場(TF)コイル構造物は、コイル容器,コイル間支持構造物及びラジアル・プレートから構成される。これらの構造物は溶接構造物であり、極厚のJJ1及び強化型316LN鋼(ST316LN)が使用される。コイル構造物の応力の高い部分に使用される材料に対するITERの4Kでの機械的要求値は、0.2%耐力に関してはJJ1鋼が1000MPa以上、ST316LN鋼は850MPa以上、破壊靱性値については両者とも200MPam以上である。日本原子力研究開発機構(原子力機構)は、これらの材料の製作性と機械的特性を確認するために、実機規模での材料製作を実施した。実機と同じ製造設備とプロセスを用いて、11tonの鍛造JJ1ブロック,26tonの鍛造316LN鋼,200mm及び140mm厚さのST316LN熱間圧延板(合計17ton)を試作し、これらの材料から機械試験片を切り出し、4Kでの試験を実施した。測定された破壊靱性値は200MPam以上、0.2%耐力の平均値は、JJ1, ST316LN鍛造材,ST316LN熱間圧延板についてそれぞれ、1,126MPa, 1,078MPa, 1,066MPaであった。以上の結果により、ITERの機械的要求値を満たす、JJ1及びST316LN鋼を実機規模で製作できることを確認し、ITER調達準備が大きく進展した。
小野塚 正紀*; 清水 克祐*; 浦田 一宏*; 木村 政宏*; 門脇 宏和*; 岡本 護*; 中嶋 秀夫; 濱田 一弥; 奥野 清
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.1431 - 1436, 2007/10
被引用回数:2 パーセンタイル:18.41(Nuclear Science & Technology)ITERトロイダル磁場コイル容器で使用される新しい構造材料である原子力機構が開発したJJ1鋼及び既存の高窒素316LN鋼の加工性及び溶接性を把握するための要素試験を実施した。JJ1の溶接時間の短縮を目指した電子ビーム溶接及び高効率TIG溶接の試験によれば、板厚40mmまでの電子ビーム溶接施工及び26g/minの溶着速度のTIG溶接施工が可能であることを確認した。また、切削加工試験の結果から、極低温用高強度ステンレス鋼の切削は304L, 316L等、従来のステンレス鋼に比べ難しく、製作精度確保のためには、切削条件の最適化を計る必要のあることがわかった。本発表では、これら要素試験の結果について発表する。
星野 毅; 安本 勝*; 土谷 邦彦; 林 君夫; 西村 秀俊*; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*
Fusion Engineering and Design, 82(15-24), p.2269 - 2273, 2007/10
被引用回数:53 パーセンタイル:94.77(Nuclear Science & Technology)チタン酸リチウム(LiTiO)は、核融合炉ブランケット用トリチウム増殖材料の第1候補材料である。LiTiOは水素により還元されるため、トリチウムを回収する際のスイープガス中に含まれる水素により還元されにくいLiTiOの開発は重要である。本研究では、水素により還元されにくい増殖材料として期待できる、LiTiOを製作し、非化学量論性及び蒸発特性を調べた。定比のLiTiO(LiO/TiO=1.00)よりLi量を多くしたLiTiO(LiO/TiO=1.05)を製作した結果、水素還元による酸素欠損がほとんどなく、Liを含む蒸発蒸気種の平衡蒸気圧への影響も少ないことから、高温・長時間使用時における試料の結晶構造の変化が小さくなり、化学的に安定して使用できることがわかった。
中道 勝; Kulsartov, T. V.*; 林 君夫; Afanasyev, S. E.*; Shestakov, V. P.*; Chikhray, Y. V.*; Kenzhin, E. A.*; Kolbaenkov, A. N.*
Fusion Engineering and Design, 82(15-24), p.2246 - 2251, 2007/10
被引用回数:25 パーセンタイル:83.02(Nuclear Science & Technology)本件は、ISTC(国際科学技術センター)による国際協力として行った研究の成果である。核融合原型炉のトリチウム回収・処理システムの妥当な設計を実現するためには、トリチウムの透過低減機能を有する、ブランケット構造材料への皮膜の開発が必要である。原子力機構では、CrPOを含むCrO-SiOのセラミック材料を用いて、高性能の皮膜を開発した。以前に行った600Cにおける炉外重水素透過実験においては、フェライト鋼(F82H)製の円筒状拡散セルの内面への皮膜について、約300という大きな透過低減係数(PRF)が得られた。本研究では、カザフスタンの試験炉IGV-1Mを用いて、同皮膜がある場合とない場合のF82鋼について、トリチウム透過に関する炉内実験を行った。液体のリチウム鉛(PbLi)をトリチウム源として用いた。照射時間は約4時間であり、高速中性子照射量は約210n/m(E1.1MeV)であった。皮膜がある場合とない場合のF82鋼製の拡散セルについて、トリチウムの透過曲線から透過低減係数を求めたところ、600C及び500Cについて、それぞれ292及び30であった。これらの値は、上記の炉外実験において、600C及び500Cについて得られた値である307及び45に近い値であった。
池田 佳隆; 秋野 昇; 海老沢 昇; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 本田 敦; 鎌田 正輝; 河合 視己人; 椛澤 稔; 菊池 勝美; et al.
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.791 - 797, 2007/10
被引用回数:24 パーセンタイル:82.21(Nuclear Science & Technology)ITERや原型炉に向けた研究を強化するため、JT-60Uを超伝導化するJT-60SA計画が進められている。この計画におけるNBI加熱装置は、入射パワーは1基あたりの入射パワー2MW(85keV)の正イオンNBI加熱装置が12基、入射パワー10MW(500keV)の負イオンNBI加熱装置が1基から構成され、総計34MW,100秒のビーム入射を行う予定である。一方、これまでにJT-60Uにおいては、正イオンNBIで2MW(85keV),30秒、負イオンNBIで3.2MW(320keV),20秒入射を既に達成している。これらの運転において両イオン源の加速電極の冷却水温度上昇は約20秒以内で飽和していることから、改修計画に向けては、電源の容量強化や負イオンNBIの加速エネルギー向上が鍵となると考えられる。本論文では、JT-60SA計画における、NBI加熱装置の増力に関する工学設計を報告する。
助川 篤彦; 櫻井 真治; 正木 圭; 木津 要; 土屋 勝彦; 芝間 祐介; 林 孝夫; 玉井 広史; 松川 誠
Fusion Engineering and Design, 82(15-24), p.2799 - 2804, 2007/10
被引用回数:9 パーセンタイル:54.16(Nuclear Science & Technology)JT-60超伝導化改修装置(JT-60SA)の放射線遮へいに関する安全設計について報告する。JT-60SAでは、現在のJT-60Uプラズマに対して年間中性子発生量が約130倍に増加するため、真空容器とクライオスタットで放射線遮へいを行い、JT-60敷地境界での線量限度未満とすることを設計方針として、それぞれ遮へい厚の設計検討を行った。放射線遮へい評価には、ANSIN, DOT3.5を用いた。また、超伝導コイルの安定運転のためには、コイル部での核発熱量を評価することが重要である。真空容器をステンレス厚24mmの2重壁とし、その2重壁内に140mm厚のボロン水を充填する構造として遮へい計算を行った結果、クライオスタットまでの十分な遮へい性能を確保するとともに、TFコイルの核発熱量は、設計目標値である0.3mW/cc未満となることを明らかにした。
芝間 祐介; 新井 貴; 三代 康彦; 沢井 友次; 櫻井 真治; 正木 圭; 鈴木 優; 實川 資朗; 宮 直之
Fusion Engineering and Design, 82(15-24), p.2462 - 2470, 2007/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)臨界プラズマ試験装置JT-60におけるトロイダル磁場のリップル低減に用いるフェライト鋼製タイルの構造設計と機械及び真空特性について報告する。8Cr-2W-0.2V系フェライト鋼板を製造し、機械特性,真空特性を評価することにより設計条件の妥当性を確認した。引張強度は、耐力,強度ともに室温において偏差の少ないことを確認した。また、運転温度である15C, 300Cにおいて十分な強度を有することを確認した。200Cに昇温後の真空特性を評価した。その結果、市販のステンレス鋼と同程度の真空特性を有するものの、JT-60の真空容器内材料の基準値をわずかに上回ることがわかった。しかし、実際の運転温度は300Cであること,残留放出ガスが燃料である水素であることを考慮すると、容器内への適用が可能であると判断した。
金城 智弘*; 西川 正史*; 山下 直哉*; 小山 貴範*; 谷藤 隆昭*; 榎枝 幹男
Fusion Engineering and Design, 82(15-24), p.2147 - 2151, 2007/10
被引用回数:23 パーセンタイル:81.10(Nuclear Science & Technology)核融合炉ブランケットでは固体増殖材を用いてトリチウムを生産することが考えられている。本研究では、主要な固体増殖材(LiTiO, LiSiO, LiAlO, LiZOなど)からのトリチウムの放出挙動について、すべての関係する物質移動過程をモデル化して定式化し、速度定数等を実験的に決定し、数値解析方法を提案した。また、原子炉照射してトリチウムを生成した増殖材からのトリチウム放出挙動を、種々の条件で測定し、提案した解析方法で予測した結果と比較し、よく一致することを示した。さらに、ITERを用いた試験ブランケットの条件でトリチウム放出挙動の予測を行い、試験モジュール設計に重要な知見を与えた。
西村 新*; 西嶋 茂宏*; 竹内 孝夫*; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.1555 - 1560, 2007/10
被引用回数:6 パーセンタイル:41.94(Nuclear Science & Technology)最近の核融合炉関連研究において、プラズマ真空容器外へのポートからの中性子ストリーミングやブランケット及び遮蔽体からの中性子透過が指摘されている。よって、超伝導磁石システムは高エネルギー粒子場にさらされる可能性がある。本研究では、超伝導磁石材料に対する照射効果を評価するために、極低温照射システムを構築し、FNS/JAEAにおいて実験を行った。GM冷凍機を用いてNbSn, NbAl及びCuワイアーを4.5Kまで冷却し、極低温下で14MeV中性子を照射した。照射後、電気抵抗と臨界温度の変化を計測した。同時に、クライオスタットの外側ではGFRPと関連するその他センサーの照射実験も行い、照射後に材料特性の変化を調べた。
Batistoni, P.*; Angelone, M.*; Bettinali, L.*; Carconi, P.*; Fischer, U.*; Kodeli, I.*; Leichtle, D.*; 落合 謙太郎; Perel, R.*; Pillon, M.*; et al.
Fusion Engineering and Design, 82(15-24), p.2095 - 2104, 2007/10
被引用回数:26 パーセンタイル:83.02(Nuclear Science & Technology)ヨーロッパ核融合技術プログラムにおいて、EUが提案している核融合テストブランケットモジュール模擬体系の核融合中性子工学実験をイタリアENEAの核融合中性子源FNGで実施した。ヘリウム冷却型ぺブルベッドタイプを模擬した体系内に生成するトリチウム量を炭酸リチウムペレットによる液体シンチレーションカウンター法でイタリア,ドイツ及び日本と共同して測定した。またモンテカルロ計算によるトリチウム生成量の評価も同時に実施し、計算値が誤差9%程度で一致することを確認した。
玉井 広史; 藤田 隆明; 菊池 満; 木津 要; 栗田 源一; 正木 圭; 松川 誠; 三浦 幸俊; 櫻井 真治; 助川 篤彦; et al.
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.541 - 547, 2007/10
被引用回数:9 パーセンタイル:54.16(Nuclear Science & Technology)JT-60SAはITERサテライトトカマクとして位置づけられ、ITER支援研究とITER補完研究の二つの使命を併せ持ち、日本とEUとが共同で設計・建設・実験を実施する装置である。昨年度実施された基本的な装置仕様にかかわる検討を経て、ITERへの貢献を高める観点から加熱入力が41MW,100秒間に増強された。この加熱入力で実現可能なプラズマ性能を検討するために、プラズマ解析コードを用いて予測評価を行った。その結果、完全非誘導電流駆動の運転シナリオが高密度領域において拡張されるとともに、高い等価エネルギー増倍率と高い規格化ベータ値の同時達成の裕度が拡張されるなど、ITER及び原型炉を指向した研究を展開するにふさわしい装置性能を有することが示された。
末岡 通治; 川俣 陽一; 栗原 研一; 関 暁之
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.1008 - 1014, 2007/10
被引用回数:2 パーセンタイル:18.41(Nuclear Science & Technology)トカマク型核融合実験装置JT-60では、プラズマ放電を撮影した可視テレビ映像とプラズマ最外殻磁気面の実時間可視化画像を1つの映像信号に合成し、これにプラズマ周辺磁場を計測している磁気プローブ信号を音声チャンネルに入力して実験運転時に大画面テレビに出力している。実験結果データ解析の効率を著しく高めるために、この映像データを放電ごとに蓄積・管理して迅速に提供する映像データベース・配信システムを新たに開発した。本報告では、これらの実現に向けて開発を行った映像データベースシステムの詳細について報告し、機能向上への課題と将来の遠隔実験に向けた利用の展望にも触れる。
落合 謙太郎; 佐藤 聡; 和田 政行*; 久保田 直義; 近藤 恵太郎; 山内 通則; 阿部 雄一; 西谷 健夫; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 82(15-24), p.2794 - 2798, 2007/10
被引用回数:5 パーセンタイル:36.73(Nuclear Science & Technology)JAEA-FNSではITER/ITAタスク73-10に基づき、ITER計測ポート周辺のスリット領域を模擬した鉄体系によるDT中性子ストリーミング実験を行い、モンテカルロ計算コードMCNPによる計算結果と実験値との比較から中性子輸送計算精度の検証を行った。奥行き55cm,横幅100cm,縦幅30cmの鉄ブロック2つを用いて、スリット幅2cmのストリーミング体系を組み立て、FNS-DT中性子源(点線源)で照射した。U-238及びU-235マイクロフィッションチャンバーを用い、深さ方向に対するスリット中の核分裂率を測定した。輸送計算コードはMCNP-4cを用い、U-238, U-235による核分裂率を計算した。実験結果から以下のことが明らかとなった。(1)U-238フィッションチャンバーの結果から、距離の効果及び鉄遮蔽による減衰効果を反映し、高速中性子束は体系表面からスリット内深さ50cmで0.1%まで減衰することを明らかにした。(2)U-235フィッションチャンバーの結果から10keV以下の中性子束は深さ50cmで体系表面での10%程度であることを明らかにした。(3)計算結果と実験結果の比(C/E)はU-238の場合1.10-1.22, U-235の場合は1.10-1.23となり、わずかに過大評価する傾向を示した。
西谷 健夫; 山内 通則; 泉 幹雄*; 早川 敦郎*; 海老沢 克之*; 近藤 貴; 草間 義紀
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.1192 - 1197, 2007/10
被引用回数:5 パーセンタイル:36.73(Nuclear Science & Technology)ITERにおいてマイクロフィッションチェンバーは核融合出力を測定する重要な計測装置の一つである。マイクロフィッションチェンバーは真空容器内に取り付けられるため、高真空及び高温環境下で動作する必要がある。また核発熱とその除熱方法も考慮する必要がある。これまで、ITERの高出力運転用のマイクロフィッションチェンバーの設計開発を行ってきたが、今回は低出力運転用のマイクロフィッションチェンバーの設計を実施した。検出器は狭いギャップ内に取り付ける必要性から、全酸化ウラン量を0.75gになるようにマイクロフィッションチェンバーを並べて1つの検出器とする方式を提案した。径14mm,長さ400mmのマイクロフィッションチェンバーを基本要素とする、束型検出器を設計した。核発熱はMCNPコードによって評価した。有限要素法による熱輸送解析の結果、真空容器との熱伝達率を100W/mK以上確保できれば、検出器温度は250C以下にできることを明らかにした。
谷川 尚; 榎枝 幹男; 秋場 真人
Fusion Engineering and Design, 82(15-24), p.2259 - 2263, 2007/10
被引用回数:10 パーセンタイル:57.51(Nuclear Science & Technology)増殖ブランケットにおけるLiTiOペブル充填層の熱機械挙動を評価するため、解析に必要な物性の一つである熱膨張量を計測し、実機に想定される充填率の範囲において、熱膨張量が充填率に依存しないことを明らかにした。
森山 伸一; 関 正美; 藤井 常幸
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.785 - 790, 2007/10
被引用回数:8 パーセンタイル:50.67(Nuclear Science & Technology)ミリ波を用いる電子サイクロトロン加熱(ECH)装置には、局所的かつ効果的な電子加熱,電流駆動ができる長所があるが、実時間でのパワー計測が難しいという欠点がある。伝送路途中にセラミック板を挿入し、その誘電損失による発熱によってパワーを測定する手法の開発に着手した。板端部温度は0.2秒程度の時定数で変化することを計算で確かめたうえで、極細熱電対を用いたMW級測定試験を行い、1秒以下程度の応答速度を確認した。一方、特殊な反射面を有する反射鏡を直線駆動させ、電磁波ビームの反射面への入射位置変化によって反射角度を変化させる直線駆動アンテナにより、回転機構を排除し、かつビーム入射角度制御が可能なECHアンテナが実現できる。内部を冷却配管として兼用できる剛性の高い支持シャフトによって反射鏡の直線駆動を行うこのアンテナは、基本的に保守,交換の必要がなく、高放射線,高温,高真空環境に適する。反射曲面の形状を適切に設計して、ビームの質の変化を許容範囲に抑えながらコンパクトなアンテナが実現可能であることを計算により確証した。
中村 博雄; 井田 瑞穂; 千田 輝夫; 古谷 一幸*; 杉本 昌義
Fusion Engineering and Design, 82(15-24), p.2671 - 2676, 2007/10
被引用回数:5 パーセンタイル:36.73(Nuclear Science & Technology)国際核融合材料照射施設(IFMIF)は、核融合炉材料の開発のために、照射量150dpaまで照射可能な強力中性子束(50dpa/y)を発生可能な加速器型中性子源である。背面壁は、年間50dpaの中性子照射下で使用する必要があり、交換可能型背面壁の熱構造設計は重要課題の一つである。従来の熱構造解析結果では、熱応力の観点から、背面壁材料として、低放射化フェライト鋼(F82H)が推奨された。しかしながら、従来のモデルは、背面壁のみのモデルであったため、今回、ターゲットアセンブリの一部を含んだモデルにより、背面壁の熱構造解析を実施した。背面壁の中心部の熱応力が許容値(455MPa)を超えた。そのため、背面壁取り付け部のリップシールに、熱応力軽減用の構造を付加し、熱構造解析を実施した。その結果、背面壁の中心部の熱応力は、60-90MPa程度に軽減された。今後、低放射化フェライト鋼(F82H)とステンレス316L鋼の溶接が課題である。
井上 多加志; 花田 磨砂也; 柏木 美恵子; 谷口 正樹; 戸張 博之; 大楽 正幸; 梅田 尚孝; 渡邊 和弘; 坂本 慶司; 池田 佳隆
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.813 - 818, 2007/10
被引用回数:7 パーセンタイル:46.54(Nuclear Science & Technology)ITER NBシステムは、1MeV,40A(電流密度200A/m)という従来の2倍以上の強度を持つ負イオンビームを要求する。さらに放射線誘起伝導を避けるため、高電圧絶縁にSF等の絶縁ガスが使用できず、真空絶縁を用いる。本論文では、原子力機構におけるITER NBシステム用ビーム源(イオン源と加速器)並びにブッシングの開発の進展を報告する。イオン源開発においては要求性能を達成しているが、大型負イオン源の磁場配位を工夫して負イオン一様生成の問題を解決し、JT-60U負イオンNBIでの総合試験並びにRF負イオン源への適用を検討している。加速器開発でも、836keV,146A/mの負イオンビーム生成に成功している。また、ブッシング用大口径セラミックの製作技術開発を進め、実規模(直径1.56m)のセラミック製作試験に着手した。