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小河原 貴史; 若井 栄一; 菊地 孝行; 山本 道好; Molla, J.*
Fusion Engineering and Design, 86(12), p.2904 - 2907, 2011/12
被引用回数:3 パーセンタイル:24.29(Nuclear Science & Technology)本研究は幅広いアプローチ(BA)協定の下、実施中の国際核融合材料照射施設(IFMIF)の工学実証・工学設計活動(EVEDA)におけるテストセル施設の一部である照射後試験(PIE)施設の工学設計に関するものである。IFMIF用PIE施設は、核融合原型炉の設計と許認可に必要となる材料照射データベースを取得するため、IFMIFで照射した材料の特性評価試験を実施する施設である。またPIE施設では、照射リグ容器の検査,解体、及び照射した試験片の再装荷作業等も同様に行われる。本研究では、予備的な工学設計の設計方針として、安全性に関するホットセル内作業の指針を作成するとともに、ホットセル設備や機器類の評価を実施し、コンクリートセルや鉄セルの設計評価を実施した。
芝 清之; 谷川 博康; 廣瀬 貴規; 酒瀬川 英雄; 實川 資朗
Fusion Engineering and Design, 86(12), p.2895 - 2899, 2011/12
被引用回数:45 パーセンタイル:93.86(Nuclear Science & Technology)低放射化フェライト/マルテンサイト鋼F82Hの熱時効特性を400
650
Cの温度範囲で、最長10万時間まで調べた。熱時効後のミクロ組織,析出物,引張特性,シャルピー衝撃特性等を調べた。Laves相は550
650
Cの温度範囲で、また、1万時間以上では550
650
Cの温度範囲でM
C炭化物が生成した。これらの析出物は特に550
650
Cの温度範囲で材料の靭性を大きく劣化させた。引張特性への時効の効果は大きくはなかったが、650
Cでは1万時間以上の時効で大きな軟化を示した。析出物の増加は延性にも影響を及ぼしたが、深刻な劣化ではなかった。析出物の増加は材料の靭性を大きく劣化させ、特に、650
Cでは結晶粒界への粗大なLaves相の析出によりDBTTが大きく上昇した。結晶粒界へのLaves相の析出は延性破壊時の吸収エネルギー(USE)も低下させ、シャルピー衝撃試験の結果から、F82H鋼の使用可能範囲は、550
Cで3万時間程度であることが明らかとなった。
千田 豊; 井口 将秀; 高野 克敏; 中嶋 秀夫; 大勢持 光一*; 新見 健一郎*; 渡海 大輔*; Gallix, R.*
Fusion Engineering and Design, 86(12), p.2900 - 2903, 2011/12
被引用回数:10 パーセンタイル:57.82(Nuclear Science & Technology)ITER TFコイル構造物はコイルに発生する電磁力を極低温(約4K)で支持するために、極厚の高強度・高靱性ステンレス鋼製容器と支持構造物で構成されている。原子力機構は2008年より極厚のステンレス鋼に対する基礎的な溶接試験を開始し、TFコイル構造物の製造に関する技術的課題を検証するために、主要部材の実機大部分模型体の試作(インボード側及びアウトボード側各1体)を計画している。本論文では実機製作前に溶接技術を検証し、製造設計を行うために実施した、溶接試験の結果及び実機大部分模型体の試作状況を紹介する。
西谷 健夫; 山西 敏彦; 谷川 博康; 野澤 貴史; 中道 勝; 星野 毅; 香山 晃*; 木村 晃彦*; 檜木 達也*; 四竈 樹男*
Fusion Engineering and Design, 86(12), p.2924 - 2927, 2011/12
被引用回数:7 パーセンタイル:46.23(Nuclear Science & Technology)日欧間協力である幅広いアプローチ活動(BA)の一環として、ブランケット材料開発を中心としてR&Dが新たに開始されている。それぞれの極における原型炉のための共通課題として、ブランケット構造材としての低放射化フェライト鋼,流路保護材及び先進構造材としてのSiC/SiC複合材、先進中性子増倍材,先進トリチウム増殖材及びトリチウム技術の5つの課題が進められている。日本において、これらのR&Dは、BAの実施機関である原子力機構が中心となり、多くの大学及び研究機関の協力を得て進められている。
染谷 洋二; 高瀬 治彦; 宇藤 裕康; 飛田 健次; Liu, C.; 朝倉 伸幸
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2269 - 2272, 2011/11
被引用回数:37 パーセンタイル:91.56(Nuclear Science & Technology)核融合出力2.95GWのSlimCSはセンターソレノイドコイルを小型化したアスペクト比が2.6で主半径が5.5mの原型炉概念である。プラズマのMHD安定性を確保するための導体シェルを備える必要があるが、その導体シェルを設置するためにブランケットを2分割し、交換型(プラズマ対向領域),固定型(遮蔽用)に分けている。特に交換型ブランケットは、なるべく径方向の厚さが薄いブランケットが要求され、他方高いトリチウム増殖比(TBR)を確保するためにF82Hで覆ったBe板を配置する構造となっている。しかしながらこれは構造が複雑であることから簡素化されたブランケット構造が要求されていた。そこで固体中性子増倍材と固体トリチウム増殖材の混合したペブルを充填しただけのブランケット構造を考案し、核熱解析を行った。解析の結果、目標のTBR(
1.05)を確保しつつ、最もブランケット厚さを薄くできるのは、トリチウム増殖材がLi
Oの場合で、この時のブランケット厚さが48cm以内で設計が可能であり、また混合ブランケットはプラズマ対向領域に溶接個所を必要としないことから、原型炉において有効なブランケット構造といえる。
近藤 恵太郎; 八木 貴宏*; 落合 謙太郎; 佐藤 聡; 高倉 耕祐; 大西 世紀; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2184 - 2187, 2011/10
被引用回数:2 パーセンタイル:17.23(Nuclear Science & Technology)原子力機構のFNS施設で、ITERのテストブランケットモジュールのため、
Li濃縮Li
TiO
とベリリウムを用いて行われたブランケット核特性実験で、中性子源をステンレス316の反射体で囲んだ場合、トリチウム生成率(TPR)の計算値が実験値をおよそ10%系統的に過大評価する傾向が見られていた。しかし、最近実施した天然組成のLi
TiO
とベリリウムを用いたブランケット核特性実験では、反射体はTPRの予測精度に影響を及ぼさなかった。過去の実験値について詳細に調べた結果、測定されたTPR分布に物理的におかしな点があることがわかった。過去の実験値に問題があったかどうかを確かめるため、過去の実験と同じ体系を用いたブランケット核特性実験を再度実施した。その結果、TPRの測定値は測定誤差6%の範囲内で計算値とよく一致した。以上の結果から、過去の実験データには何らかの問題があった可能性が高く、反射体によるTPRの予測精度の悪化は起こらないと結論した。
金村 卓治; 杉浦 寛和*; 山岡 信夫*; 鈴木 幸子*; 近藤 浩夫; 井田 瑞穂; 松下 出*; 堀池 寛*
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2462 - 2465, 2011/10
被引用回数:6 パーセンタイル:41.54(Nuclear Science & Technology)高速液体リチウム噴流上に生ずる自由表面波の周期は、国際核融合材料照射施設(IFMIF)のリチウムターゲット実証のために、調査すべき重要な波の特性である。われわれは、これまで接触式の液面計を開発し、波の振幅や波長を計測してきた。本報告では周期特性の計測結果について発表する。実験は、大阪大学にあるリチウムループで行った。本リチウムループでは、IFMIFのリチウムターゲットを模擬した幅70mm厚さ10mmの平板上リチウム噴流を、最高流速15m/sまで、運転温度573Kにて生成できる。計測信号から、ゼロアップクロス法により自由表面上の不規則波を1波ずつ定義し、多数の波の周期を確率論的に整理した。その結果、波の周期の確率密度分布は、対数正規分布とほぼ等しくなった。一般的に、不規則な性質で知られる海洋波の周期が対数正規分布に従うことが指摘されている。本研究とこれまでのわれわれの成果から、海洋波に対し適用されてきた不規則波の性質が、水と表面張力が5倍異なるリチウムに対しても適用可能であることを示した。
星野 毅; 寺井 隆幸*
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2168 - 2171, 2011/10
被引用回数:62 パーセンタイル:96.72(Nuclear Science & Technology)核融合炉の燃料となるトリチウムは、6-リチウム(
Li)と中性子との核反応により生産するが、天然のリチウムには
Liが約7.6%しか存在せず、必要なトリチウム量を確保するためにはより高濃縮の
Liが必要となる。これまで、既存のアマルガム法よりも高効率で環境性に適した
Li濃縮技術の実用化を目指し、イオン液体を含浸した有機隔膜を用いて
Liを濃縮する新技術の研究開発を行ったが、含浸させたイオン液体が溶脱する現象が観察された。そこで、イオン液体の溶脱を低減させるため、両端に保護膜を施した改良隔膜を用いて耐久性試験を行った。保護膜としてフィオンを使用した場合、有機隔膜中のイオン液体残存率は87%と保護膜なしの場合のイオン液体残存率63%を大きく上回る結果が得られた。よって、Liイオンを透過させ、かつイオン液体を透過させない保護膜をイオン液体含浸有機隔膜の両端に用いることで、高耐久性を有する隔膜の製作に見通しを得ることができた。
飛田 健次; 宇藤 裕康; 角舘 聡; 高瀬 治彦; 朝倉 伸幸; 染谷 洋二; Liu, C.
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2730 - 2734, 2011/10
被引用回数:13 パーセンタイル:66.72(Nuclear Science & Technology)原型炉の稼働率を改善するため、セクター一括水平引き抜き概念の設計検討を行った。730トンに達するセクターの搬送は多数の車輪/軸受けから構成される台車をセクター下部に挿入して行う。台車挿入後、その上面に設置したジャッキを利用して台車への荷重の移行を行う。カウンターバランスを使わずにセクターをキャスク内に引き込むために、クライオスタット側面を支点としてナット回転ボールネジを駆動する方式を採用した。セクター搬入後は、エアーキャスターを利用してクライオスタットからホットセルまでキャスクを搬送する。このほか、ロープ支持構造体とシャフトによるトロイダルコイル転倒力の伝達,コンクリート床及びクライオスタットによる転倒力支持など、保守に関連する新しい要素技術を提案した。この保守方式によって全セクターの交換に要する期間は35.5-67.5日と見積もられ、目標(3か月未満)を満たす見通しを得た。
宇藤 裕康; 飛田 健次; 染谷 洋二; 佐藤 聡; 関 洋治; 高瀬 治彦
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2378 - 2381, 2011/10
被引用回数:12 パーセンタイル:63.78(Nuclear Science & Technology)原型炉のブランケット設計用として、2次元の核計算及び熱計算を連続して行う核熱連成コードDOHEATを開発した。DOHEATは、Sn法に基づく2次元輸送計算コードDOT3.5及びJENDL-3.1をもとにした群定数ライブラリーFUSION-40を用いて輸送計算を行い、得られた中性子及び
線スペクトルから2次元化したAPLLE-3を介して、核発熱率やTBR等の物理量を計算する。また、得られた核発熱率及び材料物性データを用いて伝熱解析を行い定常状態における温度分布を算出することが可能である。DOHEATを用いることにより、2次元的に配置された内部構造を正確に模擬できるようになり、これまでの1次元解析から解析精度が向上した。また、描画形式の入力インターフェイスを整備することにより、さまざまなブランケット概念の構築が容易に行えるようになった。従来までの1次元コードと併用することにより、非常に多くの計算回数を要する増殖材及び増倍材等の量の最適化など第一次案の検討及び詳細検討を効率よく行い、より幅広い原型炉ブランケットの概念設計検討を進められると考えられる。
石川 正男; 河野 康則; 今澤 良太; 佐藤 聡; Vayakis, G.*; Bertalot, L.*; 谷塚 英一; 波多江 仰紀; 近藤 貴; 草間 義紀
Fusion Engineering and Design, 86(6-8), p.1286 - 1289, 2011/10
被引用回数:1 パーセンタイル:10.08(Nuclear Science & Technology)ITERにおいて日本が調達するポロイダル偏向計測装置の設計の一環として、中性子輸送モンテカルロコード(MCNP)を用いた中性子解析を行い、運転時における核発熱量を評価した。その結果、水平ポート内に設置される光学ミラーのうち、第2ミラーの核発熱量は、第1ミラーと同程度であることがわかった。これは、同一ポート内に周辺トムソン散乱計測システムやLIDARシステムが設置されることでポロイダル偏光計の光学系のスペースが制限されるために、十分な迷路構造をもった光路が確保できないことや、第2ミラーの設置位置がプラズマに近い場所に配置せざるを得ないことが原因と考えられる。一方で、水平ポート前面に設置されるブランケット遮蔽モジュールが十分な中性子遮蔽性能を有していれば、光学ミラーの核発熱量は効率的に低減できることがわかった。また、ポロイダル偏光計の光学ミラーが設置される上部ポートの上部に配置されるポロイダル磁場コイルの核発熱量を評価した。その結果、中性子遮蔽材が十分に設置された場合、コイルの核発熱量は上限値である1mW/ccに比べて2桁以上小さくなることがわかった。
-ray and neutron area monitoring system for the IFMIF/EVEDA accelerator building高橋 博樹; 前原 直; 小島 敏行; 久保 隆司; 榊 泰直; 竹内 浩; 設楽 弘之; 平林 慶一*; 日高 浩介*; 執行 信寛*; et al.
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2795 - 2798, 2011/10
被引用回数:2 パーセンタイル:17.23(Nuclear Science & Technology)IFMIF/EVEDAの加速器実験では、ビームダンプのターゲット材として銅を採用した設計が進められており、最大9MeVの重陽子ビームが入射される計画である。このため大量の中性子が発生するとともに、ビームダンプの熱負荷除去ための水やコンクリート遮蔽材による
線生成が予想できる。加速器系設備では、中性子及び
線モニターと連携したPPSを構築する計画している。採用予定の中性子及び
線の検出レベルは、それぞれ0.025eV
15MeV, 80keV
1.5MeV領域レベルであり、現在の遮蔽設計において、これらの検出レベル以下となるような遮蔽であるかどうか検証することが安全審査のために必要不可欠である。このために9MeV重陽子イオンビーム入射による銅からの中性子角度分布のエネルギー依存性を九州大学との共同研究で取得し、この核データを用いて水及びコンクリートにおける
線及び中性子のエネルギー減衰についてPHITSコードを用いて解析した。
木津 要; 柏 好敏; 村上 陽之; 尾花 哲浩*; 高畑 一也*; 土屋 勝彦; 吉田 清; 濱口 真司*; 松井 邦浩; 中村 一也*; et al.
Fusion Engineering and Design, 86(6-8), p.1432 - 1435, 2011/10
被引用回数:8 パーセンタイル:50.64(Nuclear Science & Technology)JT-60SA装置の超伝導マグネットのうち、中心ソレノイド(CS)とプラズマ平衡磁場(EF)コイルが日本で製作される。EFコイル導体はNbTi素線を用いたケーブル・イン・コンジット型導体である。これらの導体は、メーカより納入された超伝導撚線とジャケットを日本原子力研究開発機構・那珂核融合研究所内に建設された、全長約680mの導体複合化設備で複合化することで製作される。EFコイル実機に使用する444mの超伝導導体の量産製造が平成22年3月より開始された。また、量産に先立って、超伝導導体の分流開始温度(Tcs)などの超伝導特性の評価試験を行った。その結果、Tcsは素線からの予測値と一致し、導体製作過程による超伝導性能の劣化がないことを確認した。
濱田 一弥; 高橋 良和; 礒野 高明; 布谷 嘉彦; 松井 邦浩; 河野 勝己; 押切 雅幸; 堤 史明; 小泉 徳潔; 中嶋 秀夫; et al.
Fusion Engineering and Design, 86(6-8), p.1506 - 1510, 2011/10
被引用回数:12 パーセンタイル:63.78(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究開発機構は、国際熱核融合実験炉(ITER)の日本の極内実施機関として、トロイダル磁場コイル及び超伝導導体の調達を担当している。TFコイル用導体は、直径0.8mmの超伝導素線900本,銅線522本を束ね合せて、直径43.7mm,肉厚2mmのステンレス保護管(ジャケット)に収めた構造であり、最大長さは760mである。超伝導導体の調達は、2008年から開始され、メーカーの協力を得て素線,撚線,ジャケット管及び導体製作装置の製作が進展した。その結果、2010年12月に導体を製作する準備が整った。まず、はじめに導体の製作作業要領を実証するために、760m長さの模擬導体の製作を行い、成功裏に完了した。TF導体の製作は日本以外に、欧州,韓国,米国,ロシア及び中国も担当しており、日本は他極に先駆けて導体製作技術を確立し、実機導体の製作を開始した。講演では、模擬導体製作技術として、溶接,検査,撚線の引込み,巻取り等に関する結果を報告する。
岩井 保則; 佐藤 克美; 山西 敏彦
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2164 - 2167, 2011/10
被引用回数:19 パーセンタイル:77.89(Nuclear Science & Technology)室温・飽和水蒸気雰囲気下で高い水素酸化活性を有する疎水型白金触媒を開発した。アルキルスチレン・ジビニルベンゼン共重合体上に白金を担持した新しいタイプの白金触媒(白金ASDBC触媒)は容積あたりの必要白金担持量が既存の疎水型白金触媒の半分まで低減させることに成功した。3GBq/m
のトリチウムガスを用いた室温酸化試験を乾燥及び飽和水蒸気の両雰囲気下で実施した。室温における総括反応速度係数は実験を行った空間速度7500h
までの領域では空間速度に比例した。室温・飽和水蒸気雰囲気下におけるトリチウム酸化では従来触媒で見られた触媒の失活は見られず、高効率にてトリチウムを酸化できることを実証した。
高橋 幸司; 梶原 健; 岡崎 行男*; 小田 靖久; 坂本 慶司; 大森 俊道*; Henderson, M.*
Fusion Engineering and Design, 86(6-8), p.982 - 986, 2011/10
被引用回数:7 パーセンタイル:46.23(Nuclear Science & Technology)ITERの物理性能最適化のために、水平ランチャーの3つのビーム束のうち一つを逆方向電流駆動を行うためにひっくり返す設計改良を行った。同時に、ランチャーからのビームパワーをプラズマ中心で効率よく結合する改良として、上下にあるビーム束の入射角度をそれぞれ5度ずつ傾ける設計とした。さらに、ランチャー先端の遮蔽ブランケットの開口サイズも遮蔽性能を維持するための最適化を行った。その結果、ビームパワーの伝送効率低下は0.3%程度であることが判明した。また、ランチャーの可動ミラーについては、設計信頼性,製作性,保守性を考慮し、遮蔽ブロックと一体化した設計とした。
松井 邦浩; 小泉 徳潔; 辺見 努; 高野 克敏; 中嶋 秀夫; 大勢持 光一*; Savary, F.*
Fusion Engineering and Design, 86(6-8), p.1531 - 1536, 2011/10
被引用回数:2 パーセンタイル:17.23(Nuclear Science & Technology)原子力機構は、国内機関として9個のITER TFコイルの調達を担当している。TFコイルの製作では、熱処理によって長さが変化する超伝導導体を、800kN/mの電磁力を支持する役割をするラジアル・プレート(RP)の溝に挿入する。導体のRP溝への挿入を可能とするためには、寸法公差が0.01%程度の高精度なRP及び巻線の製作技術の確立が重要となる。この高精度な製作技術を確立するとともにTFコイルの調達に向けた製作手順の決定と最適化を目的として、原子力機構は、実規模のRP製作及び中規模巻線の試作を実施する。また、これらの試作に向けて、一次製造計画書を作成し、その実現性を実証するために小規模試作を実施する。小規模試作では、レーザ溶接によるカバー・プレート溶接,アクリル及び金属モデルを用いた含浸試験,TF導体の機械試験と曲げ試作等を実施している。本件では、小規模試作の結果と中規模及び実規模試作の進捗を報告する。
近藤 浩夫; 古川 智弘; 平川 康; 井内 宏志; 井田 瑞穂; 八木 重郎*; 鈴木 晶大*; 深田 智*; 松下 出*; 中村 和幸
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2437 - 2441, 2011/10
被引用回数:24 パーセンタイル:83.60(Nuclear Science & Technology)幅広いアプローチ(BA)活動の中で日欧国際協力の下、IFMIFの工学実証・工学設計活動(EVEDA)が2007年より実施されている。リチウムターゲット施設に関しては、日本側が100%に近い寄与により、約1/3スケールで実機を模擬したIFMIF/EVEDAリチウム試験ループ(IFMIF/EVEDA Li Test Loop)に関する詳細設計を完了させ、その建設を進めている所である。このリチウム試験ループでは、おもに、IFMIFの工学設計に必要とされるリチウムの自由表面流の流動とリチウム中の不純物除去に関する実証試験を行う計画である。本報告では、IFMIF/EVEDAリチウム試験ループの純化系ループと純化トラップに焦点をあて、それらの設計について議論した。
山西 敏彦; 林 巧; 岩井 保則; 磯部 兼嗣; 原 正憲*; 杉山 貴彦*; 奥野 健二*
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2152 - 2155, 2011/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)核融合炉において、トリチウムをいかに閉じこめるかは重要な研究課題である。特に、水の形のトリチウムは、水素上の形のトリチウムと比較して、放射性物質としての危険度が高く、そのデータを取得することが強く求められている。高濃度トリチウム水の挙動として、金属材料に対するトリチウム水の腐食に関する一連のデータを得ることができた。通常、金属表面には酸化膜が形成され、腐食に対する不動態として機能するが、トリチウム水の存在により(0.23GBq/cc)、その膜形成が阻害されることが判明した。水処理については、ITERで採用された化学交換塔に関して、合理化・高度化を図る研究を行った。
酒瀬川 英雄; 谷川 博康; 叶野 翔; 榎本 正人*
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2541 - 2544, 2011/10
被引用回数:17 パーセンタイル:75.07(Nuclear Science & Technology)低放射化フェライト鋼は原型炉ブランケットの構造材料候補である。日本でのBA活動を通じ原型炉ブランケットモジュールの製作技術が研究開発されつつあるが、この中でも複雑構造を実現するための接合技術は極めて重要である。とりわけ、熱間等方圧縮(HIP)は矩形冷却管の接合方法として採用されており、構造材料はそのHIP中やその後、さまざまな熱処理を施される。この熱処理中における組織変化はブランケットモジュールの性能を決定されるために注目されるべきものであり、とりわけ、高温熱処理で析出すると考えられるタンタルやバナジウムなどの微細析出物は、クリープ特性,靭性,耐照射得栄に大きな影響を与える。そこで本研究はブランケット製作にかかわる熱処理を模擬し、その熱処理下におけるF82H-BA07(8Cr-2W-V, Ta)鋼の微細析出物の安定性に注目した。