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粕壁 善隆*; 渡邉 洋平*; 山本 春也; 吉川 正人; 藤野 豐*
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 7, p.625 - 632, 2009/04
不定比性化合物であるチタン窒化物は、チタンと窒素の組成比によって金属性から絶縁性まで物性が変化するため次世代のデバイス材料として応用が期待されている。本研究では、TIARA施設のイオン導入型電子顕微鏡を用いて、窒素イオン注入法によるチタン窒化物の形成を行い、透過電子顕微鏡法(TEM)及び電子エネルギー損失分光(ELLS)による結晶構造及び電子状態のその場観察、さらに分子軌道計算による電子状態の評価と合わせて、原子レベルの結晶成長の観点からチタン窒化物の形成機構及び配向の制御性に関する知見を得てきた。本発表では、NaCl(001)基板上に形成したチタン薄膜の加熱及び窒素イオン注入による窒化過程とその内包するメカニズム、すなわち、「エピタキシャル」変態機構について報告する。
寺岡 有殿; 吉越 章隆; Harries, J.
no journal, ,
水素貯蔵材料での水素の脱離・吸着は自然酸化膜を通して起こる。水素の脱離と皮膜の化学結合状態の関係を研究するために、高輝度・高分解能放射光光電子分光法を適用して、V(001)とV(111)表面での自然酸化膜,その熱的不安定性,人工酸化膜形成の観察を行った。自然酸化膜のO1s光電子スペクトルは少なくとも二つの成分から構成され、低結合エネルギー成分がバルク敏感であった。バルクからのV2pピークがV(111)で795eV以上で、V(001)では688eV以上から見え始めたことから、酸化膜の厚さは少なくともそれぞれ2nm, 1.5nmである。O1sピークは900Kまでにほとんど消失した。このような清浄表面に2.3eVの並進運動エネルギーを持つ超音速酸素分子ビームを室温で照射したところ、自然酸化膜と同様の人工酸化膜が形成されたが、その膜厚は薄かった。
松本 吉弘; 境 誠司; 楢本 洋*; 中川 剛志*; 高木 康多*; 横山 利彦*; 平尾 法恵; 馬場 祐治; 島田 敏宏*; 前田 佳均
no journal, ,
近年、われわれはC60-Co化合物中にCoナノ粒子が分散した構造を持つC60-Co共蒸着薄膜が、低温で大きなトンネル磁気抵抗(TMR)効果を示すことを発見した。観測されたMR比はCo結晶のスピン分極率では説明することができず、薄膜中のスピン依存伝導が、C60-Co化合物の存在による影響を受けていることが考えられた。本研究では、X線磁気円偏光二色性測定を行うことで、C60-Co化合物のスピン状態の調査を行った。結果として、C60-Co化合物由来のMCD強度が試料温度に対して敏感であり、その変化の程度がMR比の温度依存性と一致することが明らかとなった。これは、C60-Co化合物の局在スピンが薄膜中のスピン依存伝導に影響を与えていることを明確に示す結果である。
成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 本田 充紀; 平尾 法恵; 矢板 毅
no journal, ,
光子や電子線を固体表面上に照射すると化学結合が解裂し、分解生成物の脱離が起こる。これに対して照射により化学結合が形成される報告はまだ数少ない。しかしながら、メタンなど軽い分子の低温凝縮系に高エネルギー放射線を照射することにより化学結合が形成する過程は、宇宙空間において重要と考えられており、アミノ酸などの有機分子生成の起源とも言われている。本研究では極低温で金属基板上に吸着したメタン分子に0.1keVから10keVまでのHe+イオンを照射し、脱離するイオンや分子についてその生成過程を調べた。その結果、He+イオン照射により共有結合を持つアセチレン,エチレンなどの分子やイオンが生成することがわかった。脱離強度の照射エネルギー依存性,膜厚依存性をイオンのエネルギー損失過程のモンテカルロシミュレーション計算と比較した結果、分子イオンは吸着層の内部において原子核衝突による高密度励起により生成するのに対し、中性分子はイオン照射による局所的な温度上昇に伴う瞬間的なガス化により生成することが明らかとなった。
橋本 美絵; 深谷 有喜; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
no journal, ,
Ge(111)-c28表面上にSn原子を1/3原子層吸着させた
表面は、220K以下になると3
3構造へ相転移する。2次元系のパイエルス転移として考えられたが、その後異なったモデルが報告され、現在もまだ解明されていない。また最近、この表面は30K以下で別の相転移を起こし、再び
構造を形成することがわかり、光電子分光の結果からモット転移であると考えられている。しかし、相転移のメカニズムやSn原子の変位に関しては、明らかになっていない。最表面に敏感な反射高速陽電子回折(RHEPD)を用いて、
構造(293K)と3
3構造(110K)のロッキング曲線の測定を行った結果、相転移前後でほとんど変化が見られなかったことから、220Kでの相転移では、Sn原子の平衡位置は変化しないことを明らかにした。また、3
3構造(110K)と
構造(29K)のロッキング曲線の測定では、わずかな変化がみられたものの、回折パターンは3
3構造のままだった。さらに低温での研究結果について報告する。
北澤 真一; 齋藤 勇一; 本橋 健次*
no journal, ,
比表面積が大きな試料からのイオン照射による蛍光(ラジオ・ルミネセンス)は、表面の影響を反映する可能性がある。この影響を評価するために、スラリーから作製した二酸化チタン薄膜表面状態を変えるために金又は白金を蒸着させ、これにイオンの侵入深さが20nm程度となる10keVの窒素イオン又は酸素イオンを照射し、蛍光スペクトルを観測した。その結果、金や白金等の蒸着による変化がほとんど観測されないことから、表面の影響は小さいことがわかった。
吉越 章隆; 寺岡 有殿
no journal, ,
Si(111)-77酸化における、酸素分子の並進運動エネルギーによる吸着促進を放射光リアルタイム光電子分光で調べた。ad成分などの酸素吸着構造や高いSi酸化状態の生成の促進が、トラッピング状態を経由する吸着過程と異なり観測された。並進運動エネルギーによる活性化吸着過程を示唆するものである。