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波多江 仰紀; Osborne, T. H.*; 鎌田 裕; Groebner, R. J.*; 滝塚 知典; 福田 武司; Lao, L. L.*
Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(suppl.5A), p.A283 - A288, 2000/05
被引用回数:9 パーセンタイル:29.31(Physics, Fluids & Plasmas)Hモード中は、プラズマの周辺部の温度・密度分布に輸送障壁が形成される。この周辺ペデスタル領域に関する理解は、ITER物理R&Dでの緊急研究課題の一つになっている。周辺輸送障壁の幅すなわち、ペデスタル幅に関するスケーリングは、各トカマク装置で異なる種々の結果が得られており、JT-60UのELM-freeHモードプラズマでは、ペデスタル幅が、()でスケールできることが実験的に確認されている。この研究では、これまでの研究をさらに発展させ、無次元パラメタ(, , )と、ペデスタルパラメタ(周辺温度, 密度, 圧力, ペデスタル幅など)の相関について議論を行った。また、ペデスタル構造、無次元パラメタ依存性について、米国のトカマク装置DIII-Dの実験結果との比較を行った。
福田 武司; 滝塚 知典; 土屋 勝彦; 鎌田 裕; 朝倉 伸幸
Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(suppl.5A), p.A289 - A297, 2000/05
被引用回数:45 パーセンタイル:76.95(Physics, Fluids & Plasmas)閉じ込め性能の顕著な改善が得られるHモードは、ITERの標準運転方式に採用されており、これまで実験と理論の両面で活発な研究が進められてきた。その結果、H-モード遷移の物理機構に関する描像が確立されたが、遷移に必要な条件の定量的な理解には至っていない。ITERにおける遷移加熱閾値の評価も数多くの実験装置で得られた結果を統計処理した外挿値に基づいており、この予測値の幅が大きいことが問題となっている。本研究では、予測値の幅を拡げる要因として従来不明瞭であったダイバータの幾何形状効果をJT-60で調べた。その結果、開放型のダイバータに比較して排気付の閉構造ダイバータでは、Hモード遷移に必要な加熱入力が顕著に低減することがわかった。また、その要因として不純物量の低減による放射損失強度の低下とプラズマ周辺部の中性粒子がダイバータ領域に圧縮されることを明らかにした。
白井 浩; 菊池 満; 滝塚 知典; 藤田 隆明; 小出 芳彦; 坂本 宜照; 内藤 磨; 波多江 仰紀; 諫山 明彦; 鎌田 裕; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(suppl.5A), p.A109 - A115, 2000/05
被引用回数:28 パーセンタイル:63.82(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの負磁気シアプラズマでは、密度・温度勾配が非常に大きい内部輸送障壁層(ITB層)において非常に強い径電場シアが形成され、ブラズマ中心領域の閉じ込め性能が改善される。径電場は、プラズマ回転・圧力分布・磁場配位によって決定されるので、本研究ではITB層が形成された後、接線NBIの入射方向(順方向・逆方向)及び入射位置(プラズマ中心部・プラズマ周辺部)を変えてプラズマ回転分布に変化を与え、ITB層及びプラズマ中心部の閉じ込め性能に対する影響を解析した。同じ入射パワーでも、接線NBIによりITB層近傍のプラズマ回転が大きく変化した場合には、ITB層における径電場シアが弱くなり、プラズマ中心領域の閉じ込め性能が劣化することを明らかにした。ただしプラズマ中心領域への加熱パワーの増加により、プラズマ回転分布変化に伴う中心領域の閉じ込め性能劣化を回避できることも明らかにした。
井戸 毅; 神谷 健作; 三浦 幸俊; 浜田 泰司*; 西澤 章光*; 川澄 義明*
Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(5A), p.A309 - A315, 2000/05
被引用回数:18 パーセンタイル:49.29(Physics, Fluids & Plasmas)重イオンビームプローブ測定による、L/H遷移時のプラズマ境界付近での電場・揺動の挙動について発表する。加熱パワーが閾値より十分大きい時のL/H遷移では、プラズマ境界付近で-100V程度の空間電位変化が、10から100マイクロ秒の速さで起こる。加熱パワーが閾値近くになると、鋸歯状振動毎に空間電位の変化と段階的な閉じ込め改善が起こり、ELM無しHモードに至る。この時、低周波揺動は早い段階で抑制されるが、高周波揺動(~80~100kHz)は、ELM無しHモードに至る直前で抑制されることがわかった。また早い段階での空間電位分布から、輸送障壁形成に必要な電場勾配に閾値が存在するとしたら、それは1.2kV/m程度以下であることがわかった。
鎌田 裕
Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(5), p.A65 - A80, 2000/05
被引用回数:48 パーセンタイル:78.32(Physics, Fluids & Plasmas)核融合プラズマで見いだされている種々の輸送障壁について、その発生条件と制御に関するレビュー論文である。トカマク及びステラレータで見られる内部輸送障壁を、イオン系及び電子系に分けて論ずる。また、有理面の役割及び磁気シアの加熱パワーしいき値に対して論ずる。能動的輸送障壁制御手法として、回転分布制御の可能性について論ずる。さらに、各国トカマクで得られている定常高性能放電のレビューを含める。
鎌田 裕; 及川 聡洋; Lao, L. L.*; 滝塚 知典; 波多江 仰紀; 諫山 明彦; Manickam, J.*; 福田 武司; 土屋 勝彦
Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(5), p.A247 - A253, 2000/05
被引用回数:126 パーセンタイル:94.87(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの高三角度Hモードでは、通常のHモードに見られるGiant ELMが消滅し、Grassy ELMが出現する。このようなELMの変化は、三角度が高いほど、安全係数が高いほど、また、ポロイダル値が高いほど発生しやすい。Grassy ELMのあるHモードの周辺温度は、Giant ELMのあるHモード以上となり得、また、不純物の蓄積も発生しない。周辺プラズマの安定性解析の結果、Grassy ELMのあるHモードでは、バルーニング不安定性に対する第2安定化領域へ近接していることがわかった。