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宮本 ユタカ; 齋藤 陽子; 間柄 正明; 臼田 重和
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(3), p.553 - 557, 2003/03
被引用回数:4 パーセンタイル:31.21(Chemistry, Analytical)核物質や放射性核種,公害物質などが環境に与える評価の指標となり得る大気浮遊塵について、浮遊塵の組成に及ぼす天候の影響や起源を調べるために、東海研においてエアーサンプラーで連続的に大気浮遊塵を捕集した大気浮遊塵の元素組成を中性子放射化分析法で定量した。その結果、元素濃度の変動から定量元素を3つのグループに分けることができた。この濃度パターンの違いは降雨による影響を反映しているものと思われる。
長尾 誠也*; 藤嶽 暢英*; 児玉 宏樹*; 松永 武; 山澤 弘実
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(3), p.459 - 464, 2003/03
被引用回数:8 パーセンタイル:49.17(Chemistry, Analytical)腐植物質のような高分子の有機物は環境中において微量元素及び放射性核種との錯体の配位子として重要であることは広く認識されている。腐植物質は生成される環境によりその構造,官能基等の特性が異なるため、放射性核種等との錯形成,錯体の特性が変動する可能性が考えられる。しかしながら、腐植物質は天然水中には微量にしか存在しないこと、分離精製には大量の天然水の処理が必要なために多くの労力と時間がかかること、さらに腐植物質の特性分析には各種の分析法が必要なために、放射性核種等と腐植物質との錯体特性に関する検討はそれほど進んではいない。本研究では、水質の異なる4つの河川水から分離精製した腐植物質を用いて、Amとの錯体特性を分子サイズの観点より比較検討した。その結果、Amの分子サイズ分布は、フミン酸共存下では2つのパターン、フルボ酸存在下では3つのパターンに分類された。この分類は、フミン酸及びフルボ酸自体の分子サイズ分布のパターンに相当していた。このことは、腐植物質の特性がAmとの錯形成を支配していることを示唆している。
橋本 和幸; 松岡 弘充; 内田 昇二*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(3), p.575 - 579, 2003/03
被引用回数:47 パーセンタイル:92.62(Chemistry, Analytical)線放出核種である
Luは、がん治療用の核種として有望である。半減期が6.73日,
線の最大エネルギーが498keVで、組織中の
線の飛程が短い。さらに、画像化に適した208及び113keVの
線を放出する。Lu-177は、通常
Lu(n,
)
Lu反応を利用して高収率・高比放射能で製造される。しかしながら、標識抗体などを利用する放射免疫治療の分野ではより高い比放射能のRIが望まれている。そこで、無担体の
Luを製造するために、
Yb(n,
)
Yb
Lu反応を利用した製造研究を行った。本製造法では、マクロ量のYbターゲットから無担体の
Luを分離する段階が最も重要である。本研究では、逆相イオン対カラムクロマトグラフィーを用いて、その分離条件を検討した。その結果、5mgのYb
O
を用いた場合、80%の分離収率で無担体の
Luを得ることができた。
渡辺 智; 石岡 典子; 関根 俊明; 長 明彦; 小泉 光生; 下村 晴彦*; 吉川 広輔*; 村松 久和*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(3), p.495 - 498, 2003/03
被引用回数:11 パーセンタイル:58.58(Chemistry, Analytical)イオン注入法による放射性原子内包フラーレンの生成の可能性を調べることを目的として、内包原子としてXeを用い、イオン注入法による
Xe内包フラーレンの生成を行った。Ni基盤上に蒸着したC
またはC
をターゲットとし、同位体分離器により
Xeを40keVでイオン注入した。照射後のターゲットをo-ジクロロベンゼンに溶解した後、HPLCカラムに通し、溶出液中のC
またはC
をUV検出器で、
Xeの放射能をGe検出器でそれぞれ測定した。得られた溶離曲線に、
XeとC
またはC
とのピークの強い相関が見られたことから、
Xe内包フラーレンが生成していると結論付けた。また、
Xeピークにテーリングが見られた。このテーリングは、空のフラーレンからの
Xe内包フラーレンの単離の可能性を示した。
上野 隆; 長尾 誠也; 山澤 弘実
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(2), p.335 - 339, 2003/02
被引用回数:21 パーセンタイル:77.75(Chemistry, Analytical)放射性核種の地表面への移行を評価するため、1993年から2001年まで東海村の原研構内において水盤により降下物の採取を行った。月ごとの降下物試料を蒸発法により前処理して残査試料を得た。それらの試料中の天然及びフォールアウト核種を井戸型Ge検出器により測定した。測定結果の解析により、早春に降下物量が多くなることを明らかにした。K及び
Csの降下量は降下物の重量と良い相関を示すが、
Be及び
Pbの降下量はより低い相関であった。この違いは2つのグループの核種の起源の違いに依っている。また、降下物中の各核種の濃度における特徴は、発生から輸送及び沈着までに関係する粒子の大きさと輸送及び沈着過程における異なるメカニズムと起源の違いによるものと考えられる。
有阪 真*; 木村 貴海; 菅沼 英夫*; 吉田 善行
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(2), p.385 - 389, 2003/02
被引用回数:5 パーセンタイル:36.34(Chemistry, Analytical)塩化リチウム-水/アルコール混合媒体を用いる陰イオン交換(AG 1X8樹脂)系におけるEu(III)のクロロ錯形成を時間分解レーザー誘起発光分光法により評価した。Eu(III)のクロロ錯形成は、塩化リチウムまたはアルコール濃度の増加に伴い溶液相と樹脂相の両相で促進された。アルコール濃度の増加による錯形成促進効果はメタノールよりエタノールの方が顕著だった。溶液相では観察されなかった陰イオン錯体が樹脂相では見いだされ、樹脂相の化学環境はEu(III)のクロロ錯形成にとって特異な反応場を提供することがわかった。Eu(III)の陰イオン交換樹脂への吸着挙動は主に樹脂相の化学環境に支配され、Eu(III)は、吸着過程を通じて錯陰イオンを形成することを見いだした。
齋藤 陽子; 宮本 ユタカ; 間柄 正明; 桜井 聡; 臼田 重和
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(2), p.341 - 345, 2003/02
被引用回数:4 パーセンタイル:31.21(Chemistry, Analytical)環境への原子力活動の影響をよりよく理解するために、核物質の量及び分布を明らかにすること、すなわち、環境モニタリングが必要である。大気浮遊じんは、放射性物質や大気汚染物質の直接の輸送媒体であるため、しばしばモニタリングの指標として使われている。エアサンプラーは、大気浮遊じんを捕集するために使われるが、それらは捕集の時期や場所に制限がある。大気浮遊じんは、植物の葉表面に付着することが知られている。この現象に着目して、ウランの環境モニタリングのための指標として松葉表面付着物を利用することを検討した。原研東海研内の松林で採取した松葉を溶剤で洗浄し、表面付着物を回収した。また大気浮遊じんは、松葉採取と同じ場所でエアサンプラーにより捕集した。それぞれの元素濃度は機器中性子放射化分析(INAA)により測定した。松葉表面付着物中の元素濃度パターンは、同時期に捕集した大気浮遊じんと一致し、大気浮遊じんは、松葉表面付着物の主な成分であることがわかった。これらは、松葉表面付着物がウランの環境モニタリングのための指標となる可能性を示唆する。発表では、ICP-MSによるウランの同位体比及び定量分析の結果も報告する。
松江 秀明; 米澤 仲四郎
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(1), p.125 - 129, 2003/01
被引用回数:8 パーセンタイル:49.17(Chemistry, Analytical)k-中性子即発
線分析法(k
-PGA)は、内標準法に基づき、比較標準試料を使用しないで多元素を正確に定量できる。われわれはk
-PGAの検討を行い、27元素のk
係数を測定してきた。k
係数は他の施設でも共用でき、核データからも計算可能である。しかし、現在利用可能な核データ集としてLoneのデータがあるが、十分ではない。このため、昨年度よりIAEAの主催する国際共同研究「中性子即発
線分析のためのデータベースの開発」においてk
係数の測定,及び必要な核データの評価が始められた。その一環として、ハンガリー同位体及び表面化学研究所(IKI)のグループが79元素のk
係数を報告し、また、ローレンス・バークレイ国立研究所(LBNL)及びIKI共同で軽元素の核データが公開された。本研究では、演者らの測定値とIKIのk
係数,LBNL-IKI及びLoneのデータから計算したk
係数を比較しk
係数の正確さの評価を行った。
天野 光; 小沼 義一*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(1), p.217 - 222, 2003/01
被引用回数:8 パーセンタイル:49.17(Chemistry, Analytical)チェルノブイル事故炉周辺30km圏で採取した土壌につき、Cs-127,Sr-90、及びPu同位体の土壌中深度分布と存在形態を調べた。存在形態は、化学的分画法である選択的抽出法によった。調べた土壌は、砂質土,ピート土、及びポドゾル土である。ポドゾル土については、汚染が燃料の微細粒子であるホットパーティクルによるものと、Cs-137についていわゆる凝縮成分と呼ばれているものとについても調べた。事故後10年以上経過しているが、汚染の初期形態の如何にかかわらず調査した放射性核種の大部分は依然として表層に留まっている。一方、少量であるが下方浸透する成分も存在している。核種ごとの特徴として、ホットパーティクルから溶け出した後、各核種は主にイオン交換的に下方浸透し、土壌マトリックスと反応する。Cs-137はピート土のような有機性土壌では浸透が大きく、一方Pu同位体は腐植物質のような有機物と結合性を有する、などがわかった。
Guo, J.; 安藤 麻里子; 天野 光
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(1), p.223 - 229, 2003/01
被引用回数:7 パーセンタイル:45.25(Chemistry, Analytical)本研究では、Cの表層環境中挙動を評価するために、茨城県内3地点の未攪乱森林土壌において、有機物含有量、
C値,
C,
Csの土壌中深度分布を測定・解析した。
Cs比放射能のピークは3地点でともに地表から5-10cmの所に存在した。
Csのフォールアウトは1963-1964年に最高値を示していたことが知られていることから5-10cmの深さが1964年近くに対応していることがわかる。
C比放射能は、高速燃焼-二酸化炭素吸収-液体シンチレーション測定法により測定した。
C比放射能も同様に上層10cmまでにピークが存在したが、そのピークは
Csのピークよりも上方にずれる傾向を示し、
Cが
Csより地表を循環する傾向が強いことを示唆している。
初川 雄一; 藤 暢輔; 大島 真澄; 早川 岳人; 篠原 伸夫; 櫛田 浩平; 上野 隆; 豊田 和弘*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(1), p.111 - 113, 2003/01
被引用回数:12 パーセンタイル:61.32(Chemistry, Analytical)線の同時計測の原理を応用することにより微小の
線ピークの検出を可能にした多重
線分析法について報告する。多重
線分光法の開発、及びその応用として長寿命放射性核種
Iの分析と岩石試料中の極微量のイリジウムの分析について紹介する。
Iの分析においては海草中に含まれるヨウ素中に
I/
Iの比において3.5
10
の微量の
Iの定量に成功した。またイリジウムの分析においては標準岩石試料中の300ppbから150pptの極微量のイリジウムの分析結果を示す。
米澤 仲四郎; 松江 秀明; 湯川 雅枝*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(1), p.105 - 109, 2003/01
被引用回数:5 パーセンタイル:36.34(Chemistry, Analytical)放射線防護,栄養学及び生物の代謝研究等において重要な、微量ヨウ素を正確に分析するため、熱外中性子放射化とコンプトンサプレッション線スペクトロメトリーによる非破壊定量法の検討を行った。分析は、試料をJRR-4の気送管照射設備で熱外中性子照射し、直ちにGe-BGO検出器を使用したコンプトンサプレッション型
線スペクトロメーターによって
線を測定する方法によって行った。熱外中性子照射により、微量ヨウ素の定量に妨害する
Clと
Naの生成量とそのコンプトンバックグラウンド計数値が大幅に抑制され、ヨウ素の検出限界は通常の熱中性子放射化と
線測定では2600ppbであるのに対し、熱外中性子放射化により450ppb、さらにコンプトンサプレッション測定により14ppbまで改善することができた。確立した分析法により、甲状腺,食事試料,ミルク粉末,牛の筋肉等の各種生体試料中の数十ppb以上のヨウ素を定量した。