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千葉 豪; 石川 真
AIP Conference Proceedings 769, 468- Pages, 2005/08
ERRORJコードはライヒムーア型の分離共鳴パラメータおよび非分離共鳴パラメータの共分散を処理できる世界で唯一のコードである。現在、高い信頼性を有する新たなバージョンが開発され公開されている。本論文では、ERRORJの改訂内容、およびSAMMYコードとの比較結果を述べる。また、ENDF/B, JEF(F)、JENDL に格納されている共分散データを処理し、その結果、大きな相違が見られたことを示す。
大木 繁夫
AIP Conference Proceedings 769, P. 472, 2005/06
本論文は、高速炉サイクルシステム開発の一環として行っているPIE解析によるMA核データの検証研究を紹介するものである。PIE解析は高速実験炉「常陽」において照射したMAサンプル(237Np, 241Am, 243Am, 244Cm)について実施中である。予備解析結果により、241Am捕獲反応の核異性体比が高速炉の中性子スペクトルにおいて約0.85(g/(g+m))であることが示された。これより、ENDF/B-VIとJENDL-3.3の同データの再評価が必要である。Cm同位体についての結果からは、ENDF/B-VIの244Cm捕獲反応、JENDL-3.3の245Cm捕獲反応断面積が過大評価となっている可能性が示唆された。
石川 真
AIP Conference Proceedings 769, p.1405 - 1410, 2005/06
我が国では、近年核データの高速炉心への適用分野において、幾つかの進歩があった。本論文の目的は、炉定数と解析コード、高速炉実験データベース、FBR設計研究への適用の3項目について、最近の進捗を紹介することである。サイクル機構の基本方針は、追跡可能性・再現性・説明責任の観点から、研究成果に関する可能な限り多くまた詳細な情報を、世界に提供することにある。
深堀 智生
AIP Conference Proceedings 769, p.47 - 52, 2005/05
近年、中高エネルギー核データが核変換処理のための加速器駆動システム,核破砕中性子源粒子ビームによる先端ガン治療,半導体の放射線によるエラー率推定,宇宙飛行士の被曝線量評価等の多くの研究分野から要求されている。この要求に応えるため、世界中の多くのグループが20MeV以上のエネルギー領域における核データ評価に関する活動を続けている。中高エネルギー領域の核データ評価の初期の段階は米国において開始された。例えば、1980年代後半、ブルックヘブン国立研究所核データセンターのPearlsteinは、系統式を作成し、ALICEコードを改良して、中高エネルギー陽子及び中性子核データ評価を行った。ローレンス・リバモア国立研究所では、同時期に医療用の中高エネルギー核データを開発している。これらの活動に続いて、欧州,日本,ロシア,中国,韓国等でこのエネルギー領域での核データ整備が始まった。本稿では、中高エネルギー核データ評価に関する方法・成果をレビューするとともに、JENDL高エネルギーファイルを中心に各国のファイルと実験データの比較及びベンチマーク計算結果の比較を行う。
岸田 則生*; 村田 徹*; 浅見 哲夫*; 小迫 和明*; 真木 紘一*; 原田 秀郎*; Lee, Y.*; Chang, J.*; 千葉 敏; 深堀 智生
AIP Conference Proceedings 769, p.199 - 202, 2005/05
光核反応に対する核データは、高エネルギー電子加速器の遮蔽設計及び高エネルギー線治療の分野に必要である。JENDL光核反応データファイルは、シグマ委員会の光核反応データ評価ワーキンググループによって整備された。われわれは多くの文献サーベイから、評価に必要な十分な実験データが圧倒的に不足しているので、光核反応データファイルを実験データのみから作成するのは困難であるという結論を得た。したがって、評価は統計模型核反応モデルの助けを借りて実施した。JENDL光核反応データファイルに格納される断面積データ等の物理量は、光吸収断面積,中性子,陽子,重陽子,三重陽子,He粒子,粒子の収量及び二重微分断面積,同位体生成断面積である。アクチノイド核種に対しては、これに光核分裂断面積を加える。格納されるHからNpまでの68核種に対する最大光子入射エネルギーは140MeVである。
岩本 修; Herman, M.*; Mughabghab, S. F.*; Oblozinsk, P.*; Trkov, A.*
AIP Conference Proceedings 769, p.434 - 437, 2005/05
ゲルマニウム同位体に対する新たな評価を、熱エネルギーから20eVの中性子に対して行った。光子の生成に特に注目した。共鳴領域で以前の評価と比較し、大きな改善が行われた。高速中性子領域の評価に計算コードEMPIRE-2.19を使用した。鉄及びニオブに対する計算を通じて、光子生成の妥当性の検証を行った。また、同位体の評価値から天然元素データを構成し、天然ゲルマニウムの実験データと比較を行った。光子生成に関するさまざまな量を示し、中性子入射エネルギーに対する強い依存性について議論を行う。
柴田 恵一; 中川 庸雄; 深堀 智生; 市原 晃; 岩本 修; 大塚 直彦*; 片倉 純一
AIP Conference Proceedings 769, p.171 - 176, 2005/05
招待講演としてJENDL計画の現状について報告する。内容は、以下の通りである。汎用ライブラリーとして、JENDL-4が開発中である。このライブラリーでは、中性子入射反応に加え、荷電粒子・光子入射反応や自発核分裂データも核種を限定して扱われる。最大入射エネルギーはニーズに応じて、現行の20MeVより拡張される。JENDL-4では、マイナーアクチニドやFPデータの精度向上,共分散データの充実等が図られるとともに、品質保証が重要なテーマとなる。一方、特殊目的ファイルとしてはJENDL高エネルギーファイル、光核反応データファイルを今年公開した。また、ADS開発のために、アクチニドファイルや共分散ファイルの作成を行っている。評価用コードの開発では、核反応断面積計算コードを作成し、最新の原子核理論をデータ評価に活用している。さらに、データ利用者のために、インターネットを介した総合核データ利用システムを開発中である。
藤 暢輔; 大島 真澄; 小泉 光生; 長 明彦; 木村 敦; 後藤 淳; 海老原 充*
AIP Conference Proceedings 769, p.1666 - 1669, 2005/05
多くの原子核は、中性子捕獲反応において2つ以上の即発線を同時に放出する。文科省公募型特会事業においては、中性子捕獲反応によって発生する即発線を測定することにより中性子捕獲反応断面積測定を行うことを計画している。同時に放出される線を2つ以上の線検出器を用いて測定を行い、得られた事象ごとに2つのエネルギー軸を持つ2次元スペクトル上に加算する。2次元スペクトルを解析することによって、従来の1次元法に比べて高精度の断面積データ取得が可能になる。この解析においては、即発線のエネルギーだけでなく、励起準位構造核データも必要とする。しかし、一般的にエネルギーのデータに比べてこれらの核データは乏しいため、その整備は重要である。JRR-3Mの冷中性子ビームラインを用いた核データ実験についての報告を行う。
明午 伸一郎; 執行 信寛*; 伊賀 公紀*; 岩元 洋介*; 木附 洋彦*; 石橋 健二*; 前畑 京介*; 有馬 秀彦*; 中本 建志*; 沼尻 正晴*
AIP Conference Proceedings 769, p.1513 - 1516, 2005/05
核破砕中性子源等のビームライン機器の設計に使用される核子・中間子輸送計算コードの計算精度検証のためには、薄いターゲットを用いた微分断面積測定データのみならず、厚いターゲットの実験が有効である。今回はKEKにおいて鉄ターゲットから生成される中性子スペクトルを測定した。実験はKEKの東カウンターホール内で行った。1.5GeV陽子を20cm厚の鉄ターゲットに入射し、生成中性子のスペクトルを飛行時間法により測定した。測定で得た結果とNMTC/JAMによる計算結果との比較を行った。計算は実験と全体的によい一致を示しており、特に重金属ターゲットに見られた過小評価は見られない。また媒質効果を考慮した核子・核子断面積を用いることにより、計算はさらに実験とよい一致を示し、最大でも50%以内の精度で予測できることがわかった。この結果は、鉄製機器の核特性評価を行ううえで本計算手法が十分な精度を有していることを示す。
後藤 淳; 菅原 昌彦*; 大島 真澄; 藤 暢輔; 木村 敦; 長 明彦; 小泉 光生; 水本 元治; 大崎 敏郎*; 井頭 政之*; et al.
AIP Conference Proceedings 769, p.788 - 791, 2005/05
マイナーアクチニド(MA)の中性子捕獲断面積は、ADSなどの革新的原子炉の研究開発で高精度な値が必要となる。しかし、現状では誤差が大きいものが多く、またデータ間で矛盾が生じているものもあり、より高精度な測定が望まれている。そこで、われわれは高精度なMA中性子捕獲断面積測定を目指し、全立体角Geスペクトロメータを開発している。全立体角Geスペクトロメータは、30個のGe結晶で測定試料を覆うことで、高効率,高エネルギー分解能で線を検出する装置である。本研究では、シミュレーションプログラムGEANT4を用いてスペクトロメータのシミュレーションを行った。スペクトロメータに線を入射させ、線と物質との相互作用をシミュレーションすることで検出器の応答を調べた。その結果より、本スペクトロメータが1520%の絶対効率(1MeV線に対して)であることがわかった。
木村 敦; 藤 暢輔; 小泉 光生; 長 明彦; 大島 真澄; 後藤 淳; 井頭 政之*
AIP Conference Proceedings 769, p.792 - 795, 2005/05
革新的原子炉や加速器駆動炉の設計研究に重要なマイナー・アクチニド(MA)の核データの整備を目的に、多重線検出装置を用いたMAの断面積測定を行っている。本研究で使用する多重線検出装置は、多数のGe半導体検出器及びコンプトンサプレッションを行うためのBGOシンチレーターからなる。従来、このような装置においてはNIM形式のモジュールを組合せてデータ収集系を構成していた。従来、このような装置においてはNIM形式のモジュールを組合せてデータ収集系を構成していた。このため、この方式では多くのスペースが必要となるだけでなく、1chあたり百数十万円以上の費用がかかる。そこで、本研究においては近年急速に発展しているADC技術とディジタル波形処理技術を用いて、省スペースで安価・高速の測定系を作成した。その結果、1chあたり25万円以下の低コストで、高密度のデータ収集系を作成することができた。
佐藤 大樹; 佐藤 達彦; 遠藤 章; 山口 恭弘; 高田 真志*; 石橋 健二*
AIP Conference Proceedings 769, p.1680 - 1683, 2005/05
高エネルギー中性子に対する有機液体シンチレータの応答関数を評価するために、SCINFUL-QMDコードを開発した。SCINFUL-QMDによる計算結果の妥当性を調べるため、放射線医学総合研究所のHIMACにおいて、有機液体シンチレータの応答関数を測定した。800MeV/uのSiイオン及び400MeV/uのCイオンを、厚い炭素ターゲットに入射させ、核破砕反応により放出された中性子に対して、飛行時間法によりその運動エネルギーを測定し、入射中性子エネルギーごとの応答関数を導出した。実験値とSCINFUL-QMDによる計算値を比較した結果、SCINFUL-QMDは、既存の応答関数計算コードよりも適切に実験値を再現できることがわかった。
渡辺 幸信*; 深堀 智生; 小迫 和明*; 執行 信寛*; 村田 徹*; 山野 直樹*; 日野 哲士*; 真木 紘一*; 中島 宏; 小田野 直光*; et al.
AIP Conference Proceedings 769, p.326 - 331, 2005/05
JENDL高エネルギーファイル(JENDL-HE)のために行われた核データ評価について概要を報告する。JENDL-HEには132核種に対する3GeVまでの中性子及び陽子入射断面積が格納される予定である。JENDL-HEの現在の版は、ENDF-6フォーマットにより、中性子全断面積,弾性散乱断面積及び角度分布,弾性散乱外断面積,粒子( He, , )生成断面積及び二重微分断面積,同位体生成断面積,核分裂断面積が格納されている。現在のところ、評価は実験データ及びモデル計算を用いて行われている。断面積計算には、ECIS96, OPTMAN, GNASH, JQMD, JAM等の種々のモデル計算コード及びTOTELA, FISCAL等の系統式を用いたコードを用いている。評価された断面積は、実験データ及び他の評価値と比較される。今後、提案された高エネルギー断面積データニーズにしたがって、整備を進める予定である。
Cano-Ott, D.*; Abbondanno, U.*; Aerts, G.*; lvarez, H.*; lvarez-Velarde, F.*; Andriamonje, S.*; Andrzejewski, J.*; Assimakopoulos, P.*; Audouin, L.*; Badurek, G.*; et al.
AIP Conference Proceedings 769, p.1442 - 1445, 2005/05
アクチナイド核種の高精度・高信頼度核データは核変換システムの核設計,安全性と性能評価のために必要である。特に、Np, Pu, Am核種の中性子捕獲断面積は核廃棄物の核変換処理方針の策定と最適化のために重要である。2004年のn_TOF実験において新しい実験手法を用いて得られたこれらの高精度核データについて報告する。
Furman, W.*; Cennini, P.*; Ketlerov, V.*; Goverdovski, A.*; Konovalov, V.*; Abbondanno, U.*; Aerts, G.*; lvarez, H.*; Alvarez-Velarde, F.*; Andriamonje, S.*; et al.
AIP Conference Proceedings 769, p.1039 - 1042, 2005/05
CERNのn_TOF施設において一連のNp核分裂断面積測定を行った。高速イオンチェンバーを核分裂生成核種の検出に用いた。全実験誤差はほぼ3%であった。5eVから1MeVの中性子エネルギーでの実験解析は、ENDF/B-VI評価値からの系統的なずれを示した。この差は5eV2keVの領域の分離共鳴ではファクター3に達し、以前の測定と一致することがわかった。閾値近傍においては6-7%の同様の不一致が見られた。このエネルギー領域はADSあるいはFBRでのNpの核変換にとって重要であり、Npの核データの再評価が必要であるとの結論を得た。
大塚 直彦; 合川 正幸*; 須田 拓馬*; 内藤 謙一*; Korennov, S.*; 新井 好司*; 能登 宏*; 大西 明*; 加藤 幾芳*; 中川 庸雄; et al.
AIP Conference Proceedings 769, p.561 - 564, 2005/05
EXFORとENDF書式に格納された実験データ・評価済データに対する核反応データウェブ検索作図システムが開発された。このシステムはLinux上でPerlとMySQLをCGIスクリプトとデータベースマネージャーとして動作する。それぞれ実験データと評価済データに対する2つの試作システムが紹介される。
Oblozinsk, P.*; Herman, M.*; Mughabghab, S. F.*; Sirakov, I.*; Chang, J.*; 中川 庸雄; 柴田 恵一; 川合 將義*; Ignatyuk, A. V.*; Pronyaev, V. G.*; et al.
AIP Conference Proceedings 769, p.438 - 441, 2005/05
5つの主要評価済核データライブラリーに入っている核分裂生成物核種の断面積データをレビューした。本件は、評価国際協力ワーキングパーティ(WPEC)のサブグループ21の作業として行ったもので、原子番号31から68の範囲の核種に対する最善の評価済データを推奨することを目的としている。全部で、既に存在している211核種のデータを調査し、さらに新たな7核種のデータを加え、218核種に対する推奨値を決定した。
坂根 仁; 古高 和禎; Shcherbakov, O.; 原田 秀郎; 藤井 俊行*; 山名 元*
AIP Conference Proceedings 769, p.1000 - 1002, 2004/09
比較的信頼度の高いN-14とAl-27に対する熱中性子捕獲断面積を、ペアスペクトロメータシステムを用いた即発線分光法と線スペクトルのアンフォールディングの組合せにより導出し、その方法の有効性を確認した。
古高 和禎; 原田 秀郎; Raman, S.*
AIP Conference Proceedings 769, p.1454 - 1457, 2004/00
Tc の熱中性子捕獲断面積を決定するため、反応で放出される即発線の解析を行った。得られたデータから、36の準位と88本の線からなる部分崩壊図を作成した。6本の線が基底状態への遷移であることがわかった。基底状態への遷移の強度の和から、反応の断面積の下限値が21.370.68bと求まった。準位のエネルギーの最小自乗法によるフィットから、Tcの中性子分離エネルギーが6765.200.04keVと求まった。Tcがベータ・マイナス崩壊して生成するRu核の線の解析も行い、これからは熱中性子捕獲断面積が22.81.8bと求まった。
Shcherbakov, O.; 原田 秀郎; 古高 和禎; 中村 詔司; 坂根 仁; 小林 捷平*; 山本 修二*
AIP Conference Proceedings 769, p.1007 - 1010, 2004/00
Np-237の中性子捕獲断面積を、0.02から100eVのエネルギー領域で、B-10(n,alpha)Li-7反応断面積との相対値として測定した。測定には、飛行時間法を用いた。8.54リットルのBGOシンチレーション検出器を4-piガンマ線検出器として用いた。パルス中性子源として、46MeVの線形加速器を用いた。測定で得られた結果を、他の実験値及び評価値と比較した。