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狩野 恒一*; 萩原 聡*; 五十嵐 誉廣; 大谷 実*
Electrochimica Acta, 377, p.138121_1 - 138121_10, 2021/05
被引用回数:19 パーセンタイル:64.52(Electrochemistry)参照相互作用サイトモデル+密度汎関数理論(ESM-RISM-DFT)を用いて、酸性条件下でのAl電極/NaCl水溶液界面での腐食電位の解析を行った。カソードおよびアノード反応の電極電位を電子化学ポテンシャルを変数とするグランドポテンシャルから取得し、ターフェル外挿法を使用して腐食電位を取得した。腐食電位の結果は、実験データと一致した。溶液のpHを制御することにより得られた腐食電位のpH依存性は、実験結果とよく一致した。ESM-RISM-DFTによって酸性溶液の環境への影響が適切に表現され、腐食電位が正確に決定された。ESM-RISM-DFTを用いることで、さまざまな反応の腐食電位が計算できることが示唆される。
坂本 友和*; 松村 大樹; 朝澤 浩一郎*; Martinez, U.*; Serov, A.*; Artyushkova, K.*; Atanassov, P.*; 田村 和久; 西畑 保雄; 田中 裕久*
Electrochimica Acta, 163, p.116 - 122, 2015/05
被引用回数:58 パーセンタイル:82.72(Electrochemistry)Carbon supported Ni, NiZn, and Co hydrazine electrooxidation catalysts were synthesized by an impregnation/freeze-drying procedure followed by thermal annealing for use as anode catalyst of direct hydrazine hydrate fuel cells (DHFCs). The cell performance of DHFCs changed significantly when different catalysts were used as anode. Ammonia generation from anode outlet at open circuit voltage (OCV) condition was higher for Co/C than for Ni-based catalysts. To better understand the cause of different performance and selectivity of each anode catalyst, extensive ex-situ and operando characterization was carried out. Operando XAFS measurement of Ni-K and Co- edge shows the potential dependence of atomic structure of Ni/C, NiZn/C, and Co/C during hydrazine electrooxidation reaction.
北辻 章浩; 音部 治幹; 木村 貴海; 木原 壯林*
Electrochimica Acta, 141, p.6 - 12, 2014/09
被引用回数:5 パーセンタイル:9.35(Electrochemistry)弱酸性溶液中でのU(VI)の電解還元過程を電気化学的、及び分光学的手法を用いて調べた。金マイクロ電極を用いてボルタンメトリー測定したところ、pH2.0から3.5の溶液中で、U(VI)からU(V)への可逆な一電子還元波と、U(V)の非可逆な還元波を観測した。金網電極を用いて、U(VI)からU(V)への還元が生じる電位で定電位差電解を行ったところ、U(IV)の凝集体が電極上及び溶液中に形成された。この凝集体は電解還元されたU(V)の不均化反応により生成すること、凝集体の生成により不均化反応速度が増大することを明らかにした。この反応により、U(VI)の定電位差電解は、電解の途中で急激に電流が増加する特異な挙動を示すことになる。電解により溶液中に形成されるU(IV)の凝集体をX線回折により分析したところ、結晶性の悪いUOであった。
Chen, R.*; 田中 寿*; 川本 徹*; 浅井 幸*; 福島 千賀子*; Na, H.*; 栗原 正人*; 渡邉 雅之; 有阪 真; 南川 卓也
Electrochimica Acta, 87, p.119 - 125, 2013/01
被引用回数:112 パーセンタイル:94.80(Electrochemistry)銅(II)ヘキサシアノ鉄酸(III)を用いた今までにない電気化学的吸着システムによる廃液からのセシウムの選択的除去法が提案された。このシステムは余分な化学薬品を使用することなく、濾過処理も必要としないセシウムの分離法として利用できる。セシウムの取りこみと脱離は、電気化学的に適当な電位を陽極、陰極間にかけるスイッチングにより制御可能である。バッチ実験の速度論的研究結果は、粒子間拡散方程式によく合致し、急こう配な上昇とそれにつづくプラトーを二段階過程方程式として反映している。他の共存アルカリ金属イオンがあっても、高い分配係数(510mL/g以上)を与え、効率的なセシウムの除去がpH0.3から9.2までの広い範囲で可能で、放射性廃液処理に有効な方法であると考えられる。
木内 久雄*; 丹羽 秀治*; 小林 正起*; 原田 慈久*; 尾嶋 正治*; 畳開 真之*; 難波江 裕太*; 黒木 重樹*; 柿本 雅明*; 池田 隆司; et al.
Electrochimica Acta, 82(1), p.291 - 295, 2012/10
被引用回数:14 パーセンタイル:33.51(Electrochemistry)含窒素ポリアミド(PA)と窒素を含まないフェノール樹脂(PhRs)由来の金属を含まない炭素触媒への酸素吸着特性を調べた。電気化学分析及びラマン分光からPA由来の炭素触媒はPhRs由来の物よりもより高い2電子酸素還元活性を示し、またより多くの欠陥を含むことがわかった。X線光電子分光からグラファイト状窒素が酸素吸着に寄与しPA由来の触媒ではC=Oが主な成分であることがわかった。これらの実験結果はグラファイト状窒素の近傍に吸着したC=O成分が2電子酸素還元の活性点であることを示唆している。
小林 正起*; 丹羽 秀治*; 斎藤 信*; 原田 慈久*; 尾嶋 正治*; 大渕 博宣*; 寺倉 清之*; 池田 隆司; 腰越 悠香*; 尾崎 純一*; et al.
Electrochimica Acta, 74, p.254 - 259, 2012/07
被引用回数:52 パーセンタイル:79.89(Electrochemistry)鉄フタロシアニンとフェノール樹脂の混合物を800Cで焼成して得た炭素触媒における酸素還元活性に対する鉄の役割を明らかにすることを目的に残存鉄の電子構造をXAFS実験により酸洗いの前後で調べた。鉄のK端X線発光強度から酸洗いにより炭素触媒の残存鉄が36%減少することがわかった。XAFSスペクトルから鉄の成分が酸洗いにより変化しないことが明らかになった。これは鉄の化学状態によらず酸洗いにより残存鉄が取り除かれることを示唆する。酸洗いにより酸素還元能がほぼ不変であることから残存鉄は炭素触媒の酸素還元活性に直接寄与しておらず、おもに熱分解時にsp炭素のネットワーク構造を成長させる触媒として働くと考えられる。本研究の結果は鉄フタロシアニン由来の炭素触媒における酸素還元活点は炭素や窒素といった軽元素であることを示唆している。
北辻 章浩; 木村 貴海; 木原 壯林*
Electrochimica Acta, 74, p.215 - 221, 2012/07
被引用回数:2 パーセンタイル:5.15(Electrochemistry)白金黒付グラッシーカーボン繊維を作用極とするカラム電極を作製し、種々の原子価のU, Np及びPuの酸化還元をフロー電解により調べた。電解挙動を従来用いてきたグラッシーカーボン繊維を作用極とするカラム電極によるものと比較した。白金黒の電極触媒作用によりNp(V)及びPu(V)の還元に対する過電圧が大きく低減され、Np(V)からNp(IV)への一電子還元波とそれに引き続くNp(III)への一電子還元波の逐次還元されることがわかった。また、Pu(VI)は、Pu(V)やPu(IV)を経ることなくPu(III)まで三電子還元された。これらの電解挙動は、従来用いてきたグラッシーカーボン電極で観られた還元とは異なる反応過程によるものである。これに対しU(VI)の還元や、Np及びPuの可逆な酸化還元は、電極触媒による影響が小さい。回転ディスク電極ボルタンメトリー測定により、白金黒付電極での還元過程を調べ、白金の還元的水素吸着電位よりも高い電位で、Np(V)の還元電流が流れることを初めて見いだした。得られた酸化還元データをもとに、U, Np及びPuの迅速かつ精密な原子価調整法を提案した。
平山 雅章*; 坂本 和幸*; 平出 哲也*; 森 大輔*; 山田 淳夫*; 菅野 了次*; 園山 範之*; 田村 和久; 水木 純一郎
Electrochimica Acta, 53(2), p.871 - 881, 2007/12
被引用回数:45 パーセンタイル:67.01(Electrochemistry)X線を用いたリチウムイオン電池中の電極/溶液界面の構造変化を調べるための手法について検討を行った。電極は単結晶SrTiO基板上に、パルスレーザー堆積法により作成した。SrTiOの面方位を変えることで、堆積するLiNiCoO薄膜の方位を制御した。実験の結果、LiNiCoO(110)/溶液界面では、充放電第一サイクル目で固液界面で新たな薄膜が形成されるのに対して、(003)面/溶液界面では薄膜は形成されずに、ラフネスが増加することがわかった。
田村 和久; 大古 善久*; 河村 博行; 吉川 英樹*; 立間 徹*; 藤嶋 昭*; 水木 純一郎
Electrochimica Acta, 52(24), p.6938 - 6942, 2007/08
被引用回数:26 パーセンタイル:48.08(Electrochemistry)バンドギャップエネルギーよりも数桁大きなエネルギーを持つX線をTiO及びSrTiOに照射した場合でもUV照射と同じ光電気化学反応が起きるかどうかについて検討した。その結果、TiO, SrTiOどちらの場合でもX線照射時に、UV照射時と同じく光電流・光電位・電気化学的酸化反応が確認された。また、X線照射時のIPCEが非常に高いことも明らかにした。
Kuznetsov, S. A.*; 林 博和; 湊 和生; Gaune-Escard, M.*
Electrochimica Acta, 51(13), p.2463 - 2470, 2006/03
被引用回数:95 パーセンタイル:86.36(Electrochemistry)使用済燃料の乾式再処理プロセスの検討のためには溶融塩中のアクチノイドと希土類元素の分離係数が必要である。その一例としてウランとランタンの分離係数の導出法を示した。またUClとLaClを含んだLiCl-KCl共晶溶融塩試料の電気化学測定を行い、U(III)/U及びLa(III)/Laの酸化還元電位,Uイオンの拡散係数,U(III)/U電極反応の電子授受速度を測定した。これらのデータを用いてウランとランタンの分離係数を求めた。
近藤 敏啓*; 田村 和久*; 高橋 正光; 水木 純一郎; 魚崎 浩平*
Electrochimica Acta, 47(19), p.3075 - 3080, 2002/07
被引用回数:31 パーセンタイル:57.50(Electrochemistry)単結晶電極を研究するために、表面X線散乱用の新しい光電気化学セルを作製した。この光電気化学セルを用いることで、単結晶電極の特定の面の電気化学的性質がメニスカスモードで測定できるとともに、表面X線散乱実験も容易におこなうことができる。このセルの有効性を示すために、電析量の精密さが要求される試料: Au(111)及びAu(001)上のPd薄膜の電析を研究した。
澁谷 秀雄*; 東島 隆浩*; 江崎 尚和*; 森永 正彦*; 菊池 圭一
Electrochimica Acta, 43(21), p.3235 - 3239, 2002/00
遷移金属基合金の水素過電圧に及ぼす合金元素の影響について提案されている理論を、Zr合金についても系統的な実験と電子構造の計算より確証した。3d、4d、5d遷移金属を3mol%添加したZr二成分系合金の水素過電圧は、合金元素Mとともに大きく変化した。この変化は、Mが純金属のときの水素過電圧の変化とよく似ていた。これらの結果は、DV-Xクラスター法より求めたZr中の合金元素Mのイオン性を用いて説明できる。つまり、Hfを除く大部分の合金元素は負のイオン性であり、そのため、母金属であるZrから合金元素Mへ電子の移行が生じる。このようにして負に帯電した合金元素は水素発生反応サイト、つまり、プロトンに電子を与えるサイトとして作用する。このため、合金の水素過電圧は合金元素によって大きく変化すると考えられる。なお、本件は、大学への委託研究として実施したものの成果である。
佐々木 祐二
Electrochimica Acta, 42(12), p.1915 - 1920, 1997/00
被引用回数:2 パーセンタイル:12.10(Electrochemistry)電解酸化処理して超伝導特性がより向上したLaCuO超伝導物質の酸化状態をフロークーロメトリーを基礎とする湿式化学分析法で決定した。電解後の試料バルクの酸化状態の比、CuO/Cu total (Xb)は電位と電解磁化に強く依存した。また再電解によるXbの低減も観察した。溶液とLaCuOとの電極反応を水素、酸素発生を伴う、酸性中ではCuO+2HeCu+HO、アルカリ溶液中ではCuO+HO+eCu+2OHと推定した。これら試料の超伝導特性を測定し、それはXbとともに増加することを確認した。