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矢島 健*; 日沼 洋陽*; 堀 智*; 岩崎 類*; 菅野 了次*; 大原 高志; 中尾 朗子*; 宗像 孝司*; 廣井 善二*
Journal of Materials Chemistry A, 9(18), p.11278 - 11284, 2021/05
被引用回数:23 パーセンタイル:80.28(Chemistry, Physical)Herein, we studied the crystalline compound LiGePS with the largest Li-ion conductivity thus far via a novel route based on a combination of single-crystal neutron diffraction experiments at low temperature and first-principles calculations, and found that a correlated migration of the densely packed Li ions governs the overall Li-ion conduction. The correlated migration mechanism provides us with guidelines on how to design efficient superionic conductors for more efficient batteries.
藤井 孝太郎*; 八島 正知*; 日比野 圭祐*; 白岩 大裕*; 福田 功一郎*; 中山 享*; 石沢 伸夫*; 花島 隆泰*; 大原 高志
Journal of Materials Chemistry A, 6(23), p.10835 - 10846, 2018/06
被引用回数:29 パーセンタイル:68.41(Chemistry, Physical)Apatite-type rare earth silicates are attractive materials with exhaust application such as solid-oxide fuel cells, due to its extremely high oxide-ion conductivity below 600C. Interstitial (excess) oxygens have been believed to be responsible for the high conductivity in apatite-type materials. On the contrary, the present study clearly reveals the presence of Si vacancies [] in La-rich La(Si[]])O instead of the interstitial oxygens, by single-crystal neutron and X-ray diffraction analyses, density measurements and electronic calculations.
濱田 崇; 長谷川 伸; 深沢 秀行*; 澤田 真一; 越川 博; 宮下 敦巳; 前川 康成
Journal of Materials Chemistry A, 3(42), p.20983 - 20991, 2015/11
被引用回数:36 パーセンタイル:70.80(Chemistry, Physical)燃料電池の本格普及のため、低加湿下でのプロトン導電率と高加湿下での機械強度を併せ持つ電解質膜が不可欠である。本研究は、膜強度の高いポリ(エーテルエーテルケトン) (PEEK)に着目し、放射線グラフト重合により高いイオン交換容量(IEC)を有するPEEK-グラフト型電解質膜(PEEK-PEM)を合成することで、導電率と機械的強度の両立を目指した。IEC=3.08mmol/gのPEEK-PEMは、80Cにおいて、低加湿下(相対湿度30%)でナフィオンと同等の導電率、高加湿下(相対湿度100%)で1.4倍の引張強度(14MPa)を示した。さらに、PEEK-PEM (IEC=2.45mmol/g)を用いて作製した燃料電池は、高加湿下(相対湿度100%)でナフィオンと同等、低加湿下(相対湿度30%)でナフィオンの2.5倍の最大出力密度を示した。X線回析からPEEK-PEMは、グラフト重合中、結晶性が増加するため、高いIECを持つPEEK-PEMにおいても、高い機械的強度を示すことが明らかとなった。
田港 聡*; 平山 雅章*; 鈴木 耕太*; Kim, K.-S.*; Zheng, Y.*; 田村 和久; 水木 純一郎; 菅野 了次*
Journal of Materials Chemistry A, 2(34), p.17875 - 17882, 2014/11
被引用回数:22 パーセンタイル:55.59(Chemistry, Physical)リチウムリッチな層状化合物の表面構造とインターカレーション過程との関係を、X線構造解析手法を用いて調べた。これまでの電気化学測定から、3次元的に拡散するパスがあり、かつ電池容量は、(010)面より(001)面が露出している方が大きいことが分かっている。このことについて、X線回折やXAFS測定により電極表面構造の変化を追跡した結果、(010)面の構造変化は不可逆である一方、(001)面の構造変化は可逆であることが分かった。
松本 吉弘; 圓谷 志郎; 小出 明広*; 大伴 真名歩; Avramov, P.; 楢本 洋*; 雨宮 健太*; 藤川 高志*; 境 誠司
Journal of Materials Chemistry C, 1(35), p.5533 - 5537, 2013/09
被引用回数:32 パーセンタイル:76.07(Materials Science, Multidisciplinary)The spin-electronic structures across the interface between single-layer graphene and a Ni(111) thin film are explored by employing the depth-resolved X-ray absorption and magnetic circular dichroism spectroscopy with the atomic layer resolution. The depth-resolved Ni L-edge analysis clarifies that the Ni atomic layers adjacent to the interface show a transition of the spin orientation to the perpendicular one in contrast with the in-plane one in the bulk region. The C K-edge analysis reveals the intensifying of the spin-orbital interactions induced by the -d hybridization at the interface as well as out-of-plane spin polarization at the band region of graphene. The present study indicates the importance of the interface design at the atomic layer level for graphene-based spintronics.
吹留 博一*; 高橋 良太*; 阿部 峻佑*; 今泉 京*; 半田 浩之*; Kang, H. C.*; 唐澤 宏美*; 末光 哲也*; 尾辻 泰一*; 遠田 義晴*; et al.
Journal of Materials Chemistry, 21(43), p.17242 - 17248, 2011/11
被引用回数:28 パーセンタイル:62.37(Chemistry, Physical)Graphene is a promising material in the next-generation devices. Large-scale epitaxial graphene should be grown on Si substrates to take over the accumulated technologies for integrated devices. We have for this reason developed epitaxy of graphene on Si (GOS) and device operation of the backgate field-effect transistors (FETs) using GOS has been confirmed. It is demonstrated in this paper that the GOS method enables us to tune the structural and electronic properties of graphene in terms of the crystallographic orientation of the Si substrate. Furthermore, it is shown that the uniformity of the GOS process within a sizable area enables us to reliably fabricate topgate FETs using conventional lithography techniques. GOS can be thus the key material in the next-generation devices owing to the tunability of the electronic structure by the crystallographic orientation of the Si substrate.
Brazhkin, V. V.*; Akola, J.*; 片山 芳則; 小原 真司*; Kondrin, M. V.*; Lyapin, A. G.*; Lyapin, S. G.*; Tricot, G.*; Yagafarov, O.
Journal of Materials Chemistry, 21(28), p.10442 - 10447, 2011/07
被引用回数:18 パーセンタイル:48.84(Chemistry, Physical)POは高い吸湿性を持つ典型的なガラス形成酸化物である。われわれは超高圧下でPO融体を急冷することで、通常よりも12%も高い密度を持つガラスを作ることに成功した。このガラスは吸湿性が少なく、数週間空気中で安定である。この新しい形態のガラスの構造解析によって、ガラス中のナノ空孔の体積が減少していることが明らかになった。
榎本 一之*; 高橋 周一*; 岩瀬 崇典*; 山下 俊*; 前川 康成
Journal of Materials Chemistry, 21(25), p.9343 - 9349, 2011/07
被引用回数:38 パーセンタイル:71.44(Chemistry, Physical)燃料電池開発において、その心臓部分である電解質膜の高温耐久性が自動車用電源の実現に必要不可欠である。本研究では、炭化水素及びフッ素系基材膜にスチレンスルホン酸を導入したグラフト型電解質膜を作製し、燃料電池作動環境に近い高温水中での基材膜とグラフト鎖の化学構造及び高次構造を解析することで劣化機構を検討した。グラフト型電解質膜の耐久性は、グラフト鎖構造に依存するというこれまでの知見を覆し、グラフト鎖は高分子鎖切断など分解することなく、グラフト重合の開始点である基材膜界面から直接脱離すること、及び、この脱離は、疎水性基材膜と相分離した親水性グラフト鎖の含水膨張に起因することを見いだした。上記グラフト鎖の膨潤による界面脱離を利用することで、これまで基材膜からの単離が困難とされてきたグラフト鎖の構造や分子量が解析できる。
Dopieralski, P.*; Anjukandi, P.*; Rckert, M.*; 志賀 基之; Ribas-Arino, J.*; Marx, D.*
Journal of Materials Chemistry, 21(23), p.8309 - 8316, 2011/06
被引用回数:50 パーセンタイル:78.58(Chemistry, Physical)本発表は、科学研究費補助金研究課題「量子ゆらぎと熱揺らぎを考慮した高次系生体分子クラスターの分子論的解明」に基づく成果である。まず、外力の影響を受けて開環反応を起こすメカノフォアであるベンゾシクロブテンについて、脂肪族炭化水素鎖がどのような役割を果たすかを計算で調べた。得られた計算結果は、シス1,2置換されたベンゾシクロブテンの順旋的や逆旋的な開環反応過程それぞれにおいて、炭化水素鎖の長さは活性化エネルギーの外力依存性に影響があることを示している。したがって、メカノフォア自身を代えるだけでなく、メカノフォアに付加されている鎖を代えることで、その化学的性質を調節することが可能であることがわかる。本成果は、量子及び熱揺らぎ等を高い精度で考慮する分子動力学手法開発に資する成果であり、今後の原子力材料研究への発展が期待できる。
Dopieralski, P.*; Anjukandi, P.*; Rckert, M.*; 志賀 基之; Ribas-Arino, J.*; Marx, D.*
Journal of Materials Chemistry, 21(23), p.8309 - 8316, 2011/06
本論文は、前中期計画で開発した原子力構造材の応力破壊の分子シミュレーション手法を化学反応制御の問題に応用した研究である。ベンゾシクロブテン誘導体のメカノケミカル開環反応において、外部から加えられた張力がポリエチレン型重合体を通してどのように伝わるかを、密度汎関数計算で調べた。その結果、同旋的・逆旋的開環反応経路における活性化エネルギーは、張力の大きさや重合体の長さに著しく依存することがわかった。これは、重合体を適切に選ぶことにより化学反応制御ができる可能性を示唆している。また、注目すべきことに、同旋的開環反応における遷移状態近傍のポテンシャル曲面のトポロジーは、外部張力に大きな影響を受けて、逆旋的開環反応に至ることがある。
Alam, M.*; Miserque, F.*; 田口 光正; Boulanger, L.*; Renault, J. P.*
Journal of Materials Chemistry, 19(24), p.4261 - 4267, 2009/06
被引用回数:16 パーセンタイル:45.33(Chemistry, Physical)固体表面に吸着した水の分解による水素発生は放射性廃棄物の処理管理において、重要な問題である。われわれは、固体表面を精密に制御することで放射線照射下での水素発生量を制御できることを示した。シリカファイバーを用いたモデル系において、水素発生量がサブナノメータの酸化チタン層の堆積によって強力に抑制されること、一方、酸化ジルコニウムの堆積によって増強されることを明らかにした。
内田 幸明*; 伊熊 直彦*; 田村 類*; 下野 智史*; 能田 洋平; 山内 淳*; 青木 良夫*; 野平 博之*
Journal of Materials Chemistry, 18(25), p.2950 - 2952, 2008/07
被引用回数:44 パーセンタイル:75.68(Chemistry, Physical)純有機ラジカル化合が、液晶状態において、摂氏73度の水の表面上で異常に大きい、分子間磁気的相互作用を示すことを発見した。結晶状態では、永久磁石に反応しなかったのに対し、液晶状態の滴は、永久磁石によって強く引きつけられた。
香西 直文; 大貫 敏彦; Komarneni, S.*
Journal of Materials Chemistry, 17(12), p.2993 - 2996, 2002/12
本研究では、陰イオン交換粘土の一種であるNi-Zn層状複水酸化物が陰イオン形のセレンに対して非常に高い選択性を持つことを報告する。このNi-Zn層状複水酸化物はブルーサイト型の水酸化物層からなり、層間に酢酸イオンを吸着している。このNi-Zn層状複水酸化物は0.1M NaCl溶液中でSe(IV)に対する非常に高い選択性を示した(Se(IV) 初期濃度1x10 Mにおいて分配係数Kd = 9.0x10 ml/g)。一方、代表的な陰イオン交換粘土であるハイドロタルサイト MgAl(OH)NO・nHOに対するSe(IV)のKdは、同じ条件で6.0x10 ml/gであった。Ni-Zn層状複水酸化物によるSe(IV)の吸着は不可逆的でることが、Se(IV)を吸着させた試料を 1N Cl、1N NO、あるいは1N POを含む溶液で処理したことでわかった。一方、ハイドロタルサイトに吸着したSe(IV)は1M Clを含む溶液にいれることで容易に脱離した。Ni-Zn層状複水酸化物はSe(VI)に対しても高い選択性を示した(Se(VI) 初期濃度1x10 MにおいてKd は2.610 ml/g)。本試料は、廃水からのセレンの除去に有用な材料であると考えられる。