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笹尾 英嗣
ESI-News, 32(4), p.155 - 162, 2014/08
安心安全科学アカデミーでの話題提供の内容をまとめたものであり、わが国の地質体における地質環境(還元性)の長期安定性と、地質環境が有する天然バリア機能の例証として、わが国のウラン鉱床の分布と産状を述べた。この中では、ウラン鉱床は様々な年代の地質体に胚胎し、ウランの大部分は粘土,褐鉄鉱などに収着して存在すること、酸化帯では二次鉱物としてウランが固定されていること述べた。また、ウラン鉱床を保存してきた地質環境は地質学的な時間スケールで安定に還元環境を保持してきたと推定されることから、地層処分に適した地質環境は広く分布することが示唆されることを示した。これらの点から、ウラン鉱床は多様な地質体で認められることから、地質学的な変動帯に位置するわが国の地質体においても、安定な地質環境が存在するとともに、鉱物化と吸着といった物質の移動を遅延し、また固定する機能が期待されることを示すことを述べた。
鳴海 一成
Science & Technology Journal, 12(5), p.50 - 51, 2003/05
原研高崎研では、放射線抵抗性細菌のDNA修復のメカニズムの解明研究を行っており、正常株から分離された放射線感受性変異株の変異遺伝子を分子遺伝学的に解析している。変異株解析からわかったことは、ラジオデュランスが既存のDNA修復機構を持ちつつ、独自のDNA修復機構をも兼ね備えているということであった。ゲノム解析から見いだされた機能未知遺伝子の中にも、やはり新規のDNA修復遺伝子があったのである。原研では、ラジオデュランスの優れたDNA修復機構を解明する研究と並行して、得られた研究成果を活用して、遺伝子工学用試薬の開発、低線量域での放射線生物影響の解析、DNA損傷の軽減化、放射性金属の捕集などへの応用研究をも始めている。放射線抵抗性細菌の進化的起源を考察すると、放射線抵抗性細菌はオクロウラン鉱床のような天然原子炉の近くで生まれたのではないかとも考えられる。放射線抵抗性細菌とその近縁の微生物のDNA修復機構を調べていくことで、DNA修復の起源と進化について、より深い考察ができると思われる。
磯部 博志
原子力バックエンド研究, 5(1), p.67 - 72, 1998/08
アクチノイド元素には、酸化還元環境によって異なる挙動を示すものがある。ウランは、酸化条件では6価となり高い溶解度を持つが、還元条件では4価となって溶解度は非常に低くなる。オーストラリア、クンガラ鉱床では一次鉱床と二次鉱床の間に酸化還元境界である遷移帯が存在する。そこでは、グラファイトや硫化鉱物が酸化還元状態に影響を与えている。遷移帯の試料を走査電子顕微鏡で観察した結果、黄鉄鉱の周囲やグラファイトと共存する脈の中に4価のウランを含む球状のウラニナイトやコフィナイトが観察された。これは、強い固定機構である還元による鉱物化が起こっていることの実例である。地下水データなどから計算すると、水中のウラニルイオンがすべて還元によって固定されている可能性がある。放射性廃棄物の地層処分においても、還元性の鉱物を含む緩衝材などによって、アクチノイド元素の鉱物化が起きる可能性がある。
坂口 孝司*
Environment & Innovation in Mining and Mineral Technology, 1, p.181 - 191, 1998/00
オーストラリア及び北アメリカのウラン鉱床で分離した微生物を使って、含ウラン廃水からのウランの回収除去を試みた。ウラン鉱床から分離した約800種の微生物の中から、菌体1g当たりに600mgのウランを濃縮できる高性能細菌、Bacillus subtilis及びArthrobacter sp.を選抜することができた。これらの細菌のウラン濃縮容量は5.2mEq/gであり、市販の合成キレート樹脂の2倍にも達する。該菌によるウラン取り込みの実態について詳しく解析した結果、濃縮速度が3分と極めて速く、かつ選択的濃縮性が高いこと、ウランの生体濃縮はラングミュラーの吸着等温式に従うことなどが明らかになった。また該菌はプルトニウムやトリウムなどの核燃料物質に対しても強い親和性を示すことから、アクチノイドのバイオプロセッシングに適用できることが示唆された。
柳瀬 信之; 佐藤 努; 飯田 芳久; 関根 敬一
Radiochimica Acta, 82, p.319 - 325, 1998/00
クンガラウラン鉱床におけるウラン及びアクチニウム系列核種の水平及び深さ方向の2次元分布を、ガンマ線スペクトロメトリーにより求めた。U-238とTh/U放射能比の深さ方向の分布から、クンガラ鉱床の風化帯を3つの部分に分けることができた。5mより浅い表層では、雨水による速い移動によりウラン濃度は低く、5-20mの中層では、鉄鉱物へのウランの固定などによりウラン濃度は比較的高く、しかも35万年以内の顕著な移動は検出できなかった。より深い20-28m層では、1次鉱床から溶出したウランが下流方向150mにわたって移動沈着していた。また、2次鉱床に残っているウランの割合を計算すると、表層、中層及び深層でそれぞれ2-9%、13-58%及び14-29%であった。最も高かったのは深さ15mの2次鉱床の中心であった。したがって、移行率では1-3百万年の間に表層、中層及び深層で91-98%、42-87%及び71-86%のウランが鉱床から移行したと推定できた。
佐藤 努; 柳瀬 信之; I.S.Williams*; W.Compston*; M.Zaw*; T.E.Payne*; P.L.Airey*
Radiochimica Acta, 82, p.335 - 340, 1998/00
クンガラウラン鉱床の風化岩石中でのウラン系列核種の年代測定と再分配機構を調べるために、高分解能イオンプローブ(SHRIMPII)によるウラン同位体その場分析を行った。分析した風化岩石は、地下水によって流出したウランを多く保持している二次鉱床中心部の試料で、主に鉄鉱物、カオリナイト、石英からなる。分析は、それぞれの鉱物中の直径30ミクロンのスポット数か所において行われた。その結果、鉄鉱物中のU/U放射能比は、5段階抽出法(SE)で求めたものとほぼ一致するが、それと近接するカオリナイト・石英中の比は、SEよりも高い値を示した。これは、反跳によるThの鉄鉱物から隣接するカオリナイト・石英への移動によるものと結論づけた。SEから得たデータは間接的な証拠であるのに対して、SHRIMPによる測定は直接的なその場のデータであるので、本研究により初めて反跳の直接的な証拠が示されたことになる。
飯田 義正
動燃技報, (104), p.135 - 140, 1997/12
カナダ、アサバスカ地域のウラン鉱石は、密度の変化が非常に大きい。これは、密度の高いウラン鉱物と随伴金属鉱物の品位変動が大きいことと、間隙率の変化が大きいことによる。多数の鉱石試料の乾燥密度を正確に測定することは実際上困難なので、このように密度変化の幅が大きいと、資源量を計算する際の問題となる。実際の鉱石について検討した結果、化学分析値から粒子密度を計算で求め、これと湿潤密度の実測値から乾燥密度を求めるのが実際的であることが分かった。
長島 秀雄
PNC TN7510 96-002, 10 Pages, 1996/05
URANIUM(1995年版)はNEA(OECD諸国担当)とIAEA(非OECD諸国担当)の質問状に対する54ケ国からの回答を基に、ウラン資源、ウラン生産量、原子力発電規模、必要量、探査費、在庫量等について、1995年1月1日時点のデータを集積している。1995年版の特徴としてブルガリア、キューバ、ハンガリー、インド、カザフスタン、ウクライナから重要な新情報が得られた。しかし、ロシアとパキスタンからの回答はなかった。最近のウラン市場の状況を勘案し、初めて$40/kgU以下のコストカテゴリーが設けられた。回収コスト$130/kgU以下の確認資源が、1993年版レッドブックから87万tU強増えているが、これはカザフスタンをはじめとするCIS諸国の資源が確認資源に組み込まれた(前回は「その他の既知資源」とされていた)ことと、オーストラリアの推定追加資源-Iが確認資源に入れられたことによる。今回の1995年版では2010年までの需給予測を行っているが、世界のウラン必要量は1995年の約6.1万tUから2010年には約6.9万7.5万tUに拡大する。
石堂 昭夫; 則竹 和光; 境 収*; 高橋 修
PNC TN7440 96-002, 86 Pages, 1996/02
天然ウランの市場についての全般的な説明を行うために準備したOHPをとりまとめたものである。1996年2月時点での天然ウラン市場を過去・現在・未来に分け、そのそれぞれについてウラン資源、鉱山開発、需給の三つの専門分野から検討を加えている。
柳瀬 信之; 佐藤 努; 磯部 博志; 関根 敬一
放射性廃棄物研究, 2(1-2), p.121 - 135, 1996/02
クンガラウラン鉱床を用いたナチュラルアナログ研究において、岩石中のウランの分布を明らかにするために、逐次選択的抽出法を適用した。対象とした抽出相は、吸着、非晶質鉄鉱物、結晶質鉄鉱物、緑泥石および残査鉱物相である。風化帯では、大部分のウランが結晶質鉄鉱物と共存しており、非風化帯の鉱床付近ではウラン鉱物としてウランが存在していた。非風化帯の地下水流の下流側では鉱床起源のウランは少なかった。また、各抽出相のU/U放射能比から、微視的に残査鉱物が鉄鉱物に覆われている状態で反跳が起こることが原因と考えられる残査鉱物相へのUの濃集が認められた。
長島 秀雄
PNC TN7510 96-001, 392 Pages, 1996/01
本報告書『ウラン 1995年-資源、生産および需要-』は、世界のウラン需要と供給に関する1995年の取りまとめ結果である。本報告書は1995年1月1日現在の世界のウラン産業の統計的な概要を提供している。本報告書は1993年版レッド・ブックを更新する形で54ケ国のウラン探鉱活動、資源および生産に関するデータを収録している。ブルガリア、カナダ、キューバ、ガボン、ハンガリー、インド、カザフスタン、ナミビア、南アフリカおよびウクライナを含む多数の国に関する多くの新情報が盛り込まれている。本書にはウランを生産している25ケ国のうち、1994年の世界のウランの約92%を生産した23ケ国に関する報告が含まれている。パキスタンとロシアは質問状に回答をしなかった。本報告書は2010年に至る原子力発電容量と原子炉関連ウラン必要量の予測も示している。
村上 隆*; 磯部 博志; 佐藤 努; 大貫 敏彦
Clays and Clay Minerals, 44(2), p.244 - 256, 1996/00
被引用回数:55 パーセンタイル:84.77(Chemistry, Physical)オーストラリア、クンガラウラン鉱床におけるウランの再分配機構解明のため、鉱床周辺地域の母岩中に含まれる緑泥石の風化過程について調べた。その結果、緑泥石は風化が進行するにつれて、緑泥石/バーミキュライト混合層鉱物、バーミキュライト、カオリナイトと変化し、その変化の過程で、鉄やマグネシウムを容脱していることが明らかとなった。また、ここで溶脱された鉄は、鉱物粒子間や片理に鉄鉱物として再結晶化し、固化帯における主成分鉱物にまで進化していることも明らかとなった。放射性核種の地層中での移行を定量的に評価する場合には、本研究で示されるような地質学的な時間スケールでの鉱物の変質を十分考慮する必要があると考えられる。
高橋 修
PNC TN7420 95-004, 17 Pages, 1995/03
ウラン資源全般にわたって現在まて得られる文献情報から、1995年度のカザフスタンの現地情報を収集する際の事前資料として、本報告書を取りまとめた。$80/kg以下の確認資源量は417,500tUと報告されているが、そのウラン資源量の多さに比べて、最近、ウラン生産量は落ち込んできている傾向にある。1993年のウラン生産量は2,3002,700tUと推定される。1994年の推定生産量は1,700tUと減少している。生産の動向から採掘方法や鉱床タイプの変遷をまとめると、在来型の坑内、露天掘り採掘が行われていた熱水性の鉱床から、ISL法の適用が可能な砂岩型鉱床へ生産の拠点が代わってきている。これまで生産を行っている砂岩型のChu-Saryssu、Syr-Darya鉱床区に加えて、1994年には砂岩型のIly鉱床区から新規にウランが生産されている。生産の動向から資源量を評価すると、Pribalkhash鉱床区火山岩型鉱床、Kokchetav鉱床区の鉱脈型鉱床やPricaspiskaya鉱床区の燐灰土型鉱床の今後当分生産が行われない資源量は高コストのカテゴリーまたは採掘済みの資源量とみなすことも可能である。カザフスタンのウラン資源概要についてまとめたが、今後、引き続き生産されると判断される砂岩型鉱床の地質条件(埋蔵量・品位・深度・規模)、生産・操業状況等細部にわたった情報が必要と考えられる。その際、キルギスタンの精製錬施設や休閉山した鉱山の閉山計画についての情報も収集する事が望まれる。
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PNC TN1311 95-002, 16 Pages, 1995/03
1.概要(1)動燃事業団のウラン資源探査(2)ウラン資源を巡る最近の状況2.動燃事業団のウラン資源探査(1)基本的考え方(2)具体的な実施方策(3)探査プロジェクトの概要(4)資源情報の収集・解析の作業例3.最近のウラン資源を取り巻く状況(1)ウラン資源量(2)ウラン生産・需要・価格(3)ウラン生産・鉱山権益の寡占化(4)環境規制・審査プロセス強化による新規鉱山開発の遅れ(5)自然保護の動きと先住民権利保護の運動(6)放射線防護基準改定に伴う技術開発と採掘コスト見直し(7)鉱床探査深度の増加に対する技術的対応4.〔添付〕ウラン探査写真集
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PNC TN1311 95-001, 18 Pages, 1995/02
I.1994年ハイライトII.ウラン鉱山の操業状況III.探査の現状IV.先住民土地権利問題V.環境問題VI.原子力問題VII.政治動向VIII.1995年展望
柳瀬 信之; T.E.Payne*; 関根 敬一
Geochemical Journal, 29, p.1 - 29, 1995/00
被引用回数:25 パーセンタイル:49.31(Geochemistry & Geophysics)非常に風化した岩石-地下水系におけるウランの移行挙動を詳細に知るために、クンガラウラン鉱床の地下水の地球化学的研究を行った。クンガラ地下水の特徴は、中性のpH、酸化性、そして陽・陰イオンとしてMgと炭酸水素イオンが支配的なことである。鉱床中心では、ウラン濃度は周辺より3桁高かった。ウランの地下水中での化学形は、炭酸ウラニルイオンであると考えられる。得られた地球化学的データから、クンガラの地下水流は、上流の砂岩層に浸透した雨水が、鉱床に近接する断層を通して鉱床へ入り、鉱床中のウラン酸化物(ウラニナイト)を風化溶解し、鉱床から南東及び南方向へ流れていると考えられる。また、ウランの一部は、約100~150万年の間に鉱床の中心から約200m下流に移動していることが分った。
柳瀬 信之; T.E.Payne*; 関根 敬一
Geochemical Journal, 29, p.31 - 54, 1995/00
被引用回数:23 パーセンタイル:46.53(Geochemistry & Geophysics)クンガラウラン鉱床中のウラン系列核種の移行挙動を研究するために、地下水中の核種濃度及び放射能比を求めた。深さ20m以浅の地下水のU/U比は1より小さく、30m以深では1より大きかった。Thはウランに比べ地下水中では非常に動きにくかった。Ra/U比から、RaはUに比べ風化帯(30m以浅)より非風化帯(30m以深)で動きやすかった。これは風化帯ではMnやFeを含む風化二次鉱物に、Raが共沈あるいは吸着されるためと考えられる。Rnは地下水中にUより3桁以上過剰に存在し、Pb/Rn比からはPbの地下水中での滞留時間約6日が推定できた。以上の結果から、クンガラウラン鉱床では、ウラン系列核種の非平衡は、酸化還元状況の反映である風化の度合い、溶解共沈吸着現象、及びアルファリコイル機構によって支配されていると考えられる。
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PNC TN1311 94-009, 14 Pages, 1994/09
I.大会前の論議;経緯、背景、各界の立場(1994年9月10日)1.はじめに2.三鉱山政策に関する経緯3.最近の三鉱山政策見直し論議の背景4.三鉱山政策見直しをめぐる最近の動向5.三鉱山政策見直しに対する各界の立場6.大会までの見通しII.大会終わる;三鉱山政策の見直しならず(1994年9月30日)1.大会の結果:三鉱山政策の見直しならず2.三鉱山政策の見直しをめぐる党大会での経緯3.大会後の関係者のコメント4.あとがき
関根 敬一
JAERI-M 94-061, 21 Pages, 1994/03
本報告は1993年9月原子力安全委員会にて著者が報告した資料をもとに原稿を起こしたものである。その内容は、天然鉱物の変質研究としての天然ガラスの変質、豪州クンガラウラン鉱床をサイトとして行われたアリゲーターリバーアナログプロジェクト研究として、ウラン鉱物の変質、ウラン・トリウム系列核種の移行、録泥石の変質、ウランの固定化、鉱物の変質とウランの移行である。
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PNC TJ1640 94-001, 45 Pages, 1994/01
本研究は、反射法を含む地震探査解析用新ソフトウェアの適用性を評価することにより、弾性波探査法の一つである反射法を用いて地表から地下深部までの断層構造を把握する手法の確立に資することである。地表踏査ならびに各種ボーリング調査などにより地質構造が詳細に調べられている動力炉・核燃料開発事業団(動燃)中部事業所において実施された月吉ウラン鉱床地域の浅層反射法データをワークステーション上で走る米国MIT社ソフトウェアiXL(地震探査解析用)を用いて解析し、同ソフトの適用性を評価する。さらに、地質構造の再解釈を行ない、月吉ウラン鉱床地域のより詳細な地下構造を明らかにする。