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小林 拓真*; 鈴木 亜沙人*; 中沼 貴澄*; 染谷 満*; 岡本 光央*; 吉越 章隆; 志村 考功*; 渡部 平司*
Materials Science in Semiconductor Processing, 175, p.108251_1 - 108251_7, 2024/06
被引用回数:3 パーセンタイル:77.39(Engineering, Electrical & Electronic)Interface nitridation in nitric oxide is a standard technique for improving the performance of silicon carbide (SiC) metal-oxide-semiconductor (MOS) devices. In this study, we focused on m-face SiC MOS structures and investigated the impact of nitridation by means of electrical measurements and X-ray photoelectron spectroscopy (XPS). Gate leakage characteristics were measured in a wide temperature range of about -150-100C, which clarified that nitridation leads to an unwanted increase in the Fowler-Nordheim leakage current. Scanning XPS measurements revealed that the amount of nitrogen incorporated at the m-face MOS interface could reach about 2.3 times higher than the Si-face MOS interface. The incorporation of nitrogen likely reduces the conduction band offset at the SiO
/SiC interface, thereby increasing the gate leakage. This conclusion was further corroborated in an analysis of band alignment based on synchrotron radiation XPS measurements. Therefore, while nitrided m-face SiC MOS devices exhibit superior on-state performances, they have a limitation in terms of reliability.
溝端 秀聡*; 冨ヶ原 一樹*; 野崎 幹人*; 小林 拓真*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; 渡部 平司*
Applied Physics Letters, 121(6), p.062104_1 - 062104_6, 2022/08
被引用回数:1 パーセンタイル:7.32(Physics, Applied)N極性GaN(000)基板上に作製したSiO
/GaN MOS構造の界面特性とエネルギーバンドアライメントを、電気測定と放射光X線光電子分光法を用いて調べた。さらに、得られた結果をGa極性GaN(0001)上のSiO
/GaN MOS構造の特性と比較した。SiO
/GaN(000
)構造はGaN(0001)基板上に作製した構造よりも熱的に不安定であることがわかった。しかし、絶縁膜堆積後アニールの条件を最適化することにより、SiO
/GaN(000
)構造でも優れた電気特性が得られた。一方で、SiO
/GaN(000
)構造の伝導帯オフセットがSiO
/GaN(0001)構造よりも小さく、これによるゲートリーク電流の増大が見られた。以上のことから、MOSデバイスの作製においてN極性GaN(000
)基板の利用には注意を要することを明らかにした。
細井 卓治*; 大迫 桃恵*; Moges, K.*; 伊藤 滉二*; 木本 恒暢*; 染谷 満*; 岡本 光央*; 吉越 章隆; 志村 考功*; 渡部 平司*
Applied Physics Express, 15(6), p.061003_1 - 061003_5, 2022/06
被引用回数:6 パーセンタイル:48.96(Physics, Applied)SiO/SiC構造に対するNOアニールとCO
雰囲気でのポスト窒化アニール(PNA)の組み合わせが、SiCベースの金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の高いチャネル移動度と優れた閾値電圧安定性を得るために有効であることを実証した。NOアニールにより取り込まれたSiO
/SiC界面のSiO
側のN原子が電荷捕獲サイトの起源と考えられるが、1300
CのCO
-PNAによりSiCを酸化することなくこれらの選択的除去が可能であることがわかった。また、CO
-PNAにはSiO
中の酸素空孔を補償する効果もあり、結果として正負の電圧温度ストレスに対する高い耐性が得られた。
中沼 貴澄*; 小林 拓真*; 細井 卓治*; 染谷 満*; 岡本 光央*; 吉越 章隆; 志村 考功*; 渡部 平司*
Applied Physics Express, 15(4), p.041002_1 - 041002_4, 2022/04
被引用回数:9 パーセンタイル:63.91(Physics, Applied)NO窒化SiC(110)(a面)MOSデバイスのリーク電流およびフラットバンド電圧(VFB)安定性を系統的に調査した。NO窒化は界面特性改善に有効であるが、Fowler-Nordheim(F-N)電流の立ち上がり電界を1MVcm
程度低下させ、顕著なリーク電流をもたらした。また、放射光X線光電子分光による測定の結果、窒化処理によってSiO
/SiC界面の伝導帯オフセットが低減していることがわかり、リーク電流増大の起源が明らかになった。さらに、正および負バイアスストレス試験により、窒化a面MOSデバイスでは、電子および正孔注入に対してVFBが不安定であることが明確に示された。
角谷 正友*; 隅田 真人*; 津田 泰孝; 坂本 徹哉; Sang, L.*; 原田 善之*; 吉越 章隆
Science and Technology of Advanced Materials, 23(1), p.189 - 198, 2022/00
被引用回数:6 パーセンタイル:40.55(Materials Science, Multidisciplinary)GaNは、パワーエレクトロニクスデバイスとして注目される材料である。GaNの表面酸化の理解は、金属-酸化膜-半導体(MOS)デバイスを改善するために重要である。本研究では、GaNの結晶面(+c,-c,m-面)毎の酸化特性を、リアルタイムXPSとDFT-MDシミュレーションによって調べた。その結果、HOとGaN表面との間のスピン相互作用によりH
O蒸気が最も高い反応性を示すことがわかった。m面では、化学吸着が支配的であった。本研究は、Al
Ga
N原子層成膜時に意図しない酸化を防ぐために、H
OおよびO
以外の酸化剤ガスを使用する必要があることを示唆している。
渡邉 健太*; 寺島 大貴*; 野崎 幹人*; 山田 高寛*; 中澤 敏志*; 石田 昌宏*; 按田 義治*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 57(6S3), p.06KA03_1 - 06KA03_6, 2018/06
被引用回数:12 パーセンタイル:46.67(Physics, Applied)AlGaN/GaN MOS-HFETの高性能化・ノーマリオフ化には、高品質なゲート絶縁膜が必要である。これまで我々はAlO
に窒素を添加したAlON膜がAl
O
膜よりも電子注入耐性および界面特性に優れることを明らかにしている。本研究では、その良好な界面特性を維持しつつ、更に絶縁性の向上を図るため、薄いAlON界面層上にバンドギャップの広いSiO
膜を積層したSiO
/AlON/AlGaN/GaN構造について検討した。その結果、AlON界面層の厚さが約3.3nmと薄い場合でも、SiO
/AlON積層構造はAlON単層の場合と同等の容量-電圧特性を示し、良好な界面特性を示した。また、絶縁破壊電界はAlON単層と比べて2倍以上の約8MV/cmを示した。以上の結果は、SiO
/AlON積層構造が優れた界面特性と絶縁特性を両立するGaN MOSデバイス向けゲート絶縁膜として有望であることを意味している。
野崎 幹人*; 渡邉 健太*; 山田 高寛*; Shih, H.-A.*; 中澤 敏志*; 按田 義治*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 57(6S3), p.06KA02_1 - 06KA02_7, 2018/06
被引用回数:23 パーセンタイル:66.67(Physics, Applied)MOSゲート構造の採用によるAlGaN/GaN-HFETの高性能化のためにはリーク電流が少なく、かつ界面特性が良好なゲート絶縁膜が必要である。AlO
膜は比較的高い誘電率と広いバンドギャップを持つことから有望視されているが、界面特性向上技術の開発や電子注入耐性の低さによる閾値電圧変動等の課題を抱えている。本研究ではALD法によるAlON成膜を検討した。MOSキャパシタのC-V特性には界面欠陥応答に起因する周波数分散がほとんど見られておらず、AlON/AlGaN界面が良好であることがわかる。AlON試料は同様にALD法で堆積したAl
O
MOSキャパシタよりもシフト量が少なく、電子注入耐性の向上も確認できた。これらの良好な特性は本研究のALD-AlON膜がGaN MOSデバイス向けのゲート絶縁膜として有望であることを示している。
山田 高寛*; 渡邉 健太*; 野崎 幹人*; Shih, H.-A.*; 中澤 敏志*; 按田 義治*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 57(6S3), p.06KA07_1 - 06KA07_6, 2018/06
被引用回数:6 パーセンタイル:26.16(Physics, Applied)高性能AlGaN/GaN-HFETの実現に絶縁膜/AlGaN界面制御が重要である。本研究ではAlGaN表面の熱酸化過程を調べるとともに、AlGaN/GaN MOSキャパシタの電気特性に関する表面酸化処理の効果ついて調べた。Si(111)基板上にAlGaN/GaN層をエピ成長した試料を用いた。AlGaN表面の酸化は400度の低温から進行することがわかった。しかしながら、表面形状の目立った変化は800度まで確認されなかったことから、AlGaN表面には極薄の酸化層が形成されていると考えられる。一方、850度以上では酸化物結晶粒の形成が観察され、その成長はAlGaN表面の平坦性を著しく低下させたことから、AlGaN/GaN MOSキャパシタは800度以下で酸化処理したAlGaN表面上に形成された。まず、反応性スパッタによりゲート絶縁膜としてAlON膜(18nm)を成膜した後、膜質改善のため窒素中で800度、3分間の熱処理を施した。そして、Al/TiオーミックコンタクトおよびNiゲート電極を蒸着してMOSキャパシタを作製した。先の研究成果から、我々は熱酸化を施していないAlON直接成膜の試料において、比較的に良好な界面特性が得られることを確認している。その容量-電圧(C-V)カーブと比べて、800度熱酸化した試料では、周波数分散の増加やC-Vカーブの傾きの減少が確認され、界面特性が劣化することがわかった。一方、400度で酸化処理した試料では、界面特性の更なる改善が確認され、ヒステリシスも減少することがわかった。
山田 高寛*; 渡邉 健太*; 野崎 幹人*; 山田 永*; 高橋 言緒*; 清水 三聡*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; 渡部 平司*
Applied Physics Express, 11(1), p.015701_1 - 015701_4, 2018/01
被引用回数:47 パーセンタイル:85.23(Physics, Applied)GaN MOSFETは高耐圧・大電流・低損失の次世代スイッチング素子として期待されている。その実現には絶縁膜/GaN界面の特性改善が課題である。本研究ではプラズマCVDによりSiO膜を形成したSiO
/GaN構造の後酸化処理を行い、極薄GaO
界面層の形成による界面特性向上の効果について検討した。放射光XPS分析から、SiO
/GaN界面に極薄GaO
界面層が形成されることを確認した。その界面欠陥密度は、700-800
Cでの最適な後酸化処理を施すことによってコンダクタンスピークが確認されず、10
cm
eV
台以下の低い値となった。一方、SiO
/GaO
/GaN構造の後酸化処理は、SiO
層中へのGa拡散を誘発し、絶縁性を著しく劣化させた。そこで、後酸化時間を30分間から30秒間とする急速酸化処理を施した。その結果、SiO
層中へのGa拡散が制限され、優れた界面特性と高い絶縁性を有する高品質なSiO
/GaO
/GaN MOS構造が実現できることがわかった。
渡邉 健太*; 野崎 幹人*; 山田 高寛*; 中澤 敏志*; 按田 義治*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
Applied Physics Letters, 111(4), p.042102_1 - 042102_5, 2017/07
被引用回数:17 パーセンタイル:58.08(Physics, Applied)GaNは絶縁破壊電界などSiC以上の優れた物性値を有するため、パワーデバイスへの応用が期待されている。また、AlGaN/GaN HFETは優れた高周波特性を示すが、ゲートリーク電流低減のためにMOSゲート構造の実現が望まれている。本研究では、AlO
及びAlONについて成膜時の基板温度を室温から300度の範囲で変化させ、放射光光電子分光法によるMOS界面構造評価及び、MOSキャパシタによる電気特性評価を行った。その結果、Al
O
を300度で成膜した場合、成膜中にAlGaN表面の酸化及び後熱処理によるGa拡散が見られ、界面特性が劣化することがわかった。それに対しAlONは成膜温度に関わらず界面反応のほとんどない良好な熱的安定性を示し、また界面特性にも優れることがわかった。
山田 高寛*; 伊藤 丈予*; 淺原 亮平*; 渡邉 健太*; 野崎 幹人*; 中澤 敏志*; 按田 義治*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; et al.
Journal of Applied Physics, 121(3), p.035303_1 - 035303_9, 2017/01
被引用回数:82 パーセンタイル:92.62(Physics, Applied)GaNは高耐圧、大電流、低損失の次世代パワーデバイス材料として注目されている。GaN表面の酸化処理技術には、表面パッシベーション技術や、アイソレーション技術、ゲート絶縁膜技術などがあり、デバイス特性向上のための重要な要素技術となっている。そのため、GaN表面の熱酸化処理はこれまで詳細な検討が行われてきている。しかし、その酸化物形成過程は十分解明されていない。例えば、これまで厚いGaN酸化物の形成については多くの報告があるが、初期酸化過程については少ない。また、X線光電子分光(XPS)分析は、そのGaN表面の初期酸化過程の評価によく利用されているが、Ga-NやGa-O結合成分の正確な特定には至っていない。さらに、形成されたGaN酸化物の構造特性評価も十分な検討は行われていない。本研究では、GaN表面の熱酸化過程をXPS、分光エリプソメトリ(SE)、原子間力顕微鏡(AFM)、X線回折(XRD)測定を用いて評価した。特に、異なる転位密度を有するエピGaN層の酸化物形成過程について調べた。本実験には、Si基板上および自立GaN基板上にエピ成長した2種類のGaN試料を用いた。GaN/SiとGaN/GaN試料の転位密度は108と105cm-2台になるとそれぞれ見積もられている。両試料は大気圧O雰囲気中において700
1000
Cの温度範囲で30分間熱酸化した。800
C以下の熱酸化では、表面近傍に存在する欠陥の酸化によると考えられる厚さ1nm以下の薄い酸化層が形成された。この酸化層の膜厚は酸化温度とは無関係にほとんど変化していなかったことから、酸化が飽和傾向にあると考えられた。また、GaN/Siで観察された転位部では微小な酸化物結晶の形成が確認されており、転位部において優先的に酸化が進行することがわかった。900
C以上の更なる酸化温度の増加では、
-と
- Ga
O
結晶粒が両エピGaN層上にエピタキシャリに成長した。GaN/Siでは、転位部で顕著にGa
O
結晶が成長したため、荒れた表面形状が観察された。一方、GaN/GaNでもGa
O
微結晶粒が観察領域全面に渡って形成されたが、比較的平坦な表面形状が維持されていることがわかった。
野崎 幹人*; 吉越 章隆; 伊藤 丈予*; 淺原 亮平*; 中澤 敏志*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 細井 卓治*; 志村 考功*; 渡部 平司*
no journal, ,
Ti単層およびAl/Ti積層構造をn-GaN上に形成し、放射光光電子分光分析によりTi/GaN接合界面の構造変化を調べた。Alキャップ層は酸素バリア層として働くだけでなく、Ti中の酸素を取り込むことで界面反応を促進し、室温においてもTi/GaN界面構造を顕著に変化させることを明らかにした。
渡邉 健太*; 野崎 幹人*; 山田 高寛*; 中澤 敏志*; 按田 義治*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
no journal, ,
GaNはパワーデバイスへの応用が期待されている。ゲート絶縁膜として原子層堆積法(ALD)によるAlO
が広く検討されているが、現在のところ十分な界面特性は得られていない。ALDとスパッタ法の違いとして、ALDでは300度程度で成膜しているのに対し、スパッタ成膜は室温で実施していることから成膜温度が界面特性に影響を与えていると推察される。そこで本研究では、Al
O
及びAlONについて成膜時の基板温度を室温から300度の範囲で変化させ、放射光光電子分光法によるMOS界面構造評価及び、MOSキャパシタによる電気特性評価を行った。その結果、Al
O
を300度で成膜した場合、成膜中にAlGaN表面の酸化及び後熱処理によるGa拡散が見られ、界面特性が劣化することがわかった。それに対しAlONは成膜温度に関わらず界面反応のほとんど無い良好な熱的安定性を示し、また界面特性にも優れることがわかった。
野崎 幹人*; 渡邉 健太*; 山田 高寛*; Shih, H.*; 中澤 敏志*; 按田 義治*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
no journal, ,
AlGaN/GaN MOS-HFETの高性能化にはリーク電流が少なく界面特性の良好なゲート絶縁膜が必要である。AlO
膜は比較的高い誘電率と広いバンドギャップを持つことから有望視されているが、界面特性向上技術の開発や電子注入耐性の低さによる閾値電圧変動等の課題を抱えている。本研究では更なる膜質と段差被覆性の向上を狙い、ALD法によるAlON成膜を検討した。MOSキャパシタのC-V特性には界面欠陥応答に起因する周波数分散がほとんど見られておらず、AlON/AlGaN界面が良好であることがわかった。また蓄積電圧から-10Vまで掃引した際のC-Vカーブでは、AlON試料は同様にALD法で堆積したAl
O
MOSキャパシタよりもシフト量が少なく、電子注入耐性の向上も確認できた。これらの良好な特性は本研究のALD-AlON膜がGaN MOSデバイス向けのゲート絶縁膜として有望であることを示している。
渡邉 健太*; 山田 高寛*; 野崎 幹人*; 中澤 敏志*; Shih, H.*; 按田 義治*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
no journal, ,
高性能AlGaN/GaN-HFETの実現には、絶縁膜/AlGaN界面制御が重要である。GaN表面に対しては、熱酸化により極薄GaOx層を形成した後SiOを堆積したSiO
/GaOx/GaN構造が良好な界面特性を示すことを確認している。AlGaN表面に対しても、オゾンでAlGaN表面を酸化させた後、原子層堆積したAl
O
/AlGaN界面で電気特性が改善したとの報告があるが、AlGaN表面の初期酸化過程に関しては十分な評価は行われていない。そこで大気圧酸素雰囲気中、200-1000度で30分間熱酸化を行ったAlGaN表面を放射光光電子分光分析によって詳細に調べたところ、熱酸化温度が高いほどGa2pスペクトルは高結合エネルギー側にシフトしていることがわかった。Ga2pスペクトルはGa-N成分とGa酸化物起因のGa-O成分の2つにピーク分離可能であり、AlGaN及びGaN表面のGa酸化物(Ga-O)成分比の熱酸化温度依存性から、AlGaNでは酸化温度400度以上で、GaNは700度以上で酸化物が徐々に増加しており、またどちらも900度以上で酸化物が急激に増加していることがわかった。このことからAlGaN表面はGaNと比較して比較的低温でも酸化されやすいと言える。
山田 高寛*; 吉越 章隆; 伊藤 丈予*; 淺原 亮平*; 野崎 幹人*; 中澤 敏志*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
no journal, ,
高性能GaN MOSデバイスの実現には、高品質な絶縁膜/GaN界面の形成が不可欠である。自然酸化膜の存在やプロセス中の界面層の成長などを考慮するとGaN表面の酸化の制御は重要である。本研究では、熱酸化したGaN表面の酸化物形成過程について評価した。
山田 高寛*; 渡邉 健太*; 野崎 幹人*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; 渡部 平司*
no journal, ,
GaNは次世代パワーデバイス材料として期待されている。本研究では極薄GaOx界面層の新たな形成方法として、プラズマCVDによりGaN基板上に成膜したSiOキャップ層越しのGaN表面の熱酸化について検討し、作製したSiO
/GaOx/GaN MOSキャパシタの界面特性について評価した。放射光光電子分光測定から、800度で熱酸化したSiO
/GaN試料のGa2p
スペクトルは、Ga-N結合成分に相当するHCl洗浄後のGaN試料に比べて、高結合エネルギー(BE)側の強度が増加していることがわかった。これはGa-N結合成分から約0.4eVほど高BE側に表れるGa-O結合成分が増加した結果であり、SiO
/GaN界面に薄いGaOx層が存在することを示している。800度で熱酸化したSiO
/GaOx/GaN構造にゲート電極を形成してMOSキャパシタを作製し、容量-電圧(C-V)特性を測定したところ、1MHzから1kHzまでの周波数範囲に渡ってC-Vカーブの周波数分散はほとんど見られず、またヒステリシスも50mV以下と小さいことがわかった。さらに、理想C-Vカーブともほぼ一致していたことから、SiO
/GaN構造への後酸化処理で非常に優れた界面特性が実現されたことがわかった。
山田 高寛*; 渡邉 健太*; 野崎 幹人*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; 渡部 平司*
no journal, ,
MOS型GaNパワーデバイス実現には、絶縁膜/GaN界面の特性改善が重要な課題である。本研究ではGaN基板上にSiO層を成膜した試料に対して熱酸化処理を行い、極薄GaOx界面層の形成について検討するとともに、作製したSiO
/GaOx/GaN MOSキャパシタの電気特性評価を行った。SiO
/GaN構造の熱酸化によって平坦かつ極薄GaOx界面層が形成可能であることがわかった。次に、GaOx/GaN界面の電気特性を評価するため、各試料に対して膜質改善のためN
雰囲気中で800度3分間の熱処理を施した後、Niゲート電極とAl裏面電極を真空蒸着してSiO
/GaOx/GaN MOSキャパシタを作製した。各試料の容量-電圧(C-V)特性において、1000度の試料を除いて、1kHz-1MHzの周波数範囲に渡って周波数分散およびヒステリシスはほとんど見られなかった。さらに、理想C-Vカーブともよく一致しており、非常に優れた界面が実現されていることがわかった。
渡邉 健太*; 野崎 幹人*; 山田 高寛*; 中澤 敏志*; 按田 義治*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
no journal, ,
GaNは絶縁破壊電界などSiC以上の優れた物性値を有するため、パワーデバイスへの応用が期待されている。また、AlGaN/GaN HFETは優れた高周波特性を示すが、ゲートリーク電流低減のためにMOSゲート構造の実現が望まれている。ゲート絶縁膜として原子層堆積法(ALD)によるAlO
が広く検討されているが、現在のところ十分な界面特性は得られていない。そこで本研究では、Al
O
及びAlONについて成膜時の基板温度を室温から300度の範囲で変化させ、放射光光電子分光法によるMOS界面構造評価及び、MOSキャパシタによる電気特性評価を行った。その結果、成膜中にAlGaN表面の酸化及び後熱処理によるGa拡散が見られ、界面特性が劣化することがわかった。それに対しAlONは成膜温度に関わらず界面反応のほとんど無い良好な熱的安定性を示し、また界面特性にも優れることがわかった。
鈴木 亜沙人*; 中沼 貴澄*; 小林 拓真*; 染谷 満*; 岡本 光央*; 吉越 章隆; 志村 考功*; 渡部 平司*
no journal, ,
NO窒化SiC(100) MOSデバイスのゲートリーク機構を調査した。25-200
Cにおける電流密度-酸化膜電界(Jg-EOX)特性をFowler-Nordheim(FN)およびPoole-Frenkel(PF)伝導を仮定して再現した。NO窒化は移動度向上に有効であるものの、SiO
/SiC界面の伝導帯オフセット(
EC)を低下させてFN電流増大を招くだけでなく、PF電流の原因欠陥を除去できないことを明らかにした。