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報告書

幌延深地層研究計画における広域スケールを対象とした地質構造モデルの構築データ集

酒井 利啓; 松岡 稔幸

JAEA-Data/Code 2019-007, 29 Pages, 2019/09

JAEA-Data-Code-2019-007.pdf:53.07MB
JAEA-Data-Code-2019-007-appendix(CD-ROM).zip:340.04MB

日本原子力研究開発機構では、堆積岩を対象とした深地層の研究施設計画を北海道幌延町において進めている。本データ集は、幌延深地層研究センターが導入した三次元地質構造モデル化ソフトウェア(Vulcan$$^{rm TM}$$: Maptek社)を用いて構築した広域スケールの三次元地質構造モデルとその数値データを取りまとめたものである。

論文

長期的な地形変化と気候変動による地下水流動状態の変動性評価手法の構築

尾上 博則; 小坂 寛*; 松岡 稔幸; 小松 哲也; 竹内 竜史; 岩月 輝希; 安江 健一

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 26(1), p.3 - 14, 2019/06

高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価は、処分施設閉鎖後、数万年以上に及ぶ時間スケールを対象として実施される。そのため、長期的な自然現象による影響を考慮した地下水の流速や移行時間といった地下水流動状態の長期変動性の評価技術の整備は重要な技術開発課題である。本研究では、長期的な自然現象のうち隆起・侵食による地形変化や気候変動に着目し、それらに対する地下水流動状態の変動性を、複数の定常解析結果に基づく変動係数で評価可能な手法を構築した。岐阜県東濃地域を事例とした評価手法の適用性検討の結果、過去100万年間の地形変化や涵養量の変化による影響を受けにくい地下水の滞留域を三次元的な空間分布として推定した。本評価手法を適用することで、地層処分事業の評価対象領域において、地形変化や気候変動に対する地下水流動状態の変動性が小さい領域を定量的かつ空間的に明示することができる。さらに、岐阜県東濃地域における事例検討結果を踏まえて、外挿法を用いた地下水流動状態の変動性の将来予測の基本的な考え方を整理するとともに、将来予測手法の適用可能な時間スケールについて考察した。

論文

Study on loss-of-cooling and loss-of-coolant accidents in spent fuel pool, 6; Analysis on oxidation behavior of fuel cladding tubes by the SAMPSON code

森田 能弘*; 鈴木 洋明*; 内藤 正則*; 根本 義之; 加治 芳行

Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 9 Pages, 2019/05

本研究では使用済燃料プールでの事故解析を目的としてシビアアクシデントコードSAMPSONの高度化を実施した。新たに組み込んだ空気中Zr酸化反応モデルの機能確認のために、既存の酸化モデルと、本研究で開発した酸化モデルを用いて、米国サンディア国立研究所の実施したBWR燃料集合体モックアップの空気中酸化試験の解析を行った。検証解析の結果に基づき、酸化反応モデルの違いが燃料棒温度変化の解析結果に及ぼす影響及び使用済燃料プール事故時の初期水位が酸化反応挙動に及ぼす影響について検討した結果を報告する。

論文

Establishment of numerical model to investigate heat transfer and flow characteristics by using scale model of vessel cooling system for HTTR

高田 昌二; Narayana, I. W.*; 中津留 幸裕*; 寺田 敦彦; 村上 健太*; 澤 和彦*

Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 13 Pages, 2019/05

高温工学試験研究炉(HTTR)を使った炉心冷却喪失試験では、財産保護上の観点から、炉容器冷却設備(VCS)において自然対流により加熱される構造物の温度分布の評価精度向上を課題としている。伝熱流動数値解析コードFLUENTをHTTRのVCSに適用するために、予測精度を維持しつつ計算資源を節約できる合理的な2次元モデルの構築を始めた。本評価モデルの検証のため、HTTR用VCSの1/6スケールモデルによる構造物の温度に関する試験結果を使用し、解析による計算結果と比較した。本試験データは、圧力容器の温度を200$$^{circ}$$C前後に設定することで、全除熱量における自然対流伝熱の割合を20%前後と有意なレベルの伝熱現象として測定したものである。自然対流による上昇流の影響で高温となる圧力容器上部の伝熱流動特性の評価精度向上のためには、実形状の模擬および自然対流に適した乱流モデルの選定が重要となる。乱流モデルとして、剥離,再付着及び遷移流れを考慮できるk-$$omega$$-SSTモデルを選定し、従来のk-$$varepsilon$$モデルでは再現されなかった圧力容器の温度分布の試験結果とよく一致していることを確認した。このことから、k-$$omega$$-SSTモデルは、圧力容器上部の温度分布を剥離、再付着および遷移流れを再現できたと考えられ、本モデルはVCSの温度評価の精度向上に有効であることを明らかにした。

報告書

多様な処分概念に共通して利用可能な生活圏評価手法の整備

加藤 智子; 深谷 友紀子*; 杉山 武*; 中居 邦浩*; 小田 治恵; 大井 貴夫

JAEA-Data/Code 2019-002, 162 Pages, 2019/03

JAEA-Data-Code-2019-002.pdf:2.78MB

東京電力福島第一原子力発電所の事故により発生した放射性廃棄物(事故廃棄物)を安全かつ合理的に処分するためには事故廃棄物の特徴を考慮した適切な処分概念の構築が必要である。このような検討に資するため、既往の処分概念である地層処分, 中深度処分, ピット処分, トレンチ処分等既存の処分概念の事故廃棄物処分への適用可能性の検討が行われている。処分概念の適用性評価においては、処分概念の違いによる影響が小さいと考えられる生活圏評価のシナリオ、モデル・パラメータを共通して利用する評価手法を整備することが可能である。本検討では、さまざまな処分概念において共通的に利用可能な生活圏共通モデル・パラメータセットの整備を目的とし、地下水移行シナリオを対象として、既往の処分概念における生活圏評価手法に基づきモデルの整備、パラメータ値の更新などを実施した。これらの検討に基づき、地下水移行シナリオに対して、処分概念に依らない生活圏共通モデル・パラメータセットを整備し、事故廃棄物の処分の適用性評価に用いるための線量への換算係数を算出した。

論文

Fukushima $$^{137}$$Cs releases dispersion modelling over the Pacific Ocean; Comparisons of models with water, sediment and biota data

Peri$'a$$~n$ez, R.*; Bezhenar, R.*; Brovchenko, I.*; Jung, K. T.*; 上平 雄基; Kim, K. O.*; 小林 卓也; Liptak, L.*; Maderich, V.*; Min, B. I.*; et al.

Journal of Environmental Radioactivity, 198, p.50 - 63, 2019/03

 パーセンタイル:100(Environmental Sciences)

北西太平洋海域における福島第一原子力発電所事故起源の$$^{137}$$Cs放出に対して、複数の海洋拡散モデルを適用し、モデル対モデル及びモデル対観測の比較を実施した。シミュレーション期間は2年間とし、施設から海洋への直接放出と大気から海洋表層への沈着過程を考慮した。海洋拡散モデルには生物モデルが導入されている。シミュレーション結果は海水中,堆積物中,海産生物中の$$^{137}$$Cs濃度で比較した。その結果、モデル対モデル及びモデル対観測の比較において、妥当な結果が得られた。

論文

Development of a stochastic biokinetic method and its application to internal dose estimation for insoluble cesium-bearing particles

真辺 健太郎; 松本 雅紀*

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(1), p.78 - 86, 2019/01

 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)

不溶性放射性セシウム粒子が体内に取り込まれると、粒子として体内を移行すると予想される。この場合、溶解性粒子のように無数の放射性核種の挙動を平均的に表現して核種の壊変数を評価する手法を適用することができない。そこで、粒子が体内を確率論的に移行する挙動を模擬する手法を開発し、不溶性粒子の特性を考慮した体内動態モデルを構築した。これにより、セシウム粒子1個の確率論的な体内挙動を考慮して、各組織・臓器における壊変数を評価し、それに基づき内部被ばく線量を評価することが可能となった。この手順を多数回繰り返し、不溶性放射性セシウム粒子の吸入摂取に対する預託等価線量及び預託実効線量の確率密度関数を評価し、その99パーセンタイル値、平均値等を通常のセシウムモデルに基づく評価値と比較した。その結果、摂取粒子数が1個で線量値がごく低い場合は、預託実効線量の99パーセンタイル値は従来モデルによる評価値の約70倍程度となったが、粒子の不溶性に起因する線量の不確かさは預託実効線量が1mSv程度の被ばくレベルでは無視できる程度に小さいことが分かった。

論文

Overview of computational mouse models

Mohammadi, A.*; 木名瀬 栄; Safavi-Naeini, M.*

Computational Anatomical Animal Models; Methodological Developments and Research Applications, p.3_1 - 3_27, 2018/12

The review summarizes the history of development of the computational models during the last 24 years with some provision about what to expect in the near future for their application in preclinical research, radiation dosimetry calculations and imaging physics research. Around 26 computational mouse models have been constructed for various researches in ionizing and nonionizing radiation dosimetry, preclinical imaging including multimodality imaging and instrumentation, image processing and analysis. The approach of using the computational mouse models and simulation tools are very useful comparing the experimental approach using physical phantoms or real mice due to high cost and complexity of organizing an experimental research.

報告書

結晶質岩を対象とした長期岩盤挙動評価手法に関する研究,2(共同研究)

福井 勝則*; 羽柴 公博*; 松井 裕哉

JAEA-Research 2018-006, 57 Pages, 2018/10

JAEA-Research-2018-006.pdf:2.99MB

坑道周辺の岩盤は、長期的にはクリープや応力緩和などの力学的な時間依存性挙動を示すことが知られており、その挙動を把握・評価できる技術の構築が地層処分の技術的信頼性向上のための課題の一つとなっている。上記を踏まえ、岩盤の長期挙動を把握・評価できる技術の確立に資するため、年単位を超えるような岩石の長期クリープ試験や、高レベル放射性廃棄物の地層処分において想定される常温から100$$^{circ}$$C程度の高温条件下での岩石の長期挙動を把握するための技術の開発等を実施し、想定される様々な条件下での岩石の長期挙動現象の特徴やその程度に関する実験的評価を行うことを目的とした研究を、共同研究として2016年度から開始した。2017年度は、田下凝灰岩のクリープ試験のこれまでの経緯をまとめるとともに、長期と短期のクリープ試験結果を比較し凝灰岩のクリープの現象論や機構について考察した。また、種々の含水状態のもとで、載荷速度と水飽和度が岩石の強度に与える影響について検討するとともに、圧縮応力下での岩石の変形・破壊および時間依存性挙動を再現できるコンプライアンス可変型モデルを一軸引張応力下へ適用するために改良した。

論文

福島県内を想定した複雑な実環境中での空間線量率分布解析システム(3D-ADRES)の研究開発; リモートセンシング情報の活用と各環境因子(地形・土壌・建物・樹木等)の影響評価

Kim, M.; Malins, A.; 佐久間 一幸; 北村 哲浩; 町田 昌彦; 長谷川 幸弘*; 柳 秀明*

RIST News, (64), p.3 - 16, 2018/09

環境中に放出された放射線源による空間線量率の正確な分布は、住民の被ばく量を評価し、それを可能な限り低減するための必須な情報となる。しかし、市街地・森林等は複雑な構造物や樹木が存立する他、地形も平坦ではなく放射線の散乱や遮蔽が頻繁に起こるため、空間線量率の分布は非一様となる。加えて放射線源の不均質な分布は更にそれを複雑なものとするため、正確な空間線量率の分布を知ることは容易ではない。そこで、日本原子力研究開発機構・システム計算科学センターは、福島環境安全センターと連携し、福島県内の市街地や森林等の複雑な環境中の地形・樹木・建物等の3次元のリアルな構造物モデルを構築し、更に不均質な放射性セシウムの線源分布を取り込むことを可能とすることで、空間線量率の3次元分布が計算可能なシステム(3D - Air Dose Rate Evaluation System:略称3D-ADRES)を開発した。3D-ADRESでは、人工衛星画像等のリモートセンシング情報や種々の地理情報等を最大限に活用し、構造物を認識(一部自動化済み)した後、その構造をリアルにモデル化し、モンテカルロ計算コードPHITS用フォーマットに変換することで、シミュレーションによる詳細な空間線量率分布を取得可能とする。本稿では、そのシステムの概要について記し、実際の計算例を示す他、今後の課題についても記す。

論文

Target test facility for ADS and cross-section experiment in J-PARC

明午 伸一郎; 岩元 大樹; 松田 洋樹; 武井 早憲

Journal of Physics; Conference Series, 1021(1), p.012072_1 - 012072_4, 2018/06

J-PARCセンターで進めている核変換実験施設(TEF)では、加速器駆動システム(ADS)のためのターゲット開発を行うためにADSターゲット試験施設(TEF-T)及び未臨界炉心の物理的特性等を探索するための核変換物理実験施設(TEF-P)の建設を計画している。本セクションでは、TEF-Tの核設計評価、陽子ビーム輸送系及び付帯設備の検討を進めており、これらの現状については報告を行う。また、本セクションではTEF-Pへ10W以下となる微弱なビームを安定に供給するために、TEF-Tに入射する大強度の負水素ビームにレーザーを照射しレーザー荷電変換によるビーム取り出し法の技術開発を行っており、この現状について報告する。更に、施設の更なる安全のために、J-PARC加速器施設を用いて核反応断面積測定や弾き出し損傷(DPA)断面積の測定を行う予定としており、これらの現状についても報告する。

論文

日本原子力学会「2018年春の年会」部会・連絡会セッション,核データ部会「シグマ」特別専門委員会共催; 我が国における核データ計算コード開発の現状と将来ビジョン,4; PHITSコードにおける核反応モデルの役割と高度化

橋本 慎太郎; 佐藤 達彦; 岩元 洋介; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 仁井田 浩二*

核データニュース(インターネット), (120), p.26 - 34, 2018/06

放射線の挙動を模擬できる粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、加速器の遮へい設計や宇宙線・地球科学、放射線防護研究等の広範な分野で利用されている。PHITSでは、放射線が引き起こす物理現象を輸送過程と衝突過程の2つに分けて記述しており、さらに核反応が含まれる衝突過程を「核反応の発生」、「前平衡過程」、「複合核過程」の3段階的に分けて計算することで模擬している。これらの計算では断面積モデルKurotamaや核反応モデルINCL4.6やJQMDといった数多くの物理モデルが使用されており、PHITSの信頼性を高めるために、我々は各モデルの高度化を行ってきた。本稿は、日本原子力学会2018年春の年会の企画セッション「我が国における核データ計算コード開発の現状と将来ビジョン」における報告を踏まえ、PHITSにおける核反応モデルの役割を解説するとともに、近年我々が行ってきた様々なモデルの高度化や今後の展開についてまとめたものである。

論文

福島第一原子力発電所における冷温停止状態達成過程に着目した教訓導出

吉澤 厚文*; 大場 恭子; 北村 正晴*

人間工学, 54(3), p.124 - 134, 2018/06

東日本大震災に端を発し、東京電力福島第一原子力発電所は、放射性物質を大量に放出する過酷事故となったが、その後冷温停止状態を達成した。しかし、福島第一原子力発電所事故に関するさまざまな機関による調査報告書は、事故に至った過程に着目している一方で、事故の拡大の防止や被害の減少についてはほとんど着目していない。本研究は、福島第一原子力発電所の3号機における、冷温停止状態達成までの過程に着目した。公開データに基づき、事故の発生から冷温停止状態達成に至るまでの時列を整理し、それらを人間工学的視点によって行為群を分類した上で、状況の回復に重要な意味をもつ対処をm-SHELモデルを援用して分析した。このようなアプローチにより、状況の回復に必要な行為に関する新たな教訓を得た。

論文

Cross section measurement in J-PARC for neutronics of the ADS

明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 大樹

Proceedings of 13th International Topical Meeting on Nuclear Applications of Accelerators (AccApp '17) (Internet), p.396 - 402, 2018/05

核変換実験施設の要素技術試験の一環として、加速器とターゲットステーションの隔壁となるアルミ合金製の陽子ビーム窓の寿命評価のためにアルミの放射化断面積を測定した。J-PARCの3GeV陽子シンクロトロンのビームダンプにアルミフォイルを設置し、0.4及び3GeV陽子を入射しAl(p,x)$$^7$$Be, Al(p,x)$$^{22}$$Na及びAl(p,x)$$^{24}$$Na反応の断面積を測定した。J-PARCの加速器施設は、陽子ビームの強度モニタが高精度に校正されていること等により、既存の実験データより高い精度で断面積が測定できた。本実験結果と評価済み核データ(JENDL/HE-2007)の比較の結果、JENDL/HE-2007は最大で30$$%$$程度の違いはあるものの、概ね実験結果をよく再現することがわかった。PHITSコードよる計算との比較を行った結果、最新の核内カスケードモデルは、励起関数の形状は実験を再現するものの40$$%$$程度の過小評価を与えることがわかった。PHITSに用いられている統計崩壊モデル(GEM)の代わりにオリジナルのGEMモデルを用いて計算したところ、実験との一致が改善することがわかった。他の核種の反応断面積測定を今後予定しており、これにより核データや核反応モデルの高度化が期待できる。

論文

新第三紀塊状珪質泥岩に分布する断層を対象とした亀裂ネットワークモデル

早野 明; 石井 英一

資源・素材講演集(インターネット), 5(1), 9 Pages, 2018/03

亀裂性媒体の特徴を有する岩盤の地質構造モデルには、評価対象のスケールや不均質性の考慮の有無に応じて、岩盤中の個別の亀裂を確率論的に表現する亀裂ネットワークモデルが採用される。モデル化に必要な主な亀裂特性は、方位分布、3次元密度および半径分布である。方位分布と3次元密度については、ボーリング調査や坑道壁面の割れ目観察の取得データから設定することができるが、半径分布については、調査データから直接設定することは困難である。日本原子力研究開発機構の幌延深地層研究センターの地下施設周辺には、塊状かつ均質な珪質泥岩からなる新第三紀の稚内層が分布する。これまでの研究では、稚内層に分布する断層が水みちとして機能することが示唆されており、稚内層は多孔質媒体のみならず亀裂性媒体としての特性を有する。そのため、稚内層の断層を対象とした亀裂ネットワークモデルの構築を進めている。その際、坑道壁面の割れ目観察によって取得されたトレース長分布に基づき、それを再現できる半径分布を探し出すシミュレーションを実施しており、その結果について示す。

論文

Theoretical model analysis of composite-particle emission from deuteron-induced reactions

中山 梓介; 岩本 修; 渡辺 幸信*

JAEA-Conf 2017-001, p.91 - 96, 2018/01

重陽子核データ評価に向け、重陽子入射反応用の計算コードシステムDEURACSを開発している。本研究ではDEURACSを改良し、重陽子入射反応からの複合粒子放出に適用した。DEURACSによる計算値は、入射エネルギー80MeVにおける$$^{27}$$Alおよび$$^{58}$$Niに対する$$(d,xd)$$, $$(d,xt)$$, $$(d,x^3 {rm He})$$, $$(d,xalpha)$$反応の二重微分断面積を良く再現した。この解析結果から、重陽子誘起の複合粒子放出の計算には非弾性散乱およびピックアップ反応の取り扱いが重要であることが示された。

論文

地層処分性能評価のための岩石に対する収着分配係数の設定手法の構築; 花崗岩を対象とした適用性評価

舘 幸男; 陶山 忠宏*; 澁谷 早苗*

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 24(2), p.109 - 134, 2017/12

性能評価解析において、収着分配係数K$$_{rm d}$$は、地球化学条件の変動範囲や不確実性を含む具体的な性能評価条件を考慮して設定する必要がある。性能評価のための岩石へのK$$_{rm d}$$設定手法を、(i)収着データベースから抽出されるデータ群の直接的利用、(ii)データ取得条件と性能評価条件の差異を補正する半定量的条件変換手法、(iii)熱力学的収着モデルの3つを組み合わせることにより構築した。この設定手法の適用性を評価するため、これら3つの手法を適用して、花崗岩に対するCs及びAmのK$$_{rm d}$$値と不確実性の導出と比較を行った。その結果、データやモデルについて十分な情報が利用可能な場合、異なる手法間で整合的な設定値を導出可能であることを確認した。この手法間の比較を踏まえ、性能評価対象の25元素を対象に、実測データ群に基づく分配係数と不確実性の設定を試み、最近の海外の性能評価プロジェクトにおけるK$$_{rm d}$$データセットと比較した。本手法によって、実際のサイト条件への適用を含む段階に応じた分配係数及び不確実性を設定することが可能となる。

論文

Long-term predictions of ambient dose equivalent rates after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident

木名瀬 栄; 高橋 知之*; 斎藤 公明

Journal of Nuclear Science and Technology, 54(12), p.1345 - 1354, 2017/12

 被引用回数:5 パーセンタイル:12.06(Nuclear Science & Technology)

To predict how exposure situations might change in the future and to analyze radiation protection strategies and rehabilitation programmes in Fukushima, prediction models were developed for ambient dose equivalent rate distributions within the 80 km-radius around the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant. Model parameters such as the ecological half-lives for the short-/long-term components and the fractional distribution of short-term component were evaluated using ambient dose equivalent rates through car-borne surveys. It was found that the ecological half-lives among land-use differ only slightly, whereas the fractional distributions of the short-term component are dependent on land-use. Distribution maps of ambient dose equivalent rates for the next 30 years after the accident, created by the prediction models were found to be useful for follow-up of the radiological situation since they provide information on the space variation of the ambient dose equivalent rates in inhabited areas.

論文

福島の環境回復に向けた取り組み,7; 福島沿岸域における放射性セシウムの動きと存在量

乙坂 重嘉; 小林 卓也; 町田 昌彦

日本原子力学会誌, 59(11), p.659 - 663, 2017/11

福島の環境回復に関してまとめた連載記事の一つである。福島第一原子力発電所事故によって環境に放出された放射性セシウムの約7割は海洋に運ばれたと見積もられている。政府等によるモニタリング調査に加えて、国内外の多くの機関の調査研究によって、放射性セシウムの海洋における分布や動態が浮き彫りとなってきた。時間的・空間的に連続した観測データを得ることが困難な海洋においては、数値シミュレーションが積極的に活用され、事故後に新たに得られた知見を踏まえ、さらなる改良が進められている。本論文では、福島の沿岸域におけるセシウムの動きと存在量について俯瞰し、環境回復の現状の科学的な理解を深めるとともに、今後取り組むべき課題について解説している。

論文

Quantum twin spectra in nanocrystalline silicon

松本 貴裕*; 大原 高志; 杉本 秀彦*; Bennington, S. M.*; 池田 進*

Physical Review Materials (Internet), 1(5), p.051601_1 - 051601_6, 2017/10

We identified twin split scattering spectra in hydrogen-terminated nanocrystalline silicon by using inelastic neutron scattering spectroscopy. A standard theoretical analysis based on the localized wave function of hydrogen in not sufficient to explain this duality. We show that this duality originates from the cooperative motion of hydrogen and silicon.

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