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植木 太郎
Progress in Nuclear Energy, 191, p.106007_1 - 106007_11, 2026/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)連続的に混合された乱雑化媒体の臨界性評価は、燃料デブリの安全な取り出しに不可欠である。この解析の第一歩として、単一モードの逆べき法則に従うパワースペクトルを持つランダム媒体に対して、不完全乱雑化ワイエルシュトラス関数(IRWF)を用いたモンテカルロ法を確立することが挙げられる。しかし、酸化物デブリの模擬体に対する画像解析の結果、観測されたパワースペクトルは単一の要因だけでは完全には説明できないことが判明した。このため、単一モードの法則よりも複雑なパワースペクトルを表現できる新たな乱雑化関数の探求が進められてきた。その結果、任意の形状のパワースペクトルを表現できる「乱雑化フーリエ級数(RFS)」が開発された。RFSの適用範囲は非常に広く、測定から得られるパワースペクトルの表現も可能であり、さまざまなシナリオが分析できるようになった。数値解析においては、RFSを用いて独立に生成されたランダム媒体レプリカに対して、中性子実効増倍率(k
)の変動が示される。RFSのスケールは線形であるのに対し、IRWFのスケールは対数的である。このため、k
の変動に最も影響を与えるスペクトル範囲を特定するために、IRWFに関する数値結果も示される。
植木 太郎
Progress in Nuclear Energy, 173, p.105236_1 - 105236_10, 2024/08
被引用回数:1 パーセンタイル:27.40(Nuclear Science & Technology)本論文は、不完全乱雑化ワイエルシュトラス関数(IRWF)によってモデル化された燃料デブリの乱雑化レプリカに対して、中性子実効増倍率(keff)計算の極値評価を効率化したことを報告する。対象とした効率化手法は、有界増幅(BA)として特徴づけられるものである。数値計算結果により、BAのIRWFへの適用が、必要とされる乱雑化レプリカ数を、少なくとも1桁減少させることが分かった。この効率性向上検証のため、BAを適用せずに計算されたkeffのデータセットに一般化極値(GEV)統計を適用し、極値分布がワイブル分布に従うことを明らかにした。GEV理論はワイブル分布の上限値の存在を保証しており、実際に計算された上限は、BAが適用されて乱雑化レプリカ数を1桁以上減らした場合に得られる上位2つのkeff値よりも小さいことが判明した。これは、BAによる効率性向上がGEV解析によって確認されたことを意味する。
植木 太郎
Progress in Nuclear Energy, 144, p.104099_1 - 104099_7, 2022/02
被引用回数:3 パーセンタイル:33.51(Nuclear Science & Technology)確率的乱雑化ワイエルシュトラス関数(RWF: randomized Weierstrass function)は、無秩序な物質混合で生成する乱雑化媒質の臨界性不確かさ評価のための手法である。本論文は、実用面でのRWFの精緻化を、周波数領域変数の上下限指定を伴うスペクトル範囲制御により達成したことを報告する。臨界解析実務への具体的効果は、空間分布が不確定な燃料デブリを想定した乱雑化媒質に対して、逆冪乗則パワースペクトルの下での公平な臨界性不確かさ評価を可能にすることである。数学的側面においては、RWFの三角関数項の無限和が、任意の低周波数領域を含むように拡張され、スペクトル範囲制御という唯一の目的のために有限項に切り捨てられている。これは、精緻化RWFが、ワイエルシュトラス関数のフラクタル特性への収束の問題と切り離されたことを意味する。このため、精緻化RWFは、不完全確率的乱雑化ワイエルシュトラス関数(IRWF: Imcomplete RWF)と命名される。適用事例として、3次元化されたIRWFを、中性子減速環境下の3種燃料から成る乱雑化燃料混合体に適用して中性子実効増倍率の不確かさをモンテカルロ法コードSolomonにより評価したことを報告する。
植木 太郎
no journal, ,
自然・工学現象のパワースペクトル測定においては、周波数領域変数に上下限が存在する。そこで、本予稿においては、逆冪乗則パワースペクトルの周波数領域変数の範囲を任意に設定できる機能を、確率的乱雑化ワイエルシュトラス関数に導入したことを報告する。この新機能は、ワイエルシュトラス関数のフラクタル性への収束との関係性を断ち切ることから生まれるため、不完全確率的乱雑化ワイエルシュトラス関数(IRWF: incomplete randomized Weierstrass function)と命名される。IRWFの工学的有用性を示す中性子実効増倍率の不確かさ評価例を、十分に中性子減速されている環境下での燃料デブリ体系について、報告する。