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永瀬 文久
Annals of Nuclear Energy, 171, p.109052_1 - 109052_8, 2022/06
被引用回数:2 パーセンタイル:30.61(Nuclear Science & Technology)冷却材喪失事故において、酸化されたZr合金被覆管がスペーサーグリッドにより急冷時に強く拘束されると燃料の破損限界が低下する。したがって、軸方向拘束の現実的なレベルを推定することが、燃料の安全性に関するひとつの課題である。本研究では、PWR型模擬燃料セグメントと33グリッド片からなる試験体を、水蒸気中で加熱,冷却、および急冷し、燃料セグメントにかかる軸方向拘束力を測定した。ジルカロイ製グリッドの拘束力は温度とともに徐々に低下した。1060K以上に加熱されると、拘束力の低下は回復しにくく、冷却および急冷時の最大拘束力は以下10Nであった。インコネル製グリッドについては、拘束力が以上1070Kで明らかに減少したが、冷却により部分的に回復した。インコネル製グリッドによる最大拘束力は20から50Nであった。従来研究で予測されたような非常に強い拘束は、グリッド位置での酸化,膨れ,破裂、または共晶形成によって起こる可能性は一般的には低い。
小澤 正明*; 天谷 政樹
日本原子力学会和文論文誌, 19(4), p.185 - 200, 2020/12
発電用軽水炉(LWR)では、冷却材喪失事故時に炉心の冷却可能形状を維持するとともに放射性核分裂生成物の公衆及び環境への放出を最低限にするために設計された非常用炉心冷却系(ECCS)が設けられている。LWR用ECCSに関する規制基準は、設計上の安全機能及び性能の評価並びに安全評価結果の安全裕度を確保するために定められている。日本における現在の基準は1981年に定められ、これは旧基準に対し当時の知見を加えたものである。この基準制定以降、燃料被覆管の材質、設計等を変えることで燃料燃焼度が進展し、これに伴い高燃焼度燃料のLOCA時の安全性を評価する研究を通して更に知見が蓄積されてきた。本論文では、日本の現行のECCS基準の高燃焼度燃料への適用性に関する最近の研究成果と今後の課題をまとめた。現在までに得られている研究成果によれば、燃焼度進展がLOCA時の被覆管酸化や急冷時破断限界に及ぼす影響は小さく、現行基準が高燃焼度燃料にも適用可能であることが分かった。
中村 誠; 飛田 健次; 染谷 洋二; 宇藤 裕康; 坂本 宜照; Gulden, W.*
Nuclear Fusion, 55(12), p.123008_1 - 123008_7, 2015/12
被引用回数:17 パーセンタイル:61.14(Physics, Fluids & Plasmas)水冷却方式のトカマク核融合原型炉について、真空容器の内外における大規模な冷却材喪失事故を解析した。解析により、そのような事故事象に対する原型炉システムの熱水力応答と、さらに放射性物質の閉じ込め障壁への圧力荷重を明らかにした。この解析結果は、真空容器の内と外における冷却材喪失事故は、それぞれ第1の閉じ込め障壁と最終閉じ込め障壁の健全性を深刻に脅かすことを示唆している。真空容器内冷却材喪失事故については、第1壁トロイダル方向全周破断時において、圧力抑制システムが作動しても、真空容器内圧は設計値まで到達することが分かった。真空容器外冷却材喪失事故については、1次冷却系ギロチン破断に起因するトカマクホールへの圧力荷重は極めて大きく、トカマクホールの健全性を深刻に脅かすことが分かった。論文では閉じ込め障壁への荷重の低減方法について議論した。
天谷 政樹; 宇田川 豊; 成川 隆文; 三原 武; 杉山 智之
Proceedings of Annual Topical Meeting on Reactor Fuel Performance (TopFuel 2015), Part.2 (Internet), p.10 - 18, 2015/09
高燃焼度領域での燃料性能を向上させるとともに既設の原子炉の安全性を向上させるため、高耐食性被覆管や核分裂生成ガス放出を抑えたペレットで構成された改良型燃料が事業者や燃料メーカによって開発されてきた。このような改良型燃料の現行の規制基準や安全裕度の妥当性を評価するため、またこれらに係る将来の規制のためのデータベースを提供するため、原子力機構はALPS-IIと呼ばれる新しい研究プロクラムを開始した。このプログラムは、欧州から輸送された高燃焼度改良型燃料を対象とした反応度事故(RIA)模擬試験及び冷却材喪失事故(LOCA)模擬試験から主に構成されている。本論文では、このプログラムの概要及び現在までに得られているRIA及びLOCA模擬試験結果について述べる。
高松 邦吉; Hu, R.*
Proceedings of 10th International Topical Meeting on Nuclear Thermal Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-10) (USB Flash Drive), 12 Pages, 2014/12
東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、福島事故)後、深層防護の観点から炉心損傷の防止対策が重要になった。安全上優れた特性を有する冷却設備に関する研究は、極めて重要なテーマである。そこで、動的機器および非常用電源等を必要とせず、福島事故のようにヒートシンクを喪失することのない、受動的安全性を持つ原子炉圧力容器の冷却設備を提案する。本冷却設備は変動がなく、安定して冷却できるため、定格運転時の一部の放出熱、および炉停止後の一部の崩壊熱を、常に安定的に受動的に除去できることがわかった。特に事故時において、本冷却設備が持つ冷却能力の範囲まで崩壊熱が減少した際、それ以降は非常用電源等が必要なくなり、長期間(無限時間)に渡って受動的な除熱が可能となる。
中村 誠; 飛田 健次; 染谷 洋二; 谷川 尚; Gulden, W.*; 坂本 宜照; 荒木 隆夫*; 渡邊 和仁*; 松宮 壽人*; 石井 響子*; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 9, p.1405139_1 - 1405139_11, 2014/10
水冷却核融合原型炉の安全性研究における重要側面について報告する。水冷却原型炉の内的ハザード(つまり放射性物質のインベントリ、これらを可動化するエネルギー、事故の起因事象と事故シナリオ)の分析を行った。第一壁/ブランケット冷却ループのエンタルピー、崩壊熱、ベリリウム-水蒸気反応で発生しうる化学反応エネルギーにとりわけ留意する必要があることを指摘した。第一壁/ブランケット冷却ループの真空容器外破断を定量的に解析した。この事象に対する核融合炉建屋の健全性について議論した。
中村 誠; 伊庭野 健造*; 飛田 健次; 染谷 洋二; 谷川 尚; Gulden, W.*; 小川 雄一*
Proceedings of 25th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2014) (CD-ROM), 8 Pages, 2014/10
近年我が国において、加圧水冷却材と固体ペブル増殖ブランケットに基づくトカマク核融合原型炉の設計研究が進んでいる。しかしながら、このタイプの核融合原型炉の安全上の特徴はまだ十分に明らかにされていない。本論文は真空容器内・真空容器外における冷却材喪失事象の熱水力解析について報告するものである。水冷却原型炉の安全上(とりわけ閉じ込め障壁への荷重)について、熱水力解析の結果に基づいて議論する。そのような荷重を低減するための方策についても提案する。
杉山 智之; 永瀬 文久; 中村 仁一; 更田 豊志
HPR-362, Vol.2, 12 Pages, 2004/05
軽水炉の安全規制に活用されるデータベースを提供するため、原研では、異常時及び冷却材喪失事故(LOCA)や反応度事故(RIA)等の想定された事故条件下における燃料挙動を明らかにするための研究を行っている。LOCA研究では急冷破断試験及び被覆管の酸化速度や機械特性に関する分離効果実験を行っており、照射被覆管を用いた試験に先立ち、運転中の腐食や水素吸収が及ぼす影響を調べる試験を非照射被覆管により実施してきたが、最近、照射被覆管を用いた試験を開始し、結果を得た。RIA研究では、高燃焼度燃料を対象とした一連のNSRRパルス照射実験を行っている。本論文は、原研のLOCA及びRIA研究で最近得られた結果を報告するものである。
ホット試験室
JAERI-Review 2003-038, 106 Pages, 2003/12
本報告書は、平成14年度のホット試験室の活動について燃料試験施設,WASTEF及びホットラボの3施設の運転管理とそれぞれの施設で進めた技術開発について、まとめたものである。燃料試験施設としては前年度に引き続きBWR燃料集合体の破壊試験,サイクル機構からの照射用ガドリニア燃料集合体の破壊試験等を実施した。所内利用としては、「むつ」使用済燃料集合体の再組立及び照射後試験を継続実施した。WASTEFは廃棄物処理処分におけるバリア性能評価試験,岩石型燃料の侵出試験,原子炉構造材料の高温水中複合環境下低歪速度試験等を実施した。ホットラボでは所外利用として、前年度に引き続き、東電柏崎5号機で照射された大幅高燃焼度用材料の破壊試験試験等を実施した。所内利用では大強度陽子加速器ターゲット容器材料等の照射後試験を実施した。また、ホット試験施設の総力を挙げて、国からの要請による東北電力女川原発1号機の再循環配管ひび割れの検査を実施した。
岩井 保則; 中村 博文; 小西 哲之; 西 正孝; Willms, R. S.*
Fusion Science and Technology, 41(3), p.668 - 672, 2002/05
核融合実験炉の燃料循環システムではトリチウムの大部分が水素同位体分離システム(ISS)の深冷蒸留塔に液の形で滞留する。ISSの冷却材喪失事象は塔内の液化水素の異常な蒸発を引起こす。核融合炉の安全性の観点から、冷却材喪失事象時のISSの挙動を把握し、数値評価手法を確立することを目的に、日米協力の下、米国ロスアラモス国立研究所トリチウムシステム試験施設の核融合実験炉規模の深冷蒸留塔で冷却材喪失事象模擬試験を世界で初めて実施した。定常状態における深冷蒸留塔内の水素同位体インベントリーの所在を評価した後、冷凍機を手動で停止させることで冷却材喪失事象を模擬した。また同時に再沸器のヒーター出力を零とした。塔内の圧力が定常時の106.7kPaから液の蒸発とともに上昇し、235kPaに達するまでに90分を要することを観測し、水素吸蔵ベットを用いた水素急速回収等により圧力上昇を防ぐ十分な時間猶予があることを見いだした。
井口 正
JAERI-Research 98-054, 216 Pages, 1998/10
PWR大破断冷却水喪失事故時の再冠水期における炉心内の熱水力挙動は、流路が管群であることや水流速が極めて小さく停滞水条件に近いことなどのために、従来広い研究対象とされてきた2相流挙動と異質な面がある。このため、上記の熱水力挙動を構成する素現象のうちには、原子炉安全評価の観点から重要であるにもかかわらず、現象の理解が不十分で、かつ予測精度が充分ではないかまたは適切な予測モデルがないものがあり、事故時の状況を高精度に予測するのに対し障害となっている。そこで、著者は定量的予測を達成する上で重要な素現象として、管群流路内のボイド率、再冠水現象に及ぼす炉心水平出力分布の影響、再冠水現象に及ぼす非常用炉心冷却水の複合注入の影響、複合注入型PWRの再冠水挙動に見られる炉心内循環流及び炉心2領域化現象を抽出し、これらの現象の解明と計算モデルの構築を行った。最終的には、代表的なPWR形式であるコールドレグ注入型PWR及び複合注入型PWRにおける再冠水挙動を充分な精度で予測する手法を確立した。以上の成果を原研で開発された再冠水現象解析コードREFLAに取り込み、予測精度の向上と適用性の拡大を実現した。
松本 光雄; 鴨志田 洋; 川又 伸弘
PNC TN1410 98-005, 96 Pages, 1998/03
動燃事業団大洗工学センター原子炉工学室において、平成8年度に54本クラスタ燃料を用いた下降管破断実験、主蒸気管破断実験等が実施された。ここでは、従来の「ふげん」安全評価コード及び軽水炉の安全評価コードであるRELAP5コードにより、上記の下降管破断実験及び主蒸気管破断実験を解析し、「ふげん」安全評価コードの妥当性を評価した。この結果、以下のことが明らかとなった。(1) 「ふげん」安全評価コードは、ドライアウト後の被覆管温度について、実験結果に対して高めの値を算出し、保守的な評価をしていることが確認できた。(2) 「ふげん」最適評価コードのリターンモデルは、実験時の被覆管温度挙動に見られるドライアウト及びクエンチ現象をよく再現できることが確認できた。(3) RELAP5コードは、「ふげん」の下降管破断を模擬したLOCA実験時の伝熱流動現象をほぼ再現し、同コードがATR体系のLOCA解析にも使用できる可能性があることが分かった。
秋江 拓志; 安濃田 良成; 高野 秀機; 山口 兆一*; 菅生 幸博*
JAERI-Research 98-009, 44 Pages, 1998/03
余剰プルトニウムの処分を目的として、ジルコニア(ZrO)あるいはトリア(ThO
)をベースとする、岩石型酸化物(ROX)燃料が検討されている。ROX燃料を装荷したPWRの安全解析の結果、ジルコニア型ROX(Zr-ROX)燃料炉心のドップラー反応度係数を大きくし、出力ピーキング係数を小さくする必要があることがわかった。これらの改善のため、Zr-ROX燃料にThO
,UO
あるいはEr
O
等を添加し、さらにGd
O
の添加量を減らす等の、組成の調整を試みた。その結果、UO
-Er
O
添加Zr-ROX燃料によりプルトニウム燃焼性能への影響を抑えて、UO
燃料PWR並みの過渡特性が達成できた。
山口 隆司
PNC TN1410 97-030, 107 Pages, 1997/08
新型転換炉(ATR)の安全評価事象である「原子炉冷却材喪失」の内、大破断事故に分類される事象における熱水力過渡変化、炉心再冠水挙動及び燃料温度過渡変化の評価では、大破断時熱水力過渡変化解析コードSENHOR、炉心再冠水特性解析コードFLOOD及び燃料温度解析コードHEATUPをそれぞれ用いている。ここでは、大破断事故解析時に使用する各コード間の関係(解析フロー)及び各コードの概要を示す。1.1解析コード体系安全評価のための冷却材喪失事故(以下LOCAという)解析コードシステムは、ATRの大破断時熱水力過渡変化解析コードSENHOR、中小破断時総合熱水力過渡変化解析コードLOTRAC、燃料温度解析コードHEATUP及び炉心再冠水特性解析コードFLOODから構成され、大破断事故解析には、SENHOR、FLOOD及びHEATUPを用いた一連の解析により安全評価を行う。SENHORは、非常用炉心冷却設備(以下ECCSという)作動特性を考慮してブローダウン時の原子炉冷却設備内の熱水力学的な挙動及び燃料の温度挙動を解析すると同時に、原子炉熱出力変化特性も解析する。SENHORから得られた原子炉熱出力及び蒸気ドラム圧力の時間変化等を基にFLOODにより、急速注水系(以下APCIという)の注水量変化と炉心での蒸発量を考慮した平均再冠水速度を解析し、燃料被覆管温度ターンアラウンド開始時間とターンアラウンド後の熱伝達率を求める。SENHORから得られた熱水力学的挙動のデータ及びFLOODから得られた燃料被覆管温度ターンアラウンド開始時間等を基に、HEATUPにより、燃料要素の詳細な温度変化を解析し、燃料被覆管最高温度及び被覆管酸化量を求める。1.2解析コード1.2.1SENHORコード大破断時熱水力過渡変化解析コードSENHORは、大破断解析用に開発されたコードであり、ブローダウン時の原子炉冷却設備内の熱水力学的な挙動及び燃料の温度挙動を解析する。
山口 隆司
PNC TN1410 97-029, 65 Pages, 1997/08
新型転換炉(ATR)の安全評価事象である「原子炉冷却材喪失」の内、中小破断事故に分類される事象における熱水力過渡変化及び燃料温度過渡変化の評価では、中小破断時総合熱水力過渡変化解析コードLOTRAC及び燃料温度詳細解析コードHEATUPをそれぞれ用いている。ここでは、中小破断事故解析時に使用する各コード間の関係(解析フロー)及び各コードの解析モデルを示す。1.1解析コード体系安全評価のための冷却材喪失事故(以下LOCAという)解析コードシステムは、ATRの大破断時熱水力過渡変化解析コードSENHOR、中小破断時総合熱水力過渡変化解析コードLOTRAC、燃料温度解析コードHEATUP及び炉心再冠水特性解析コードFLOODから構成され、中小破断事故解析にはLOTRAC及びHEATUPを用いた一連の解析により安全評価を行う。LOTRACは、非常用炉心冷却設備(以下ECCSという)作動特性を考慮してブローダウン時の原子炉冷却設備内の熱水力学的な挙動及び燃料の温度挙動を解析すると同時に、原子炉熱出力変化特性も解析する。なお、プラント制御系による影響を考慮した解析も可能としている。LOTRACから得られた熱水力学的挙動のデータ及びECCS注水特性挙動データから得られる燃料被覆管温度ターンアラウンド開始時間、ターンアラウンド後の熱伝達率等を基に、HEATUPにより、燃料要素の詳細な温度変化を解析し、燃料被覆管最高温度及び被覆管酸化量を求める。1.2解析コード1.2.1LOTRACコード中小破断時総合熱水力過渡変化解析コードLOTRACは、中小破断時における長時間の解析用に開発されたコードであり、ブローダウン時の原子炉冷却設備内の熱水力学的な挙動及び燃料の温度挙動を解析する。
山口 隆司
PNC TN1410 97-028, 14 Pages, 1997/07
新型転換炉(ATR)の安全評価事象の内、「事故」の「原子炉格納容器内圧力、雰囲気等の異常な変化」に分類される事象における格納容器内の圧力、温度の評価には、原子炉格納容器内圧力解析コードCONPOLを用いている。ここでは、解析コードの機能及び解析モデルを示す。1.1解析コード本コードは、原子炉冷却材喪失事故が発生した場合における高温高圧の冷却材流入による格納容器内圧力上昇、温度上昇を評価する。そのため、本コードは下記の計算機能を有している。(1)原子炉冷却設備からのブローダウン量(2)原子炉冷却設備からの放熱(3)格納容器壁への蒸気凝縮熱伝達(4)格納容器スプレイ系によるスプレイ冷却効果1.2解析モデル本コードでは、原子炉冷却設備、格納容器、蒸気放出プールをモデル化し、それぞれに対し質量保存の式、エネルギ保存の式を基礎に、圧力、温度及び質量変化を求めている。
青砥 紀身; 天藤 雅之; 木村 英隆; 堀切 守人; 小峰 龍司; 平川 康
PNC TN9420 97-007, 786 Pages, 1997/06
高速増殖原型炉-もんじゅ-2次主冷却系Cループ中間熱交換器(IHX)出口温度計からのナトリウム漏えい事故における熱電対ウェル損傷部(ウェル段付部の破断部)以外を対象とした調査報告である。調査は、熱電対ウェルと管台、および管台と配管溶接部廻りの健全性の確認として、主に溶接欠陥または隙間腐食による熱電対ウェルの破損の可能性、ならびにナトリウム漏えい量評価上の支配寸法、漏えい経路等における情報を得る目的で種々の試験検査を実施した。試験検査は、当該温度計の熱電対ウェル破断部を除く部分の温度計、ウェル、ウェル-管台溶接部および管台-配管溶接部等で、以下に示す通りである。 (1)精密寸法計測 (2)温度計-ウェルの固定状況把握のための試験検査 (3)残留応力測定 (4)各部非破壊検査 (5)成分分析 (6)溶接部の金属組織観察 (7)硬さ試験 (8)隙間腐食に関する調査 (9)ウェルの強度特性試験 (10)シース高温曲げ試験(破断部を除く部分)
山下 英俊
PNC TN1410 97-024, 486 Pages, 1997/05
平成9年5月13日16日、中華人民共和国の北京市で開催された第30回IAEA/IWGFR定例年会に、日本委員として出席した。本年会では、IAEAにおける高速炉に関する1996年の活動レビュー、1997
1998年の活動計画の審議・調整を行うとともに、各国における高速炉開発状況について報告・討論を行った。日本から高速増殖炉開発の概況をレビューするとともに、「もんじゅ」ナトリウム漏えい事故の原因調査結果等について報告した。出席者から「もんじゅ」の運転再開時期や動燃改革の状況に関する質問が多く聞かれた。各国の高速炉開発状況について、イギリス、ドイツは、アクティビティが少なくなってきているものの基盤的な研究を続けている。実プラントを保有し運転しているフランス、ロシア、カザフスタン、インドは、それぞれの国情に応じて開発計画を進めている。また、中国は、5年後に実験炉(CEFR)の初臨界を達成すべく建設計画を進めている。韓国は、原型炉(KALIMER)を2011年に初臨界を至らしめるべく開発が進められている。次回、第31回定例年会は、1998年5月12日
14日、ウィーンのIAEA本部で開催されることとなった。
下山 一仁; 宇佐美 正行; 三宅 収; 西村 正弘; 宮原 信哉; 田辺 裕美
PNC TN9450 97-007, 81 Pages, 1997/03
「もんじゅ」2次冷却系ナトリウム漏えい事故の原因究明の目的で、第1回目を平成8年2月15日に、第2回目を平成8年3月28日に、大洗工学センターのナトリウム漏洩火災基礎試験装置(SOFT-1)を用い、温度計を模擬してナトリウム漏えい速度、漏えい形態の確認実験を行った。なお本実験データ集については、情報公開の一環として平成9年3月21日付けで、本社インフォメーションルーム、大洗工学センター展示館、敦賀事務所アトムプラザの3カ所で公開を開始した。
岩田 耕司; 井上 達也*; 古谷 章*; 和田 雄作*; 鵜川*; 峰*; 金谷*
PNC TN9410 97-042, 8 Pages, 1997/03
平成7年12月に高速増殖原型炉「もんじゅ」において発生した2次主冷却系配管からのナトリウム漏洩事故は、温度計さやの流力振動による破損が直接の原因であった。今後、「もんじゅ」において同種の破損の発生を防止するため「温度計の流力振動防止のための設計方針(案)」を作成した。本設計方針(案)は、高速炉の配管に設置された熱電対温度計さやを対象として、供用中の流力振動に対する構造健全性の評価方法ならびに判定条件を規定しており、現行の「もんじゅ」技術基準類の規定を補足するものとして位置づけられる。本設計方針(案)は、「もんじゅ」既存設備の健全性の確認ならびに今後必要に応じて実施される改良設計に適用することを念頭に置いた動力炉・核燃料開発事業団としての案である。なお、本設計方針(案)の検討作業は、平成8年5月11月の間、動力炉・核燃料開発事業団内に設けられた温度計設計方針検討会において行われたものである。