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古田 琢哉
日本保健物理学会ホームページ(インターネット), 2 Pages, 2017/10
現在の国際的な放射線防護基準は、広島・長崎の原爆被爆者の長期にわたる健康調査とDS02推定方式による被爆者個人別の線量推定値を基に策定されている。DS02は被爆時の所在地や周囲の遮蔽条件等の被爆者個人別の詳細データを入力として線量値を推定するため、入力値の精度が線量推定値の精度、そして放射線リスクの評価の精度に直結する。本解説記事では、DS02線量推定方式の核となるシステム本体はそのままに、被爆者個人別の詳細データの改善とその影響について調べた論文(DS02R1)を紹介する。
國分 陽子; 安田 健一郎; 間柄 正明; 宮本 ユタカ; 桜井 聡; 臼田 重和; 山崎 秀夫*; 吉川 周作*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 273(1), p.183 - 186, 2007/07
被引用回数:7 パーセンタイル:46.07(Chemistry, Analytical)われわれはこれまで黒い雨が降ったと言われる長崎西山貯水池堆積物中のPu/
Pu比及び
Pu濃度を測定し、長崎原爆由来のPuが今もなお貯水池に流れ込んでいることを報告した。続いて、長崎原爆中心地周辺半径約10km範囲から採取した土壌の分析により、長崎原爆由来のPuの平面分布を明らかにし、原爆中心地から東約3km離れた西山地区に局所的に蓄積していることを示した。またさらに東の地域では、
Pu濃度は日本の他の地域の値と同程度であったが、
Pu/
Pu比はグローバルフォールアウトの値より低く、調査地域より東側の地域にも長崎原爆由来のPuが蓄積していることを示唆した。このため、本研究では調査地域をさらに東側に広げ、
Pu/
Pu比に注目し、長崎原爆由来のPuの蓄積地域を明らかにすることを試みた。これまでわれわれは原爆中心地から北東約100km以内から8つの試料を採取した。そのうち、原爆中心地から約25km離れた地点及び約45km離れた地点の土壌中の
Pu/
Pu比は0.154
0.017及び0.111
0.004で、グローバルフォールアウトの値より低い値が見られた。これは長崎原爆由来のPuが蓄積していることを示唆する。発表では、さらに遠い地域から採取した土壌の結果についても報告する。
國分 陽子; 安田 健一郎; 間柄 正明; 宮本 ユタカ; 桜井 聡; 臼田 重和; 山崎 秀夫*; 三田村 宗樹*; 吉川 周作*
Journal of Geosciences, Osaka City University, 50, p.7 - 13, 2007/03
原爆由来のPuの分布を明らかにするために、長崎原爆中心地から約10km以内の範囲で採取した土壌中のPu濃度,
Cs濃度及び
Pu/
Pu比を測定した。原爆中心地より北,南及び西の地域では、
Pu濃度及び
Cs濃度はほぼ一定であり、また
Pu/
Pu比はグローバルフォールアウトと同程度だった。一方、東側の地域では距離に従って
Pu濃度は減少したのに対し、
Cs濃度はほぼ一定であった。また
Pu/
Pu比は東側の地域でも、特に西山地区で、グローバルフォールアウトより低い値が得られ、長崎原爆由来のPuが局所的に蓄積していることがわかった。
工藤 章*; 藤川 陽子*
JNC TJ8400 2000-010, 67 Pages, 2000/02
本書では、前半部分において「長崎原爆プルトニウムの放出と環境中の移動性」について、後半部分において「わが国のファーフィールドにおける放射性核種移行研究の到達点」についての研究成果を報告する。長崎県長崎市西山地区で450cmの深さまでの不飽和帯土のコアを採取し、90Sr、137Cs、239+240Puの鉛直分布を決定した。その結果、大部分の放射性核種は、地表から30cmの層に見出された。しかしながら、90Srと239+240Puは、200cm以深の地下水からも発見された。137Csは、地表面から40cm位深、あるいは地下水中には見出せなかった。これらのことから、全239+240Puの3%は、土壌表層に留まる残り97%のプルトニウムよりも速く、土壌中を移行していることを示している。また、1945年の長崎フォールアウトを示す137Csと239+240Puのシャープなピークが、西山貯水池の堆積物コアから見つかった。一方、90Srはその堆積物中を移動するため、1945年に堆積した層にはピークを見出すことが出来なかった。さらに、239+240Puは1945年よりも古い年代の層でも見つかった。一方、年輪中の239+240Puは、堆積物コアとほぼ同様の分布をしていたが、極めて微量の239+240Pu(1%程度)は1945年の年輪よりも内側から発見された。これら事象より環境中の移動性239+240Puの存在を推定した。報告書の後半部分においては、「地層処分研究開発第2次とりまとめ」および現状の放射能移行評価研究について、特に天然バリア(例えば、ファーフィールド)および地表生態圏を対象とした放射能移行モデルを中心にレビューを行い、今後の地層処分の環境安全評価に関連して進めるべき環境関連研究の方向について検討した。その中では、Genericな安全評価研究からサイト特異的な安全評価研究への移行を中心に、説明的モデル、スクリーニングモデル、予測モデルといった目的別モデルの適用手順、モデル予測と安全評価にまつわる不確実性への対処手順、そして安全評価の予測に対する信頼性向上の手順としてわが国の野外条件下で取得された物質移行データによるモデル検証の必要性について議論を行った。
外川 織彦; 本間 俊充
Proc. of the Int. Conf. on Radiation Effects and Protection, p.267 - 272, 1992/00
原子炉事故時環境影響評価コードシステムOSCAARの開発の一環として、放射線被曝による健康影響発生数を推定するモジュールHEとその支援コードHEINPUTを開発した。健康影響モデルは、早期影響、晩発性影響及び遺伝的影響を含む。モデルは米国で開発されたNUREG/CR-4214のモデルを基礎とし、広島・長崎における原爆の線量再評価及び被曝生存者の疫学調査から得られた新しい情報に基づいて修正された。計算コードの性能を評価するため、1980年における米国の集団に適用した。また、NUREG/CR-4214のモデル及び当モデルによって推定された低線量率での1Gyの線量による生涯死亡リスクを種々の癌に対して比較した。本報告は健康影響モデルの概要を記述し、米国及び日本の集団に対する死亡リスクの比較結果を示す。
嶋田 和真
no journal, ,
現在の放射線による発がんリスク評価は疫学データに基づいている。より科学的・合理的なリスク評価を目指す上では、細胞動態を考慮した発がん数理モデルの導入が望ましいが、モデルに必要な細胞の突然変異率等のパラメータを実験により求めるのは容易ではない。そこで、本研究においては、近年開発されたベイズ統計手法に基づく状態空間モデルを適用し、原爆被爆者の疫学データから発ガン数理モデルに不可欠なパラメータの推定を試みるとともに、線量・年齢との関係を求めた。
遠藤 章
no journal, ,
原爆被爆者の健康影響調査に用いる線量推定は、2002年に完成した線量推定システムDS02によって行われている。DS02は、1980年代に開発された3種類の年齢群に対する数式ファントムを使い計算された臓器線量データ、爆心地からの距離、家屋等による遮蔽状況に基づき、個人の線量を計算する。今日では、人体の形状をより忠実に再現できるボクセルタイプ, ポリゴンメッシュタイプのファントムが開発されており、これらのファントムを利用することで、原爆被爆者の線量推定値の改善が期待されている。本発表では、成人の数式ファントムやボクセルファントムを用いて計算した臓器ごとの線量を分析し、ボクセルファントムを用いた臓器線量データの導入が、原爆被爆者の線量推定に与える影響について報告する。