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野口 祐二*; 阿蘇 星侑*; 大山 研二*; 石垣 徹*; 米田 安宏; 松尾 拓紀*
Physical Review B, 111(21), p.214113_1 - 214113_13, 2025/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)200Kで収集した放射光X線回折データに対する最大エントロピー法(MEM)/リートベルト解析と密度汎関数理論(DFT)計算を組み合わせ、高品質なチタン酸ビスマスナトリウム(BiNa
TiO
)粉末の電子構造を解析した。その結果、Bi-O共有結合とそれに伴う強誘電性は、主にTi-3dを介したBi-6p-O3-2p軌道相互作用に起因することがわかった。
米田 安宏; 小林 徹; 辻 卓也; 松村 大樹; 斎藤 祐児; 野口 祐二*
Japanese Journal of Applied Physics, 63(9), p.09SP12_1 - 09SP12_10, 2024/09
被引用回数:2 パーセンタイル:27.39(Physics, Applied)NaNbO、AgNbO
、KNbO
のABO
型ペロブスカイト系は良好な強誘電特性を持つことが知られている。我々は局所構造解析により各原子のラットリング空間を直接決定した。この解析により、大きな揺らぎを持つ結合サイトがイオンサイズの変化によって変化することを明らかにした。軟X線吸収分光法を含む実験から、Aサイトイオンは酸素と混成していることがわかった。
米田 安宏; 小林 徹; 辻 卓也; 松村 大樹; 斎藤 祐児; 野口 祐二*
Japanese Journal of Applied Physics, 62(SM), p.SM1006_1 - SM1006_8, 2023/11
被引用回数:5 パーセンタイル:52.49(Physics, Applied)BiNa
TiO
BaTiO
(BNT
BT)固溶体は良い圧電特性を示すため多くの研究が行われてきた。また、BT組成に応じてバラエティーに富んだ相が観測される。BNT
BT固溶体の軟X線吸収分光実験と高エネルギーX線回折実験を放射光を利用して行った。得られたBNT
BT固溶体の電子構造と局所構造から、BTの置換効果は主にBaの置換サイトであるAサイトで起こっていることがわかった。BT組成の変化に対してTiO
八面体の菱面体晶ひずみは変化しておらず、O-K吸収端で生じた電子構造の変化は混成状態の変化であると考えられる。
米田 安宏; Kim, S.*; 森 茂生*; 和田 智志*
Japanese Journal of Applied Physics, 61(SN), p.SN1022_1 - SN1022_10, 2022/11
被引用回数:3 パーセンタイル:23.19(Physics, Applied)(1-)BiFeO
-
BaTiO
固溶体の局所構造解析を放射光高エネルギーX線回折実験で得られたデータをPDF解析することによって行った。まず、XAFS実験を行いサンプルスクリーニングを行ったところ、BiFeO
リッチな組成での構造揺らぎが大きいことがわかった。そこでBiFeO
リッチな組成のサンプルのPDF解析を行った。その結果、平均構造は立方晶構造であるものの局所構造は菱面体晶構造で再現でき、さらに揺らぎの大きな組成では菱面体晶の対称性を破る変位があることがわかった。
中島 光一*; 廣中 航太*; 大内 一真*; 味岡 真央*; 小林 芳男*; 米田 安宏; Yin, S.*; 垣花 眞人*; 関野 徹*
ACS Omega (Internet), 6(48), p.32517 - 32527, 2021/12
被引用回数:7 パーセンタイル:33.61(Chemistry, Multidisciplinary)水熱合成法によって合成されたBaTiOナノ粒子のサイズは原料となるTiO
ナノ結晶の粒子サイズに依存することを見出したため、TiO
ナノ結晶の最適化を行い、これを用いてBaTiO
ナノ結晶を合成することで粒度分布のそろった100nmサイズのナノキューブの合成に成功した。得られたBaTiO
ナノキューブはX線回折実験によって強誘電性を示す正方晶構造であることがわかった。また、電子線トモグラフィによって3次元構造を可視化することによってクリアな粒子外形の観察にも成功した。
米田 安宏; 野口 祐二*
Japanese Journal of Applied Physics, 60(SF), p.SFFA08_1 - SFFA08_10, 2021/11
被引用回数:5 パーセンタイル:28.83(Physics, Applied)BiNa
TiO
(略称、BNT)は)は非鉛材料でありながら比較的大きな圧電特性を示すため、多くの研究が行われてきた。我々は化学量論的に正しい組成を持つ高品位BNTを用いて局所構造解析を行い、Bi/Naの局所的なオーダー構造を見出した。BNTは400
Cで常誘電体相へと相転移するが、高温相において、新たなdisorder構造が高温相で出現すると考えた。そこで、高温相において、放射光高エネルギーX線を用いた2体相関分布関数(PDF)解析を行った。その結果、BNTは200
CからBiがシフトし、このシフト量が相転移のオーダーパラメーターとなってることを見出した。
中島 光一*; 小名木 海飛*; 小林 芳男*; 石垣 徹*; 石川 喜久*; 米田 安宏; Yin, S.*; 垣花 眞人*; 関野 徹*
ACS Omega (Internet), 6(14), p.9410 - 9425, 2021/04
被引用回数:12 パーセンタイル:49.84(Chemistry, Multidisciplinary)チタン酸バリウムナノキューブを水熱合成法によって合成することに成功した。ナノキューブを走査型電子顕微鏡、パルス中性子、大型放射光を用いて詳細に調べたところ、表面に酸化チタンの再構成層が形成されていることを見出した。
米田 安宏; 谷口 博基*; 野口 祐二*
Journal of Physics; Condensed Matter, 33(3), p.035401_1 - 035401_8, 2021/01
被引用回数:5 パーセンタイル:21.06(Physics, Condensed Matter)放射光高エネルギーX線回折実験を用いて、リラクサーPb(MgNb
)O
(PMN)のナノスケール構造解析を行った。PMNはよく知られたリラクサー強誘電体であるが、平均構造が立方晶構造であることから、強誘電性のミクロ構造を説明するために種々のモデルが提案されてきた。我々は2体相関分布関数法(pair distribution function, PDF)を使って20nmまでの広いレンジの局所構造解析を行った。
塚田 慎也*; 藤井 康裕*; 米田 安宏; 森分 博紀*; 小西 綾子*; 秋重 幸邦*
Physical Review B, 97(2), p.024116_1 - 024116_7, 2018/02
被引用回数:24 パーセンタイル:68.44(Materials Science, Multidisciplinary)BaTiO
は強誘電的相転移温度が743Kの強誘電体で、分極方位が結晶学的に1軸に制限されているため、Uniaxal ferroelectricsとも呼ばれる。このBaTi
O
の相転移挙動を明らかにするために短距離レンジから長距離レンジに渡る構造解析を放射光X線回折で、また格子ダイナミクスをラマン分光法を用いて観察を行った。実験的結果と第一原理計算の結果から、BaTi
O
の相転移を理解することができた。すなわち、TiO
八面体ユニット中のTiの振動モードの凍結によって空間群が常誘電体の
から強誘電体の
へと変化することがわかった。
米田 安宏; 青柳 倫太郎*; Fu, D.*
Japanese Journal of Applied Physics, 55(10S), p.10TC04_1 - 10TC04_5, 2016/10
被引用回数:7 パーセンタイル:30.10(Physics, Applied)X線吸収微細構造(XAFS)と2体相関分布関数(PDF)を併用して、NaNbO及びLi置換したNa
Li
NbO
の局所構造解析を行った。NaNbO
は室温で反強誘電体として知られ、室温以下では反強誘電体の斜方晶と強誘電体の菱面体晶相が混在する温度領域が広く存在するため、相転移の全容は未だ明らかにはなっていない。我々は局所構造解析によって最低温相が菱面体晶構造であることを明らかにし、さらに秩序-無秩序型の相転移を仮定することでLi置換効果が理解できることがわかった。また、同様の現象がAgNbO
においても観測されたため、これについても述べる。
清水 大輔*; 塚田 慎也*; 松浦 直人*; 坂本 潤哉*; 小島 誠治*; 並河 一道*; 水木 純一郎; 大和田 謙二
Physical Review B, 92(17), p.174121_1 - 174121_5, 2015/11
被引用回数:16 パーセンタイル:53.42(Materials Science, Multidisciplinary)Ti組成が傾斜した単結晶試料Pb[(MgNb
)
Ti
]O
を用いてモルフォトロピック相境界(MPB)近傍の相図ならびに電気応答と結晶コヒーレンス長の相関を調べた。結晶は29mol%と34.7mol%付近に相境界がありそれらは単斜晶相MB-単斜晶相MC,単斜晶相MC-正方晶相境界と対応する。結晶コヒーレンス長のTi濃度依存性は電気応答と強い負の相関を示しており、これらはMPB近傍におけるドメインサイズ効果として説明可能である。
大和田 謙二; 水木 純一郎*; 松下 三芳*; 並河 一道*
Physical Review B, 90(10), p.104109_1 - 104109_12, 2014/09
被引用回数:7 パーセンタイル:30.07(Materials Science, Multidisciplinary)X線散漫散乱法とコヒーレントX線散乱法を相補利用し、リラクサー強誘電体91%Pb(ZnNb
)O
-9%PbTiO
の強誘電相転移(455K)を調べ、その近傍でヘテロ相ゆらぎが発生していることを明らかにした。ヘテロ相ゆらぎは強誘電相転移(1次相転移)の前駆現象であるばかりでなく、低周波誘電応答の起源とも考えられる。
米田 安宏; 鈴谷 賢太郎; 小原 真司*; 水木 純一郎
Ferroelectrics, 339, p.165 - 174, 2006/09
被引用回数:1 パーセンタイル:6.12(Materials Science, Multidisciplinary)CdTe-ZnTe半導体混晶はzinc-blendeタイプの構造を持つ物質として、初めて強誘電性が確認された。しかし、強誘電性領域においても構造が変化しないことから、強誘電性発現機構がいまだ明らかにはなっていない。われわれは実験室系のX線回折においてZn原子の温度因子が大きく変化することを見いだした。これは熱的揺動だけではなく、静的なdisorderが生じていると考えられる。そこで、disorderな構造を明らかにするために、高エネルギーX線回折とPDF解析を用いて改めてこのCdTe-ZnTe半導体混晶の構造解析を行った。その結果、平均構造位置からのdisorderはZn, Cdサイトだけではなく、むしろTeサイトで支配的に起こっていることがわかった。これらの原子のdisorderの結果、分極が生じ強誘電性を発現していると考えられる。
池田 直*; 大隅 寛幸*; 大和田 謙二; 石井 賢司; 稲見 俊哉; 加倉井 和久; 村上 洋一*; 吉井 賢資; 森 茂生*; 堀部 陽一*; et al.
Nature, 436(7054), p.1136 - 1138, 2005/08
被引用回数:856 パーセンタイル:99.75(Multidisciplinary Sciences)SPring-8の放射光を用いた共鳴X線散乱実験,焦電気測定及び誘電分散測定により、混合原子価鉄イオンを含む複合酸化物LuFeO
は、全く新しいカテゴリーに属する強誘電体であることがわかった。本系では、三角格子上において、鉄イオン間に電荷相互作用のフラストレーションが存在する。このフラストレーションは、2価と3価の鉄イオンの長周期電荷秩序構造を安定化し、その結果として、電子の密度分布変調による誘電分極を発生する。この強誘電発現機構は、基礎科学的に興味深いだけでなく、電荷・スピン・軌道といった電子の自由度により制御された、次世代の強誘電デバイス開発の可能性をも提供する大きなインパクトを持つものである。
米田 安宏; 香村 芳樹*; 鈴木 芳生*; 濱崎 真一*; 高重 正明*; 水木 純一郎
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 30(1), p.51 - 54, 2005/03
最近、強誘電体にある種のドメインを導入することにより、単一分域構造を越える優れた特性が得られることが判明し、ドメイン構造制御が材料開発におけるブレイクスルーとなることが期待されている。この観点からドメイン観察技術も新規手法の開発や従来法の開発が進んでいる。放射光トポグラフィは古典的な単結晶の結晶性の鑑定に使われてきたが、近年の第3世代放射光源のコヒーレント光を用いることによって、狙ったドメイン-ドメイン相関を観察することが可能となった。この放射光トポグラフィを強誘電体に適用することによって、強誘電体のドメイン構造の詳細を明らかにすることを試みている。
米田 安宏; 水木 純一郎; 香村 芳樹*; 鈴木 芳生*; 濱崎 真一*; 高重 正明*
Japanese Journal of Applied Physics, 43(9B), p.6821 - 6824, 2004/09
被引用回数:10 パーセンタイル:39.38(Physics, Applied)強誘電体のドメイン近傍では異なる格子定数をつなぎ合せるために格子歪みが生じることをBaTiOを用いて示した。ドメイン境界が増えればドメイン近傍での歪みも増える。したがってドメインを小さくしていけばこの歪みが結晶全体に行き渡り、平均構造を代えてしまう可能性がある。このことを確かめるためにBaTiO
に欠陥を導入することによって微小なドメインを均一に作製することができた。このサンプルを放射光トポグラフィを用いて評価したところ、平均構造はわずかに歪んでいるものの、ほぼcubic構造であることがわかった。すなわち、ドメイン近傍における局所的な歪みによって誘起された平均構造である。この結果はリラクサーのようなマイクロドメイン強誘電体を理解するうえで重要な実験結果である。
永島 圭介; 田中 桃子; 錦野 将元; 岸本 牧; 加道 雅孝; 河内 哲哉; 長谷川 登; 越智 義浩; 助川 鋼太*; Tai, R.; et al.
Applied Physics B, 78(7), p.927 - 932, 2004/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Optics)波長13.9ナノメートルでの空間フルコヒーレントX線レーザーの開発に成功した。この実験は、2つのレーザー媒質を用いて、第1の媒質から得られるシード光を第2の媒質で増幅するもので、ビーム発散角が0.2ミリラジアンという極めて指向性の高いX線ビームが生成された。この発散角は、回折限界の2倍以内である。シード光は第2媒質中で屈折の影響無しに増幅されており、増幅係数はセンチメートル当たり約8であった。また、可視度の測定から、空間コヒーレンス長がビーム径より大きいことがわかった。こうした空間コヒーレンスの高いX線レーザーの応用研究として、強誘電体であるチタン酸バリウムの表面分域構造の観測を行い、キュリー温度近傍での分域構造の変化を明らかにした。
米田 安宏; 香村 芳樹*; 鈴木 芳生*; 濱崎 真一*; 高重 正明*
Journal of the Physical Society of Japan, 73(4), p.1050 - 1053, 2004/04
典型的な強誘電体であるチタン酸バリウムのX線トポグラフィをSPring-8の放射光を用いて行った。実験は空間分解能の非常に高いアンジュレータビームラインを用いて行ったため、結晶に生じる歪みを敏感にとらえることができた。チタン酸バリウムは90度ドメインの近傍で異なるドメイン間の格子定数をつなぎ合わせるために歪んでいることがわかった。この放射光を用いた強誘電体のドメイン観察手法は強誘電体のドメインをコントロールして新奇な物性を付加するための測定手段として広く応用されることが期待できる。
米田 安宏; 香村 芳樹*; 鈴木 芳生*; 濱崎 真一*; 高重 正明*
Journal of the Physical Society of Japan, 73(4), p.1050 - 1053, 2004/04
被引用回数:12 パーセンタイル:56.91(Physics, Multidisciplinary)強誘電体のドメイン観察をX線トポグラフィを用いて行った。強誘電体のドメイン境界には異なる格子定数をつなぎ合わせるために歪みが生じるが、この歪みを空間分解能の非常に高い放射光X線を用いることによって検知し、強誘電性ドメイン境界を可視化することに成功した。強誘電体のドメインに生じる歪みは結晶表面に生じるベンディングモードの原因にもなっており、このような微小な歪みの検知は強誘電体にとって非常に重要である。
米田 安宏; 水木 純一郎; 片山 良子*; 八木 健一郎*; 寺内 暉*; 濱崎 真一*; 高重 正明*
Applied Physics Letters, 83(2), p.275 - 277, 2003/07
被引用回数:18 パーセンタイル:56.58(Physics, Applied)チタン酸ビスマス(BiTi
O
)を急冷してアモルファス化すると、再結晶過程で、Bi
Ti
O
とは異なる中間構造が出現する。この中間構造は二成分からなっており、一つはパイロクロア型のBi
Ti
O
で、もう一つはパイロクロア相の出現によって過剰となったビスマスの積層欠陥によって生じている、本来は安定な構造をとらないBi
WO
-likeな構造であることがわかった。