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大塚 直彦*; 多田 健一; Cabellos, O.*; 岩本 修
Annals of Nuclear Energy, 212, p.110977_1 - 110977_9, 2025/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)ロスアラモス国立研究所のLANCEにて測定された新しい測定値を考慮して、3keVから1MeVの範囲のU-233の中性子捕獲断面積を評価した。得られた捕獲断面積は、JENDL-5の捕獲断面積よりも系統的に小さく、20keV付近では50%近く減少することとなった。新しく評価された断面積の妥当性を確認するため、ISCBEPハンドブックから選択された166の臨界実験を対象に、U-233の中性子捕獲断面積について、JENDL-5のデータを新たに評価した値に置き換えた上で、モンテカルロ中性子輸送計算を実行した。その結果、新しく評価された捕獲断面積の採用により、JENDL-5のU-233を用いた場合に比べてカイ2乗値がわずかに改善することが分かった。
明午 伸一郎; 山口 雄司; 岩元 大樹
Proceedings of 21st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.32 - 37, 2024/10
宇宙機器の開発において必要な400MeV以上の陽子が供給が可能な加速器施設は世界的に少なく、国内ではJ-PARCが唯一となる。しかし、J-PARCでは二次粒子を安定に継続する必要があるため、試験装置を加速器の真空槽に設置することは困難となる。J-PARCで進めている「陽子ビーム照射施設」により試験を進める計画としている。本施設ではLINACの400MeV Hビームから、レーザーにより微弱な陽子ビームを取り出し、デグレーダにより利用者が要求するエネルギーの陽子を供給する予定となる。本報ではこの施設の詳細について報告する。また、宇宙開発での陽子利用は極めて高く、宇宙航空研究開発機構(JAXA)および情報通信研究機構(NICT)では、衛星搭載の宇宙線センサーにおける試験の強い要求があった。しかし、加速器を安定に運転させる必要があるため、真空槽に試験装置を組み込むのは困難となり、さらに試験で必要な微弱なビームを得るのは困難となる。我々はビーム窓の散乱による陽子を利用する方法を開発し、JAXAおよびNICTとセンサーの試験を開始した。陽子ビーム散乱のデータは加速器において重要なデータとなるもののデータはほとんど存在しないため、この測定を開始した。
中村 詔司; 遠藤 駿典; Rovira Leveroni, G.; 木村 敦; 芝原 雄司*
KURNS Progress Report 2023, P. 46, 2024/07
本研究は、生成放射能を評価するために、廃止措置で問題となる核種について熱中性子捕獲断面積を測定するものである。本件では、対象核種の中からFe、
Erおよび
Hfを選定し、京大原子炉にて放射化法によりそれらの熱中性子捕獲断面積を測定した。今回、
Fe(n,
)
Fe反応について1.23
0.03 barn、
Er(n,
)
Er反応について8.19
0.35 barnを、そして
Hf(n,
)
Hf反応について13.57
0.14 barnを得た。また、Hf試料の測定において副産物として、
Hf(n,
)
Hf反応について0.427
0.006 barnを得た。評価済みデータライブラリに採用されているデータは、今回得られた結果の不確かさ以上に違うことを明らかにした。
多田 健一; 山本 章夫*; 国枝 賢; 今野 力; 近藤 諒一; 遠藤 知弘*; 千葉 豪*; 小野 道隆*; 東條 匡志*
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(6), p.830 - 839, 2024/06
被引用回数:8 パーセンタイル:89.79(Nuclear Science & Technology)核データ処理コードは評価済み核データライブラリと放射線輸送計算を繋げる重要なコードである。核データ処理コードFRENDY第1版は簡単な入力データを用いてACE形式の断面積ファイルを生成するために2019年に公開された。FRENDY第1版の公開後、中性子多群断面積の生成、物質中の異なる核種間の共鳴干渉効果の考慮、共鳴上方散乱の考慮、ACEファイルの摂動、ENDF-6形式ファイルの修正など、多くの機能が開発された。これらの新機能をまとめ、FRENDY第2版を公開した。FRENDY第2版では、ACE形式の断面積ファイルからGENDF及びMATXS形式の中性子多群断面積ファイルを生成する。本論文では、FRENDY第2版で実装された新機能と本コードの中性子多群断面積生成機能の検証について説明する。
岩元 大樹; 明午 伸一郎; 杉原 健太*
Physical Review C, 109(5), p.054610_1 - 054610_12, 2024/05
被引用回数:2 パーセンタイル:78.45(Physics, Nuclear)核種生成断面積は、原子力の研究、開発、宇宙探査、天体物理学的調査において極めて重要である。その重要性にもかかわらず、利用可能な実験データが限られているため、現象論的アプローチによる包括的な断面積推定の実用性が制限されている。この問題を解決するために、われわれは、豊富なデータを持つ元素の知識を、実験データが限られている、あるいは全くない元素に伝達することができるガウス過程に基づく機械学習(ML)モデルを提案する。われわれのMLモデルは、様々な元素の包括的な断面積推定を可能にするだけでなく、学習データが乏しい領域においても、物理モデルに近い予測能力を示す。
櫻井 敬久*; 紅林 泰*; 鈴木 颯一郎*; 堀内 一穂*; 高橋 唯*; 堂下 典弘*; 菊地 聡*; 門叶 冬樹*; 岩田 尚能*; 田島 靖*; et al.
Physical Review D, 109(10), p.102005_1 - 102005_18, 2024/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Astronomy & Astrophysics)銀河宇宙線の永年変化は銀河の活動に密接に関係しており、局所的な銀河磁場・星間雲・超新星残骸の近くの環境が反映される。高エネルギー銀河宇宙線によって大気中で生成される高エネルギーミューオンは、深い地層まで透過し、岩石中に放射性同位体を生成する。Beや
Alのような長寿命の放射性核種は岩石中に蓄積されるため、高エネルギーミューオンの収量の長期変動、ひいては数百万年間の高エネルギー銀河宇宙線(GCR)の長期変動の調査に利用できる。本研究では、CERN SPSのCOMPASS実験ラインにて、160GeV/cの正ミューオンを合成石英プレートと花崗岩コアに照射して、岩石中の
Beと
Alの生成断面積を測定した。更に、ミューオンが直接起こす核破砕反応とミューオンが生成した二次粒子が引き起こす反応が、岩石中での長寿命核種の生成にそれぞれどの程度寄与するかを明らかにした。
Filipescu, D.*; Gheorghe, I.*; Goriely, S.*; 西尾 勝久; 宇都宮 弘章*; 洲嵜 ふみ; 廣瀬 健太郎; 他10名*
Physical Review C, 109(4), p.044602_1 - 044602_23, 2024/04
被引用回数:3 パーセンタイル:78.45(Physics, Nuclear)New measurements of photofission and photoneutron reactions on U and
Th in the Giant Dipole Resonance (GDR) energy region have been performed at the laser Compton-scattering
-ray source of the NewSUBARU synchrotron radiation facility. The photoneutron (
) with
= 1-3 and photofission (
) reactions have been discriminated by considering a Gaussian distribution of prompt-fission-neutron (PFN) multiplicities predicted by the theory of evaporation in sequential neutron emission from excited fission fragments. We report experimental (
), (
), (
) and (
) cross sections, average energies of PFNs and of(
,
) photoneutrons, as well as the mean number of PFNs per fission and the width of the PFNs multiplicity distribution. Based on these primary experimental results and combined with reasonable assumptions, we extract also the first- and second-chance fission contributions.
片渕 竜也*; 佐藤 八起*; 武部 花凛*; 井頭 政之*; 梅澤 征悟*; 藤岡 諒*; 齋藤 辰宏*; 岩本 信之
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(2), p.224 - 229, 2024/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)Measurements of the neutron capture cross section of Re have been limited in the keV energy region. In addition, existing measured data have discrepancies. In this study, the neutron time-of-flight method was employed to measure the capture cross section of
Re at Tokyo Institute of Technology. The capture
-rays were detected with a large volume NaI(Tl) detector. The pulse-height weighting technique was applied to obtain the capture yield. The present results were corrected for neutron scattered effects and impurities in the sample. The measured cross sections were determined with the standard capture cross section of gold in the energy range from 15 to 90 keV, and compared with measured and evaluated data. The results of the measurement provided improved accuracy relative to previous studies in the keV energy range.
岩元 大樹; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 八島 浩*; 西尾 勝久; 杉原 健太*; elik, Y.*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 544, p.165107_1 - 165107_15, 2023/11
被引用回数:4 パーセンタイル:73.39(Instruments & Instrumentation)入射陽子エネルギー200MeV以下の中性子生成に関する二重微分断面積(DDX)データの不足は、加速器駆動核破砕システム(ADS)の研究開発などの技術応用における核破砕モデルの検証を妨げている。本研究では、このエネルギー領域におけるADS核破砕ターゲット材料のDDX実験データを取得し、解析予測との比較を通じて核破砕モデルに関する課題を明らかにすることを目的とした。実験は、京都大学のFFAG加速器を用いて行った。100MeV領域のPbと
Biの陽子入射核反応に対するDDXを飛行時間法を用いて30
から150
の角度範囲で測定した。得られたDDXをモンテカルロ法に基づく種々の核破砕モデル及び評価済み核データライブラリによる計算結果と比較した。DDXの測定値と核破砕モデル及び評価済み核データライブラリに基づく解析値を比較した結果、CEM03.03モデルが実験値に最も近い一致を示した。さらに、100MeV領域における陽子入射中性子生成DDXの再現性向上のために対処すべき複数の課題を明らかにした。
多田 健一
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 8 Pages, 2023/10
熱中性子散乱則データのエネルギー点数は、連続エネルギーモンテカルロ計算コードの断面ファイルのデータサイズに大きく影響する。エネルギー点数の最適化は、断面ファイルのデータサイズを削減するための効果的な手法の一つである。本研究では、エネルギー点数の最適化のため、熱中性子散乱断面積の線形化機能を開発し、核データ処理コードFRENDYに実装した。線形化手法として、共鳴再構成とドップラー広がりで使用される線形化手法を用いた。エネルギー点数の違いが中性子輸送計算に与える影響を推測するため、ZrHを減速材として用いた臨界実験ベンチマークを計算した。計算結果から、熱中性子断面積の線形化が中性子輸送計算の計算精度が改善することが分かった。
中村 詔司; 遠藤 駿典; 木村 敦; 芝原 雄司*
KURNS Progress Report 2022, P. 73, 2023/07
本研究は、廃止措置で問題になる放射性核種の放射能生成量を評価するのに資する中性子捕獲断面積に関するものである。京都大学複合原子力研究所の研究炉KURのTC-Pn照射設備を用いて、廃止措置で問題になる対象核種の中からSc,
Cu,
Zn,
Ag,
In及び
Wを選定して、それらの熱中性子捕獲断面積を測定した。測定試料には、高純度の金属試料を用意した。中性子束をモニタするために、Au/Al合金線, Co箔及びMo箔を用いた。モニタ及び金属試料を、KURが1MW運転時に、TC-Pnにて1時間照射した。照射後、照射カプセルを開封し、モニタと金属試料を回収し、それらを一つ一つビニル袋に密封した。そして高純度Ge検出器を用いて、金属試料から放出されるガンマ線を計測して、ガンマ線の収量から反応率を求めた。中性子束モニタ(
Au,
Coと
Mo)の反応率を、Westcottのコンベンションに基づいて解析し、熱中性子束成分を(5.92
0.10)
10
n/cm
/secと測定した。各々の金属試料について得られた反応率を評価済みの熱中性子断面積で除した時、用いた断面積が妥当であれば、モニタで得られる熱中性子束と同じ値を与えなければならない。今回、
Sc,
Znの断面積は、不確かさの範囲で評価値と一致した。しかし、その他の核種については不確かさ以上に評価値と食い違いがあり、熱中性子捕獲断面積の値は修正されなければならないことが分かった。
明午 伸一郎; 中野 敬太*; 松田 洋樹; 岩元 洋介; 吉田 誠*
EPJ Web of Conferences, 284, p.05001_1 - 05001_4, 2023/05
被引用回数:1 パーセンタイル:70.46(Nuclear Science & Technology)加速器駆動未臨界システム(ADS)や核破砕中性子源などの大強度陽子加速器施設では、電磁石コイルなどの加速器構成機器の放射線損傷を評価することが重要である。損傷指標としては、NRT(Norgertt-Robinson-Torrens)モデルに基づき、粒子束と弾き出し断面積を積分して得られるdpaが用いられてきた。20MeV以上のエネルギー領域の陽子に対する弾き出し断面積の実験データは乏しいため、J-PARCにおいてNbの弾き出し断面積の測定を行った。Nb試料を極低温(8K)で冷却し、熱運動によるフレンケル対の再結合を抑制するとともに、マッティセン則を維持するために常伝導度を維持した。PHITSコードを用いてNbの弾き出し断面積の計算を行い、今回の実験結果と比較した。その結果、広く用いられるNRTモデルは、これまでの研究で示唆されているように、断面積を2倍程度過大評価することが明らかになった。また、最近提案された分子動力学(MD)に基づく熱中性子再結合補正モデル(arc)を用いた計算が、今回のデータと良い一致を示すことも明らかにした。
岩元 大樹; 中野 敬太*; 明午 伸一郎; 竹下 隼人; 前川 藤夫
EPJ Web of Conferences, 284, p.01033_1 - 01033_4, 2023/05
被引用回数:1 パーセンタイル:70.46(Nuclear Science & Technology)加速器駆動核変換システムの研究開発で重要となるビスマス標的に対する核種生成断面積の測定実験を行った。実験は、J-PARCの陽子ビームを用いて、0.4, 1.5及び3.0GeVの陽子ビームをビスマス標的試料に照射し、核種生成断面積を放射化法により導出した。本実験で新たに取得した計50核種127個の核種生成断面積データを最新の核反応モデル(INCL++/ABLA07及びINCL4.6/GEM)による計算結果及び評価済み核データライブラリJENDL/HE-2007の評価値と比較した。比較の結果、INCL++/ABLA07は総じて実験値を再現する一方で、INCL4.6/GEMは核分裂片に対する実験値を過小評価する等の知見が得られた。
千葉 豪*; 山本 章夫*; 多田 健一
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(2), p.132 - 139, 2023/02
被引用回数:3 パーセンタイル:42.88(Nuclear Science & Technology)本論文では、ACE-FRENDY-CBZと名付けた新しい中性子解析の流れを提案する。本解析は、アプリケーションライブラリを一切使用せず、ACEファイルを起点として、ターゲットシステムを構成する媒体の多群断面積データをFRENDYコードで計算し、多群中性子輸送計算をCBZコードシステムのモジュールで実行するものである。ACE-FRENDY-CBZを8つの高速中性子体系に対してテストし、モンテカルロ計算とk-effを比較したところ、裸の体系とトリウム反射体体系で30pcm以内で、ウラン反射体体系で約100pcm以内で一致することを確認した。ウラン反射体体系で差異が大きい原因は、中性子流を重みとして全断面積を縮約したことが原因であることを突き止めた。中性子流を重みとして縮約した全断面積を用いた計算では、ウラン反射系で系統的にk-effが過小評価されることが明らかになった。
岩元 大樹; 明午 伸一郎; 中野 敬太*; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太*; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; 八島 浩*; et al.
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.404 - 409, 2023/01
加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発に資するため、固定磁場強収束(FFAG)加速器を用い、核データを取得する実験的研究プログラムを開始した。ADSの核設計及び京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)における未臨界実験体系の解析で重要となる、鉛及びビスマスの陽子入射中性子収量及び核分裂に関する核データを対象とした。中性子の飛行時間(TOF)測定で要求される短パルスビームの技術開発を行い、その要求値となるビーム幅10ns以下を達成するとともに、107MeV陽子入射による厚い標的中性子収量TTNY及び中性子生成二重微分断面積DDXをTOF法により測定した。TTNY及びDDXの測定には、小型シンチレータと光電子増倍管から構成される中性子検出器を用いた。測定で得られた結果をADSの核設計で用いられるPHITSによる解析値と比較した。さらに、マイクロチャンネルプレート(MCP)と多芯線比例計数管(MWPC)を組み合わせにより、107MeV陽子入射のPb核分裂反応から生成される核分裂片の質量数分布を測定した。本プログラムの最終年度となる令和4年度は、
Biに対する核分裂片の質量数分布と核分裂で生じる核分裂中性子の測定を実施するとともに、
Np核分裂計数管を用いて、陽子と標的との核反応で形成される中性子場の測定を実施する予定である。
明午 伸一郎; 山口 雄司; 中野 敬太*; 杉原 健太*
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.132 - 136, 2023/01
宇宙開発事業において、衛星搭載用のセンサーの応答測定のため数百MeVからGeV領域の陽子の利用が必要となるが、400MeV以上のエネルギー領域で供給が可能な加速器施設は世界的に少なく、国内にはJ-PARCが唯一となる。J-PARC加速器施設ではユーザー運転を安定に継続するために、利用者の実験装置を陽子ビームダクト内への設置は困難となる。また、シンクロトロン加速器の特性により検出器の動作確認ができる程度の微弱なビーム供給はできない。また、加速器駆動核変換システム(ADS)等の大強度陽子加速器施設では核内カスケードモデル(INCL)の高度化が重要となる。INCLの改良のためには、最前方方向の放出粒子のDDXが重要となるが、実験値が殆どないため新たなデータの取得が望まれる。宇宙開発利用の推進およびINCLの高精度化のため、J-PARC 3NBTビームダンプ入口のビーム窓(Al)における散乱陽子のエネルギースペクトルを測定した。実験では、プラスティクシンチレータを用いて400MeV陽子を用いた。この結果、弾性散乱による鋭いピークを有するスペクトルとなることが明らかになった。INCLを用いたPHITSコードの計算は、実験データの準弾性散乱の寄与を過大評価するものの、弾性散乱による鋭いピークをよく再現した。以上より、本手法により宇宙開発に向けた数GeV領域の陽子利用が可能なことが明らかになった。
岩本 修
JAEA-Conf 2022-001, p.21 - 26, 2022/11
The next version of JENDL general purpose library, JENDL-5, is almost ready to be released. JENDL-5 increases variety and amount of data from the current version JENDL-4.0. Regarding the neutron induced reaction data, which is the most important for reactor applications, the number of the stored nuclides will be around 800, which is almost double of 406 as of JENDL-4.0. They cover not only all stable isotopes but also a large number of unstable isotopes that are much enough for various applications of radiation simulations. The data from light to heavy nuclides have been revised reflecting up-to-date experimental knowledge such as new measurements of cross sections by ANNRI at J-PARC. Fission yield and decay data are also revised with new experimental and theoretical knowledge. New evaluations of thermal scattering law data based on molecular dynamics are adopted for many of materials in JENDL-5 including light and heavy water. The data of other incident particles than neutron that have been developed as special-purpose files are integrated into JENDL-5. For proton, deuteron, alpha-particle and photon induced reactions, the data of JENDL-4.0/HE, JENDL/ImPACT-2018, JENDL/DEU-2020, JENDL/AN-2005, JENDL/PD-2016.1 are adopted. Since JENDL/AN-2005 contains only neutron-emission related data, date needed for radiation transportation codes are complemented. Regarding neutron induced reaction, the data of high energy reaction above 20 MeV and activation cross section are also integrated from JENDL-4.0/HE, JENDL/ImPACT-2018 and JENDL/AD-2017.
山本 章夫*; 遠藤 知弘*; 千葉 豪*; 多田 健一
Nuclear Science and Engineering, 196(11), p.1267 - 1279, 2022/11
被引用回数:2 パーセンタイル:29.47(Nuclear Science & Technology)核データ処理コードFRENDYの多群断面積生成機能に、共鳴上方散乱効果を組み込んだ。共鳴上方散乱効果は、超詳細群スペクトルの変化による自己遮蔽因子の変化と、弾性散乱断面積の変化により考慮される。検証計算では、超詳細群スペクトル、実効断面積、ドップラー効果への影響を確認した。また、エネルギー群構造や、共鳴上方散乱の取り扱いが、実効断面積と弾性散乱行列の変化を通じてドップラー効果に及ぼす影響について調査した。これらの検討の結果、FRENDYで共鳴上方散乱を考慮した多群断面積を適切に生成できることが分かった。
多田 健一; 山本 章夫*; 遠藤 知弘*; 千葉 豪*; 小野 道隆*; 東條 匡志*
Proceedings of International Conference on Physics of Reactors 2022 (PHYSOR 2022) (Internet), 10 Pages, 2022/05
核データ処理は評価済み核データライブラリと輸送計算コードを繋ぐ重要なインターフェースである。原子力機構では、新しい核データ処理コードFRENDYの開発を2013年から開始し、PHITSやSerpent、MCNPといった連続エネルギーモンテカルロ計算コード用のACEファイルを生成可能なFRENDY第1版を2019年に2条項BSDライセンスのオープンソースソフトウェアとして公開した。FRNDY第1版を公開後、中性子入射の多群断面積生成、非分離共鳴断面積の確率テーブルに対する統計的不確かさの定量化、ACEファイルの摂動、ENDF-6形式の核データファイルの編集など、様々な機能を開発してきた。これらの機能をFRENDYに実装し、第2版として公開した。本発表では、FRENDYの概要とFRENDY第2版で新たに実装された機能について紹介する。
小野 道隆*; 東條 匡志*; 多田 健一; 山本 章夫*
Proceedings of International Conference on Physics of Reactors 2022 (PHYSOR 2022) (Internet), 9 Pages, 2022/05
本研究では、核データ処理コードFRENDYとNJOYを用いて作成したACEファイルおよび多群断面積ファイルで核計算を実施し、核データ処理が核計算に与える影響について調査した。ACEファイルの検証にはMCNPを用い、ICSBEPベンチマークを含む多くの計算体系で実効増倍率を比較した。その結果、統計誤差の範囲内でよく一致することを確認した。多群断面積ファイルの検証には、BWR炉心設計コードLANCR/AETNAを用い、99燃料が装荷された商業炉規模のBWR5平衡炉心体系及び9
9単一集合体体系の解析結果を比較した。その結果、集合及び炉心特性がFRENDYとNJOYでよく一致することを確認した。これらの検証の結果、FRENDYはNJOYと同様に高い信頼性を持っていることが確認できた。