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Sahoo, S.*; Srivastava, P. C.*; 清水 則孝*; 宇都野 穣
Physical Review C, 110(2), p.024306_1 - 024306_16, 2024/08
被引用回数:1 パーセンタイル:58.81(Physics, Nuclear)G行列をもとにした有効相互作用であるKHEE相互作用を用いて、Hgの低励起状態の殻模型計算を行った。偶偶核の
、
、
の励起エネルギーが近いことなど、イラスト状態のエネルギー準位をよく再現した。また、
の電気四重極モーメントが正の値であることも再現し、オブレート変形していることを確かめた。イラスト状態間の
遷移が一部強く抑制されているという現象について調べ、配位の変化によるものであることを示した。
Zidarova, R.*; 宇都野 穣; 他76名*
Physica Scripta, 99(7), p.075309_1 - 075309_9, 2024/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所のRIビームファクトリーにてSc(
,
)
Sc反応によって
Scの励起状態を生成し、そこからの脱励起ガンマ線の放出を測定することによってその原子核のエネルギー準位を構築した。1510(30)keVの励起準位など、いくつかの新しい準位を見つけた。その結果を大規模殻模型計算の結果と比較し、ガンマ崩壊様式を考慮した結果、1510(30)keVの準位は
の可能性が高いことがわかった。
Kumar, A.*; 清水 則孝*; 宇都野 穣; Yuan, C.*; Srivastava, P. C.*
Physical Review C, 109(6), p.064319_1 - 064319_18, 2024/06
被引用回数:5 パーセンタイル:94.81(Physics, Nuclear)極めて中性子の多い、中性子数126、125原子核の半減期はr過程元素合成の第3ピークに大きな影響を与えることが知られているが、その測定は未だに限られている。本研究ではこれらの半減期を大規模殻模型計算によって求めた。G行列をもとにしたKHHE相互作用を用い、ガモフテラー遷移と第一禁止遷移による半減期を系統的に得た。安定核近傍の実験値をよく再現することを確かめた。安定核付近では陽子が軌道を多く占めているために、ガモフテラー遷移が強く抑制されるが、陽子数の減少とともにその寄与が主になることを予言した。
Madurga, M.*; Christie, J. M.*; Xu, Z.*; Grzywacz, R.*; Poves, A.*; King, T.*; Allmond, J. M.*; Chester, A.*; Cox, I.*; Farr, J.*; et al.
Physical Review C, 109(6), p.L061301_1 - L061301_6, 2024/06
被引用回数:2 パーセンタイル:78.45(Physics, Nuclear)ミシガン州立大学の国立超伝導サイクロトロン研究所にてCaからのフラグメンテーション反応によって中性子過剰核
Mgを生成、分離し、そのアイソマーを探した。その結果、168keVのガンマ線を出して
に半減期約90nsで脱励起するアイソマーを発見した。その性質を議論するため、大規模殻模型計算の結果と比較した。Mg同位体では中性子数20から28領域にかけて広く変形核となることが知られているが、理論的には、前者の領域は
殻から2個の中性子が励起することによって変形し、後者の領域は中性子数28の殻ギャップからの中性子励起によって変形する。
Mgはその中間に位置し、両者の状態が近くに存在することで、励起エネルギーの低い
が出現すると理解される。
Tripathi, V.*; Bhattacharya, S.*; Rubino, E.*; Benetti, C.*; Perello, J. F.*; Tabor, S. L.*; Liddick, S. N.*; Bender, P. C.*; Carpenter, M. P.*; Carroll, J. J.*; et al.
Physical Review C, 109(4), p.044320_1 - 044320_15, 2024/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Nuclear)ミシガン州立大学の国立超伝導サイクロトロン研究所においてCaのフラグメンテーション反応によって中性子過剰核
Sを生成し、そこからのベータ崩壊および遅発中性子放出ベータ崩壊によって
Clの励起状態を得た。得られた実験データをSDPFSDG-MU相互作用を用いた大規模殻模型計算と比較し、よい一致を得た。
Linh, B. D.*; Corsi, A.*; Gillibert, A.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; Gmez-Ramos, M.*; Holt, J. D.*; Hu, B. S.*; et al.
Physical Review C, 109(3), p.034312_1 - 034312_15, 2024/03
被引用回数:2 パーセンタイル:58.81(Physics, Nuclear)理化学研究所RIビームファクトリーにて中性子過剰核Arビームからの1中性子ノックアウト反応実験を行い、
Arのエネルギー準位および分光学的因子を導出した。特に、第一励起状態の
への分光学的因子が大きいことから、始状態の
Arの基底状態において中性子が
軌道を多く占めていることがわかった。これは、中性子数32がよい魔法数として知られる
Caとは異なった性質であり、カルシウムからアルゴンへと陽子が2個減ることで閉殻構造が大きく崩れることが明らかになった。
Ajayi, S.*; Tripathi, V.*; Rubino, E.*; Bhattacharya, S.*; Baby, L. T.*; Lubna, R. S.*; Benetti, C.*; Wibisono, C.*; Wheeler, M. B.*; Tabor, S. L.*; et al.
Physical Review C, 109(1), p.014305_1 - 014305_21, 2024/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Nuclear)フロリダ州立大学のタンデム加速器にてCo,
Niと
Coの励起状態を生成し、そこからの脱励起ガンマ線からエネルギー準位を得た。
Coについては
までの、
Niについては
までの高スピン状態が得られた。これらの結果を
殻から
-
軌道に1個までの励起を許す大規模殻模型計算と比較した結果、スピンがかなり大きなもの以外のイラスト状態の励起エネルギーをよく再現した。再現できなかった高スピン状態は、多粒子多空孔励起が主であると考えられる。また、殻模型計算からは、これらの高スピン状態のいくつかは
遷移強度が強い
バンドと考えられる。
宇都宮 弘章*; Goriely, S.*; 木村 真明*; 清水 則孝*; 宇都野 穣; Tveten, G. M.*; Renstrm, T.*; 有泉 高志*; 宮本 修治*
Physical Review C, 109(1), p.014617_1 - 014617_7, 2024/01
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Physics, Nuclear)ニュースバルのレーザー逆コンプトン散乱光を使って、Cの光中性子放出断面積を測定した。これまで実験的な不定性が大きかった、巨大共鳴の裾にあたるエネルギー領域にピーク構造があることを確認した。その結果を大規模殻模型計算、反対称化分子動力学計算と比較し、このピーク構造を含む、光核反応断面積をよく再現することがわかった。
Patel, D.*; Srivastava, P. C.*; 清水 則孝*; 宇都野 穣
Physical Review C, 109(1), p.014310_1 - 014310_16, 2024/01
被引用回数:2 パーセンタイル:58.81(Physics, Nuclear)大規模殻模型計算を使って、Cdの奇核のエネルギー準位と
Inで知られている核異性体を計算した。知られている準位構造をよく再現した。さらに、Cd同位体において系統的に測定されている、
状態の電気的四重極モーメントに着目し、その中性子数に対する変化を調べた。これまでは、対相関が強い極限でよいとされる、セニョリティ描像によってこれらの四重極モーメントの値の変化が理解されてきた。大規模殻模型計算の結果、セニョリティ量子数はよくなく、変形が発達していることがわかった。四重極モーメントの変化は変形した原子核の回転軸方向を特徴づける
量子数の変化によって理解されるという新しい描像を提示した。
Lechner, S.*; 宮城 宇志*; Xu, Z. Y.*; Bissell, M. L.*; Blaum, K.*; Cheal, B.*; Devlin, C. S.*; Garcia Ruiz, R. F.*; Ginges, J. S. M.*; Heylen, H.*; et al.
Physics Letters B, 847, p.138278_1 - 138278_9, 2023/12
被引用回数:6 パーセンタイル:76.15(Astronomy & Astrophysics)不安定核を含むアンチモン同位体Sbの磁気モーメントと電気的四重極モーメントをレーザー分光を用いて測定した。現象論的な相互作用と有効演算子を用いた殻模型計算によって測定値をよく再現することができた。第一原理に基づいたVS-IMSRG法による殻模型計算では、磁気モーメントは現象論的な有効演算子を用いればよく実験値を再現するものの、電気的四重極モーメントについては有効電荷を用いても現象論的な相互作用を用いた計算ほどには実験値を再現することができなかった。
近藤 洋介*; Achouri, N. L.*; Al Falou, H.*; Atar, L.*; Aumann, T.*; 馬場 秀忠*; Boretzky, K.*; Caesar, C.*; Calvet, D.*; Chae, H.*; et al.
Nature, 620(7976), p.965 - 970, 2023/08
被引用回数:27 パーセンタイル:94.86(Multidisciplinary Sciences)非常に中性子が過剰な原子核Oは、陽子、中性子ともに魔法数であることから古くからその性質に興味が持たれていたが、酸素の最後の束縛核
Oよりも中性子が4個も多いため、これまで観測されてこなかった。この論文では、理化学研究所RIBFにて
Fからの1陽子ノックアウト反応によって
Oを生成し、そこから放出される中性子を測定することによって初めてその観測に成功した。核構造の観点からは、
Oでは二重閉殻が保たれているか興味が持たれていたが、実験で得られた分光学的因子が殻模型計算で予言されて程度の大きいことから、閉殻構造をもたない可能性が高いことがわかった。
角田 佑介*; 清水 則孝*; 大塚 孝治*
Physical Review C, 108(2), p.L021302_1 - L021302_6, 2023/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Nuclear)Ndは二重ベータ崩壊が起こる原子核であり、その核行列要素を理論的に見積もることは重要である。ここでは準粒子真空殻模型計算法を用いてその行列要素を計算した。その値は4程度の比較的大きな値となったが、親核と娘核の形の混合がその値に重要な値を及ぼすことがわかった。
Bhattacharya, S.*; Tripathi, V.*; Rubino, E.*; Ajayi, S.*; Baby, L. T.*; Benetti, C.*; Lubna, R. S.*; Tabor, S. L.*; Dring, J.*; 宇都野 穣; et al.
Physical Review C, 107(5), p.054311_1 - 054311_17, 2023/05
被引用回数:2 パーセンタイル:45.98(Physics, Nuclear)フロリダ州立大学の加速器にて、Ti(
C, 3
)反応を用いて
Niの高スピン励起状態を生成し、そこからの脱励起ガンマ線を測定してエネルギー準位を得た。さらに、DCO比と偏極非対称の測定データから、それぞれのエネルギー準位のスピンパリティを決定した。その結果、4つのバンド構造を得た。そのうちの2つは隣り合うエネルギー準位間の角運動量の差が1である、
バンドであることがわかった。大規模殻模型計算によってエネルギー準位と電磁遷移強度を計算したところ、2つのバンドは理論計算とよく一致し、1つは
で
遷移行列要素が強い
バンド、もう1つは
で
遷移行列要素が比較的強い
バンドであることがわかった。ニッケル原子核は球形核であるが、高スピンになると空間的対称性が破れた状態が出現するという知見が得られた。
Revel, A.*; Wu, J.*; 岩崎 弘典*; Ash, J.*; Bazin, D.*; Brown, B. A.*; Chen, J.*; Elder, R.*; Farris, P.*; Gade, A.*; et al.
Physics Letters B, 838, p.137704_1 - 137704_7, 2023/03
被引用回数:3 パーセンタイル:60.26(Astronomy & Astrophysics)中性子数20近傍の中性子過剰核は、魔法数20が消滅して原子核が大きく変形していることが知られており、その魔法数が消滅する領域は逆転の島と呼ばれている。Neは中性子数19で逆転の島の境界線上に位置するとされてきたが、その変形度は不明だった。ミシガン州立大学の国立サイクロトロン研究所にて
Neのクーロン励起反応実験を行った結果、931keVの励起状態への
値が163
fm
と大きな値となり、大きく変形していることが確かめられた。この実験結果をよく使われているいくつかの殻模型計算と比較したところ、大きな
値は概ね再現するものの、励起エネルギーの一致は不十分であり、理論の改善が必要であるとわかった。
Tripathi, V.*; Bhattacharya, S.*; Rubino, E.*; Benetti, C.*; Perello, J. F.*; Tabor, S. L.*; Liddick, S. N.*; Bender, P. C.*; Carpenter, M. P.*; Carroll, J. J.*; et al.
Physical Review C, 106(6), p.064314_1 - 064314_14, 2022/12
被引用回数:4 パーセンタイル:53.47(Physics, Nuclear)ミシガン州立大学の国立超伝導サイクロトロン研究所にて、中性子過剰なリン、硫黄同位体を生成し、そこからのベータ崩壊半減期および娘核の励起準位を測定した。Pの崩壊によって得られるエネルギー準位から、この原子核の基底状態は
あるいは
であることが示唆された。中性子数が偶数の硫黄同位体からの崩壊様式を系統的に調べた結果、中性子数が増えるにつれてガモフテラー遷移強度の大きな準位の励起エネルギーが高くなることがわかった。これは、大規模殻模型計算によって予言されている現象に一致する。
井手口 栄治*; Kibdi, T.*; Dowie, J. T. H.*; Hoang, T. H.*; Kumar Raju, M.*; 青井 考*; Mitchell, A. J.*; Stuchbery, A. E.*; 清水 則孝*; 宇都野 穣; et al.
Physical Review Letters, 128(25), p.252501_1 - 252501_6, 2022/06
被引用回数:5 パーセンタイル:54.41(Physics, Multidisciplinary)始状態と終状態のスピンパリティが間の遷移は、電気単極遷移と呼ばれるガンマ線放出が禁止されている特殊な電磁遷移しか起こらない。
状態は偶偶核の変形バンドのバンドヘッドであることから、電気単極遷移は古くから原子核の変形を知るための重要な手がかりとされてきた。その遷移の行列要素は通常、2準位模型によって始状態と終状態間の変形度の差と両者の混合の程度という2つの量で理解される。本研究では、
Caの
から
へ遷移する寿命をオーストラリア国立大学にて測定した。これによって得られた電気単極遷移行列要素は比較的軽い原子核で知られている値よりも著しく小さいことがわかった。その電気単極遷移行列要素が抑制されるメカニズムとして、3つの変形した状態が混合することに伴う波動関数の打ち消しという、これまで考慮されてこなかった要因が重要であることが大規模殻模型計算の結果からわかった。
大塚 孝治; 阿部 喬*; 吉田 亨*; 角田 佑介*; 清水 則孝*; 板垣 直之*; 宇都野 穣; Vary, J. P.*; Maris, P.*; 上野 秀樹*
Nature Communications (Internet), 13, p.2234_1 - 2234_10, 2022/04
被引用回数:47 パーセンタイル:96.78(Multidisciplinary Sciences)多くの原子核では核子の独立粒子模型がよい近似であり、それが原子核構造の出発点となっているが、一部の軽い原子核では陽子2個と中性子2個からなるアルファ粒子が局在しているアルファクラスターを構成要素としてもよいと考えられている。しかしながら、アルファクラスターそのものを観測することは困難であり、それがどの程度よい近似なのかは軽い核を理解する上で重要である。本研究では、核力から出発した第一原理モンテカルロ殻模型計算により、ベリリウム同位体および炭素12の多体波動関数を得た。物体固定系での密度分布の計算結果から、ベリリウム同位体では2個のアルファクラスターが局在していることを示した。また、炭素12では基底状態は比較的液滴模型に近く、ホイル状態として知られる第一励起状態はアルファクラスターと液滴状態が混合したクロスオーバーとしてとらえられることがわかった。これらの解析に、デンドログラムという統計的学習手法が有効であることもわかった。
小岩井 拓真*; Wimmer, K.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; Holt, J. D.*; 宮城 宇志*; Navrtil, P.*; 緒方 一介*; et al.
Physics Letters B, 827, p.136953_1 - 136953_7, 2022/04
被引用回数:7 パーセンタイル:67.20(Astronomy & Astrophysics)中性子過剰核Caでは、新魔法数34が発見されて以来、その構造を知るために多くの実験がなされてきたが、それを超える中性子過剰核の情報は全く知られてこなかった。本論文では、理化学研究所RIBFにて
K,
Ca,
Caの励起状態から脱励起するガンマ線を初めて観測した結果を報告した。それぞれ1つのガンマ線しか得られなかったものの、
Kおよび
Caのデータは、それぞれ、陽子の
と
軌道間のエネルギー差、中性子の
と
軌道間のエネルギー差を敏感に反映し、両方とも最新の殻模型計算によって200keV程度の精度で再現できることがわかった。また、1粒子状態の程度を特徴づける分光学的因子を実験データと歪曲波インパルス近似による反応計算から求め、その値も殻模型計算の値と矛盾しないことがわかった。
北村 徳隆*; Wimmer, K.*; 宮城 宇志*; Poves, A.*; 清水 則孝*; Tostevin, J. A.*; Bader, V. M.*; Bancroft, C.*; Barofsky, D.*; Baugher, T.*; et al.
Physical Review C, 105(3), p.034318_1 - 034318_17, 2022/03
被引用回数:6 パーセンタイル:67.20(Physics, Nuclear)Mgは中性子魔法数20が消滅する中性子過剰核のモデルケースとして有名な原子核であるが、約1MeVという低い励起エネルギーにある
励起状態の性質が未だに謎に包まれているなど、その構造は未解明な点が多い。この原子核の励起構造を解明するため、米国国立超伝導サイクロトロン研究所にて
Mgからの1中性子ノックアウト、
Siからの2陽子ノックアウト反応で
Mgの励起状態を生成し、そこからの脱励起ガンマ線の測定によってその準位構造を得た。得られた約20本のエネルギー準位を殻模型計算による理論と比較した。低い
励起状態の存在を再現する計算によって予言されていた強い生成強度をもった状態は存在せず、その
状態がない古い理論の方が全体的な傾向をよく再現した。その結果、
励起状態の謎は依然、解明されずに残ることとなった。
宇都野 穣
Physics (Internet), 4(1), p.185 - 201, 2022/03
殻構造が安定核から不安定核にかけて変化すること(殻進化)は、ここ数十年の間で得られた不安定核構造における知見の中で最も重要なものの一つである。当初は束縛エネルギーの変化によってこの現象は説明されてきたが、近年、有効核力によってもたらされることもわかった。現在では、理論によってどれくらい定量的に殻進化を記述できるかが重要な課題となっている。本論文では、発表者がこれまで研究してきた軽い不安定核の殻進化が、現象論的な中心力にスピン軌道力とテンソル力を加えた有効核力を用いた殻模型計算によってどの程度説明されるかをまとめた。特に、スピン軌道分離エネルギー変化によってテンソル力の強さが厳しく制限されること、また、現象論的な中心力によって中性子数28の魔法数消滅など多くの現象がかなり定量的に説明できることを示した。