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小澤 隆之; 廣岡 瞬; 加藤 正人; Novascone, S.*; Medvedev, P.*
Journal of Nuclear Materials, 553, p.153038_1 - 153038_16, 2021/09
被引用回数:4 パーセンタイル:54.16(Materials Science, Multidisciplinary)MA含有MOX燃料の照射挙動は燃料組成に依存し、照射初期における燃料組織変化挙動に係るポア移動に及ぼすO/M依存性を評価するため、米国INLと共同でBISONコードをMOX燃料挙動解析に適用するよう、燃料組成に応じた蒸気種毎の蒸気圧やMOX燃料熱伝導度を考慮するポア移動モデルの開発・整備を行った。本コードを用い、常陽でのMA含有MOX燃料の照射試験で観察された燃料組織変化のO/M依存性について2次元解析を行った。常陽での照射試験では、それぞれ異なるO/M比とペレット/被覆管ギャップ幅を有する4本の燃料ピンを照射した。これらのうちO/M=2.00のMA含有MOX燃料で顕著な燃料組織変化がPIEで観察され、この挙動は蒸気圧に及ぼすO/M比の影響を考慮することで評価することができた。また、ペレットが偏心した場合に中心空孔形成の偏りが発生することが考えられるが、PIEで観察された中心空孔の形成はペレット偏心方向と矛盾していることがペレット横断面の2次元解析で明らかとなった。
生澤 佳久; 前田 宏治; 加藤 正人; 宇埜 正美*
Nuclear Technology, 199(1), p.83 - 95, 2017/07
被引用回数:4 パーセンタイル:36.37(Nuclear Science & Technology)照射挙動解析コードの計算結果に基づき、高速実験炉常陽で照射されたB14照射試験燃料のPIE結果から得られた組織変化のO/M比依存性について評価した。解析の結果、定比組成の酸化物燃料の組織変化は、低O/M比の酸化物燃料と比べ燃料温度が低いにもかかわらず、組織変化が進展していた。これは、以下のように考えられる。第一に、定比組成の燃料は熱伝導が高いため、燃料温度が低下する。第二に高い酸素ポテシャルによりUOの蒸気圧が高くなり、ポア移動速度が速くなったものと考えられる。加えて、本解析結果は、中心空孔径は燃料温度だけでなく蒸気圧にも強く依存すること示した。
小澤 隆之; 生澤 佳久; 加藤 正人
Transactions of the American Nuclear Society, 113(1), p.622 - 624, 2015/10
廃棄物減容・有害度低減を目指したリサイクルシステムにおいてはMAを高速炉でMA-MOX燃料としてリサイクルする研究開発を進めており、MA含有率は約5wt%と想定されている。このため、MA含有が燃料物性だけでなく燃料挙動に及ぼす影響ついて研究する必要がある。高速炉においてMOX燃料は比較的高い線出力で使用されることから、燃料組織変化が生じ、その結果、中心空孔が形成される。この中心空孔形成は燃料中心温度を低減する効果があるため、燃料溶融防止の観点で重要な燃料挙動である。ここでは、常陽で実施したMA-MOX燃料の照射試験であるB11とB14の結果を用いて、MA含有が燃料組織変化挙動に及ぼす影響を評価した結果について報告する。
原田 雄平; 丸山 結; 前田 章雄; 柴崎 博晶*; 工藤 保; 日高 昭秀; 橋本 和一郎; 杉本 純
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(10), p.923 - 933, 1999/10
被引用回数:3 パーセンタイル:28.69(Nuclear Science & Technology)軽水炉のシビアアクシデントの高圧シーケンス時には、炉心から流入する高温気体からの熱移行と炉心から放出・移行して沈着した核分裂生成物の崩壊熱により軽水炉冷却系配管が熱負荷を受ける可能性がある。そこで、軽水炉冷却系配管の耐破損特性を明らかにすることを目的に、配管破損試験とともに配管材料の高温引張とクリープ破断試験並びに金相試験を実施した。各種配管材料に対して800C以上では、0.2%耐力はアレニウスの式により表現できる。SUS316ステンレス鋼に対して800~1,150
Cでは、修正ノルトン則を用いた高温・短時間のクリープ破断時間の予測式は、実験値と良く一致する。これは、修正ノルトン則では析出物の形成と再固溶の高温強度への効果を考慮しているからである。軽水炉のシビアアクシデントを想定した高温・短時間の配管破損条件下の挙動は、0.2%耐力を用いた流動応力破損モデルを支持した。
沢井 友次; 芝 清之; 菱沼 章道
Journal of Nuclear Materials, 258-263, p.1997 - 2001, 1998/00
被引用回数:3 パーセンタイル:31.82(Materials Science, Multidisciplinary)改良ステンレス鋼JPCAに電子ビーム溶接を行い、母材及び溶接部から採取した試験片をHFIRターゲットキャプセルで照射した。照射温度は300,400及び500Cであり、照射量は17dpaであった。300
Cでは、キャビティーは2nm以下であり試料によるミクロ組織変化はほとんど見られなかった。400
Cではキャビティーサイズは若干大きくなるが(最大8nm)、ヘリウムガス圧によるバブルと推定される。これに比して500
CではJPCA溶接部試験片中に最大30nmまでのキャビティーが観察され、これらはボイドであると推定される。溶金部試料では最終凝固部分にチタン等のスエリング抑制元素が偏析した結果、500
Cでのミクロ組織変化は不均一であり、初晶に対応する凝固セル中央部では顕著なボイドの発生、成長により耐スエリング性劣化が見られる。凝固セル界面ではキャビティー密度は高いものの、全て微細なバブルにとどまっておりスエリングは少なかった。以前の超高圧電子顕微鏡による実験結果とは完全に一致しないが、ヘリウムの発生する照射環境でも、改良ステンレス鋼の耐スエリング性が溶接によって劣化することが示された。
荒井 康夫; 岩井 孝; 笹山 龍雄; 岡本 芳浩; 中島 邦久; 新見 素二; 助川 友英; 山原 武; 鈴木 康文
JAERI-Research 95-008, 92 Pages, 1995/02
ウラン・プルトニウム混合窒化物ペレットを充填したヘリウムボンド型燃料ピン2本を、88F-5Aキャプセルに組み込み、JMTRにおいて最高線出力65kW/mの条件で燃焼度4.1%FIMAまで照射した。照射後の燃料ピンに有害な欠陥は無く健全であった。燃料中心の装荷した熱電対指示は照射期間中に燃料温度が低下する傾向を示し、ペレットと被覆管のギャップが徐々に閉塞することが確認された。FPガス放出率は約2~3%と極めて低い値であるとともに、燃料ピンの外径増加率は最大でも約0.4%にとどまるという結果を得た。また、ステンレス鋼被覆管内面に有意な腐食は観察されなかった。そのほか、照射に伴う燃料組織変化等についても知見を得た。
荒 克之; 山田 政治; 若山 直昭; 小林 一夫*
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(6), p.480 - 489, 1987/06
被引用回数:2 パーセンタイル:29.71(Nuclear Science & Technology)多目的高温ガス炉用炉内温度センサとして、白金モリブデン合金熱電対を実用化するため、Pt-5%Mo/Pt-0.1%Mo熱電対の裸素線を試作し、高温アルゴン中および高温真空中で加熱して、熱起電力、機械的強度、金属組織の安定性を調べた。高温アルゴン中では不純物ガスによるMoの選択的な酸化や炭化が生じ、機械的強度が大巾に低下し、粒界腐食が生じたが、真空中では熱電的、機械的、金属組織的な諸特性はすべて安定していた。これより、素線回りの雰囲気管理の重要性が明らかとなり、不純物ガスのゲッター材であるタンタルをシースとしたTaシース熱電対を試作して1200C
3000時間の長期高温試験を実施した。その結果、熱起電力ドリフトは0.7%以下で、素線の機械的強度の劣化もなく、すべて良好に作動した。これより、実用化へ向かっての開発の見通しが得られた。
實川 資朗; 片野 吉男; 白石 健介
Journal of Nuclear Science and Technology, 21(9), p.671 - 677, 1984/00
被引用回数:14 パーセンタイル:79.16(Nuclear Science & Technology)照射下に於けるミクロ組織の変化に対する外力の効果を調べるために、超高圧電子顕微鏡を用いて電子線照射下の純ニッケル中のミクロ組織変化を試料引張ステージを用いて、その場観察してみた。照射温度は723K,電子線束は110
e/m
sとした。外力が加わっている試料では、照射により生じたフランク・ループが、10nm程度にまで成長するとUnfaultすることが観察された。外力を加えていない試料中に発生したフランク・ループも外力が加えられるとUnfaultした。Unfaultを生じさせ得る外力の大きさは、照射温度723Kのとき、
112
Unfault方向の剪断応力で、3.7MPa以上であることがわかった。Unfaultして生じた完全転位ループの成長速度は、フランク・ループのそれより3倍程度と大きかった。外力の加わっている試料中に於いては、これらの完全転位ループは、その大きさがある大きさを越えるまで成長すると、すべり運動をして拡がった。
小澤 隆之; 廣岡 瞬; 加藤 正人; Novascone, S.*; Medvedev, P.*
no journal, ,
MA含有MOX燃料の照射挙動は燃料組成に依存し、照射初期における燃料組織変化挙動に係るポア移動に及ぼすO/M依存性を評価するため、米国INLと共同でBISONコードをMOX燃料挙動解析に適用するよう、燃料組成に応じた蒸気種毎の蒸気圧やMOX燃料熱伝導度を考慮するポア移動モデルの開発・整備を行った。本コードを用い、常陽でのMA含有MOX燃料の照射試験で観察された燃料組織変化のO/M依存性について2次元解析を行った。常陽での照射試験では、それぞれ異なるO/M比とペレット/被覆管ギャップ幅を有する4本の燃料ピンを照射した。これらのうちO/M=2.00のMA含有MOX燃料で顕著な燃料組織変化がPIEで観察され、この挙動は蒸気圧に及ぼすO/M比の影響を考慮することで評価することができた。また、ペレットが偏心した場合に中心空孔形成の偏りが発生することが考えられるが、PIEで観察された中心空孔の形成はペレット偏心方向と矛盾していることがペレット横断面の2次元解析で明らかとなった。
生澤 佳久; 小澤 隆之; 加藤 正人; 宇埜 正美*
no journal, ,
Am含有MOX燃料の蒸気圧モデルを検討し、高速炉酸化物燃料におけるAm含有率の変化による組織変化挙動への影響を評価した。Am含有による熱伝導度低下に伴う燃料温度の上昇と酸素ポテンシャルの増加によって蒸気圧が高くなる。これらの効果により、Am含有MOX燃料はMOX燃料よりもボイド移動が促進され組織変化が進みやすくなることが分かった。