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小嶋 拓治; 橘 宏行; 羽田 徳之; 金子 広久; 春山 保幸; 田中 隆一*
Radioisotopes, 50(7), p.291 - 300, 2001/07
現在、医療用具の滅菌等放射線加工処理では、広い照射場が得られるようにCo 線板状線源を用い10010,000 Gy/h程度の線量率を利用している。こうしたパノラミックな(コリメートされていない)照射場の特性や線量率範囲は、点線源を用いたコリメートされた比較的低い線量率の照射場をもつ現在の線量標準機関と異なっていることから、この分野における線量トレーサビリティをもたせることは容易でない。そこで、日本原子力研究所(原研)では、国家標準である経済産業省産業技術総合研究所(産総研)における線量率範囲も含み広い範囲520,000 Gy/hをカバーするCo 線照射場を二つの大線量用線源を用いて構築し、この照射場において平行平板型電離箱システムに基づく大線量校正技術を開発した。原研での線量校正が産総研とトレーサビリティをもつことを技術的に明らかにするため、線量率範囲10100 Gy/hオーダーの産総研で与えられた電離箱の校正結果、すなわち電流から照射線量率への換算係数は、照射場の特性のちがいに関わる補正なく、大線量率520,000Gy/hにおいても有効であることを示した。また、不確かさ2.2%(95%信頼度相当)で線量0.5 Gyを校正できることを明らかにした。
田中 隆一; 武久 正昭*
放射線化学, (56), p.9 - 19, 1993/00
放射線照射した製品の受ける線量の下限、上限が絶対値で規定される加工処理では、品質保証の基本となる線量値は国家標準等に対してトレーサブルであることが要求される。欧米先進国ではトレーサビリティシステムがすでに多くの国で確立しているが、国内でも急速に創設のための作業が進んでいる。本稿では、線量計測標準化の現状、線量計及び周辺技術の現状、トレーサビリティシステムと標準供給の方法、トレーサビリティと線量計校正の現状、電子線量計測の標準化等について述べる。