検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 144 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

発表言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

ベントナイトの変形挙動に及ぼす温度の影響

高山 裕介; 佐藤 大介*; 杉田 裕

Kansai Geo-Symposium 2024; 地下水地盤環境・防災・計測技術に関するシンポジウム論文集, p.115 - 119, 2024/11

高レベル放射性廃棄物の地層処分施設閉鎖後初期には、緩衝材中の温度が高くなることが想定されるため、緩衝材に用いられるベントナイトの基本特性の温度依存性に関する試験が実施されてきた。しかし、温度が膨潤圧や透水係数に及ぼす影響と比較すると、変形挙動に及ぼす影響に関する知見は少ない。そこで本論文では、温度制御可能な圧密試験機を用い、室温から80$$^{circ}$$Cまでの温度一定条件で載荷・除荷・再載荷を行う試験、載荷圧一定条件で室温から80$$^{circ}$$Cまでの範囲で温度変化を与える試験の2種類の試験を実施した。高温状態でより大きな圧縮変形が生じることや、温度変化に伴う変形は過去の応力履歴の影響を受け、正規圧密状態の場合には非可逆的な変形が生じることが明らかとなった。

論文

竪置き・ブロック方式における緩衝材の流出量評価手法の検討

菊池 広人*; 宇田 俊秋*; 林 大介*; 江守 稔*; 木村 駿

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 31(1), p.11 - 20, 2024/06

高レベル放射性廃棄物の地層処分において検討されている緩衝材ブロックを用いた処分孔竪置き方式では、緩衝材定置後から処分坑道の埋戻し材の施工完了までの間に、処分孔内へ流入する地下水の排水に伴い緩衝材の一部が流出し、人工バリアとしての機能に影響を及ぼす可能性が懸念されている。本研究は、SKBが提案するErosion modelを基に、わが国の地質環境への適用性を確認するとともに、工学的な判断(処分孔の利用可否や適切な対策の選択)を支援するための、緩衝材の流出量をより適切に評価できるモデルの開発手法の枠組みの構築を試みた。幌延URLの試験孔を利用した原位置流出試験により、Erosion modelの基となる定流量条件による要素試験とは異なる、時間経過に伴う地下水の流量の低下や、緩衝材の流出が停止する現象を確認した。これらの現象から湧水量、周辺岩盤と処分孔の水頭差、水質、材料の特性、処分孔内の状態などの影響因子を把握した。これらの知見を踏まえて、原位置で把握が可能な情報である孔内外水頭差および孔内湧水量、緩衝材の流出が懸念される期間を主な引数とした流出量評価モデルを、水頭差を制御した定水位での要素試験に基づき整備した。本検討において構築した流出量評価モデルは、Erosion modelに比べてより現実的な評価に近づけることができた。また、一連の取組を通して流出量評価モデルの開発手法を構築するとともに今後の課題について整理した。

報告書

熱-水-応力-化学連成解析モデルを用いた海水系地下水環境下における緩衝材の浸潤挙動評価(受託研究)

鈴木 英明*; 高山 裕介; 佐藤 久*; 綿引 孝宜*; 佐藤 大介*

JAEA-Research 2022-013, 41 Pages, 2023/03

JAEA-Research-2022-013.pdf:3.99MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分における過渡期のニアフィールド状態は、熱的作用(熱輸送、熱膨張)、水理的作用(地下水浸透、温度勾配による水分移動)、力学的作用(応力変形、膨潤圧の発生)および化学的作用(物質移行、間隙水の濃縮希釈、鉱物の溶解沈澱など)などが相互に影響を及ぼし合って変化する複合的な現象が生じると考えられている。このような過渡期における複雑なニアフィールド環境を把握することを始めとして、安全評価における核種移行の初期状態の設定や、オーバーパックの腐食寿命評価に必要となるニアフィールド環境条件に関する情報の提供を目的として、熱-水-応力-化学(THMC)連成解析コード(Couplys)の開発が進められてきている。本研究では、海水系地下水環境下におけるニアフィールドの再冠水挙動の評価を適切に行うため、海水系地下水を想定した溶液を緩衝材材料に浸潤させた室内試験結果に基づき、不飽和浸透流解析と物質移行解析および地球化学解析を連成させる手法により、緩衝材の透水性が間隙水中の塩濃度に依存して変化するとした水理モデルを設定した。また、廃棄体の発熱によってオーバーパック近傍で緩衝材の水分が低下し乾燥する現象について、気液二相流解析コード(TOUGH2)を用いて、廃棄体の発熱を想定した人工バリア体系での気相の流れと水蒸気量の勾配によって生じる水蒸気移動を含む緩衝材の浸潤挙動評価を実施した。そして、得られた浸潤プロファイルに基づき、温度および間隙水飽和度の依存性を考慮した温度勾配による水分移動モデルの設定を行った。さらに、これら設定したモデルをCouplysに適用し、幌延深地層研究計画に基づき実施された人工バリア性能確認試験を対象とした解析評価を実施した。そして、原位置で計測された緩衝材の浸潤挙動に関するデータとの比較を通じてモデルの適切性を確認した。

論文

平城宮・京出土鉄製遺物の腐食に及ぼす埋蔵環境の影響; 埋蔵時における鉄製遺物内部への塩化物塩集積に関する検討

柳田 明進*; 浦 蓉子*; 三ツ井 誠一郎; 石寺 孝充; 川喜田 竜平

奈良文化財研究所創立70周年記念論文集; 文化財論叢,5, p.843 - 856, 2023/03

鉄製遺物内部への塩化物塩の集積の有無とその要因を検討するため、平城宮・京より出土した3点の鉄製遺物に対して、蛍光X線分析による元素マップ、微小部X線回折分析、X線CTによる非破壊分析を実施した。さらに、既報の平城宮跡の環境調査結果に基づき、鉄製遺物の埋蔵環境を推定した。その結果、3点は、(1)酸化的な環境に埋没していたと推定され、針鉄鉱/磁鉄鉱の腐食層を有し、内部に赤金鉱が生成した鉄製遺物、(2)酸化的な環境に埋没していたと推定され、内部の金属鉄が溶出し、針鉄鉱のみの腐食層が形成された鉄製遺物、(3)還元的な環境に埋没していたと推定され、菱鉄鉱を含む腐食層が形成された鉄製遺物、であることが認められた。このうち、塩化物塩の集積が確認された鉄製遺物は(1)のみであった。平城宮跡の水質観測孔におけるCl$$^{-}$$濃度は観測点によって顕著な差異は認められないことから、Cl$$^{-}$$濃度以外の環境因子が塩化物塩の集積に影響を及ぼしていることが認められた。塩化物塩の集積は、針鉄鉱/磁鉄鉱からなる腐食層が形成されたことでアノードとカソードが分離し、局部腐食が生じたことが要因である可能性が考えられた。

論文

オールジャパンでとりくむ地層処分のいま,5; 処分場閉鎖後の安全評価(その1)

石田 圭輔*; 三ツ井 誠一郎

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 64(4), p.221 - 226, 2022/04

本稿は、日本原子力学会誌の連載講座「オールジャパンでとりくむ地層処分のいま」の第5回であり、閉鎖後長期における安全評価の枠組みやシナリオの構築に関わる最新の研究開発の現状について紹介するものである。

報告書

物質移行と地球化学反応を連成させた人工バリア変質解析コードの開発

笹川 剛; 向井 雅之; 澤口 拓磨

JAEA-Data/Code 2021-012, 122 Pages, 2022/01

JAEA-Data-Code-2021-012.pdf:3.87MB

高レベル放射性廃棄物や炉内等廃棄物などの放射性廃棄物を処分する際には、人工バリアと天然バリアから構成される多重バリアシステムにより、公衆への被ばくを低減することが求められる。これらのバリアのうち、人工バリアは、放射性核種の閉じ込め機能を発揮することが期待されている。人工バリアに使用されることが想定される材料は、時間とともに変質し、その性能も変化する。変化する性能を的確に評価するためには、人工バリアの長期的な状態変化を解析的に推定することが重要である。人工バリアの状態は、その内部で生じる物質移行と地球化学反応とにより変化するが、これらは相互に関連し合う現象であるため、連成して解析することが必要である。そこで、人工バリアの長期的な状態変化、特に、ベントナイト系緩衝材の人工バリア性能として重要な透水性を主な対象として解析するコードとしてMC-BUFFERを開発してきた。本報告書は、人工バリアに期待される機能、その性能に影響するパラメータ、MC-BUFFERに実装したモデル、MC-BUFFERの構成と機能、入力ファイルの使用と出力例、MC-BUFFERの実行方法およびサンプルランなどについてまとめたものである。

報告書

ニアフィールドにおける過渡期の熱-水-応力連成挙動に及ぼす緩衝材の密度変化の影響評価(受託研究)

鈴木 英明*; 高山 裕介

JAEA-Research 2020-015, 52 Pages, 2020/12

JAEA-Research-2020-015.pdf:3.83MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分におけるニアフィールド環境は、廃棄体からの発熱による熱的作用、人工バリア内への地下水の浸潤による水理的作用及び緩衝材の膨潤などによる力学的作用が相互に影響を及ぼしあう複合現象として取り扱う必要がある。このような複雑なニアフィールド環境を評価するためのツールとして、熱-水-応力(THM)連成解析コードの開発が進められている。本研究では、THM連成解析モデルの高度化として、緩衝材の力学特性、熱特性及び水理特性の密度依存性について整理を行い、緩衝材の密度変化によって生じるTHMに関する物性値の変化を考慮できるように解析コードの更新を行った。そして、力学解析側から熱解析及び水理解析側へ解析結果を提供するスキームを追加した解析コードを用いて、幌延深地層研究計画において実施している人工バリア性能確認試験を対象とした再現解析を実施し、原位置で得られた計測データとの比較を通じて、モデルの適切性を確認するとともに、緩衝材の密度変化が及ぼす温度や浸潤及び膨潤変形挙動への影響の程度を把握した。さらに、ニアフィールドの長期挙動に関する事例解析として、廃棄体竪置き方式の人工バリアを対象として、廃棄体からの放熱と人工バリア内への地下水浸潤にともない、緩衝材が埋め戻し材側へ膨出することによって生じる緩衝材の密度変化が、緩衝材中の温度や浸潤挙動へ与える影響を確認した。

論文

JAEA安全研究センターで実施した地層処分に関する委託事業

澤口 拓磨

「有害廃棄物・放射性廃棄物処分へのセメント・コンクリート技術の適用研究委員会」報告書(CD-ROM), p.165 - 173, 2020/12

高レベル放射性廃棄物の地層処分では、セメント系材料との接触によってベントナイト系緩衝材の性能(低透水性)が劣化することが懸念されている。本報告では、当該性能評価に資するために規制機関の委託事業として実施した「セメント系材料の変質特性に係るモデルの整備および適用性確認」及び「ベントナイト系緩衝材のアルカリ変質に伴う物質移行特性に係るモデルの整備」に係る研究概要について、年表とともに紹介した。

論文

Experimental and modeling study to predict long-term alteration of bentonite buffer materials with alkaline groundwater

高澤 真由美; 根岸 久美; 坂本 好文; 赤井 政信; 山口 徹治; 飯田 芳久; 田中 忠夫; 中山 真一

JAERI-Conf 2005-007, p.236 - 241, 2005/08

処分場構造材であるセメントの溶出に起因するアルカリ性地下水はベントナイト系緩衝材を変質させ、その物理的隔離機能である止水性を長期的に低下させる可能性がある。そこで、高アルカリ水溶液によるベントナイトの変質を定量化し、止水性の変化を把握することを目的に、変質試験,アルカリ拡散試験,透水係数測定・調査を実施した。また、セメントの二次鉱物生成モデルとセメント内の空隙モデルを明らかにする実験を始めた。これらの試験・検討から得られる知見を結びつけて、ベントナイト系緩衝材の透水性について長期的な予測解析を行う。これらの、ベントナイト系緩衝材における地球化学的反応とベントナイト系緩衝材が変質することによる物理的パラメータの変化を考慮した物質移行を連成させた解析コードを整備した。

論文

Long-term alteration of bentonite; For safety evaluation of deep geological disposal

田中 忠夫; 坂本 好文; 山口 徹治; 高澤 真由美; 赤井 政信; 根岸 久美; 飯田 芳久; 中山 真一

JAERI-Conf 2005-007, p.105 - 110, 2005/08

放射性廃棄物処分場で使用されるセメント系材料に起因する高アルカリ性環境により、ベントナイト系緩衝材の主要な成分であるモンモリロナイトは溶解変質する。放射性廃棄物地層処分の長期安全評価において求められるのは、放射性廃棄物処分場で使われるベントナイト-砂混合土圧縮体の透水係数の長期的な変化の予測である。「緩衝材透水係数の長期的な変化」の予測を目的としたベントナイト長期変質の定量化は、圧縮体,粉体ベントナイトなど種々の供試体の使用並びにバッチ実験,カラム実験など種々の手法で蓄積した知見に基づき整合性ある検討が行われるべきである。本報告では、実験システムの違いにより得られる知見の特徴や効果的な利用のあり方を整理するとともに、整合性ある実験研究アプローチを提案した。

論文

Modeling of variation in permeability of compacted bentonite with alkaline fluid for long-term safety assessment of geological disposal system

高澤 真由美; 山口 徹治; 坂本 好文; 赤井 政信; 田中 忠夫; 中山 真一

NUMO-TR-04-05, p.A3_59 - A3_62, 2004/10

処分場構造材であるセメントの溶出に起因するアルカリ性地下水はベントナイト系緩衝材を変質させ、その物理的隔離機能である止水性を長期的に低下させる可能性がある。そこで、高アルカリ水溶液によるベントナイトの変質を定量化し、止水性の変化を把握することを目的に、変質試験,アルカリ拡散試験,透水係数測定・調査を実施している。これらの試験・検討から得られる知見を結びつけて、ベントナイト系緩衝材の透水性について長期的な予測解析を行う。これらの、ベントナイト系緩衝材における地球化学的反応とベントナイト系緩衝材が変質することによる物理的パラメータの変化を考慮した物質移行を連成させた解析コードを整備した。そして、アルカリ拡散試験を模擬した解析を行った結果、試験結果をおおむね再現できた。

報告書

圧縮ベントナイトにおける重水の実効拡散係数の活性化エネルギー -透過試験と分子動力学シミュレーションの比較-

鈴木 覚; 佐藤 治夫; 石寺 孝充; 藤井 直樹*; 河村 雄行*

JNC TN8400 2001-031, 44 Pages, 2002/05

JNC-TN8400-2001-031.pdf:1.58MB

圧縮ベントナイト中における重水の実効拡散係数の活性化エネルギーを取得するために、温度298-333Kの条件下で透過拡散試験を行った。クニピアFベントナイトを圧縮成型(乾燥密度0.9および1.35Mg/m3)すると、スメクタイト粒子が圧縮方向に垂直に選択的配向性を示す。そこで、配向方向に平行な方向と垂直な方向のそれぞれの拡散方向について拡散試験を行った。重水の実効拡散係数は異方的であり、その乾燥密度に対する変化はトリチウム水の結果と調和的であった。また、実効拡散係数の活性化エネルギーは、19-25kJ/mol程度であり、バルク水中の重水の拡散の活性化エネルギー(18kJ/mol)よりもやや大きな値であった。スメクタイト-水混合物の分子動力学シミュレーションにより、水分子の活性化エネルギーの間隙水中における空間分布を計算したところ、スメクタイト表面近傍(2nm以内)の水の活性化エネルギー(18-23kJ/mol)は、沖合のそれ(16kJ/mol)に比べ大きかった。拡散経路の乾燥密度に対する変化を考慮すると、シミュレーションの結果は、乾燥密度とともに活性化エネルギーが増加することを示しており、拡散試験の結果をよく再現していた。

報告書

ベントナイト/ケイ砂混合体における炭素鋼の不動態化条件

谷口 直樹; 川上 進; 森田 光男*

JNC TN8400 2001-025, 27 Pages, 2002/03

JNC-TN8400-2001-025.pdf:1.16MB

炭素鋼オーバーパックの寿命評価では処分環境における炭素鋼の腐食形態を把握することが重要である。日本における地下水条件を想定した場合、第2次取りまとめにおいて設定された仕様の緩衝材中で炭素鋼は不動態化せず、全面腐食の進展する可能性が高いことがこれまでの研究により確認されている。しかし、軟岩系岩盤における処分では緩衝材のまわりにコンクリート製の支保工を施工することが想定され、緩衝材に浸潤する地下水のpHが高くなることによって、腐食形態に変化を及ぼす可能性がある。そこでコンクリート材料として普通ポルトランドセメントおよび低アルカリ性セメントを用い、アノード分極測定によりセメントと接触した水溶液中での炭素鋼の不動態化条件を検討した。その結果、第2次とりまとめにおける緩衝材の仕様において炭素鋼が不動態化するのは外部から浸潤する地下水のpHが約13以上の場合であり、支保工として低アルカリ性セメントを使用すれば炭素鋼は不動態化しないことが確認された。また、緩衝材の因子(乾燥密度とケイ砂混合率)に対する炭素鋼の不動態化条件を検討した。その結果、第2次取りまとめにおいて設定された緩衝材仕様は十分に裕度をもって炭素鋼が不動態化せず、全面腐食を受ける領域にあることが確認された。

報告書

熱-水-応力-化学連成挙動研究の現状と今後の計画

伊藤 彰; 川上 進; 油井 三和

JNC TN8400 2001-028, 38 Pages, 2002/01

JNC-TN8400-2001-028.pdf:2.35MB

高レベル放射性廃棄物地層処分における処分場閉鎖後のニアフィールドの挙動は、廃棄体からの放熱、地下処分施設の再冠水、緩衝材の膨潤および変質など、熱的、水理学的、力学的、化学的なプロセスの複合現象として取り扱う必要がある。本研究は、地層処分システムにおいて想定される熱-水-応力-化学(THMC)連成挙動の予測を行うための現象理解に基づく数値解析システムを構築し、様々な地質環境条件に対するニアフィールドの熱、水、応力、化学場の長期的変遷を数値実験により予測することを目的とするものである。THMC連成解析コードの開発にあたっては、1.開発期間が複数年となること、2.既存ツールを用いた連成解析コードを構築し、数値解析の実現可能性を確かめる必要があることから、開発ステップを3段階に設定し、平成13年度に開発をスタートしている。本報告は、このTHMC連成解析コード開発計画のうち、1)開発ステップ1のTHMC連成解析コード開発、2)ベントナイト中の物質移行経路、3)THMC連成解析コードの並列化に関する検討結果を取りまとめたものである。

報告書

TRU廃棄物処分システムに関する大空洞長期挙動の検討; 非線形粘弾性モデルによる二次元解析

青柳 孝義*; 佐原 史浩*; 三原 守弘; 奥津 一夫*; 前田 宗宏*

JNC TN8400 2001-024, 103 Pages, 2001/06

JNC-TN8400-2001-024.pdf:8.84MB

TRU廃棄物は高レベル放射性廃棄物と比較して発生量が多いものの、そのほとんどが非発熱性の廃棄体であるため、高埋設密度での処分が可能である。そのため、地下深部の大空洞処分施設による集合埋設が経済的観点から合理的と考えられている。このようなTRU廃棄物の特徴を考慮して、TRU廃棄物を埋設する処分坑道の断面形状や人工バリア材の構成を設計した場合、岩盤の長期にわたるクリープ変形が人工バリア材に過度の負荷を与え、処分システムに影響を及ぼす可能性が考えられる。本研究では、非線形粘弾性モデルを用いて岩盤の長期クリープ変形量の解析を行い、クリープ量を算出するとともに、人工バリア材への影響検討を行った。ここで、岩盤物性値については、地層処分研究開発第2次取りまとめの物性値を用い、結晶質岩系岩盤と堆積岩系岩盤を検討対象とした。検討結果として、結晶質岩系岩盤では、経過時間100万年においても岩盤のクリープ変形は発生しない結果となった。一方、堆積岩系岩盤では、経過時間100万年において80$$sim$$90mmのクリープ変形が生じる結果となった。また、その時の緩衝材に生じる厚さの減少量は、最大で45mm程度となることが示された。今回の検討結果からは、この程度の岩盤クリープ変形や緩衝材厚さの減少量であれば、緩衝材に考慮される余裕しろの範囲でカバーできるものであると考えられることから、岩盤の長期にわたるクリープ変形は処分システムに大きく影響を及ぼすものではないと判断できた。本報告書は、平成10年度に実施した鹿島建設株式会社への委託研究の成果に対して、使用した非線形粘弾性モデルについての解説等を加えるとともに、研究内容を再度とりまとめたものである。

報告書

ベントナイト中における硫酸塩還元菌の活性と硫化水素によるオーバーパック材料の腐食への影響

谷口 直樹; 川崎 学*; 藤原 和雄*

JNC TN8400 2001-011, 62 Pages, 2001/03

JNC-TN8400-2001-011.pdf:5.67MB

自然環境で使用される金属材料の腐食が微生物の活動による影響を受ける場合のあることが知られている。高レベル放射性廃棄物処分においても、地下深部に生息する微生物や地上から持ち込まれた微生物がオーバーパックの腐食挙動に影響を及ぼすことが懸念される。そこで、本研究ではまず、腐食に影響を及ぼす代表的な微生物である硫酸塩還元菌について、オーバーパック周囲を取り囲む緩衝材の主成分であるベントナイト中における増殖挙動を調査した。人工海水とベントナイトを混合した培地での培養を行った結果、ベントナイト/水比が大きくなると硫酸塩還元菌の生菌数は低下し、約1000g/l以上ではほとんど増殖できないことがわかった。次に、保守的なケースとして硫酸塩還元菌の活性が高くなった場合を想定し、その活動によって生じるS(-II)によるオーバーパック候補材料の腐食挙動への影響を調査した。模擬地下水として人工海水を用い、分圧0.1MPaの硫化水素ガスを溶液中に吹き込み、炭素鋼、チタン、銅の浸漬試験を行い、窒素ガスを吹き込んだ場合の結果と比較した。その結果、硫化水素吹き込みによる炭素鋼の腐食への影響は小さいが、銅の腐食は数百倍以上加速されることがわかった。また、硫化水素吹き込みによるチタンの水素吸収の加速は認められなかったが、水素吸収量は純チタンと0.06%Pd入りのチタン合金で異なる値となった。

報告書

ベントナイト構成鉱物のアルカリ溶液に対する影響-モンモリロナイト、長石、石英混合実験-

金 善永

JNC TN8400 2001-008, 36 Pages, 2001/03

JNC-TN8400-2001-008.pdf:2.92MB

高レベル放射性廃棄物を地層処分する際に、多くの国では緩衝材としてベントナイトが候補材料として考えられている。特に近年は、地層処分にセメント系材料の使用が考えられている。セメント系材料からの浸出液はpHが高く、Ca、Na、Kなどの濃度が高いために、緩衝材や周辺岩盤を変質させると考えられる。この反応は、処分場が地下深い所に位置する場合、地熱や放射性廃棄物からの熱、圧力、地下水などの反応によって、さらに激しい変質を受けると考えられる。このような場合、緩衝材としての膨潤性、地下水の侵入防止、核種元素の移行遅延などの性能は、低下することが懸念される。今回は、高pH溶液に対する緩衝材構成鉱物間の影響を調べるために、緩衝材の主な構成鉱物であるモンモリロナイト、長石(曹長石)、石英を選定し、これらを一定比率に混合させて、蒸留水やpH11$$sim$$13溶液との反応を調べた。試験温度は50$$sim$$150$$^{circ}C$$であり、反応期間は10$$sim$$200日であった。試験結果、主な2次生成鉱物は方沸石(analcime)であり、温度やpHが高く、反応期間が長いほど、その生成量は多く、粒径も大きくなる傾向を示した。この方沸石の生成量は、X線粉末回折分析手法により定量化を試みた。方沸石の定量化の結果、その生成量は次の順序を示した。モンモリロナイトと長石混合試験$$>$$モンモリロナイト試験$$>$$モンモリロナイトと石英混合試験この他に、走査型電子顕微鏡観察を行った結果、X線粉末回折分析データからは検出できなかった方沸石の結晶が観察された。また、定量化のデータを利用して、各試験においての方沸石の活性化エネルギー(kJ/mol)を求めてみた。・モンモリロナイト試験での方沸石の活性化エネルギー:54.9kJ/mol・モンモリロナイトと長石混合試験での方沸石の活性化エネルギー:51.9kJ/mol・モンモリロナイトと石英混合試験での方沸石の活性化エネルギー:59.6kJ/mol以上の結果より、ベントナイトに珪砂を混合させることや、周辺岩盤や緩衝材中の長石の存在などによる高pH溶液の変質影響を推定できる。

報告書

圧縮ベントナイト間隙水のpH測定(3) 低アルカリ性セメント浸出溶液試験

磯貝 武司*; 小田 治恵

JNC TN8400 2000-025, 48 Pages, 2000/09

JNC-TN8400-2000-025.pdf:2.1MB

現在、地層処分システムを構成するプラグ、支保工材料として低アルカリ性セメントを用いることが検討されている。核種移行やオーバーパックの腐食挙動および緩衝材の長期安定性を評価する上では、緩衝材中の間隙水化学が重要となる。よって本報告では低アルカリ性セメント浸出溶液中での緩衝材間隙水のpH測定を行った。緩衝材材料であるNa型ベントナイト(乾燥密度1.6[g/cm3],直径2[cm],高さ4[cm]の円柱状)の圧縮成型体にpH指示薬含浸樹脂を埋め込み、Ar雰囲気制御下(酸素濃度1ppm以下)にて低アルカリ性セメント浸出溶液(pH≒11)に浸漬させた。1,3,6ヶ月に取り出した樹脂の呈色状態より、間隙水のpHはそれぞれpH≒9、pH≒9、pH≒11と判断した。本試験でみられたベントナイト間隙水のpHの経時変化は、前報告での蒸留水やNaCl水溶液を試験溶液(pH≒9)として用いた場合の試験結果と同じ傾向であった。これより、低酸素濃度条件下におけるベントナイト間隙水は、接する溶液のpHが9$$sim$$11の範囲にあるとき、本試験に用いたベントナイト形状においては、1$$sim$$3ヶ月の試験期間ではカラム外側溶液のpHよりも低くなり、6$$sim$$7ヶ月以降にはカラム外側溶液のpHと同等かそれ以上となることが判った。

報告書

微生物によるガス発生挙動に関する実験的研究

嶺 達也*; 三原 守弘; 大井 貴夫

JNC TN8430 2000-010, 27 Pages, 2000/07

JNC-TN8430-2000-010.pdf:0.72MB

放射性廃棄物を地層処分する場合、地下水、緩衝材、放射性廃棄物などに含まれる多種多様の有機物が、地下深部に存在する微生物及び処分施設建設時に地表付近から処分施設に持ち込まれる微生物の炭素源となることが考えられる。微生物が有機物を炭素源として利用した場合、二酸化炭素などのガスを発生させる。このガス発生は、地層処分システムの安全性に影響を与える一つの要因と考えられる。本研究では、ガス発生の観点から、メタン生成細菌の活動に着目し、微生物の活動にともなうガス発生に対する有機物の違いによる影響を調査するため、地下水に比較的多く含まれるフミン酸、ベントナイトに含まれる酢酸などの有機物を対象に微生物の有機物分解にともなって発生するメタン及び二酸化炭素の量を測定することとした。試験は嫌気条件で実施し、培養温度は35$$^{circ}C$$とした。有機物濃度は培養液に対して100mg/lとなるように調製した。また、pHがガス発生量に与える影響を調査するため、pHをパラメータとすることとした。その結果、フミン酸はメタン生成細菌の炭素源になりにくいこと、また、酢酸などを使用した試験結果から、pHが高くなれば、メタン生成細菌の活動にともなって発生するメタンの量が減少することが示された。なお、二酸化炭素の発生量がpHの上昇にともなって減少することは確認できなかった。

報告書

博士研究員による平成9年度及び平成10年度研究概要報告

技術協力課*

JNC TN1400 2000-006, 68 Pages, 2000/07

JNC-TN1400-2000-006.pdf:2.18MB

機構は、博士の学位をもった若手研究者の人材育成を図るため、平成9年度から博士研究員制度を導入した。同制度は、機構の先導的、基礎・基盤的な研究業務に関連して、独創性に富んだ若手研究者から研究テーマを公募する。若手研究者には、1$$sim$$3年間の期間に機構の承認した自らの研究テーマを自主的に遂行し、研究者としての業績を得させるとともに、機構の研究業務を効率的に推進することを目的としている。本報告書は、平成9年度及び平成10年度に実施した博士研究員による研究テーマの実施結果についてその概要をまとめたものである。

144 件中 1件目~20件目を表示