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論文

Long-term alteration of bentonite; For safety evaluation of deep geological disposal

田中 忠夫; 坂本 好文; 山口 徹治; 高澤 真由美; 赤井 政信; 根岸 久美; 飯田 芳久; 中山 真一

JAERI-Conf 2005-007, p.105 - 110, 2005/08

放射性廃棄物処分場で使用されるセメント系材料に起因する高アルカリ性環境により、ベントナイト系緩衝材の主要な成分であるモンモリロナイトは溶解変質する。放射性廃棄物地層処分の長期安全評価において求められるのは、放射性廃棄物処分場で使われるベントナイト-砂混合土圧縮体の透水係数の長期的な変化の予測である。「緩衝材透水係数の長期的な変化」の予測を目的としたベントナイト長期変質の定量化は、圧縮体,粉体ベントナイトなど種々の供試体の使用並びにバッチ実験,カラム実験など種々の手法で蓄積した知見に基づき整合性ある検討が行われるべきである。本報告では、実験システムの違いにより得られる知見の特徴や効果的な利用のあり方を整理するとともに、整合性ある実験研究アプローチを提案した。

論文

Experimental and modeling study to predict long-term alteration of bentonite buffer materials with alkaline groundwater

高澤 真由美; 根岸 久美; 坂本 好文; 赤井 政信; 山口 徹治; 飯田 芳久; 田中 忠夫; 中山 真一

JAERI-Conf 2005-007, p.236 - 241, 2005/08

処分場構造材であるセメントの溶出に起因するアルカリ性地下水はベントナイト系緩衝材を変質させ、その物理的隔離機能である止水性を長期的に低下させる可能性がある。そこで、高アルカリ水溶液によるベントナイトの変質を定量化し、止水性の変化を把握することを目的に、変質試験,アルカリ拡散試験,透水係数測定・調査を実施した。また、セメントの二次鉱物生成モデルとセメント内の空隙モデルを明らかにする実験を始めた。これらの試験・検討から得られる知見を結びつけて、ベントナイト系緩衝材の透水性について長期的な予測解析を行う。これらの、ベントナイト系緩衝材における地球化学的反応とベントナイト系緩衝材が変質することによる物理的パラメータの変化を考慮した物質移行を連成させた解析コードを整備した。

論文

Modeling of variation in permeability of compacted bentonite with alkaline fluid for long-term safety assessment of geological disposal system

高澤 真由美; 山口 徹治; 坂本 好文; 赤井 政信; 田中 忠夫; 中山 真一

NUMO-TR-04-05, p.A3_59 - A3_62, 2004/10

処分場構造材であるセメントの溶出に起因するアルカリ性地下水はベントナイト系緩衝材を変質させ、その物理的隔離機能である止水性を長期的に低下させる可能性がある。そこで、高アルカリ水溶液によるベントナイトの変質を定量化し、止水性の変化を把握することを目的に、変質試験,アルカリ拡散試験,透水係数測定・調査を実施している。これらの試験・検討から得られる知見を結びつけて、ベントナイト系緩衝材の透水性について長期的な予測解析を行う。これらの、ベントナイト系緩衝材における地球化学的反応とベントナイト系緩衝材が変質することによる物理的パラメータの変化を考慮した物質移行を連成させた解析コードを整備した。そして、アルカリ拡散試験を模擬した解析を行った結果、試験結果をおおむね再現できた。

報告書

圧縮ベントナイトにおける重水の実効拡散係数の活性化エネルギー -透過試験と分子動力学シミュレーションの比較-

鈴木 覚; 佐藤 治夫; 石寺 孝充; 藤井 直樹*; 河村 雄行*

JNC-TN8400 2001-031, 44 Pages, 2002/05

JNC-TN8400-2001-031.pdf:1.58MB

圧縮ベントナイト中における重水の実効拡散係数の活性化エネルギーを取得するために、温度298-333Kの条件下で透過拡散試験を行った。クニピアFベントナイトを圧縮成型(乾燥密度0.9および1.35Mg/m3)すると、スメクタイト粒子が圧縮方向に垂直に選択的配向性を示す。そこで、配向方向に平行な方向と垂直な方向のそれぞれの拡散方向について拡散試験を行った。重水の実効拡散係数は異方的であり、その乾燥密度に対する変化はトリチウム水の結果と調和的であった。また、実効拡散係数の活性化エネルギーは、19-25kJ/mol程度であり、バルク水中の重水の拡散の活性化エネルギー(18kJ/mol)よりもやや大きな値であった。スメクタイト-水混合物の分子動力学シミュレーションにより、水分子の活性化エネルギーの間隙水中における空間分布を計算したところ、スメクタイト表面近傍(2nm以内)の水の活性化エネルギー(18-23kJ/mol)は、沖合のそれ(16kJ/mol)に比べ大きかった。拡散経路の乾燥密度に対する変化を考慮すると、シミュレーションの結果は、乾燥密度とともに活性化エネルギーが増加することを示しており、拡散試験の結果をよく再現していた。

報告書

ベントナイト/ケイ砂混合体における炭素鋼の不動態化条件

谷口 直樹; 川上 進; 森田 光男*

JNC-TN8400 2001-025, 27 Pages, 2002/03

JNC-TN8400-2001-025.pdf:0.82MB

炭素鋼オーバーパックの寿命評価では処分環境における炭素鋼の腐食形態を把握することが重要である。日本における地下水条件を想定した場合、第2次取りまとめにおいて設定された仕様の緩衝材中で炭素鋼は不動態化せず、全面腐食の進展する可能性が高いことがこれまでの研究により確認されている。しかし、軟岩系岩盤における処分では緩衝材のまわりにコンクリート製の支保工を施工することが想定され、緩衝材に浸潤する地下水のpHが高くなることによって、腐食形態に変化を及ぼす可能性がある。そこでコンクリート材料として普通ポルトランドセメントおよび低アルカリ性セメントを用い、アノード分極測定によりセメントと接触した水溶液中での炭素鋼の不動態化条件を検討した。その結果、第2次とりまとめにおける緩衝材の仕様において炭素鋼が不動態化するのは外部から浸潤する地下水のpHが約13以上の場合であり、支保工として低アルカリ性セメントを使用すれば炭素鋼は不動態化しないことが確認された。また、緩衝材の因子(乾燥密度とケイ砂混合率)に対する炭素鋼の不動態化条件を検討した。その結果、第2次取りまとめにおいて設定された緩衝材仕様は十分に裕度をもって炭素鋼が不動態化せず、全面腐食を受ける領域にあることが確認された。

報告書

熱-水-応力-化学連成挙動研究の現状と今後の計画

伊藤 彰; 川上 進; 油井 三和

JNC-TN8400 2001-028, 38 Pages, 2002/01

JNC-TN8400-2001-028.pdf:2.35MB

高レベル放射性廃棄物地層処分における処分場閉鎖後のニアフィールドの挙動は、廃棄体からの放熱、地下処分施設の再冠水、緩衝材の膨潤および変質など、熱的、水理学的、力学的、化学的なプロセスの複合現象として取り扱う必要がある。本研究は、地層処分システムにおいて想定される熱-水-応力-化学(THMC)連成挙動の予測を行うための現象理解に基づく数値解析システムを構築し、様々な地質環境条件に対するニアフィールドの熱、水、応力、化学場の長期的変遷を数値実験により予測することを目的とするものである。THMC連成解析コードの開発にあたっては、1.開発期間が複数年となること、2.既存ツールを用いた連成解析コードを構築し、数値解析の実現可能性を確かめる必要があることから、開発ステップを3段階に設定し、平成13年度に開発をスタートしている。本報告は、このTHMC連成解析コード開発計画のうち、1)開発ステップ1のTHMC連成解析コード開発、2)ベントナイト中の物質移行経路、3)THMC連成解析コードの並列化に関する検討結果を取りまとめたものである。

報告書

TRU廃棄物処分システムに関する大空洞長期挙動の検討; 非線形粘弾性モデルによる二次元解析

青柳 孝義*; 佐原 史浩*; 三原 守弘; 奥津 一夫*; 前田 宗宏*

JNC-TN8400 2001-024, 103 Pages, 2001/06

JNC-TN8400-2001-024.pdf:11.6MB

TRU廃棄物は高レベル放射性廃棄物と比較して発生量が多いものの、そのほとんどが非発熱性の廃棄体であるため、高埋設密度での処分が可能である。そのため、地下深部の大空洞処分施設による集合埋設が経済的観点から合理的と考えられている。このようなTRU廃棄物の特徴を考慮して、TRU廃棄物を埋設する処分坑道の断面形状や人工バリア材の構成を設計した場合、岩盤の長期にわたるクリープ変形が人工バリア材に過度の負荷を与え、処分システムに影響を及ぼす可能性が考えられる。本研究では、非線形粘弾性モデルを用いて岩盤の長期クリープ変形量の解析を行い、クリープ量を算出するとともに、人工バリア材への影響検討を行った。ここで、岩盤物性値については、地層処分研究開発第2次取りまとめの物性値を用い、結晶質岩系岩盤と堆積岩系岩盤を検討対象とした。検討結果として、結晶質岩系岩盤では、経過時間100万年においても岩盤のクリープ変形は発生しない結果となった。一方、堆積岩系岩盤では、経過時間100万年において80$$sim$$90mmのクリープ変形が生じる結果となった。また、その時の緩衝材に生じる厚さの減少量は、最大で45mm程度となることが示された。今回の検討結果からは、この程度の岩盤クリープ変形や緩衝材厚さの減少量であれば、緩衝材に考慮される余裕しろの範囲でカバーできるものであると考えられることから、岩盤の長期にわたるクリープ変形は処分システムに大きく影響を及ぼすものではないと判断できた。本報告書は、平成10年度に実施した鹿島建設株式会社への委託研究の成果に対して、使用した非線形粘弾性モデルについての解説等を加えるとともに、研究内容を再度とりまとめたものである。

報告書

ベントナイト中における硫酸塩還元菌の活性と硫化水素によるオーバーパック材料の腐食への影響

谷口 直樹; 川崎 学*; 藤原 和雄*

JNC-TN8400 2001-011, 62 Pages, 2001/03

JNC-TN8400-2001-011.pdf:6.42MB

自然環境で使用される金属材料の腐食が微生物の活動による影響を受ける場合のあることが知られている。高レベル放射性廃棄物処分においても、地下深部に生息する微生物や地上から持ち込まれた微生物がオーバーパックの腐食挙動に影響を及ぼすことが懸念される。そこで、本研究ではまず、腐食に影響を及ぼす代表的な微生物である硫酸塩還元菌について、オーバーパック周囲を取り囲む緩衝材の主成分であるベントナイト中における増殖挙動を調査した。人工海水とベントナイトを混合した培地での培養を行った結果、ベントナイト/水比が大きくなると硫酸塩還元菌の生菌数は低下し、約1000g/l以上ではほとんど増殖できないことがわかった。次に、保守的なケースとして硫酸塩還元菌の活性が高くなった場合を想定し、その活動によって生じるS(-II)によるオーバーパック候補材料の腐食挙動への影響を調査した。模擬地下水として人工海水を用い、分圧0.1MPaの硫化水素ガスを溶液中に吹き込み、炭素鋼、チタン、銅の浸漬試験を行い、窒素ガスを吹き込んだ場合の結果と比較した。その結果、硫化水素吹き込みによる炭素鋼の腐食への影響は小さいが、銅の腐食は数百倍以上加速されることがわかった。また、硫化水素吹き込みによるチタンの水素吸収の加速は認められなかったが、水素吸収量は純チタンと0.06%Pd入りのチタン合金で異なる値となった。

報告書

ベントナイト構成鉱物のアルカリ溶液に対する影響-モンモリロナイト、長石、石英混合実験-

金 善永

JNC-TN8400 2001-008, 36 Pages, 2001/03

JNC-TN8400-2001-008.pdf:2.26MB

高レベル放射性廃棄物を地層処分する際に、多くの国では緩衝材としてベントナイトが候補材料として考えられている。特に近年は、地層処分にセメント系材料の使用が考えられている。セメント系材料からの浸出液はpHが高く、Ca、Na、Kなどの濃度が高いために、緩衝材や周辺岩盤を変質させると考えられる。この反応は、処分場が地下深い所に位置する場合、地熱や放射性廃棄物からの熱、圧力、地下水などの反応によって、さらに激しい変質を受けると考えられる。このような場合、緩衝材としての膨潤性、地下水の侵入防止、核種元素の移行遅延などの性能は、低下することが懸念される。今回は、高pH溶液に対する緩衝材構成鉱物間の影響を調べるために、緩衝材の主な構成鉱物であるモンモリロナイト、長石(曹長石)、石英を選定し、これらを一定比率に混合させて、蒸留水やpH11$$sim$$13溶液との反応を調べた。試験温度は50$$sim$$150$$^{circ}C$$であり、反応期間は10$$sim$$200日であった。試験結果、主な2次生成鉱物は方沸石(analcime)であり、温度やpHが高く、反応期間が長いほど、その生成量は多く、粒径も大きくなる傾向を示した。この方沸石の生成量は、X線粉末回折分析手法により定量化を試みた。方沸石の定量化の結果、その生成量は次の順序を示した。モンモリロナイトと長石混合試験$$>$$モンモリロナイト試験$$>$$モンモリロナイトと石英混合試験この他に、走査型電子顕微鏡観察を行った結果、X線粉末回折分析データからは検出できなかった方沸石の結晶が観察された。また、定量化のデータを利用して、各試験においての方沸石の活性化エネルギー(kJ/mol)を求めてみた。・モンモリロナイト試験での方沸石の活性化エネルギー:54.9kJ/mol・モンモリロナイトと長石混合試験での方沸石の活性化エネルギー:51.9kJ/mol・モンモリロナイトと石英混合試験での方沸石の活性化エネルギー:59.6kJ/mol以上の結果より、ベントナイトに珪砂を混合させることや、周辺岩盤や緩衝材中の長石の存在などによる高pH溶液の変質影響を推定できる。

報告書

圧縮ベントナイト間隙水のpH測定(3)-低アルカリ性セメント浸出溶液試験-

磯貝 武司*; 小田 治恵

JNC-TN8400 2000-025, 48 Pages, 2000/09

JNC-TN8400-2000-025.pdf:2.1MB

現在、地層処分システムを構成するプラグ、支保工材料として低アルカリ性セメントを用いることが検討されている。核種移行やオーバーパックの腐食挙動および緩衝材の長期安定性を評価する上では、緩衝材中の間隙水化学が重要となる。よって本報告では低アルカリ性セメント浸出溶液中での緩衝材間隙水のpH測定を行った。緩衝材材料であるNa型ベントナイト(乾燥密度1.6[g/cm3],直径2[cm],高さ4[cm]の円柱状)の圧縮成型体にpH指示薬含浸樹脂を埋め込み、Ar雰囲気制御下(酸素濃度1ppm以下)にて低アルカリ性セメント浸出溶液(pH≒11)に浸漬させた。1,3,6ヶ月に取り出した樹脂の呈色状態より、間隙水のpHはそれぞれpH≒9、pH≒9、pH≒11と判断した。本試験でみられたベントナイト間隙水のpHの経時変化は、前報告での蒸留水やNaCl水溶液を試験溶液(pH≒9)として用いた場合の試験結果と同じ傾向であった。これより、低酸素濃度条件下におけるベントナイト間隙水は、接する溶液のpHが9$$sim$$11の範囲にあるとき、本試験に用いたベントナイト形状においては、1$$sim$$3ヶ月の試験期間ではカラム外側溶液のpHよりも低くなり、6$$sim$$7ヶ月以降にはカラム外側溶液のpHと同等かそれ以上となることが判った。

報告書

微生物によるガス発生挙動に関する実験的研究

嶺 達也*; 三原 守弘; 大井 貴夫

JNC-TN8430 2000-010, 27 Pages, 2000/07

JNC-TN8430-2000-010.pdf:0.72MB

放射性廃棄物を地層処分する場合、地下水、緩衝材、放射性廃棄物などに含まれる多種多様の有機物が、地下深部に存在する微生物及び処分施設建設時に地表付近から処分施設に持ち込まれる微生物の炭素源となることが考えられる。微生物が有機物を炭素源として利用した場合、二酸化炭素などのガスを発生させる。このガス発生は、地層処分システムの安全性に影響を与える一つの要因と考えられる。本研究では、ガス発生の観点から、メタン生成細菌の活動に着目し、微生物の活動にともなうガス発生に対する有機物の違いによる影響を調査するため、地下水に比較的多く含まれるフミン酸、ベントナイトに含まれる酢酸などの有機物を対象に微生物の有機物分解にともなって発生するメタン及び二酸化炭素の量を測定することとした。試験は嫌気条件で実施し、培養温度は35$$^{circ}C$$とした。有機物濃度は培養液に対して100mg/lとなるように調製した。また、pHがガス発生量に与える影響を調査するため、pHをパラメータとすることとした。その結果、フミン酸はメタン生成細菌の炭素源になりにくいこと、また、酢酸などを使用した試験結果から、pHが高くなれば、メタン生成細菌の活動にともなって発生するメタンの量が減少することが示された。なお、二酸化炭素の発生量がpHの上昇にともなって減少することは確認できなかった。

報告書

博士研究員による平成9年度及び平成10年度研究概要報告

技術協力課*

JNC-TN1400 2000-006, 68 Pages, 2000/07

JNC-TN1400-2000-006.pdf:2.18MB

機構は、博士の学位をもった若手研究者の人材育成を図るため、平成9年度から博士研究員制度を導入した。同制度は、機構の先導的、基礎・基盤的な研究業務に関連して、独創性に富んだ若手研究者から研究テーマを公募する。若手研究者には、1$$sim$$3年間の期間に機構の承認した自らの研究テーマを自主的に遂行し、研究者としての業績を得させるとともに、機構の研究業務を効率的に推進することを目的としている。本報告書は、平成9年度及び平成10年度に実施した博士研究員による研究テーマの実施結果についてその概要をまとめたものである。

報告書

博士研究員による平成11年度研究概要報告

技術協力課*

JNC-TN1400 2000-004, 0 Pages, 2000/07

JNC-TN1400-2000-004.pdf:4.27MB

機構は、博士の学位をもった若手研究者の人材育成を図るため、平成9年度から博士研究員制度を導入した。同制度は、平成11年度で3年目を迎え、当初の目的を達成し、研究を終了した博士研究員も出始めている。同制度は、機構の先導的、基礎・基盤的な研究業務に関連して、独創性に富んだ若手研究者が1$$sim$$3年間の期間に機構の承認した自らの研究テーマを自主的に遂行し、研究者としての業績を得るとともに、機構の研究業務を効率的に推進することを自的としている。本報告書は、平成11年度に実施した博士研究員による研究テーマの実施結果についてその概要をまとめたものである。なお、17件の研究テーマのうち、5件の研究テーマが平成11年度で終了した。

報告書

ニアフィールド水理/核種移行評価モデルの信頼性評価に関する研究(核燃料サイクル開発機構 研究委託内容報告書)

野邊 潤*; 松本 昌昭*; 長坂 和佳*; 丸山 健太郎*

JNC-TJ8400 2000-006, 232 Pages, 2000/05

JNC-TJ8400-2000-006.pdf:7.75MB

本研究では、昨年度までに構築した連続体モデルによるニアフィールド多孔質岩盤中の水理/核種移行評価手法を用いて、地下水流動を特徴付けるパラメータを変化させた場合の解析を行うと共に、手法の拡張性を考慮した信頼性評価を行った。具体的には下記の項目を行った。・三次元飽和・不飽和浸透流解析から一次元核種移行解析までの一連の解析手法を用いて、第二次取りまとめに即したパラメータ設定による解析、および入力フラックスの変化に伴う影響評価を行った。・一次元核種移行解析コード「MATRICS」における、逆ラプラス変換手法の違いによる適用性把握を行った。・多要素版MATRICS(以下m-MATRICSとする)を用いて核種移行解析を行い、従来のMATRICSによる解析結果と比較し、不均質場における核種移行計算へのm-MATRICSの適用性の検討を行った。・三次元飽和・不飽和浸透流解析から一次元核種移行解析までの一連の解析手順を統合化した環境の整備を行った。

報告書

人工バリアシステムの耐震性評価手法の開発3(1)概要版(2)本文

森 康二*; 根山 敦史*; 中川 浩一*

JNC-TJ8400 2000-064, 175 Pages, 2000/03

JNC-TJ8400-2000-064.pdf:5.23MB

本研究は、高レベル放射性廃棄物の地層処分システムに於けるニアフィールドの耐震安定性の評価を目的として、以下の検討を実施したものである。(1)解析コードの妥当性の検証 本研究で開発してきた三次元有効応力解析コードは、とくに間隙水圧を考慮しない1相系解析機能に対しては、振動実験等による実測データとの比較を通じて検証を行ってきた。本年度は、サイクル機構で別途実施した緩衝材の液状化試験データを用い、間隙水圧の挙動に着目した有効応力解析機能の検証を行った。(2)2000年レポートに対する補足解析 2000年レポートでは代表的な処分場デザインのオプションを念頭に置いたニアフィールド地震応答解析および評価を行い、人工バリアシステムの耐震安定性を確保できる見通しを得ることができた。その一方で、オーバーパック-緩衝材間や緩衝材-岩盤間等の材料不連続面の応答を規定するモデルパラメータが、評価上重要な因子であるとの知見が得られた。今年度は、上記の2000年レポートに示した検討結果を支援するため補足解析を行い、耐震安定性に関する総合的評価を行った。(3)防災研との共同研究取りまとめに対する補足検討 平成4年度から進められてきた人工バリアシステムの耐震安定性評価に関する共同研究は、今年度を目処に成果を取りまとめることとなっている。本研究では、実測されたデータとの比較を通じて、解析コードの検証作業を段階的に進めてきた。本検討では、最新版の解析コードを用いた一連の実験データ解析を改めて行い、上記共同研究の取りまとめに資するデータ整備を行った。

報告書

ベントナイトとコンクリートの長期接触事例の調査

今井 淳*

JNC-TJ8400 2000-008, 113 Pages, 2000/03

JNC-TJ8400-2000-008.pdf:20.79MB

放射性廃棄物の地層処分では、廃棄体オーバーパックの周囲に緩衝材としてベントナイト系材料を用いる事が考えられているが、トンネル等の地中構造物の支保に使われるコンクリートと接触することによるベントナイトの劣化が懸念されている。本調査の目的は、天然環境で長期に共存していたベントナイトとコンクリートを調査することにより、両者の相互作用によるベントナイトおよびコンクリートの変質についての知見を取得することである。今年度は、平成10年度から開始した調査の2年目として、山形県西置賜郡小国町と飯豊町境界に位置し、ベントナイト鉱床を貫通して建設され、現在廃坑となっている国道113号線の宇津トンネルで昨年度に引続き試料採取を行い、ベントナイトとコンクリートの接触面について分析・調査を行った。この結果、建設終了から30年以上経過した状況で、ベントナイトのゼオライト化、イライト化といったものは観察されず、昨年同様、コンクリートから浸出したCaイオンによる接触部近傍数mmの範囲にNa型ベントナイトのCa型化を示す可能性のあるデータが得られた。また、コンクリートについては、接触部から30mm程度までのSイオン(硫酸イオン)の浸入が確認されたが、コンクリートの物理的な劣化は確認されず、健全な状態であることを確認した。さらに、1971年1月に埋設され、2000年3月に発掘されたEXPO70タイムカプセルを収納していたコンクリート容器と充填ベントナイトの調査を行い、試料を採取した。

報告書

緩衝材製作施工技術の評価

雨宮 清*; TRAN DUC PHI OAN*; 山下 亮*

JNC-TJ8400 2000-056, 487 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-056.pdf:16.24MB

高レベル放射性廃棄物地層処分研究開発の第2次とりまとめにおいて、緩衝材製作施工技術として、緩衝材の施工実績、施工方法、品質管理の関する概略評価が実施された。今後、これらの内容に対し、内容を補完する検討やデータ取得が急務となっている。本研究では、「定置後の品質評価」として、緩衝材とオーバーパックあるいは岩盤との間に生じる隙間の、ベントナイトペレットによる充填の検討を実施した。また、「実規模施工技術の評価」として、スウェーデン・エスポ島で行われている実規模緩衝材を用いた実証試験(Prototpe Repository Project)の技術検討を実施した。さらに、「施工後の緩衝材及び岩盤中の熱伝導、水の浸潤挙動、力学的安定性等の評価」として、熱-水-応力連成現象に関する国際共同研究(DECOVALEX II,III)に参加し、連成モデルの開発と評価を実施した。

報告書

緩衝材製作施工技術の評価(委託研究内容報告書)概要集

雨宮 清*; TRAN DUC PHI OAN*; 山下 亮*

JNC-TJ8400 2000-055, 49 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-055.pdf:4.15MB

高レベル放射性廃棄物地層処分研究開発の第2次とりまとめにおいて、緩衝材製作施工技術として、緩衝材の施工実績、施工方法、品質管理の関する概略評価が実施された。今後、これらの内容に対し、内容を補完する検討やデータ取得が急務となっている。本研究では、「定置後の品質評価」として、緩衝材とオーバーパックあるいは岩盤との間に生じる隙間の、ベントナイトペレットによる充填の検討を実施した。また、「実規模施工技術の評価」として、スウェーデン・エスポ島で行われている実規模緩衝材を用いた実証試験(Prototype Repository Project)の技術検討を実施した。さらに、「施工後の緩衝材及び岩盤中の熱伝導、水の浸潤挙動、力学的安定性等の評価」として、熱-水-応力連成現象に関する国際共同研究(DECOVALEX II,III)に参加し、連成モデルの開発と評価を実施した。

報告書

ベントナイトのセメント系材料による変質解析評価(研究委託内容報告書)

室井 正行*

JNC-TJ8400 2000-042, 127 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-042.pdf:3.26MB

セメント系材料から発生する高アルカリ空隙水は、緩衝材の膨張能力の喪失、空隙率の増大及び吸着能力の低下をもたらす可能性がある。ここでは、ベントナイトとセメント空隙水の反応のモデル化研究を行った。ベントナイトとセメント間隙水の反応は、反応-輸送コードPRECIPを用いて計算された。セメント劣化の経時的変化を反映した3種の組成(浸出液1, 2, 3)の空隙水を、一次元で1mのベントナイト(+砂)流路と、25$$^{circ}C$$と70$$^{circ}C$$で反応させた。主要鉱物の溶解・析出については、速度論的反応機構を考慮した。浸出液1は最も反応性の高い液(最大のpH, Na, K)で、浸出液3は最も弱い(最低のpH, Na, Ca)。浸出液1を用いたシミュレーションでは、約1000年後にセメントとの接触部から60cmの初期ベントナイト鉱物が完全に消失した。空隙率の最大の増加は浸出液1の場合で(80-90%まで)1-2cm幅の狭いゾーン全体に観測された。全ての液のシミュレーションでは、セメントとの境界に極近いゾーンで空隙がCSH鉱物によって充填された。ゼオライトやシート状シリケートの析出は境界から離れて生じた。今回の条件では、25$$^{circ}C$$, 70$$^{circ}C$$での差はほとんどなかった。モンモリロナイトの溶解は速度論的パラメータには敏感でないことを示した。モデル化研究で選択された概念モデルでは、ベントナイトと反応しうるセメント間隙水の総量を無制限と想定したため、保守的(悲観的)評価となっている。また、仮定に以下のような多くの不確かさが存在する。・高pHにおける鉱物の溶解及び成長の動力学的機構・時間と共に増加する鉱物の表面積・高pHにおけるCSH鉱物、ゼオライト及び水性種の熱力学的データ・空隙率の変化と流体の流れ/拡散の間の相互影響

報告書

人工バリア材料の変質に関する研究-硝酸塩およびセメントからの浸出物の影響-(研究委託内容報告書)

入矢 桂史郎*; 加藤 忠男*; 藤田 英樹*; 久保 博*

JNC-TJ8400 2000-034, 212 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-034.pdf:7.91MB

TRU廃棄物の処分システムの構成材料としてコンクリートや圧縮成型したベントナイトが考えられる。コンクリートは処分場内外の地下水と接することによってその成分が溶出し、周辺地下水を高アルカリ性溶液に変え、その高アルカリ性浸出液によって、ベントナイトのゼオライト化および周囲の岩石が溶出する等の影響を与えると考えられている。また、コンクリートの施工時に添加される有機系混和剤の浸出や一部の廃棄体に含まれる硝酸塩の溶出等によって核種の移行が加速されるなどの影響が考えられる。これまでの研究によって、コンクリートの模擬浸出液を用いた短期的な浸漬試験によって、pHが10.5以下の条件では岩石およびベントナイトの変質が抑制されることが示されている。また同様に、pHを11.0以下に保つセメントとして、シリカフュームおよびフライアッシュを多量添加したセメントを開発し、その性能を確認してきた。しかし、ベントナイト等の変質については、条件によってゼオライト化やイライト化が報告されているため、長期変質試験による確認が必要である。また、開発した低アルカリ性セメントについては、そのベントナイト等への影響抑制効果が実証されていないため、実験的に確認する必要がある。有機物の影響については、初期のコンクリートから浸出する有機物量が実験的に把握されたが、核種の溶解度への影響を把握することにおいて、重要なその量や形態の変遷による影響については確認されていない。また硝酸塩の影響については、処分初期の高濃度の硝酸塩溶液ではコンクリートの変質はほとんど加速されないことが示されているが、硝酸塩濃度が次第に下がった場合には、硝酸イオンの化学形態にともなってコンクリートの変質が加速される可能性が懸念されている。本年度は、これまでの知見をふまえ、核種移行特性への影響評価に資するため、材料の変質特性等を詳細に把握する。そのため、コンクリートからの浸出液によるベントナイトの長期的変質を実験的に確認するとともに、低アルカリ性コンクリートからの浸出液によるベントナイトの変質試験を行う。また、コンクリートから浸出する有機成分の量と形態の変遷を調べる。さらに、硝酸塩濃度の変遷を考慮し、コンクリートが硝酸塩によってさらに長期にわたり変質を受けたときのコンクリートの変質特性を把握する。

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