検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 147 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

発表言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

Release behavior of gaseous ruthenium tetroxide during heating of high-level liquid waste simulant during simulated accident conditions

吉田 尚生; 大野 卓也; 天野 祐希; 吉田 涼一朗; 阿部 仁; 山根 祐一

Nuclear Technology, 210(10), p.1999 - 2007, 2024/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

高レベル廃液(HLLW)の冷却システムの不具合とその対策の失敗は、HLLWの「蒸発乾固事故」につながる可能性がある。蒸発乾固事故では、ルテニウム(Ru)は気体状Ruを形成することにより、HLLW中の他の元素よりも初期量に対して大きな割合で放出される可能性がある。放出されうる気体状Ruの化学形態を特定することは、粒子形成、液相へのガス吸収、移行経路上への沈着など、本事故におけるRuのソースターム評価に影響を及ぼす事象を包括的に理解する上で重要である。本研究では、HLLW模擬物質の加熱中に発生したオフガスをUV/Vis分光分析し、スペクトル内の既知成分(四酸化ルテニウムRuO$$_{4}$$)、二酸化窒素、硝酸)の分離と、定量化を可能にするプログラムを用いて、発生したオフガス内の気体状Ruの組成分析を試みた。放出Ruの総量と分光分析で得たRuO$$_{4}$$放出量を比較した結果、RuO$$_{4}$$がオフガス中の気体状Ruの主成分であることが分かった。

論文

A Review of revaporisation behaviour of radioactive Cs deposits and its impact on the source term in severe nuclear accidents from Ph$'e$bus FP results and single effect testing

Knebel, K.*; Jokiniemi, J.*; Bottomley, D.

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(9-10), p.772 - 789, 2019/09

 被引用回数:7 パーセンタイル:53.17(Nuclear Science & Technology)

核分裂生成物(FP)付着物の再蒸発現象は、冷却水喪失等のシビアアクシデントにおける遅発のFP放出可能性を示すものとして認識された。その後の試験により、本現象は原子炉破損時に生じ得ることから、格納容器及び環境放出におけるソースタームとして重要であることが分かった。本論文では、まずはじめに、PHEBUS FPと関連プログラムから得られた一次冷却系での揮発性及び準揮発性FPの移行における再蒸発メカニズムについてレビューする。次に、揮発性及び準揮発性FP(I, Mo, Ru)及び構造材料(Ag, B)の高温化学を評価するための要素試験、及びソースタームに実効的に影響を与える雰囲気の影響について述べる。最後に、長期に亘るFP化学についてのさらなる知見を与え得る事故炉におけるCs分析の結果をレビューする。レビューの結果は表と模式図により示される。この蓄積された知見と経験は、廃炉と環境回復における汚染の低減、及びSA解析コードの改良と原子力安全の向上への適用にとって重要である。

論文

Effect of atmosphere on the vaporization behavior of CsFeSiO$$_{4}$$

鈴木 恵理子; 中島 邦久; 逢坂 正彦

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 5, p.165 - 167, 2018/11

軽水炉シビアアクシデント時に起こる原子炉構造材へのセシウム(Cs)化学吸着で生成する可能性があるCsFeSiO$$_{4}$$について、その再蒸発挙動評価に資するため、高温での蒸発挙動の雰囲気依存性を熱重量・示差熱分析(TG-DTA)実験により評価した。その結果、還元性の高い水蒸気欠乏(Ar-5%H$$_{2}$$)雰囲気下では、水蒸気含有(Ar-5%H$$_{2}$$-5%H$$_{2}$$O)雰囲気よりも低温(約800$$^{circ}$$C)にて重量減少が起こることが分かった。その原因として、H$$_{2}$$との化学反応によりCsFeSiO$$_{4}$$が分解しCs蒸気種が生成する可能性が示唆された。

論文

Current status of research for the accident of evaporation to dryness caused by boiling of reprocessed high level radioactive liquid waste

玉置 等史; 吉田 一雄; 阿部 仁; 杉山 智之; 丸山 結

Proceedings of Asian Symposium on Risk Assessment and Management 2017 (ASRAM 2017) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2017/11

高レベル放射性廃液の蒸発乾固事故は再処理施設において想定されるシビアアクシデントの一つである。この事故は事故進展の特徴を踏まえ、3段階に分割できる。この事故による放射性物質の環境への放出量を評価するためには、それぞれの段階において、核分裂性物質の液相から気相への移行量や壁等への沈着量を評価することが重要である。本論文では、放射性物質の放出量評価のために様々な実験等の研究をレビューし、現時点での本事故に対する放射性物質放出量評価の現状を紹介するとともに、原子力機構における最近の本事故に対するシミュレーションコードの開発状況について説明を行う。

論文

再処理施設の高レベル廃液蒸発乾固事故における飛沫同伴による移行率の機構論的相関式の導出

吉田 一雄

日本原子力学会和文論文誌, 14(1), p.40 - 50, 2015/02

再処理施設でのシビアアクシデントの一つとして、冷却機能喪失により高レベル廃液が沸騰し蒸発乾固する事故が想定される。この事故では、不揮発性の核分裂生成物の一部が飛沫として気相部に移行し、蒸気に同伴して環境中に放出される可能性がある。そのため、その放出量評価が事故影響評価の重要な課題の一つである。これを解決するために、模擬廃液および実廃液を用いた試験で得られたデータを基に飛沫同伴による移行率の機構論的な相関式を導出した。

論文

再処理施設の高レベル廃液蒸発乾固事故における気相へのRu移行速度の導出

吉田 一雄; 田代 信介; 天野 祐希; 山根 祐一; 内山 軍蔵; 阿部 仁

日本原子力学会和文論文誌, 13(4), p.155 - 166, 2014/12

再処理施設でのシビアアクシデントの一つとして、冷却機能喪失により高レベル廃液の沸騰し、蒸発乾固する事故が想定される。この事故では、大量のRuが気化し、貯槽内気相部に移行し環境中に放出される可能性がある。そのため、Ruの放出量評価が事故影響評価の重要な課題の一つである。これを解決するために、模擬廃液を用いた加速試験で得られたデータを基に廃液温度,廃液硝酸モル分率および硝酸活量をパラメータとするRuの移行速度実験式を導出した。実廃液を用いた長時間実験でのRu放出量を実験式を基に計算し、実測値との良好な一致を示すことができた。

論文

Ceramic vaporizer for nuclear heat IS hydrogen production plant

石山 新太郎; 丸山 茂樹*

Journal of the Ceramic Society of Japan, Supplement, Vol.112, No.1 (CD-ROM), p.S159 - S166, 2004/05

ISプロセス用セラミックス硫酸蒸発器実機の設計検討を行うことにより、下記結論を得た。(1)ブロック型セラミックス製熱交換器のほうが、シェルインチューブ型よりセラミックス製造法の特異性並びにコンパクト性から有利である。(2)ブロック型セラミックス硫酸蒸発器熱交換部のセラミックスブロック実寸法の試作を行い、製作が可能であることを実証した。(3)セラミックス製熱交換部用セラミックス材の硫酸腐食選定試験の結果、炭化ケイ素のほうが窒化ケイ素より優れていることがわかった。(4)セラミックス製熱交換部用セラミックス素材において新規開発した反応焼結型炭化ケイ素は、平均強度が1200MPaの世界最強値を達成した。(5)同上の素材の接合試験を実施した結果、接合強度が500MPaの世界高強度接合強度を達成するとともに、硫酸蒸発器構造体の発生応力レベルに対して十分の接合強度を有していることがわかった。以上の結果から、ブロック型セラミックス製熱交換器実機の製作が近い将来において可能であるとの見通しを得た。

論文

Toward a robust phenomenological expression of evaporation efficiency for unsaturated soil surfaces

小松 輝久; 安達 武雄

Journal of Applied Meteorology, 42(9), p.1330 - 1334, 2003/09

土壌からの水分の蒸発過程は、地球上の水循環にとって重要なプロセスの一つである。この過程を正しく捉えることは、環境アセスメント等の応用にとっても重要であるとともに、粉体集団の静的な一特性として理学的にも興味深い。これまでの研究では、応用の側面が強く意識されているため、あまり普遍的な性質等については議論されてこなかった。しかしながら、普遍的な性質を認識することが可能であれば、それは理学的に非常に興味深いことであるとともに、応用面への発展も十分に期待できる。そこで、われわれは、さまざまな土壌表面からの水分の蒸発過程に対して、より統一的なモデルを与えることを目指した実験的研究を行った。実験は、風速を制御した室内で行った。土壌水分の蒸発速度は、上面の開放された容器に湿らせた土を入れ、重量の時間変化をモニタリングすることによって測定した。また同時に、空気の温度,湿度,土壌表面の温度を測定した。土壌の素材としては、砂,土等を使用し、初期条件としては、表面に水が溢れるくらい十分に水を含んだ状態を使用した。土壌の種類,厚みを変えて行った一連の実験結果を水面からの蒸発速度との比,蒸発効率$$beta$$、という形式でまとめた結果、土壌の厚みが十分に薄い条件で$$beta$$が土壌水分含有率$$theta$$の関数として書けること、$$beta$$の関数形が土や砂で共通で普遍的な関数で表し得ること、土壌の特徴付けるのに必要なパラメタは一つであることがわかった。また、このパラメタには風速依存性があること、そしてその依存性は水面の蒸発抵抗を用いて簡単な関係に書き表せることがわかった。

論文

HTO emission from contaminated surfaces and distribution in environmental media around nuclear facilities

天野 光

Fusion Science and Technology, 41(3), p.488 - 492, 2002/05

原子力施設周辺の汚染地表面からのトリチウム放出と環境中分布について調査した結果を解析した。調査を行った場所はカナダチョークリバー研究所敷地内の放射性廃棄物処分場の湿地と、ピッカリング原子力発電所の敷地境界にある草地である。トリチウムはチョークリバーでは地下水経由で、ピッカリング原子力発電所では定常的な大気放出により、ともに地表面の濃度が高められている。今回、地表からのトリチウムフラックスにつき、土壌からの蒸発と植物葉からの蒸散を分けて評価することにより、トリチウムフラックスの特徴を解析した。地表単位面積あたりの蒸散によるトリチウムフラックスは蒸発によるそれを約1桁ほど上回り、午後2-3時に最大となったが、総量は最大値を挟み前半部が後半部の約2倍であった。一方、蒸発によるトリチウムフラックスは午後4-5時頃最大となり、蒸散と異なり、後半部が前半部の約2倍であった。トリチウムの植物中自由水に対する有機物中濃度の比は0.2-0.8であった。植物中トリチウム濃度は大気及び土壌中濃度と相対湿度から予測でき、実測値と一致した。

論文

Effect of shell structure in the fusion reactions $$^{82}$$Se+$$^{134}$$Ba and $$^{82}$$Se+$$^{138}$$Ba

佐藤 健一郎; 池添 博; 光岡 真一; 西尾 勝久; Jeong, S.-C.*

Physical Review C, 65(5), p.054602_1 - 054602_9, 2002/05

 被引用回数:58 パーセンタイル:90.76(Physics, Nuclear)

重イオンの融合反応における殻効果を調べた成果の発表である。中性子数が82である$$^{138}$$Baを標的にした$$^{82}$$Se+$$^{134}$$Ba融合反応と中性子数が78である$$^{134}$$Baを標的にした$$^{82}$$Se+$$^{134}$$Ba融合反応で生成される蒸発残留核の断面積をそれぞれ測定した。その結果、中性子数82でマジック数になっている$$^{82}$$Se+$$^{138}$$Ba融合反応が$$^{82}$$Se+$$^{134}$$Baに比べ100倍程融合確率が大きいことがわかった。これは中性子数がマジックであることと関係していると考えられる。中性子数がマジックな原子核は励起しにくいため、衝突時により接近できるという理論計算と一致している。この事実はより重い元素(超重元素)を合成するための重要な要素になる。

報告書

モックアップ試験装置を用いたJCO沈殿槽の熱特性シミュレーション試験

渡辺 庄一; 三好 慶典; 山根 祐一

JAERI-Tech 2002-043, 93 Pages, 2002/03

JAERI-Tech-2002-043.pdf:6.74MB

ウラン加工工場臨界事故では、初期バースト出力に引き続き、プラトー部では熱的に有意な出力レベルが持続した。一連の事故出力変化は、JCO東海事業所の$$gamma$$線エリアモニタの観測データとして記録されている。この有意な出力レベルが持続した要因として、JCO沈殿槽の冷却水ジャケットの水が流れていたことが挙げられる。また、緩やかな出力降下が観測されたが、主な要因として燃料溶液からの水分蒸発効果が考えられる。観測された出力を再現し得る熱的な条件について知見を得ることを目的として、JCO沈殿槽の本体部を模擬したモックアップ試験装置を製作し、一点炉近似動特性方程式を解いて得られた出力に基づき電気ヒータ出力を制御する方法により、プラトー部での熱特性シミュレーション試験を行った。主な試験パラメータは、初期投入反応度に対応する初期溶液温度及び熱除去にかかわる冷却水流量である。試験では有意な水分蒸発量が測定され、反応度約2.5ドルの場合にプラトー部での観測値を再現する結果が得られた。

論文

Evaporation speed of water from various soil surfaces under calm state

小松 輝久

Journal of the Physical Society of Japan, 70(12), p.3755 - 3756, 2001/12

 被引用回数:4 パーセンタイル:32.79(Physics, Multidisciplinary)

土壌からの水分の蒸発過程は、地球上の水循環にとって重要なプロセスの一つである。この過程を正しく捉えることは、環境アセスメント等の応用にとっても重要であるとともに、粉体集団の静的な一特性として理学的にも興味深い。これまでの研究では、応用の側面が強く意識されているため、あまり普遍的な性質等については議論されなかった。しかしながら、普遍的な性質等を認識することが可能であれば、それは理学的に非常に興味深いことであるとともに、応用面への発展も十分に期待できる。そこで、われわれは、さまざまな土壌表面からの水分の蒸発過程に対して、より統一的なモデルを与えることを目指した実験的研究を行った。実験は、空気の流れがほとんど無い無風条件下の室内で行った。土壌水分の蒸発速度は、上面の開放された容器に湿らせた土を入れ、重量の時間変化をモニタリングすることによって測定した。また同時に、空気の温度,湿度,土壌表面の温度を測定した。土壌の素材としては、砂,土等を使用し、初期条件としては、表面に水が溢れるくらい十分に水を含んだ状態を使用した。土壌の種類,厚みを変えて行った一連の実験結果を水面からの蒸発速度との比,蒸発効率$$beta$$,という形式でまとめた結果、土壌の厚みが十分に薄い条件で$$beta$$が土壌水分含有率$$theta$$の関数として書けること,$$beta$$の関数形が土や砂で共通で普遍的な関数で表し得ること、土質を特徴付けるのに必要なパラメタは一つであることがわかった。

報告書

第四回 東海再処理施設技術報告会 報告書

大西 徹; 槇 彰; 柴田 里見; 八戸木 日出夫; 乳井 大介; 橋本 孝和; 福田 一仁

JNC TN8410 2001-023, 188 Pages, 2001/11

JNC-TN8410-2001-023.pdf:30.98MB

本資料は、平成13年10月11日に日本原燃(株)六ヶ所本部再処理事業所にて開催した「第四回東海再処理施設技術報告会」の予稿集、OHP、アンケート結果を報告会資料としてまとめたものである。第四回は、「東海再処理施設の保全・補修実績」について東海再処理施設においてこれまでに得られた技術・知見等の報告を行ったものである。

報告書

超音波式肉厚自動測定装置の製作

大場 敏弘; 柳原 隆夫; 加藤 千明; 浜田 省三

JAERI-Tech 2001-059, 36 Pages, 2001/09

JAERI-Tech-2001-059.pdf:7.8MB

原研では、文部科学省からの受託研究として「再処理施設新材料耐食安全性実証試験」を実施してきた。この試験においては、六ヶ所再処理施設の主要機器の一つである酸回収蒸発缶の小型モックアップ試験体を用いた実証試験を進めてきた。この試験体の一部である伝熱管及び短い管材を用いた実験室規模の伝熱面腐食試験片に対して、それらの内表面の腐食減肉を知るために、伝熱管の肉厚を非破壊・高精度で測定できる超音波式肉厚自動測定装置を製作した。この装置は、超音波測定器にパソコン制御方式を組合わせることにより自動的に肉厚を測定・記録できるものである。製作した装置で得られた肉厚の値は、光学顕微鏡で測定した肉厚と非常に良い一致を示し、本装置の測定精度のよいことが確認された。

報告書

大学等との共同研究に関する平成12年度研究概要報告 (核燃料サイクル公募型研究及び先行基礎工学研究を除く)

技術協力課*

JNC TN1400 2001-013, 70 Pages, 2001/08

JNC-TN1400-2001-013.pdf:5.13MB

機構は、機構が取り組む研究開発プロジェクトに関する基礎・基盤的研究を大学及び研究機関(以下「大学等」という。)と研究協力を図り進めている。本報告書は、平成12年度に実施した大学等との共同研究14件の実施結果についてその概要をまとめたものである。なお、本報告書には、核燃料サイクル公募型研究及び先行基礎工学研究により進めている大学等との共同研究については除いている。

報告書

Ti-5%Ta製及びZr製酸回収蒸発缶の耐久性評価; 酸回収蒸発缶小型モックアップ試験設備による長期耐久性実証試験の総括

竹内 正行; 藤咲 和彦*; 根本 健志*; 小泉 務; 小山 智造

JNC TN8410 2001-013, 255 Pages, 2001/05

JNC-TN8410-2001-013.pdf:24.24MB

本耐久試験は東海再処理工場の当時のステンレス鋼製酸回収蒸発缶を非鉄材料のTi-5TaまたはZrに材質変更する計画の一環として進められた。この結果、Ti-5Ta製およびZr製酸回収蒸発缶小型モックアップ試験設備(処理能力:東海再処理工場の酸回収蒸発缶の1/27)の設計・製作、さらに本装置による運転試験を通して、Ti-5Ta製およびZr各材料がステンレス鋼に代わる新材料として、酸回収蒸発缶の製作性や機器性能の面で問題のないことが実証された。また、それまでのステンレス鋼製酸回収蒸発缶の大きな課題であった長期耐食性についても、コールド環境での評価であるものの、製作したTi-5Ta製およびZr製酸回収蒸発缶小型モックアップ試験設備がこれまでのステンレス鋼製酸回収蒸発缶の最大処理実績(約13,000時間)をはるかに凌ぎ、最終的には累積40,000時間に及ぶ両蒸発缶の長期耐久性が実証された。この運転期間中、大きな設備の異常や故障等は特に認められず、安定した運転を継続してきた。また、長期運転試験後の評価結果から、材料強度の問題を含めて両蒸発缶は健全な状態を維持していた。さらに東海再処理工場におけるステンレス鋼製酸回収蒸発缶の腐食故障の要因となった粒界腐食についても、Ti-5Ta製およびZr製酸回収蒸発缶全体を通じて観察されなかった。両蒸発缶の腐食量については、Ti-5Ta製蒸発缶の気相部においてわずかながら経時的な減肉傾向が認められたが、他の部位およびZr製蒸発缶では有意な減肉は認められず、全体的に腐食速度は両蒸発缶ともに0.1mm/y以下であり、優れた耐食性を示した。運転期間中、両構造材料は不働態を維持し、缶内に設置したテストピースの結果から、応力腐食割れの感受性も認められなかった。さらに、Ti-5Ta製蒸発缶で認められた気相部の減肉傾向から、統計解析法を用いてTi-5Ta製蒸発缶の装置寿命(腐食代1mm)を評価した結果、最低約55,000時間と見積もられた。以上の結果から、酸回収蒸発缶の装置材料としてTi-5TaおよびZrが適用可能であることが示されるとともに、特に長期耐食性の観点からは両材料ともに実績のあるステンレス鋼よりもはるかに優れていることが実証された。

報告書

第三回東海再処理施設技術報告会

山内 孝道; 槇 彰; 佐本 寛孝; 田口 克也; 佐藤 武彦; 清水 亮; 庄司 賢二; 中山 治郎; 村山 保美

JNC TN8410 2001-012, 184 Pages, 2001/05

JNC-TN8410-2001-012.pdf:9.61MB

本資料は、平成13年3月14日に日本原燃(株)六ヶ所事務所にて開催した「第三回東海再処理施設技術報告会」の予稿集、OHP、アンケート結果を報告会資料としてまとめたものである。東海再処理施設技術報告会は、これまでに2回開催されており、第一回は「東海再処理施設の現状、今後の計画」について、第二回は「東海再処理施設の安全性確認作業」について、東海再処理施設においてこれまでに得られた技術・知見等を紹介してきた。今回第三回は、「東海再処理施設の腐食・ISIに関する実績と今後の計画」について東海再処理施設においてこれまでに得られた技術・知見等の報告を行ったものである。

報告書

粒界腐食抑制型ステンレス鋼及び高Cr-W-Si系Ni基RW合金の硝酸溶液中の伝熱面腐食の抑制効果

土井 正充; 木内 清; 矢野 昌也*; 関山 喜雄*

JAERI-Research 2001-020, 17 Pages, 2001/03

JAERI-Research-2001-020.pdf:0.7MB

再処理施設の酸回収蒸発缶等を想定して、伝熱面腐食を支配する硝酸側環境因子の基礎解析を行った。現用鋼である、R-SUS3304ULCを用いて、溶液中のV濃度、熱流速の伝熱面腐食に与える影響を調べるとともに、金属組織制御により粒界腐食を抑制したステンレス鋼及び防食造膜元素を複合添加したNi基合金の耐食性についても調査した。

報告書

LWTF液処理系プロセスにおける操作条件の妥当性評価試験-コールド工学試験装置による確認試験-

小林 師; 村田 栄一*; 澤幡 佳和*; 斎藤 晶*

JNC TN8430 2001-002, 43 Pages, 2001/02

JNC-TN8430-2001-002.pdf:1.98MB

現在、東海再処理施設内で建設計画を進めている低放射性廃棄物処理技術開発施設(以下LWTF)の液処理系プロセスでは、低放射性廃液中の塩(NaNO3等)と放射性核種を分離し、それぞれ「硝酸塩蒸発固化体」、「スラリー蒸発固化体」として保管・貯蔵される。このプロセスにより、従来の「アスファルト固化法」に比べ、大きな減容比を得ることができる。本報では、このLWTF液処理系プロセスと同様の処理を工学規模の装置を用いて行い、過去の基礎試験結果から得られたLWTF運転上の設定値との比較を行った。その結果、LWTF液処理系プロセスにおける「ヨウ素不溶化・プレフィルタろ過工程」、「限外ろ過(I)工程」、「前処理工程」、「共沈・限外ろ過(II)工程」、「共沈・限外ろ過(III)工程」のそれぞれの工程において、LWTF運転上の設定値が妥当であることを確認した。

論文

Silicon plate penetration with a high energy laser pulse

西村 昭彦; 宇佐美 力*; 出来 恭一*; 下別府 祐三*; 早坂 昇*; 有澤 孝

Technical Digest on 4th Pacific Rim Conference on Lasers and Electro-Optics (CLEO/Pacific Rim 2001), p.II_280 - II_281, 2001/00

固体ターゲットへのレーザー集光によるX線発生では、損傷するターゲット表面の更新が重要となる。一方、これまでレーザー加工という観点からは加工痕の形状について多くの観察報告が行われている。レーザー光の集光により加熱/蒸発によって生じるキーホールの進行プロセスの解明が重要であるが、顕微鏡による観察では進行中のプロセスの情報が失われている。本報告では、加工対象としてLSI製造のシリコン基板を選び、これまでの顕微鏡観察と併せてレーザー光の反射光と透過光を同時計測すことにより加工プロセスの時間変化を把握することを試みた。シリコン基板の厚さは50ミクロンである。また、使用したレーザーはフラッシュランプ励起のフリーランニングチタンサファイアレーザーであり、パルス長さ140マイクロ秒,パルスエネルギーは57mJである。600kW/cm$$^{2}$$の照射強度の際に50ミクロン厚のシリコン基板を貫通できること、シリコン基板表面からの反射光は20マイクロ秒後には消失すること、55マイクロ秒後に貫通穴が生じ始めること、など加工プロセスの時間変化を明らかにすることができた。

147 件中 1件目~20件目を表示