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萬金 修一
JAERI-M 82-079, 164 Pages, 1982/08
沸騰水型原了炉プラントの定常制御、負荷追従制御性能を改善する為に最適制御理論を適用し、新しい制御方式を開発した。〔制御方式ケース〕ほ、まづ最適線形レギュレータを構成した後、1つの積分要素を帰還系路に付加すると共に要求された出力レベルに適応したゲインと目標値を可変に用いる方法である。〔制御方式ケース〕は第1レベルに古典的なP,I型のサブループ制御系を、第2レベルに最適線形レギュレータを持つ階層構成であり、この制御系は第1レベルの従来のサブループ制御系を含めて同定実験から得られる多変数自己回帰型モデルに最適線形レギュレー夕理論を適用して設計する。シュミレーション実験の結果、これらの制御方式は良好な制御性をもち、原子炉プラント制御の改善に有効である事が示された。なお、これらの方式はいわゆる「理論と実際のギャップ」に発生する問題の解決を考慮して開発したものであり、他の生産プラントに対しても適用性があると考えられる。
萬金 修一; 篠原 慶邦
Journal of Nuclear Science and Technology, 12(12), p.727 - 734, 1975/12
被引用回数:9原子炉の負荷追従問題など、原子炉プラントの制御問題に関し、最近では現代制御理論を適用した新しい制御方式の研究がなされている。これらの一つのアプローチとして線形2次形式最適レギュラータの理論を出発点とした制御のシンセンスが試みられているが、この理論をそのまま非線形な対象に適用した場合や、線形系として扱える対象であってもステップ状の外乱が入った場合や、目標値を変更する追従問題に応用した場合には制御偏差が生じる。この様な偏差を補償するため、簡単で実用的なシンセンスの方法として標準的な線形二次形式レギュレータに単に積分動作のフィードバックを加える事によって制御特性を改良する事を試みると共に、各定常レベルに対応してゲインマトリックスを可変にして用いる方法を考え、強制再循環方式BWRの簡略化した非線形モデルを用いたシミュレーション実験を行ったところ、制御特性が大幅に改善され、良好な結果を得た。
佐藤 一男
JAERI-M 4914, 40 Pages, 1972/08
原子力発電所の負荷追従制御系は、その応答が速く、かつ安定で、しかもその制御変域が非常に広いことが要請されている。本報告では、従来の線型制御理論を拡張し、ドリフト項と呼ばれる仮想的状態変数を導入することにより、制御対象プロセスの見かけの特性変化に対する感度を低くした制御系について述べる。この制御系は、標準的なBWRプラントについてシミュレーションを行った結果、現実のプラントに適用するのに極めて有望なものであることが判った。なお、本研究は、筆者がOECD Halden Reactor Projectに滞在中、同Projectの研究計画の一環として行なわれたものである。