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小原 真司*; 鈴谷 賢太郎; 竹内 謙*
未来材料, 5(4), p.28 - 33, 2005/04
高温融体を無容器(コンテナレス)で浮かせることができると、冷却の際に結晶化の核となるものがなくなるので過冷却液体状態の実現が容易になる。そうすると、過冷却液体からの緩やかな冷却で、これまで作製が不可能であったさまざまなガラス・非平衡物質の合成が可能となる。主要造岩鉱物で地球・宇宙科学的に重要なフォルステライト(かんらん石)も、このコンテナレス法により高純度ガラスが得られる。本報では、この高純度フォルステライトガラスの合成と構造研究を中心にコンテナレス法の物質科学における有用性の一端を示す。
吉井 文男
放射線化学, 2000(70), p.12 - 19, 2000/09
合成系及び天然系生分解性ポリマーの放射線改質について、原研で得られた成果を述べる。(1)照射したポリ(
-カプロラクトン),(PCL)が種々の相状態で照射した結果、過冷却相が最も橋かけしやすく、橋かけ後は未照射よりも生分解性が速い。(2)合成系生分解性ポリマーの加工性が、30kGy程度の照射で分枝構造を導入することにより改善できた。フィルム成形や発泡体成形を可能にした。(3)セルロース誘導体であるカルボキシメチルセルロース(CMC)が水を添加し良く練り、50~60%の高濃度のペースト状態で照射により橋かけした。これは高い吸水性をもったものである。
吉井 文男
JAERI-Conf 2000-003, p.13 - 22, 2000/03
生分解性のポリマーであるポリカプロラクトン(PCL)を(1)室温の固相、(2)融解相及び(3)過冷却相で照射し、(3)が最も橋かけしやすく、耐熱性の高い橋かけPCLが得られた。この時の線量は160kGyである。30kGyの低線量照射では、加工性が良くなり、発泡体や20
mのようなフィルム成形が可能になった。ハイドロゲルについては、ポリエチレンオキサイドの強度を高めるため、ポリビニルアルコールを添加すると創傷被覆材に応用できるゲル強度が得られる。得られたゲル型創傷被覆材は、治りが速く、はがす時に痛みを与えないなどの特長を有する。カルボキシメチルセルロース(CMC)が水とよく練りペースト状で照射すると橋かけが起こることを見いだした。以上最近得られた成果をまとめて述べる。
-caprolactone) by radiation technique and its biodegradability吉井 文男; Darwis, D.*; 三友 宏志*; 幕内 恵三
Radiation Physics and Chemistry, 57(3-6), p.417 - 420, 2000/03
被引用回数:64 パーセンタイル:95.51(Chemistry, Physical)生分解性のポリカプロラクトン(PCL)は結晶融点が60
Cという耐熱性のない材料である。このため、固相(室温)溶融相(80
C)及び過冷却相(80
Cで融解後45
Cで保持)で照射橋かけを行い、耐熱性や橋かけ構造導入後の生分解性を調べた。その結果以下のような事実を見いだした。(1)三つの相状態の中で過冷却照射が最も橋かけしやすい。橋かけのG値は、固相は0.27,過冷却相0.7,溶融相0.45である。(2)過冷却相照射PCLは高い耐熱性を示し、60
Cから150
Cに向上した。(3)土壌埋設及び活性汚泥による試験では、生分解性が照射試料の方が未照射PCLよりも分解しやすい。これらの新しい事実は、生分解性ポリマーの応用分野の拡大に有益である。
吉井 文男; Darwis, D.*; Nugroho, P.*; 三友 宏志*
IAEA-SM-365, p.7 - 8, 2000/00
生分解性脂肪族ポリエルテルの放射線改質について、橋かけ技術により耐熱性と加工性を改善した。ポリカプロラクトン(PCL,融点: 60
)を固定状、溶融状、過冷却状で照射した結果、過冷却照射が最も橋かけしやすかった。橋かけPCLは高温クリープ試験から、100
に長時間耐えた。生分解性は、80%のゲル分率をもちながら、未照射PCLよりも分解しやすかった。加工性については、PCLにポリブチレンサクシネートをブレンドしたPHBO2を、10~30kGy、室温で照射し、分枝構造を導入することにより溶融粘度を改善した。これにより厚が7
mの薄いフィルムが未照射試料の10倍の速度でブロー成形できるようになった。また、発砲成形も可能にした。
Darwis, D.*; 三友 宏志*; 吉井 文男
Polymer Degradation and Stability, 65(2), p.279 - 285, 1999/08
被引用回数:42 パーセンタイル:80.46(Polymer Science)過冷却相照射で得た耐熱性の生分解性ポリカプロラクトン(PCL)の土壌中と活性汚泥による生分解性及びメチルアミンを使った化学分解について調べ、以下のような事実を明らかにした。(1)土壌中の分解では橋かけ構造を導入しても未照射試料と同じ分解を示した。(2)活性汚泥中では橋かけ構造を導入した方が未照射試料よりも初期の分解が早く、約1ヶ月で完全分解した。(3)メチルアミン水溶液の化学分解は、橋かけ構造を有した方が未照射よりも早く分解した。以上の事実から、照射PCLは未照射よりも結晶サイズが小さく、分子鎖の短いものを含んでいるため、これらのモルホロジーが活性汚泥による分解と化学分解に影響を与えたものと考えられる。橋かけ構造を導入しても活性汚泥中で分解することから、使用後はコンポスト化処理により処分できる。
吉井 文男
放射線と産業, (82), p.26 - 30, 1999/06
生分解性ポリマーであるポリカプロラクトン(PCL,融点60
C)は耐熱性が低く、加工性に乏しいため、実用化がおくれている。これらを放射線により改善した。耐熱性はPCLを過冷却照射により向上した。加工性はPCLを室温で15
30kGy照射を行うことにより溶融張力が増し、発泡体やフィルム成形が高速で行えるようになった。本稿では、これらの基礎的結果とそれらをもとに農業分野への応用の可能性を述べた。
Darwis, D.*; 三友 宏志*; 吉井 文男
Polym. Degrad. Stab., 65, p.279 - 285, 1999/00
被引用回数:36生分解性試験として、過冷却相で照射橋かけし、ゲル分率80%のポリカプロラクトン(PCL)を用いた。土壌埋設試験では、橋かけPCLは未橋かけPCLと同じ分解性を示し、6ヶ月後に60%の重量減少が認められた。活性汚泥中とメチルアミンによる化学分解では、橋かけPCLの方が未橋かけPCLよりも短時間で分解した。これはPCLのモルホロジーが異なるためであり、橋かけPCLは結晶サイズが小さく、また照射中に橋かけと同時に起る分解による低分子鎖を含んでいるためと考えられる。このような事実から、橋かけ構造を導入したPCLが使用後にコンポスト化処理により処分できることが明らかとなった。
吉井 文男
プラスチックスエージ, 44(10), p.144 - 147, 1998/10
生分解性ポリマーのポリカプロラクトン(PCL)の照射効果について、種々の相状態で照射し、過冷却相照射が耐熱性の改善に有効であった。本レポートの要点は次のようである。(1)固相、溶融相、過冷却相で照射すると、過冷却相が最も橋かけしやすい。(2)過冷却相照射で得た橋かけPCLは150
Cでも溶解しない耐熱性のあるものである。(3)土壌中の分解には橋かけ構造は影響を与えない。
吉井 文男
放射線と産業, (80), p.48 - 50, 1998/00
生分解性ポリマーのポリカプロラクトン(PCL)は結晶融点が60
Cの耐熱性の低いポリマーであるため、その改善が望まれている。このため固相、溶融相、過冷却相の放射線橋かけを検討した結果、過冷却相が最も橋かけしやすいことを見出した。本稿では、この橋かけ挙動と耐熱性の評価結果及び橋かけと生分解性との関係を述べた。
秋野 詔夫; 高瀬 和之; 久保 真治; 長島 昭*; 鷺谷 昭二郎*; 中西 真行*
第31回日本伝熱シンポジウム講演論文集, 0, p.589 - 591, 1994/00
相変化物質(PCM)の大きな潜熱を熱輸送に利用することをねらいとして、PCMをマイクロカプセル(MC)化技術によって独立・安定な微粒子とし、低蒸気圧・低粘性の液体中に分散させ、高熱輸送密度・低運動圧力・低消費動力を特徴とするスラリー状熱媒体の開発を進めている。開発課題は、耐熱性・耐久性に富むMC化粒子と長期安定なスラリーの開発、熱物性データの整備、伝熱・流動特性の解明、利用技術の確立等である。本報告は、試作したMC化粒子及びスラリーの融点・凝固点と粒子径、PCMとMC物質組合わせの関係を、示差走査熱量計を用いて測定した結果を述べるものである。成果は、融点は一定値であったが、凝固点は粒径・乾燥/湿潤状態・PCM物質・MC物質等の影響を受け、過冷却現象を生じることを見い出した。さらに、物質の組合わせによって、過冷却を回避できる可能性があることを示した。
嘉悦 勲; 吉井 文男; 吉田 健三; 大久保 浩*; 西山 茂*; 阿部 修*
光学, 9(6), p.326 - 330, 1981/00
アクリルモノマーの過冷却状態での低温放射線重合を利用して有機ガラスの注形重合を行う技術を開発した。この方法によれば静歪計で光学歪のない製品が短時で得られることが判った。静歪計ではキャッチされない微小歪についてもトワイマン・マイケルソン型干渉計を使い調べ、低温重合物では微小歪の生成も少ないことが判った。このように光学歪が生成しにくいのは、低温過冷却状態ではモノマーの粘度がきわめて高くなること、重合中の容積収縮が少ないこと重合発熱による昇温が低い温度に抑えられることなどによるものである。 CR-39を中心とするモノマー組成やMMAを主成分とするモノマーもこの方法を適用しすぐれた光学素材が得られることを明らかにした。さらに、予備重合により流動性はないが、可塑性の残っているゲルシートを使い、連続的に線焦点フレネルレンズを製造する方法を放射線重合により開発した。
嘉悦 勲
原子力工業, 25(2), p.37 - 42, 1979/00
放射線重合法による酵素その他の固定化技術について解説したものである。特に、従来の高分子技術による固定化法のうち、低温放射線重合による固定化法の特長を詳しく述べ、さらにそのうちで原研で研究開発を進めているガラス化性モノマーの過冷却状態での重合反応を利用した固定化法について、食品研などの開発した結晶状態での低温放射線重合による固定化法と比較しつつ、両者の差異特長が明らかとなるよう、モデル図、実験結果を用いて詳しく解説した。
林晃 一郎*; 嘉悦 勲
原子力工業, 24(9), p.71 - 77, 1978/00
放射線固相重合を結晶状態での重合と、準安定相である過冷却状態での重合反応に分けて、それぞれの特徴を述べ、応用的観点から前者についてはトリオキサンの固相重合によるポリオキシメチレンの製造を、後者についてはメタクリルエステル類の注形による有機ガラスの製造をそれぞれ例にとって、今日までの研究の進展と得られた成果の概要を解説した。結論として、これまでの研究結果から固相重合が放射線化学反応の特長をよく活かした分野の一つであり、多くのメリットをもっていることが明らかになったことを強調した。
-ray-induced polymerization in various solvents新井 英彦; 和田 武*; 栗山 将
J.Polym.Sci.,Polym.Phys.Ed., 14(8), p.1379 - 1389, 1976/08
これまで貧溶媒中ではポリエチレンの単結晶は生成しないとされていた。本研究ではエチルアルコール等の貧、および中程度の溶媒中でエチレンの
線重合を行い、生成ポリマーの形態を電顕で観察した。その結果生成物の形態は溶媒の種類、重合温度、生成物の分子量に依存することが明らかになった。さらに、適当の重合条件を選べば、アルコール等のポリエチレンの貧溶媒中でも数
m以上の大きなポリエチレン単結晶が生成されることがわかった。
嘉悦 勲; 吉井 文男; 大久保 浩; 伊藤 彰彦
J.Appl.Polym.Sci., (26), p.165 - 174, 1975/00
ガラス化性モノマーであるヒドロキシエチルメタクリレートを用いて、低温過冷却状態における放射線注形重合を研究し、重合条件と重合体の光学歪の生成との関係を解明した。注形重合物の光学歪は、低温で重合されるほど入りにくくなり、低温重合においては室温重合に比べて、より厚みの大きい試料を、より大きい重合速度で重合させても、歪のない製品が得られるという特徴が明らかになった。歪の生成機構についても検討し、モノマーの粘度が低い室温での重合や、粘度が高くても試料の厚みが著しく大きくて試料内に重合熱による顕著な温度分布を生じる場合などにおいては、試料内の分子運動の流れが重合により凍結されることに起因するうずまき型あるいは放射型の歪が生成することを認めた。この外パッキングなどの異物との接触界面に沿って生成する歪もあり、これは重合に伴う容積収縮に起因する歪と考えられる。