Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
岡本 穏治*; 望月 祐志*; 津島 悟*
Chemical Physics Letters, 373(1-2), p.213 - 217, 2003/05
被引用回数:8 パーセンタイル:24.84(Chemistry, Physical)4価トリウムイオンは、pHが3よりも大きい条件では容易に加水分解反応(Th+4HOTh(OH)+2HO)を起こすことが古くから知られているが、反応の活性障壁,反応熱,電子分布の変化などの詳細については未知のまま残されていた。本研究では、非経験的分子軌道計算により、トリウムイオンと水の集合体から成るクラスターモデルを系統的に拡大させながら、反応をシミュレートした。計算から、反応が大きな発熱を伴うこと,始原系に近い遷移状態構造を持つこと,協調的に電子移動が起きることなどが示された。
黒崎 譲; 高柳 敏幸
Journal of Chemical Physics, 113(10), p.4060 - 4072, 2000/09
被引用回数:22 パーセンタイル:55.76(Chemistry, Physical)反応H+CHH+CH(1)及びこれを同位体置換した反応、HD+CHH+CHD(2), DH+CHD+CH(3),D+CHD+CHD(4),H+CDH+CHD(5)の反応速度定数を、トンネル補正を加えた変分的遷移状態理論により計算した。その結果、これらの反応に見られる同位体効果はほとんど一次同位体効果によるもので、二次同位体効果及び反応経路(IRC)の曲率の効果は比較的小さいことが明らかとなった。このことは、分子軌道計算からも明らかなように、これらの反応のポテンシャルが「early」であることに起因すると思われる。また、反応1と2の反応速度定数の計算結果は、実験結果とかなり良い一致を示した。
黒崎 譲*
Journal of Molecular Structure; THEOCHEM, 503(3), p.231 - 240, 2000/05
本研究では、まず気相中における反応CH+ClCHClの機構について理論的に検討した。極限的反応座標(IRC)計算の結果、得られた反応物、遷移状態(TS)、生成物が1つの反応経路上にあることが確認された。反応の活性化エネルギーはPMP4及びB3LYPレベルで、それぞれ36.3,35.9kcal/molと計算された。次に、溶媒中における同反応の機構について検討した。その結果、極性溶媒中では気相中のようなTSが存在しないことが予測された。また、気相中では励起状態であったCHCl+Clが、極性溶媒中では基底状態となることが明らかとなった。誘電率80の極性溶媒中では、CHCl+Clのエネルギー値は反応物(CH+Cl)と比較して11.2kcal/molとなることがB3LYPレベルで計算された。このことは、この反応が気相中よりも極性溶媒中でより起こりやすいことを示唆している。
神永 文人*; 松村 邦仁*; 中村 弘史*
JNC TY9400 2000-003, 99 Pages, 1999/08
本報告は核燃料サイクル開発機構との表記の共同研究について、1998年度に茨城大学工学部において実施した研究の内容である。また、本年度は研究の最終年度にあたるため、前年度までの成果も加え、最終報告書としでまとめた。容器内へ流入する液流れと容器内の自由液面との相互作用によって生じる振動現象は、主にFBRの安全性に関連して非常に重要である。しかし、自由液面を有する容器内に上側から液体が流入する場合に生じる液面振動については、開水路流れを対象としたものを除くとこれまでほとんど研究がなされていない。本研究では自由噴流による液面振動に着目し、容器内流体の自由液面とその液面に流入する流れの相互作用によって発生する自由液面の非線型不安定現象について、現象の詳細な知見を得ることを目的とし、矩形2次元容器による実験的研究を行った。昨年度は、試験容器を製作し、容器内自由液面に生じる振動現象について容器の大きさと流入条件が振動現象に与える影響を実験的に調べた、本年度は、昨年度と同じ試験装置を用いて、噴流の吹き出しノズルが液面下に設置された場合について実験を行うとともに、内部流れの可視化を行い、液面振動と内部流れとの関係を調べ、液面振動の発生メカニズムの解明を試みた。その結果、液面に生じる振動形態は、容器長さ・流入位置・流入角度および水深によって決まり、振幅の大きな振動としては、スロッシング状固有振動と固有振動間で見られる遷移振動であることが明かとなった。またこの液面の振動は流入する噴流の変動と相間があり、液面振動には噴流の蛇行が不可欠であることも明らかとなった。
黒崎 譲*; 高柳 敏幸
Journal of Chemical Physics, 110(22), p.10830 - 10842, 1999/06
被引用回数:20 パーセンタイル:53.55(Chemistry, Physical)反応CH+HCH+H(I)及びCD+HCDH+H(II)の反応速度における同位体効果について、変分的遷移状態理論及び準古典的多次元トンネリング法を用いて理論的に考察した。まず、反応IとIIのポテンシャル面を量子化学的手法により計算した。次に、得られたポテンシャル面を用いて、多次元トンネリングを準古典的に考察した変分的遷移状態理論により反応速度定数を求めた。実験的には、5Kの固体パラ水素中で、反応IIの方が反応Iより反応速度が速いことが報告されている。ここでの計算の結果、理論的にも反応IIの方が反応Iよりも5Kで反応速度が速いことが予測され、実験結果を定性的に説明することができた。
高柳 敏幸; 黒崎 譲*; 横山 啓一; 佐藤 圭*; 綱島 滋*
Chemical Physics Letters, 312(5-6), p.503 - 510, 1999/00
被引用回数:9 パーセンタイル:28.04(Chemistry, Physical)分子軌道計算結果を用いて、N(D)+CH,CD反応の反応速度定数の変分的遷移状態理論計算を行った。計算値と実験値の比較から、量子力学的効果である非断熱過程が重要であることを明らかにした。さらにこのことを半定量的に確かめるために、正確な分子軌道理論を用いて、長距離領域でのポテンシャルエネルギー曲面の計算を行った。その結果ファンデルワールス領域でポテンシャルの交差が起こっていることがわかった。
黒崎 譲; 高柳 敏幸
Journal of Chemical Physics, 111(23), p.10529 - 10536, 1999/00
被引用回数:13 パーセンタイル:38.89(Chemistry, Physical)反応H+HSHS+SHの速度定数を半古典多次元トンネリングによる補正を加えた変分的遷移状態理論により、100-2500Kの温度範囲で計算した。計算結果は広い温度範囲で実験値と一致した。特に室温付近での計算値と実験値の一致は極めて良好であった。本研究では、非経験的分子軌道計算によって得られたポテンシャルエネルギーを全く調整することなしに、反応速度の非アーレニウス的挙動を定量的に再現することができた。
黒崎 譲*; 高柳 敏幸
Journal of Physical Chemistry A, 103(46), p.9323 - 9329, 1999/00
被引用回数:5 パーセンタイル:16.54(Chemistry, Physical)反応N(D)+HCN()に関して非経験的分子軌道計算を行い、有利な反応経路ならびに主生成物の理論的予測を試みた。初期過程のポテンシャル面をCASSCF(9,9)/cc-pVDZレベルで計算した結果、N(D)がHCN分子のN原子に付加する反応経路がエネルギー的に最も有利であることが予測された。中間生成物から遷移状態を経て最終生成物に至るいくつかの反応経路をPMP4(SDTQ)/cc-pVTZ//MP2/cc-pVTZレベルで計算した結果、HNCN分子が中間生成物として最も安定であり、主な最終生成物はCH+Nであることが予測された。HNCN及びCH+Nは反応物N(D)+HCN()と比較して、それぞれ117.8,53.1kcal/mol安定であることが計算された。
高柳 敏幸; 黒崎 譲*; 佐藤 圭*; 三澤 和昭*; 小林 泰英*; 綱島 滋*
Journal of Physical Chemistry A, 103(2), p.250 - 255, 1999/00
被引用回数:34 パーセンタイル:71.31(Chemistry, Physical)N(D,P)とCH及びCDの反応速度定数を原子共鳴吸収法を用いて温度範囲223~298Kで測定した。温度依存から求めたアレニウスの活性化エネルギーはN(D)については1.5kcal/mol、N(P)については1kcal/molであった。H/Dの同位体効果はN(D)で1.8、N(P)では1.6と求められた。反応速度定数の絶対値についてはN(D)のほうが約40-60倍大きいことがわかった。N(D)+CH(CD)反応については分子軌道法より得られる反応経路の情報を用いて遷移状態理論の計算を行い、反応速度定数を実験値と比較した。その結果、非断熱遷移が重要な役割をしていることがわかった。
佐藤 圭*; 三澤 和昭*; 小林 泰英*; 松井 美穂*; 綱島 滋*; 黒崎 譲*; 高柳 敏幸
Journal of Physical Chemistry A, 103(43), p.8650 - 8656, 1999/00
被引用回数:27 パーセンタイル:63.97(Chemistry, Physical)パルス放射線分解-原子共鳴吸収法を用いてN(D,P)原子とCH及びCDとの反応速度定数を測定した。分子軌道計算結果を用いた遷移状態理論により実験結果を解析した。その結果、非断熱遷移が重要であることを明らかにした。
*
PNC TJ1632 98-001, 112 Pages, 1998/03
安価で即応性の良い臨界安全監視システムの開発が望まれている。昨年度は、過去6年間の研究によって得られた知見を基に、実際の臨界安全監視システムとしてシステム化するために必要となるシステムの構成要素モジュールに関する検討をおこなった。そこで、本年度は昨年度提案した解析表示モジュールの中で、ARMAモデル同定と平行して信号解析を行う冗長系として重要な要素となるアダプティブフィルタ(ADF)アルゴリズムモジュールの開発と、このモジュールを用いた実データ解析を行い、ADFアルゴリズムの未臨界度推定手法としての有効性を検討し、以下の成果を得た。ADFによるシステム同定においては、修正係数が大きい時には推定されるパラメータは入力データの統計的性質の変化に素早く追従するが、その反面推定されたパラメータの統計的変動が大きい。逆に修正係数を小さくすると統計的変動は小さくなるが、実際にシステムパラメータに変動がある場合には追従が遅くなり、この現象は定常時系列、非定常時系列を問わず、全てのADFパラメータ推定結果について言える。推定されたパラメータから得られる未臨界度はいずれの場合においても統計的変動が非常に大きい。この統計的変動は逐次型ARMAモデル同定アルゴリズムによる未臨界度推定の場合に比べて非常に大きく、ADFアルゴリズムによる結果をそのまま未臨界度推定値とするにはやや問題がある。従って、推定結果を平滑化する二次的なアルゴリズムを付加することが重要になる。本研究では、ADFによる推定パラメータに500次の単純移動平均、更に、その平滑化されたパラメータの再移動平均、500データ毎の相加平均などの平滑化を行った結果、いずれも統計的変動を充分小さくすることができた。
黒崎 譲*; 高柳 敏幸; 宮崎 哲郎*
Journal of Molecular Structure; THEOCHEM, 452, p.209 - 218, 1998/00
2,3-ジメチルブタンカチオン((CH)CHCH(CH),h-DMB)からのH脱離反応に対し、非経験的分子軌道計算を行った。構造最適化はUMP2/6-31G(d)レベルで行い、1点エネルギー計算をUMP3/6-31G(d)及びUMP4(SDTQ)/6-31G(d)レベルで行った。その結果、この反応は障壁が22-24kcal/molで26-29kcal/mol発熱的であることが予測された。非経験的分子軌道計算から得られたデータを用い、遷移状態理論に基づいて量子力学的(トンネル)効果を考慮した熱反応速度定数を求めると、h-DMBの反応の速度定数は77Kで約10sと予測された。h-DMBにおいて、脱離するHをDで置換したカチオン(d-DMB)の反応の速度定数は77Kで約10sと計算された。このことから、h-DMBからのH脱離反応にはトンネル効果が重要であることが示唆される。一方、h-DMBの反応速度定数に対する実測値は約12桁も大きい。これは量子化学計算のレベルがまだ低いことを示唆する。
高柳 敏幸
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 68(3), p.764 - 770, 1995/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Multidisciplinary)レーザー誘起反応K+NaCl+hKCl+Naについて共線衝突のみを考慮した量子力学的な計算を行った。シュレディンガー方程式はR行列法によって数値的に解いた。量子的な反応確率は反応中間体生成のため多くの共鳴構造をもつ。量子論の結果をホッピングトラジェクトリーの結果と比較した。トラジェクトリー法は反応確率の並進エネルギー依存を正しく与えないが、ラングウ・ツェナー近似は定性的には正しいレーザー波長依存性を示すことがわかった。これらの結果からレーザー誘起反応は、基底状態での反応K+NaClKCl+Naと、基底状態と励起状態間の非断熱遷移の2段階に分けられることがわかった。