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物質科学研究センター
JAEA-Review 2024-037, 141 Pages, 2024/11
JRR-3(Japan Research Reactor No.3)には、日本原子力研究開発機構(原子力機構)が所管する15台の中性子ビーム利用実験装置が設置されており、装置高度化を含めた原子力機構の独自利用を行うとともに施設供用装置として外部利用者に供し、様々な研究成果を創出している。本報告書は、運転再開後の令和3年度、令和4年度の独自利用研究および中性子ビーム利用実験装置の高度化などの技術開発の進捗状況を取りまとめたものである。
中村 詔司; 芝原 雄司*; 遠藤 駿典; Rovira Leveroni, G.; 木村 敦
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(11), p.1415 - 1430, 2024/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)廃止措置においては、生成放射能の評価に資する核データとして、中性子捕獲断面積を整備する必要がある。本研究では、整備すべき対象核種のうちSc, Cu, Zn, Ag及びInを選定し、KURのTC-Pnを用いてそれらの熱中性子捕獲断面積測定を行った。その結果、熱中性子捕獲断面積の結果が、以下のとおり得られた:Sc(n, )Sc反応は27.180.28 barn、Cu(n, )Cu反応は4.340.06 barn、Zn(n, )Zn反応は0.7190.011 barn、Ag(n, )Ag反応は4.050.05 barn、そしてIn(n, ) In反応は8.530.27 barn。ScとZnの結果は、これまでに報告されている評価値を誤差範囲で支持するが、一方、他の核種については評価値と異なる結果となった。得られた結果は、生成量評価にはもちろん、これらの核種を中性束モニタとして利用する場合に用いることが考えられる。
Rodriguez, D.; Rossi, F.; 高橋 時音
IEEE Transactions on Nuclear Science, 71(3), p.255 - 268, 2024/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Electrical & Electronic)Under the MEXT subsidy to improve nuclear security related capabilities, we are developing the delayed gamma-ray spectroscopic analysis technique. One goal is to develop an inverse Monte Carlo analysis method using spectra from simulations of the interrogation instrument for comparison to the actual measured spectra. This work presents the validity of the Monte Carlo foundation of the analysis compared to experimental results and other simulation codes.
中村 詔司; 芝原 雄司*; 遠藤 駿典; 木村 敦
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(11), p.1361 - 1371, 2023/11
被引用回数:1 パーセンタイル:41.04(Nuclear Science & Technology)廃止措置の対象核種の中からNbについて、熱中性子捕獲断面積()および共鳴積分(I)を放射化法により測定した。また、Nbの半減期を質量分析により測定した。ニオブ93試料は、京都大学複合原子力科学研究所の研究炉に整備されている水圧輸送艦を用いて照射した。金-アルミ合金線、およびコバルト-アルミ合金線を用いて、照射位置における中性子束成分を測定した。厚さ25mのガドリニウム箔を用いた照射も行って、熱および熱外中性子による反応率の寄与をより分けた。ガドリニウムの厚さから、カットオフ・エネルギーは0.133eVに設定した。ニオブ試料中に含まれている不純物により生成されるTaの放射能を減衰させるために、約2年間ニオブ試料を冷却した。線スペクトロスコピーにより照射されたニオブ試料およびモニタの生成放射能を測定した。Westcottコンベンションに基づいて解析を行い、およびIを、それぞれ1.110.04barnおよび10.50.6barnと導出することができた。線測定の後に、ニオブ試料の質量分析を行い、反応率を導出した。線スペクトロスコピーと質量分析で得られたデータを組み合わせることにより、Nbの半減期を、(2.000.15)10年と導出することができた。
中村 詔司; 芝原 雄司*; 木村 敦; 遠藤 駿典; 静間 俊行*
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(9), p.1133 - 1142, 2023/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)近年、鉛冷却高速炉や加速器駆動システムの研究が進められており、Pb同位体の中性子捕獲断面積の高精度化が求められている。Pbは、天然存在比は小さいが中性子捕獲反応により長寿命放射性核種Pb(1730万年)を作るため、その重要性は高いと考えられる。しかし、原子炉を用いた通常の放射化法では、生成するPbからの放射線が弱いため測定するのが難しい。そこで、マススペクトロメトリーを適用した断面積測定を行った。本発表ではマススペクトロメトリーを適用したPbの中性子捕獲断面積測定について実験の詳細と得られた結果を報告する。
前田 亮; 瀬川 麻里子; 藤 暢輔; 遠藤 駿典; 中村 詔司; 木村 敦
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 332(8), p.2995 - 2999, 2023/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)The accuracy of the prompt -ray analysis is known to degrade for the samples containing neutron-scattering materials, such as hydrogen, depending on its content. Recently, we discovered that the density of the scattering materials also affects the accuracy. In this paper, we developed a correction method for the effect of the sample densities. The developed correction method is straightforward and applicable to samples with unknown densities. The simulation and experiments verified the performance of the correction method. The results confirmed that the correction method could reduce the uncertainty due to sample density from 47% to approximately 1%.
Onutai, S.; 佐藤 淳也; 大杉 武史
Journal of Solid State Chemistry, 319, p.123808_1 - 123808_10, 2023/03
被引用回数:15 パーセンタイル:97.26(Chemistry, Inorganic & Nuclear)The process of zeolite formation for geopolymer-zeolite composites can be explained using ATR/FTIR spectroscopy. The process consists of the dissolution of silica and alumina precursors from the alkali activation process of metakaolin with NaOH solution. Thereafter, the formation of hydrated aluminosilicate primary units and secondary units occurs. Finally, the units are reorganized and crystallized into the zeolite structure. The increase in the alkali activator concentrations promotes the high dissolution of raw materials. Na cations play an important role in dissolution and synthesis. The higher the alkali activator concentration, the higher the tetrahedron condensation rate and the greater the degree of structure ordering. The phases in alkali activation of metakaolin with different NaOH concentrations (Na/Al) at 1.18, 2.03, and 3.05 were zeolite-A, zeolite-X, and sodalite zeolite. Finally, the possible pathway of zeolite formation was explained and deduced.
Onutai, S.; 大杉 武史; 曽根 智之
Materials, 16(3), p.985_1 - 985_14, 2023/02
被引用回数:10 パーセンタイル:87.13(Chemistry, Physical)Attenuated total reflectance-Fourier transform infrared (ATR-FTIR) spectroscopy was used to demonstrate the reaction mechanisms of alkali-activated materials (AAMs) and the early stage of structure formation in the materials. The effects of different types of alkali activator solutions on the structure formation and reaction mechanisms of AAMs were studied. The results revealed that the main peaks of the ATR-FTIR spectra of the AAMs in the 1300-650 cm range shifted to a low wavenumber with changing patterns depending on the activator solution used, indicating that the dissolution and reorientation of metakaolin had occurred. Silica and alumina monomers were dissolved by the NaOH solution to produce crystalline zeolites. Although the reaction between metakaolin and NaSiO solution is slow, the condensation between the Al-OH from metakaolin and the Si-OH from NaSiO solution bonded the chain to be longer. Therefore, the NaSiO solution acted as a template-bonded monomer, formed long chains of Si-O-Si and Si-O-Al, and produced an amorphous AAM structure. In the mixed solution, when the NaOH in it dissolved the Si and Al monomers, the NaSiO in the solution also bonded with monomers and produced a complex structure. The different reaction that metakaolin had with different alkali activator solutions reflected the different phases, microstructures, and mechanical properties of the AAMs produced.
中村 詔司; 芝原 雄司*; 遠藤 駿典; 木村 敦
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(11), p.1388 - 1398, 2022/11
被引用回数:1 パーセンタイル:19.69(Nuclear Science & Technology)本研究は、放射性核種のNpを取り上げて、よく熱化された中性子場を用いて放射化法によりNpの熱中性子捕獲断面積を測定した。Npの標準溶液を、照射試料に用いた。照射位置の中性子束は、Sc, Co, Mo, TaそしてAuを、中性子束モニタに使用した。Np試料とモニタを一緒に、京都大学研究炉の黒鉛照射設備にて30分間照射した。同様の照射を2回繰り返した。照射後に、Np試料を、それと放射平衡の関係にあるPaからの312keVガンマ線を測定して定量した。Npの反応率を、生成されたNpから放出されるガンマ線の収量から求めた。Npの熱中性子捕獲断面積は、2回照射の結果の加重平均を取って173.84.4barnと導出された。この結果は、飛行時間法により測定されたデータと、誤差の範囲で一致した。
永田 寛; 大塚 薫; 大森 崇純; 井手 広史
JAEA-Technology 2022-017, 113 Pages, 2022/08
JMTR原子炉施設は2017年4月の「施設中長期計画」において廃止施設に位置付けられたことから、廃止措置計画認可申請を原子力規制委員会に提出するにあたり、廃止措置計画に記載する必要がある原子炉施設に残存する放射性物質の推定放射能量のうち、放射化汚染物の推定放射能量を評価するため、核計算コード等を用いた放射化放射能量の評価を行った。この結果、総放射化放射能量は、9.310Bq (原子炉停止直後)、2.710Bq (21年後)、1.010Bq (40年後)、2.410Bq (100年後)となり、放射化放射能量の大きい構造物は、ベリリウム枠やベリリウム反射体要素、アルミニウム反射体要素、格子板、キャプセル照射装置などの圧力容器内の構造物で、材質はステンレス鋼やベリリウムなどであった。また、全放射化放射能量に対する核種の割合は、原子炉停止後40年あたりまではH-3の割合が高く、その後はNi-63が最も高くなった。参考に、得られた放射化放射能濃度から放射能レベル区分を行ったところ、放射化汚染物の全重量に対する区分ごとの重量の割合は、原子炉停止から100年後にかけて、L1が0.30.4% (1013t)、L2が0.00.4% (014t)、L3が1.01.2% (3239t)、CLが98.098.7% (約3200t)となり、コンクリートなどのCLに区分されるものが全体の約9割以上を占めることがわかった。今後行う廃棄物の処理処分にあたっては、二次汚染物の推定放射能量などの評価結果も加え、適切な処分方法に従った区分の評価を行う。
中村 詔司; 藤 暢輔; 木村 敦; 初川 雄一*; 原田 秀郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(7), p.851 - 865, 2022/07
被引用回数:1 パーセンタイル:12.48(Nuclear Science & Technology)本研究は、東京大学の高速中性子源炉「弥生」を用いて、評価済み核データライブラリーを検証するために放射化法によりIの積分実験を行った。Iと中性子束モニタを、弥生炉のグローリー孔にて照射した。反応率は、Iから放出されるガンマ線の収量から求めた。中性子束モニタの反応率の実験値と計算値との比較から、高速中性子スペクトルの確かさを確認した。Iの反応率の実験値を、評価済み核データライブラリーを用いて求めた計算値と比較した。本研究で、評価済みライブラリーJENDL-4.0に採用されている中性子エネルギー10keVから3MeV領域の中性子捕獲断面積データは、18%程、過大評価されていることが分かった。また、本研究の結果は、100keV以下では、Noguere等による報告データを支持した。
中村 詔司; 遠藤 駿典; 木村 敦; 芝原 雄司*
KURNS Progress Report 2021, P. 93, 2022/07
核廃棄物中のマイナーアクチニドの核変換の観点から、本研究はNpを選定して、その熱中性子捕獲断面積を、良く熱化された中性子場を用いて放射化法により測定した。Np標準溶液を試料に使用した。熱中性子場は、中性子束モニタSc, Co, Mo, TaとAuを用いて測定した。Np試料は、モニタと一緒に、京大炉の黒鉛照射設備にて30分間照射した。結果の再現性を確認するために、同様の照射を繰り返した。照射後、Np試料は、Npと放射平衡の関係にあるPaからの312-keVガンマ線を用いて定量した。Npの反応率は、生成されたNpから放出されるガンマ線のピークカウント,検出効率,実験条件を用いて求めた。得られた反応率を熱中性子束で割り込むことで、Npの熱中性子捕獲断面積を173.84.7 barnと導出した。この結果は、飛行時間測定法で得られた報告値と不確かさの範囲内で一致した。
中野 敬太; 松田 洋樹*; 明午 伸一郎; 岩元 大樹; 竹下 隼人*; 前川 藤夫
JAEA-Research 2021-014, 25 Pages, 2022/03
加速器駆動核変換システム(ADS: Accelerator-Driven transmutation System)の開発に資するデータとして、Be, C, Al, Sc, V標的に対する高エネルギー陽子入射反応による核種生成断面積の測定を行った。得られた実験値は最新の核反応モデルによる計算値や評価済み核データライブラリの値と比較を行い、その再現性について議論を行った。
中村 詔司; 芝原 雄司*; 遠藤 駿典; 木村 敦
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(10), p.1061 - 1070, 2021/10
被引用回数:6 パーセンタイル:63.12(Nuclear Science & Technology)良く熱化された中性子場では、原理的には熱外中性子による寄与を考えることなく熱中性子捕獲断面積を導出することができる。このことを、京都大学原子炉の黒鉛照射設備にて放射化法を用いて示した。最初に、黒鉛照射設備が良く熱化された中性子場であることを確認するために、中性子束モニタ: Au, Co, Sc, Cu, and Moの照射を行った。Westcottのコンヴェンションに基づき、黒鉛照射設備が非常に熱化されていることを確認した。次に、実証としてこの照射場を用いてTa(n,)Ta反応の熱中性子捕獲断面積の測定を行い、20.50.4 barnを導出した。この結果は、評価値20.40.3 barnを支持した。また、Ta核種は、AuとMoモニタの間の感度を補間する中性子モニタとして使えることが分かった。
Tohamy, M.*; Abbas, K.*; Nonneman, S.*; Rodriguez, D.; Rossi, F.
Applied Radiation and Isotopes, 173, p.109694_1 - 109694_7, 2021/07
被引用回数:5 パーセンタイル:56.19(Chemistry, Inorganic & Nuclear)An experiment to evaluate a neutron flux for an irradiator using Cf was performed by the EC-JRC by applying the Westcott method to indium and gold activation foils. ISCN DG members subsequently developed an MCNP model for a flux comparison within the MEXT subsidiary budget for the promotion of applications related to nuclear security. The flux values are able to show values within 10% for the thermal evaluation with larger differences in the resonance peak energies. Contrarily, there are differences in the reaction rate and peak-count data-model comparisons that could provide new opportunities of basic science research.
原田 秀郎
Applied Sciences (Internet), 11(14), p.6558_1 - 6558_20, 2021/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)中性子放射化分析と中性子捕獲断面積の精度向上のために、Westcott記法のg因子とs因子のバイアス効果について検討した。バイアス要因として、接合関数形状,中性子温度,試料温度を調べた。2つの1/v則に従う同位体(Au, Co)と6つの非1/v同位体(Am, Eu, Rh, In, Hf, Ra)について、定量的な計算を行った。詳細なモンテカルロ シミュレーションによって推定された最新の接合関数で計算したs因子を、Westcottによる従来の接合関数で計算したs因子と比較した。この結果、サンプル温度によって誘発されるバイアスは、g因子の場合で0.1%のオーダー、s因子の場合で1%のオーダーと小さいことを示した。一方、接合関数の形状の差に起因するs因子のバイアスは、同位体と中性子温度の両方に大きく依存することを示した。この結果、反応率にも大きな影響が生じることも示した。この効果を明示するため、熱外中性子インデックスr=0.1の場合に、検討した8種類すべての同位体について、反応率に生じるバイアスを定量的に与えた。
原田 正英; 勅使河原 誠; 大井 元貴; 及川 健一; 高田 弘; 池田 裕二郎
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1000, p.165252_1 - 165252_8, 2021/06
被引用回数:3 パーセンタイル:40.24(Instruments & Instrumentation)本研究では、箔放射化法を用いて、J-PARC核破砕中性子源からのパルス中性子ビームの高エネルギー成分を測定した。箔は、0.3MeVから79.4MeVまでのしきいエネルギーを持つAl, Au, Bi, Nb, Tmを用いた。実験はNOBORUで行われ、箔は減速材から13.4mの位置で照射された。照射実験への応用のために、高エネルギーの中性子スペクトルを変化させるBCスリット, Pbフィルター、それらがない場合の3ケースでも反応率を測定した。JENDL-3.2評価済みファイルとJENDLドシメトリーファイルを用いたPHITSコードによる計算データと比較をした。計算値と実験値の比(C/E)を比較したところ、エネルギー依存性がみられ、しきいエネルギーが100MeVまで増えるにつれ、C/Eは減少することが分かった。すべてのC/Eは1.00.2の範囲にあることを確認した。このことから、高エネルギーの中性子計算データは、NOBORUユーザーの実験データの分析に適切であることを示した。
中村 詔司; 芝原 雄司*; 遠藤 駿典; 木村 敦
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(3), p.259 - 277, 2021/03
被引用回数:5 パーセンタイル:47.80(Nuclear Science & Technology)マイナーアクチノイド核種の一つであるAmの中性子捕獲反応断面積の精度向上に係る研究開発を行った。先ず、崩壊ガンマ線の放出率を高い精度で整備して、Amの原子炉中性子照射によるAmの基底状準位Amの生成量をガンマ線測定で調べた。次に、アイソマーと基底準位を合わせたAmの生成量を、Cmへ崩壊させてアルファ線測定で調べた。照射したAm試料量、生成されたAmとAmの収量、及び中性子束の情報からAm(n,)AmとAm(n,)Am反応の熱中性子捕獲断面積、および共鳴積分を導出することができた。
大野 宏和; 武田 匡樹; 石井 英一
Extended abstract of International Conference on Coupled Processes in Fractured Geological Media; Observation, Modeling, and Application (CouFrac 2020) (Internet), 4 Pages, 2020/11
Low-permeability mudstone is a candidate host rock for radioactive waste disposal, but thermal-hydro-mechanically induced shear stresses and thermal pressurization due to the release of heat from radioactive waste may cause activation of faults in the host rock. Previous studies revealed that hydraulic connectivity of fractures in the deeper part of the Wakkanai Formation (siliceous mudstone) is limited and hence its effective permeability is very low. We performed an injection test on a fault in the deeper part to induce fault activation, and investigated the effect of fault activation on the hydraulic disconnectivity of the fault by analyzing pressure derivatives obtained by repetitive packer tests before and after the injection. The injection test successfully induced a remarkable dilational-shear failure within the fault, and the log-log plots of pressure derivatives changed after the failure from an upward-trend-type indicating a limited extent of flow-paths to a horizontal-trend-type suggesting well-connected flow-paths. The test-section pressure had already recovered when the horizontal-trend-type was observed. After the borehole had been open for 6 weeks, the pressure derivatives were restored to the upward-trend-type. We consider that self-sealing such as fracture closure by creep recovered the hydraulic disconnectivity of the fault after the failure.
松田 洋樹; 岩元 大樹; 明午 伸一郎; 竹下 隼人*; 前川 藤夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 483, p.33 - 40, 2020/11
被引用回数:3 パーセンタイル:32.71(Instruments & Instrumentation)大強度陽子加速器施設J-PARCにおいて、3GeV陽子入射による水銀標的から180度方向に放出される中性子のエネルギースペクトルを測定した。得られた結果は、粒子輸送計算コードPHITSによる計算結果と明らかな差異が見られ、その傾向はインジウムやニオビウムの放射化箔を用いた反応率実験の結果と一致することがわかった。鉛標的に対するGeV領域陽子入射中性子二重微分断面積の後方角におけるエネルギースペクトルの実験データとPHITSの核反応モデルを比較したところ、この差異は3GeV付近における核反応モデルによる中性子生成あるいは弾性散乱外断面積の記述に起因していることが示唆された。