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福島マップ事業対応部門横断グループ
JAEA-Technology 2025-013, 206 Pages, 2026/03
東京電力株式会社福島第一原子力発電所(福島第一原発)事故による放射性物質の分布状況を平成23年6月より調査してきた。本報告書は、令和6年度の調査において得られた結果をまとめたものである。空間線量率については、走行サーベイ、平坦地上でのサーベイメータによる定点サーベイ、歩行サーベイ及び無人ヘリコプターサーベイを実施し、測定結果から空間線量率分布マップを作成するとともにその経時変化を分析した。山間部モニタリングへの無人航空機の適用可能性を確認するため、山間部における無人航空機の基礎性能試験を実施した。放射性セシウムの土壌沈着量に関しては、in-situ測定及び土壌中深度分布調査をそれぞれ実施した。さらに、これまで蓄積した測定結果を基に空間線量率及び沈着量の実効半減期を評価した。令和6年度調査での走行サーベイや歩行サーベイ等により取得した空間線量率分布データを階層ベイズ統計手法を用いて統合し、福島第一原発から80km圏内及び福島県内の空間線量率統合マップを作成した。令和6年度測定結果のWEBサイトでの公開、総合モニタリング計画に基づく放射線モニタリング及び環境試料分析を実施した。避難指示解除区域への帰還後に想定される複数の代表的な生活行動パターンを設定し、積算の被ばく線量を算出するとともに当該地方自治体・住民に向けた説明資料を作成した。令和6年度調査や原子力規制庁等で実施した環境モニタリングの測定データの一部をCSV等の形式で保存した。モニタリング地点の重要度を相対的に評価するスコアマップを作成するとともに、過去からのスコアの変化要因について考察しモニタリング地点の重点化及び最適化のための基礎評価を実施した。海水中のトリチウム濃度の評価結果を原子力規制庁へ報告する体制を構築・運用し、ALPS処理水の海洋への放出前後のトリチウム濃度の変動に着目して解析評価した。総合モニタリング計画に基づき実施された海域モニタリングの測定結果を集約するとともに、過去からの変動などに関して解析評価を行った。
-wave
baryonsSu, N.*; Chen, H.-X.*; Gubler, P.; 保坂 淳
Physical Review D, 113(1), p.016005_1 - 016005_7, 2026/01
被引用回数:1Using the QCD sum rule method, we investigate the mass splitting for the spin-orbit partner states of the
baryon assuming that it is a
-wave excitation with
. This study is an extension of a previous work, in which the masses of these states were estimated with uncertainties too large to extract the reliable mass splitting. In the present study, by directly formulating a sum rule for the mass splitting, we obtain an improved prediction,
MeV. This result provides a more quantitative insight into the spectrum of
-wave
baryons and serves as a useful reference for future experiments.
from QCD sum rulesSu, N.*; Chen, H.-X.*; Gubler, P.; 保坂 淳
Proceedings of Science (Internet), 500, p.076_1 - 076_6, 2026/01
We investigate the recently observed
baryon using QCD sum rules. By constructing P-wave
baryon currents and performing spin projection and parity projection, we obtain the masses of the
and
states as
GeV and
GeV, in good agreement with experiment. This suggests that
is likely to be a negative parity P-wave excited state, though its spin remains undetermined and requires further study of its decay properties.
廃炉環境国際共同研究センター; 北海道大学*
JAEA-Review 2025-041, 79 Pages, 2025/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和5年度に採択された「燃料デブリ除去に向けた様々な特性をもつメタカオリンベースのジオポリマーの設計と特性評価」の令和5年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、燃料デブリや汚染水処理に伴う放射性廃棄物を安定化・固化するために、高い流動性と閉じ込め性能を持ち、かつホウ素の添加による中性子吸収能を兼ね備えたメタカオリンベースのジオポリマーのポテンシャルを実証し、仕様とレシピを確立する。令和5年度は、ホウ素の有無を伴う特性の異なるメタカオリンジオポリマーの設計および評価、メタカオリンベースのジオポリマーと水酸化鉄(III)コロイドの相互作用、ジオポリマーのキャラクタリゼーションと模擬廃棄物固化体の特性評価を中心に研究を進め、各目標を達成した。ソブエクレー社の異なる種類のメタカオリン原料を用いて調査を実施し、反応性に関連する粒度および焼成温度の異なる試料がメタカオリンの溶解度に与える影響を明らかにした。これらの試料が、作製したジオポリマーの流動性および硬化性にも顕著な影響を及ぼすことを確認し、さらにホウ素添加によるアルカリ溶液の特性変化や硬化時間の延長効果を確認した。また、コロイドとの相互作用においては、ジオポリマー固化体中でのコロイドの閉じ込めと寸法変化を評価し、体積変化を自動記録できる装置を設計・適用することで膨張が抑制される条件を明らかにして、模擬廃棄物の固化体を作製し、硬化過程での粘度変化、硬化時間および硬化中の温度変化を測定した。また、圧縮強度測定および照射施設を用いた
線照射試験を行い、水素発生量の測定を通じて、固化体の物性に関する重要な基礎データを取得した。研究推進においては、北海道大学、JAEA、ソブエクレー社、シェフィールド大学との連携を強化し、定期的な会議やデータ共有を行い、令和6年度以降の計画を具体化するとともに人材育成プログラムも開始した。
古野 朗子; 大森 隆太*; 舘岡 永憲*; 皆川 友哉*; 栗原 寿幸; 山本 洋一; 冨田 豊
Pure and Applied Geophysics, 182(12), p.5175 - 5188, 2025/12
被引用回数:1 パーセンタイル:18.33(Geochemistry & Geophysics)包括的核実験禁止条約(CTBT)沖縄核種監視所(JPP37)は、沖縄本島中部の東シナ海に面した丘の上にあり、島内には原子力施設はないが、時折Cs-137が検出される。本研究では、JPP37におけるCs-137の検出に焦点を当て、近隣の観測点における同時検出の比率や、東アジア内陸部から飛来する黄砂との関係を調べた。解析対象であるJPP37における2020年から2023年までのCs-137検出は春に高頻度であった。東アジアのCTBT放射性核種観測点9カ所のうち、北京、蘭州、モンゴルのウランバートルの検出値も春に高かった。このことから、東アジアにおける黄砂の検出との高い関連性が示唆された。そこで、日本のいずれかの地点で黄砂が観測された場合に、近隣の包括的核実験禁止条約準備機関(CTBTO)の国際監視システム(IMS)9地点でCs-137の検出を確認した。また、高崎、北京、蘭州、ウランバートルで高い検出率を示した。このことから、日本周辺の東アジア地域のIMS粒子状放射性核種観測点で主に春に観測されたCs-137は、黄砂により運搬されるグローバルフォールアウトの影響を拾っている可能性が高いと推察される。さらに、日本近海に飛来する黄砂について予備的な放出源推定解析を行った。大気拡散シミュレーションでは、Cs-137が黄砂の放出源である砂漠から放出されたと仮定して、近傍のIMS粒子状核種観測点でCs-137が検出されたことを説明した。
高橋 時音; 小泉 光生; 吉見 優希*; 持丸 貴則*
JAEA-Technology 2025-007, 26 Pages, 2025/11
イベント会場等にテロ行為目的で核・放射性物質が持ち込まれることを防ぐため、放射線検出器により、出入りする人や車両を個別に検査する手法が一般的に用いられている。しかし、こうした検査をすり抜ける可能性があるため、補完的にゲート内の広範囲にわたる放射線サーベイを行い、核・放射性物質が持ち込まれていないことを確認する必要がある。広いエリアを効率的に放射線サーベイする手法として、GPSを搭載したガンマ線検出器を用い、移動しながら測定した位置情報と線量を記録する「放射線マッピング」が有効である。ネットワークを利用すると、複数台の検出器からのGPSと測定データを指揮所で集計し、測定の進行状況や、測定した放射線量マップをリアルタイムで確認することが可能となる。このような仕組みを導入することにより、測定の重複や抜け落ちを防ぐとともに、不審な放射線源を迅速に検出できるようにできる。さらに、ガンマ線検出器にスペクトロメーターを導入すると、放射性同位体の同定に基づく適切な対処が可能となる。このような広域放射線サーベイを行うため、リアルタイムマッピングソフトウェアを開発した。開発したソフトウェアは、GPS付ガンマ線スペクトルメーターから送信される測定データを受け、リアルタイムで逐次処理し、あらかじめダウンロードしておいた地図データ上に描画する。また、線量の上昇した領域でスペクトルを積算することにより放射性同位元素の同定が行え、それに基づいて対処法が決定できるようになった。さらに、本ソフトウェアは、情報セキュリティを向上させるため、ローカルネットワークのみでも利用できるようになっている。本報告書では、開発したソフトウェアの概要を紹介するとともに、エッセンスを簡易化したコードを付録で提供する。提供したコードは、オープンかつフリーのOS、ライブラリ、環境で開発しており、誰でも導入して使用可能である。
廃炉環境国際共同研究センター; 福井大学*
JAEA-Review 2025-036, 88 Pages, 2025/11
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社(以下、「東京電力」という。)福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和5年度に採択された研究課題のうち、「高バックグラウンド放射線環境における配管内探査技術の開発」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、東京電力へのヒアリングで配管内部観察について示された、(1)水素含有量、(2)析出物の存在、(3)
線/
線の放出核種の有無の3つのニーズに対応する技術を総合的に開発することを目的に、下記の2つの研究を実施している。まず、既存の非破壊検査装置の小型化と非破壊で配管内部をイメージング可能な専用の放射線検出器の開発により、レーザ等を用いた非破壊検査により配管内の情報を取得すること及び配管内の
核種の有無や配管等の内部状況を明らかにすることを目的とする。また、高線量率環境下における
核種の可視化、
核種の弁別判定を行う装置を開発するとともに配管内の内容物を調査する技術を開発する。開発した技術の展開は、東京電力、民間企業によって実用化されることを見込む。
Zhang, H.*; 梅原 裕太郎*; 堀口 直樹; 吉田 啓之; 江藤 淳朗*; 森 昌司*
Energy, 335, p.138090_1 - 138090_18, 2025/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Thermodynamics)原子力発電は、カーボンニュートラルな未来を実現するための重要な低炭素エネルギー源である。沸騰水型原子炉(BWR)では、燃料棒周囲における蒸気と水の環状流が原子炉の安全性にとって極めて重要であるが、その高温高圧条件(285
C、7MPa)により、直接計測が困難である。この問題に対処するため、我々はHFC134a-エタノール系を低温定圧条件(40
C、0.7MPa)で用いることで、BWRの液膜流の模擬実験を実施した。高速度カメラと定電流法を用いて、液膜特性、波速度および周波数を分析した。また表面張力と界面せん断応力の影響を調査した。さらに基底液膜厚さについて新たな相関関係を提案した。
山口 雄司; 新倉 潤*; 水野 るり恵*; 反保 元伸*; 原田 正英; 河村 成肇*; 梅垣 いづみ*; 竹下 聡史*; 羽賀 勝洋
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 567, p.165801_1 - 165801_11, 2025/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)試料放射化計算コードの開発の一環として、新規実験データを取得してモンテカルロシミュレーションモデルを検証するために、負ミュオン原子核捕獲における放射性核種生成確率を測定した。
Al、
Si、
Co、
Ta標的を用いて放射化法により取得した確率は、既存の実験データでは困難な物理過程に対するモデルの検証を可能にするものである。測定した確率と計算データとを比較することで、計算が放射化見積もりにおいておよそ安全側にあることがわかった。一方で、核異性体の生成過程や多数の中性子放出及び陽子が関与する粒子放出に起因する放射性核種の生成過程の記述を改良する必要があることもわかった。これらの成果は、シミュレーションモデル改良の手がかりとなる。
廃炉環境国際共同研究センター; 福井大学*
JAEA-Review 2025-007, 120 Pages, 2025/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「燃料デブリ周辺物質の分析結果に基づく模擬デブリの合成による実機デブリ形成メカニズムの解明と事故進展解析結果の検証によるデブリ特性データベースの高度化」の令和3年度から令和5年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、酸化物デブリの形成条件の推定研究として、ガス浮遊法や微小な穴を持つタングステンパイプから溶融・噴出させる方法によりウランを含有する模擬燃料粒子を合成し、その生成条件と性状をまとめた。また、JAEAによりサンプリングデータに基づき作成された凝固パス図を再現し、鉄の挙動が熱力学予測と少し異なる結果などを得た。金属デブリの混合・溶融・凝固状態の評価では、溶融させた金属デブリのステンレスへの落下試験や溶融ステンレスの模擬金属デブリへの落下試験を行いその生成物を分析した。その結果ステンレス鋼温度が1000
C程度の場合は溶融金属のZr濃度に関わらず薄い反応相を形成してステンレス鋼損傷が抑制されることがわかり、またB
C及びジルカロイのステンレス鋼融体への溶出速度を定量化した。さらに、ステンレス鋼とZrの混合物の各種圧力容器部材や溶接部材との反応速度データを拡充し、大型試験体系での解析可能な簡素化反応速度式を提案した。また、圧力容器下部の材質を参照した大型試験体の実験と反応速度式より、溶融金属と圧力容器構造材との反応による圧力容器下部破損挙動や溶融物流出挙動を評価した。さらに、圧力容器下部におけるデブリ再溶融過程でのウラン化合物とステンレス鋼等の金属物質の反応試験データを拡充し、金属デブリ層へのウラン移行挙動を評価した。また、試験技術の整備として、二酸化ウランとZrと金属との半溶融模擬デブリの合成と分析、CCIM炉とガス浮遊炉を用いた少量のウランの模擬燃料デブリ合成試験の検討を行った。
Cm(
Ti,xn)
Og reaction cross sectionGall, B. J.-P.*; 浅井 雅人; 伊藤 由太; 豊嶋 厚史*; 他30名*
Journal of the Physical Society of Japan, 94(9), p.094201_1 - 094201_9, 2025/09
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Physics, Multidisciplinary)
Tiビームを
Cm標的に照射してOg同位体を探索する実験を理化学研究所の仁科加速器科学研究センターにて実施した。準弾性後方散乱の励起関数から導出した準弾性散乱障壁分布より最適ビームエネルギーを決定した。実験の結果、Og同位体の崩壊は見つからず、1事象検出断面積として0.27pb、1
信頼度の断面積上限値として0.50pbの値を見積もることができた。
佐々木 祐二; 金子 政志; 熊谷 友多; 伴 康俊
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 8, p.202 - 204, 2025/09
2種の抽出剤(TODGA, ADAAM)と1種のマスキング剤(DTBA)が原子力機構で開発された。TODGAはアクチノイド(An)とランタノイド(Ln)の同時抽出、DTBAはAnとLnの相互分離、ADAAMは高いAm/Cm分離比(6)を示す。これらの試薬を使って、LnからAnの有効な分離法やAmの単離を検討した。ここではTODGA, DTBA, ADAAMを使った基礎的な抽出挙動を示し、An+Ln一括抽出、An/Ln分離、Am/Cm分離の有効な水相、有機相条件を提案する。
長住 達; 長谷川 俊成; 中川 繁昭; 久保 真治; 飯垣 和彦; 篠原 正憲; 七種 明雄; 野尻 直喜; 齋藤 賢司; 古澤 孝之; et al.
JAEA-Research 2025-005, 23 Pages, 2025/07
高温ガス炉の異常状態での安全性を示すため、HTTRを用いて安全性実証試験を行った。制御棒による停止操作の失敗事象を模擬した状態で、原子炉熱出力100%(30MW)での定常運転時に1次ヘリウムガス循環機を急停止させ、炉心の強制循環冷却機能が全喪失した後の原子炉出力および原子炉圧力容器まわり温度の経時変化データを取得した。事象発生(冷却材の流量がゼロ)後、炉心温度上昇に伴う負の反応度フィードバックにより原子炉熱出力は速やかに低下し、再臨界を経て低出力(約1.2%)の安定な状態まで原子炉出力が自発的に移行することを確認した。また、原子炉圧力容器表面から、その周囲に設置されている炉容器冷却設備(水冷パネル)への放熱により、低出力状態で原子炉温度を一定化させるために必要な除熱量が確保されることを確認した。このように、出力100%(30MW)で炉心強制冷却を停止したケースにおいて、能動的停止操作をせずとも原子炉の状態が事象発生から安定的(安全)状態へ移行すること、すなわち高温ガス炉の固有の安全性を実証した。
杉田 裕; 大野 宏和; Beese, S.*; Pan, P.*; Kim, M.*; Lee, C.*; Jove-Colon, C.*; Lopez, C. M.*; Liang, S.-Y.*
Geomechanics for Energy and the Environment, 42, p.100668_1 - 100668_21, 2025/06
被引用回数:2 パーセンタイル:77.28(Energy & Fuels)国際共同プロジェクトDECOVALEX-2023は、数値解析を使用してベントナイト系人工バリアの熱-水-応力(または熱-水)相互作用を研究するためのタスクDとして、幌延人工バリア性能確認試験を対象とした。このタスクは、モデル化のために、1つの実物大の原位置試験と、補完的な4つの室内試験が選択された。幌延人工バリア性能確認試験は、人工的な地下水注入と組み合わせた温度制御非等温の試験であり、加熱フェーズと冷却フェーズで構成されている。6つの研究チームが、さまざまなコンピューターコード、定式化、構成法則を使用して、熱-水-応力または熱-水(研究チームのアプローチによって異なる)数値解析を実行した。
佐々木 祐二; 金子 政志; 熊谷 友多; 伴 康俊
Solvent Extraction and Ion Exchange, 43(5-6), p.768 - 784, 2025/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)ADAAM(EH)-DTBA抽出系を使って高レベル廃液からAnとLnの相互分離法を開発した。ADAAM(EH)はCmと中希土からAmの分離が可能である。また、pH:2以下の条件でDTBAを用いるとAmと軽希土の分離が可能となり、Nd/Am分離比は10を超える。したがって、この抽出系はCmとLnの混合相からAmの単離を可能とする。DFT計算により、金属-DTBAの錯形成の特徴が明らかになり、NdよりAmとDTBAの結合が高いことを示唆した。
Auh, Y. H.*; Neal, N. N.*; Arole, K.*; Regis, N. A.*; Nguyen, T.*; 小川 修一*; 津田 泰孝; 吉越 章隆; Radovic, M.*; Green, M. J.*; et al.
ACS Applied Materials & Interfaces, 17(21), p.31392 - 31402, 2025/05
被引用回数:4 パーセンタイル:79.09(Nanoscience & Nanotechnology)MXenes are a promising class of 2D nanomaterials and are of particular interest for gas barrier application. However, MXene nanosheets naturally bear a negative charge, which prevents assembly with negatively charged polymers, such as polyacrylic acid (PAA), into gas barrier coatings. Here, we present MXene- and PAA-based layer-by-layer (MXene/PAA LbL) multilayers formed by leveraging hydrogen bonding interactions. When assembled in acidic conditions, MXene/PAA LbL films exhibit conformal, pin-hole free, nacre-like structures. The MXene/PAA LbL films yield high blocking capability and low permeability (0.14
0.01 cc mm m
day
MPa
) for hydrogen gas. These nacre-like structures are also electronically conductive (up to 370
30 S cm
). Specifically, the reversible deconstruction of these films under basic conditions is experimentally verified. This study shows that hydrogen bonding interactions can be leveraged to form MXene LbL multilayers as gas barriers, electronically conducive coatings, and deconstructable thin films via pH control.
Wilson, J.*; 笹本 広; 舘 幸男; 川間 大介*
Applied Clay Science, 275, p.107862_1 - 107862_15, 2025/05
被引用回数:4 パーセンタイル:81.90(Chemistry, Physical)高レベル放射性廃棄物の処分場では、鉄または鋼製ベースの容器/オーバーパック及びベントナイト緩衝材が用いられる。25年以上にわたり、鉄とベントナイトの相互作用に関わる研究が行われ、その中では、特に膨潤性粘土(スメクタイト)の鉄に富んだ層状珪酸塩(膨潤能が欠落する鉱物も存在)への変質可能性について検討がなされた。このような変質が生じると、人工バリア材の一つである緩衝材に期待されている膨潤性の欠落或いは低下を引き起こし、せん断応力に対するオーバーパックの保護性、水や溶質の移行抑制にも影響を与える。鉄とベントナイトの相互作用に関わるデータの多くは、実験及び地球化学モデリングによるものであり、ナチュラルアナログによるデータには乏しい。これらの既往データによれば、スメクタイト(アルミ質のモンモリロナイト)が鉄に富んだ固相(層状珪酸塩を含む)に変質したものや、グリーンラスト又は磁鉄鉱のような腐食生成物を伴う鉄に富んだ変質ゾーンが生成される可能性が示唆される。一方、このような変質ゾーンについての実態は複雑であり、現状での理解は不十分な部分もある。25年以上にもわたり研究が行われているにもかかわらず不確実な部分も多いが、今回のレビューにより、鉄とベントナイトの相互作用に伴い生じる尤もらしいシナリオが認識され、考えられ得る緩衝材特性への影響についても提示された。
大内 和希; 植野 雄大; 渡邉 雅之
Scientific Reports (Internet), 15, p.18515_1 - 18515_7, 2025/05
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Multidisciplinary Sciences)ウランと鉄を活物質とする非水系蓄電池を初めて実証した。このウラン-鉄蓄電池は、約1.3Vの開回路電圧と安定したサイクル特性を示し、86
2%の良好なクーロン効率を示した。これらの特徴は、劣化ウランを革新的な用途に活用するための有望な手段を示唆している。
Niu, X.*; Elakneswaran, Y.*; Li, A.*; Seralathan, S.*; 菊池 亮佑*; 平木 義久; 佐藤 淳也; 大杉 武史; Walkley, B.*
Cement and Concrete Research, 190, p.107814_1 - 107814_17, 2025/04
被引用回数:8 パーセンタイル:85.46(Construction & Building Technology)Metakaolin-based geopolymers have attracted significant interest in decontaminating radioactive debris from the Fukushima nuclear accident. This study explored the incorporation of boron (B) into geopolymers using boric acid as the source, with the goal of developing B-enriched geopolymers for enhanced radionuclide immobilisation and neutron capture potential.
金田 結依; 小林 徹; 辻 卓也; 本田 充紀; 横山 啓一; 万福 裕蔵*; 矢板 毅*
Clays and Clay Minerals, 73, p.e26_1 - e26_8, 2025/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)福島の土壌に豊富に含まれる粘土鉱物である風化黒雲母(WB)に収着した安定セシウム(Cs)の脱着挙動を、ボールの衝突による物理的粉砕と化学反応を促進する湿式プロセスを組み合わせたメカノケミカル(MC)法を用いて調査した。その結果、シュウ酸溶液を用いた場合、粘土鉱物の層状構造に大きな影響を与えることなく、ある程度Csを脱着した。一方、塩化アンモニウム溶液では層状構造の剥離が確認され、安定的なCsの脱着をもたらした。福島で採取された実土壌試料においては、塩化アンモニウム溶液を用いたMC法により
Csの80%が脱着された。対照的に、シュウ酸溶液ではすべての試料で放射性Csを十分に脱着できるとは限らなかった。これらの結果から、塩化アンモニウム溶液を用いたMC法は、層状構造の剥離と化学的相互作用による相乗効果によって、粘土鉱物の層間から放射性Csの脱着を効果的に促進することが示唆された。