Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
竹田 武司
JAEA-Data/Code 2024-014, 76 Pages, 2024/12
ROSA-V計画において、大型非定常実験装置(LSTF)を用いた実験(実験番号:SB-PV-03)が2002年11月19日に行われた。ROSA/LSTFSB-PV-03実験では、加圧水型原子炉(PWR)の0.2%圧力容器底部小破断冷却材喪失事故を模擬した。このとき、非常用炉心冷却系(ECCS)である高圧注入系の全故障とともに、蓄圧注入(ACC)タンクから一次系への非凝縮性ガス(窒素ガス)の流入を仮定した。また、アクシデントマネジメント(AM)策として両蒸気発生器(SG)二次側減圧を安全注入設備信号発信後10分に一次系減圧率55K/hを目標として開始し、その後継続した。さらに、AM策から少し遅れて両SG二次側への30分間の補助給水を開始した。ACCタンクから一次系への窒素ガスの流入開始まで、AM策は一次系減圧に対して有効であった。ACC系から両低温側配管への間欠的な冷却材注入により、炉心水位は振動しながら回復した。このため、炉心水位は小さな低下にとどまった。窒素ガスの流入後、一次系とSG二次側の圧力差が大きくなった。窒素ガス流入下におけるSG伝熱管でのリフラックス凝縮時に、ボイルオフによる炉心露出が生じた。模擬燃料棒の被覆管表面最高温度がLSTFの炉心保護のために予め決定した値(908K)を超えたとき、炉心出力は自動的に低下した。炉心出力の自動低下後、ECCSである低圧注入(LPI)系から両低温側配管への冷却材注入により、全炉心はクエンチした。LPI系の作動を通じた継続的な炉心冷却を確認後、実験を終了した。本報告書は、ROSA/LSTFSB-PV-03実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。
竹田 武司
JAEA-Data/Code 2021-006, 61 Pages, 2021/04
ROSA-V計画において、大型非定常実験装置(LSTF)を用いた実験(実験番号: SB-PV-09)が2005年11月17日に行われた。ROSA/LSTF SB-PV-09実験では、加圧水型原子炉(PWR)の1.9%圧力容器頂部小破断冷却材喪失事故を模擬した。このとき、非常用炉心冷却系(ECCS)である高圧注入系の全故障と蓄圧注入(ACC)タンクから一次系への非凝縮性ガス(窒素ガス)の流入を仮定した。実験では、上部ヘッドに形成される水位が破断流量に影響を与えることを見出した。アクシデントマネジメント(AM)策として、両ループの蒸気発生器(SG)逃し弁開放によるSG二次側減圧を炉心出口最高温度が623Kに到達した時点で開始した。SG二次側圧力が一次系圧力に低下するまで、このAM策は一次系減圧に対して有効とならなかった。一方、炉心出口温度の応答が遅くかつ緩慢であるため、模擬燃料棒の被覆管表面最高温度がLSTFの炉心保護のために予め決定した値(958K)を超えたとき、炉心出力は自動的に低下した。炉心出力の自動低下後、低温側配管内でのACC水と蒸気の凝縮により両ループのループシールクリアリング(LSC)が誘発された。LSC後、炉心水位が回復して炉心はクエンチした。ACCタンクから窒素ガスの流入開始後、一次系とSG二次側の圧力差が大きくなった。ECCSである低圧注入系の作動を通じた継続的な炉心冷却を確認後、実験を終了した。本報告書は、ROSA/LSTF SB-PV-09実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。
竹田 武司
JAEA-Data/Code 2018-003, 60 Pages, 2018/03
LSTFを用いた実験(実験番号:SB-PV-07)が2005年6月9日に行われた。SB-PV-07実験では、PWRの1%圧力容器頂部小破断冷却材喪失事故を模擬した。このとき、高圧注入(HPI)系の全故障と蓄圧注入(ACC)タンクから一次系への非凝縮性ガス(窒素ガス)の流入を仮定した。実験では、上部ヘッドに形成される水位が破断流量に影響を与えることを見出した。一番目のアクシデントマネジメント(AM)策として、手動による両ループのHPI系から低温側配管への冷却材の注入を炉心出口最高温度が623Kに到達した時点で開始した。炉心出口温度の応答が遅くかつ緩慢であるため、燃料棒表面温度は大きく上昇した。AM策に従い、炉心水位が回復して炉心はクエンチした。また、二番目のAM策として、両ループの蒸気発生器(SG)逃し弁開放によるSG二次側減圧を一次系圧力が4MPaに低下した時点で開始したが、SG二次側圧力が一次系圧力に低下するまで一次系減圧に対して有効とならなかった。ACCタンクから窒素ガスの流入開始後、一次系とSG二次側の圧力差が大きくなった。本報告書は、SB-PV-07実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。
竹田 武司
JAEA-Data/Code 2015-022, 58 Pages, 2016/01
LSTFを用いた実験(実験番号: SB-HL-12)が1998年2月24日に行われた。SB-HL-12実験では、PWRの1%高温側配管小破断冷却材喪失事故を模擬した。このとき、高圧注入系の全故障とともに、蓄圧注入系(ACC)タンクからの非凝縮性ガス(窒素ガス)の流入を仮定した。また、アクシデントマネジメント(AM)策として両ループの蒸気発生器(SG)逃し弁全開による減圧を燃料棒表面最高温度が600Kに到達直後に開始した。一回目のボイルオフによる炉心露出に起因したAM策開始後、一次系圧力は低下したため、炉心二相混合水位は上昇し、燃料棒表面温度は635Kまでの上昇にとどまった。低温側配管内でのACC水と蒸気の凝縮に誘発されたループシールクリアリング(LSC)前に、二回目のボイルオフによる炉心露出が生じた。LSC後速やかに炉心水位は回復し、燃料棒表面温度は696Kまでの上昇にとどまった。窒素ガスの流入開始後、一次系とSG二次側の圧力差が大きくなった。SG伝熱管でのリフラックス凝縮時に、三回目のボイルオフによる炉心露出が生じ、燃料棒表面最高温度が908Kを超えた。本報告書は、SB-HL-12実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。
竹田 武司
JAEA-Data/Code 2014-021, 59 Pages, 2014/11
LSTFを用いた実験(実験番号: SB-CL-32)が1996年5月28日に行われた。SB-CL-32実験では、PWRの1%低温側配管小破断冷却材喪失事故を模擬した。このとき、非常用炉心冷却系である高圧注入系の全故障とともに、蓄圧注入系(ACC)タンクから非凝縮性ガスが流入しないと仮定した。また、アクシデントマネジメント(AM)策として両ループの蒸気発生器(SG)二次側減圧を破断後10分に一次系減圧率200K/hを目標として開始した。AM策開始後、SG二次側圧力の低下にしたがって一次系圧力は低下した。クロスオーバーレグの下降流側水位の低下とともに、ボイルオフによる炉心露出が開始した。一回目のループシールクリアリング(LSC)後速やかに炉心水位は回復し、模擬燃料棒表面温度は669Kまで上昇した。一次系減圧にしたがい低温側配管内でのACC水上の蒸気凝縮に誘発された二回目のLSC前に、ボイルオフによる炉心露出が生じた。二回目のLSC後速やかに炉心水位は回復し、観測された燃料棒表面最高温度は772Kであった。ACC隔離後、低圧注入系の注水による継続的な炉心冷却を確認して実験を終了した。本報告書は、SB-CL-32実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。
峰原 英介; 羽島 良一; 沢村 勝; 永井 良治; 菊澤 信宏; 西森 信行; 飯島 北斗; 西谷 智博; 木村 秀明*; 小栗 第一郎*; et al.
Proceedings of 13th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-13) (CD-ROM), 10 Pages, 2005/05
原研FELは最近新しく255フェムト秒極短パルス,6-9%高効率,1GWピーク出力,数kW平均出力,中赤外から遠赤外に渡る広い波長可変性を同時に実現する発振を発見した。この新しい発振とエネルギー回収リニアック技術を用いて、原子力産業,製薬,医学,防衛,造船,環境科学,宇宙ごみ処理,エネルギー伝送などの応用のために、われわれは10kWよりも高出力で25%よりも高効率な自由電子レーザーを実現できる。そのような波長可変,高効率,高平均出力,高ピーク出力,極短パルスFELを実現するために、われわれは原研独自のコンパクト,自立式,無蒸発,エネルギー回収型超伝導高周波線型加速器によって駆動される高効率で高出力なFELが必要である。われわれのFELに関する議論は、原子力発電所を廃炉するための非熱穿孔,切断,剥ぎ取り応用や原子力産業分野における応力腐食割れを防止することや産業用FELのロードマップ,原研独自のコンパクト,自立式,無蒸発,エネルギー回収型超伝導高周波線型加速器によって駆動される高効率で高出力なFELを含んでいる。
峰原 英介
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 483(1-2), p.8 - 13, 2002/05
被引用回数:21 パーセンタイル:76.73(Instruments & Instrumentation)原研FELグループは、波長可変,高効率,高平均出力,高ピーク出力,極短パルス自由電子レーザーを21世紀のスーパーツール,工業用自由電子レーザーとして実現するために、エネルギー回収配位を持つ小型自立式無蒸発型超伝導リニアックによって駆動される自由電子レーザー概略設計し、開発した。ここでは、工業用自由電子レーザーに対する市場からの要求,8年に渡る原研小型自立式無蒸発型冷凍装置の運転経験とその開発概念から得られる答え,新しい高効率,高出力,極短パルス発振モードの発見,エネルギー回収配置に関する議論が含まれる。
峰原 英介; 羽島 良一; 沢村 勝; 永井 良治; 西森 信行; 菊澤 信宏; 杉本 昌義; 山内 俊彦; 早川 岳人; 静間 俊行
Proceedings of 13th Symposium on Accelerator Science and Technology, p.150 - 154, 2001/10
われわれは工業的な利用、例えば、医薬品,医療,防衛,造船,半導体産業,化学産業,環境科学,スペースデフリ,エネルギー伝送など、のために強力で効率的なFELが必要である。そのような波長可変,高効率,高平均出力,高ピーク出力,極短パルス自由電子レーザーを実現するために、原研FELグループは、エネルギー回収配位を持つ小型自立式無蒸発型超伝導リニアックによって駆動される自由電子レーザー概略設計し、開発した。この装置に関して議論は、工業用自由電子レーザーに対する市場からの要求,8年に渡る原研小型自立式無蒸発型冷凍装置の運転経験とその概念からのある重要な解答,新しい高効率高出力極短パルス発振モードの発見,エネルギー回収配置が含まれる。
峰原 英介; 杉本 昌義; 沢村 勝; 永井 良治; 菊澤 信宏; 西森 信行
Proc. of 11th Symp. on Accelerator Sci. and Technol., P. 236, 1997/00
原研自由電子レーザーは、現在原研独自の無蒸発型の4K冷凍機を組み込んだ超伝導リニアックを使用している。この世界最大の無蒸発型冷凍機システムは、(1)冷凍機の有害な振動、(2)冷却温度の下限(4K)、(3)冷凍能力の上限(20W)、(4)低い熱効率という4つの欠点を持っている。これらの欠点を以下の方策で解決を図ってきた。(1)は、無振動冷凍機の採用と防振の工夫による振動の低減を図っている。(2)は、He3ガスを動作流体として、超流動を発生させずに2K以下への冷却温度下限の延伸を図っている。(3)は、熱効率が極大となる単位冷凍機当たりの冷凍能力(4.2Kにて10W程度)を単位として冷凍能力の増加を図っている。(4)は、低温部での比熱の低下を補う磁性蓄冷材を用いて熱効率の改善を図った結果、大型液化器と同等の熱効率が達成された。
熊丸 博滋; 村田 秀男; 近藤 昌也; 久木田 豊
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.217 - 222, 1995/00
原子炉の小破断LOCA時等に生じる炉心ボイルオフ(極低流量)状態における炉心内混合水位等の評価に重要な高温高圧条件下のバンドル内局所ボイド率を、光学式ボイド計により測定した。実験は、燃料集合体を模擬した24本ロッドバンドル試験部において、圧力3MPa、質量流束11~90kg/ms、クオリテイ0.06~0.77の範囲で実施した。光学式ボイド計によりバンドル直径に沿った局所ボイド率分布を測定するとともに、
線型密度計による直径に沿った弦平均ボイド率及び差圧計による体積(面積)平均ボイド率を測定した。気泡流~スラグ流~環状流と変化するに従い、測定した局所ボイド率分布は凸形より平坦形へ、気泡通過頻度は凸形より凹形へ変化した。弦平均ボイド率(
線による)は体積平均ボイド率(差圧による)より常に大きい値を示したが、これは局所ボイド率分布の流路断面内分布によることが明らかになった。
熊丸 博滋; 近藤 昌也; 村田 秀男; 久木田 豊
Nucl. Eng. Des., 150, p.95 - 105, 1994/00
被引用回数:36 パーセンタイル:92.62(Nuclear Science & Technology)PWR炉心ロッドバンドル模擬形状内のボイド率を、圧力=3~12MPa、質量流束=5~100kg/msのボイルオフ条件下で測定した。実験結果より、本研究で比較した相関式及びモデルの中では、Chexal-Lelloucheのモデルが最も良く(面積平均)ボイド率を予測することが明らかとなった。差圧測定値より得られた面積平均ボイド率は、ガンマ線密度計より得られた弦平均ボイド率より系統的に小さい値を示した。光学式ボイド計を用いて、非加熱水-蒸気二相流について同じバンドル内で局所ボイド率を測定した。面積平均ボイド率と弦平均ボイド率の差は、測定されたバンドル内(断面内)局所ボイド率分布により定量的に説明することができた。
Guo, Z.*; 熊丸 博滋; 久木田 豊
JAERI-M 93-238, 20 Pages, 1993/12
小型定常二相流実験装置(TPTF)の55ロッドバンドル試験部を用いて、限界熱流束(CHF)実験を実施した。実験は、軽水炉の小破断冷却材喪失事故(LOCA)あるいはスクラム失敗事故(ATWS)時に発生する高圧下の炉心インベントリボイルオフ及び燃料棒ドライアウト状況を模擬して実施した。実験は、圧力:3~12MPa,質量流束:17~94kg/m
s及び熱流束:3.3~18W/cm
の範囲をカバーしている。実験データを低流量流動沸騰CHF相関式と比較し、それらの相関式の高圧ボイルオフ条件への適用性を検討した。実験では、ドライアウトは平衡クオリティがほぼ1になった位置において発生した。
近藤 昌也; 熊丸 博滋; 村田 秀男; 安濃田 良成; 久木田 豊
JAERI-M 93-200, 56 Pages, 1993/10
原子炉事故時の炉心冷却性能を予測するには、ボイルオフ条件下における炉心ボイド率の予測が重要である。本研究では小型定常二相流試験装置(TPTF)を用いて高温高圧条件下でボイルオフ実験を実施し、その実験結果を用いて既存のボイド率相関式及びモデルの適用性を評価した。実験はPWR1717型燃料集合体及びさらに稠密な炉心形状を模擬した試験部を使用した。その結果、1)Chexal-Lelloucheのモデルが最も良い予測を与えるが、高圧下では過小評価する傾向を示した,2)稠密型燃料集合体に対する予測性能はPWR型の燃料集合体に対する予測性能に比べて大きな相違は見られなかった。,3)ガンマ線型密度計と差圧計によるボイド率を比較したところ、ガンマ線型密度計によるボイド率が差圧計によるボイド率に比べて大きいという実験結果が得られたが、これは径方向ボイド率分布が平坦でないことに起因することが明らかになった。
塚本 英雄*; 和田山 芳英*; 小泉 徳潔; 礒野 高明; 高橋 良和; 西 正孝
JAERI-M 93-001, 25 Pages, 1993/02
超電導マグネットの安定性試験において超電導導体を高速加熱する方法として誘導加熱法が適用される。この方法で導体に実際に投入される熱量を定量的に測定できる装置を製作し、測定法の確立を試みた。測定法はヘリウム・ガス蒸発法で、その原理は誘導加熱に伴う液体ヘリウムの蒸発容積を測定し、蒸発熱から総投入熱量を算出するものである。装置の検証として、抵抗ヒータ加熱による蒸発容積測定の結果計算値と良く一致し、その有効性が確認された。また測定法の確立のために、ケーブル・イン・コンジット型導体の誘導加熱量を測定した結果、素線及びコンジットへの誘導加熱量、誘導ヒータの自己発熱量の各々が定量的に評価でき、安定性試験における入熱量の較正に本法が適用であることを実証した。
熊丸 博滋; 久木田 豊
Nucl. Eng. Des., 144, p.257 - 268, 1993/00
被引用回数:1 パーセンタイル:18.63(Nuclear Science & Technology)PWR(1717)型及び稠密格子型燃料バンドルについて、高圧・ボイルオフ(極低流量、質量流束100kg/m
s以下)条件下で熱伝達実験を実施した。限界熱流束(あるいはドライアウト点)及び混合水位(ドライアウト点)上方の熱伝達についての実験データをそれぞれ対応する幾つかの相関式等と比較した。限界熱流束及び混合水位上方の熱伝達とも、ボイルオフ条件下では、PWR型及び稠密格子型バンドル間で、大差はなかった。限界熱流束については、「完全蒸発の式」により良く予測できる。すなわち、ドライアウトは熱平衡クオリティが1になる高さ付近で発生することが明らかになった。また、混合水位上方の熱伝達については、輻射伝熱の寄与が大きいこと、及び膜温度(伝熱面温度と流体バルク温度の平均値)を物性値評価に使用すれば、Dittus-Boelterの式で良く予測できることが明らかになった。
熊丸 博滋; 久木田 豊
ANP 92: Proc. of the Int. Conf. on Design and Safety of Advanced Nuclear Power Plants,Vol. 3, p.24.4-1 - 24.4-7, 1992/00
PWR(1717)型及び稠密格子型燃料バンドルについて、高圧ボイルオフ(極低流量;質量流束100kg/m
s以下)条件下で熱伝達実験を実施した。限界熱流束(あるいはドライアウト点)及び混合水位(ドライアウト点)上方の熱伝達についての実験データをそれぞれ対応する幾つかの相関式等と比較した。限界熱流束及び混合水位上方の熱伝達とも、ボイルオフ条件下では、PWR型及び稠密格子型バンドル間で大差はなかった。限界熱流束については、「完全蒸発モデル」により良く予測できる、すなわち、トライアウトは熱平衡クオリティが1になる高さ付近で発生することが明らかになった。また、混合水位上方の熱伝達については、軸射伝熱の寄与が大きいこと、及び膜温度(伝熱面温度と流体バルク温度の平均値)を物性値評価に使用すれば、Dittus-Boelterの式で良く予測できることが明らかになった。
A.Annunziato*; C.Addabbo*; G.Briday*; R.Deruaz*; D.Juhel*; 熊丸 博滋; 久木田 豊; C.Medich*; M.Rigamonti*
Proc. of the 5th Int. Topical Meeting on Reactor Thermal Hydraulics: NURETH-5, p.1570 - 1576, 1992/00
コールドレグ小破断LOCAにおける支配的な熱水力現象に及ぼすスケール比の影響を調べるため、LSTF,BETHSY,LOBI及びSPESの4つの試験装置において、コールドレグ小破断LOCAカウンターパート実験を実施した。4つの実験の結果は、主要現象の発生は類似であり、相違する点は、各装置の固有の幾何学的特徴及びいくつかの特異な境界条件によって説明できることを明らかにした。例えば、ループシールクリアリング時の炉心の最低水位は、主としてループシール部の炉心との相対的高さの装置間での相違により、LSTF,SPES,BETHSY,LOBIの順に高くなることが分かった。4つの実験結果は、コールドレグ小破断LOCAに対するスケール比及びスケール化コンセプトの効果について最終的な結論を得るための解析コードによる解析に、そのベースを提供するものである。
中村 秀夫; 安濃田 良成; 久木田 豊
Proc. of the Int. Topical Meeting on Safety of Thermal Reactors, p.497 - 503, 1991/00
ROSA-IV/LSTFを用いて、原子炉停止後のミッドループオペレーション(1次系水位を低下させて各種メインテナンス作業)実施中の余熱除去(RHR)喪失事象を模擬した実験を実施した。ここでは、開口部やレグ閉鎖部の位置、蒸気発生器(SG)2次系冷却材の有無をパラメータとした3例の実験結果についてまとめた。実験では、いずれも炉心が沸騰して1次系が加圧され、その後連続的に、炉心露出を伴うループシール解除や長期間の炉心ボイルオフ等が観察された。その際2次系冷却材は、沸騰する炉心で生じる蒸気のSG細管内での蒸気凝縮を促進し、1次系冷却材の保持および圧力昇速度低下に有効となることが観察されたが、同時に事象発生時に1次系気相部を満たしていた非凝縮性ガス(空気)が、SG細管内での蒸気凝縮を強く防げる効果が有ることがわかった。