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竹石 敏治*; 片山 一成*; 西川 正史*; 正木 圭; 宮 直之
Journal of Nuclear Materials, 349(3), p.327 - 338, 2006/03
被引用回数:6 パーセンタイル:40.42(Materials Science, Multidisciplinary)本報告ではJT-60Uの重水素放電時に使用された等方性グラファイトバルク並びにCFCタイルバルクに蓄積されているトリチウムの放出実験を行い、タイルバルクからのトリチウム放出挙動や回収方法についての検討を行ったものである。今回トリチウム放出に使用したいずれのタイル試料も、放出前のSEM観察により明確なタイル表面での再堆積層の形成が認められなかった部分のものであり、タイルバルクからのトリチウムの放出挙動として扱うことができると考えられる。どのタイル試料においても乾燥ガスパージによって拡散によりタイルから放出されるトリチウムの一部はいったんバルク内の水酸基等にトラップされるためタイルに残留する。このトラップされたトリチウムの短時間での放出には同位体交換反応が有効であった。しかしながら、昇温操作(1200C)による高温状態での交換反応による回収操作を行ってもまだタイルに捕捉されているトリチウムの約1%は残留し、すべてのトリチウムの短時間での回収には酸素燃焼を行う必要があることがわかった。燃焼法については等方性グラファイト,CFCタイルともに約600
C以上で燃焼が確認されたが、800
C付近が有効な燃焼温度であることが判明した。
江里 幸一郎; 大楽 正幸; 谷口 正樹; 佐藤 和義; 鈴木 哲; 秋場 真人; Ibbott, C.*; Tivey, R.*
Fusion Science and Technology, 46(4), p.530 - 540, 2004/12
被引用回数:14 パーセンタイル:65.14(Nuclear Science & Technology)同軸冷却管を用いたITER用ダイバータ高熱流束機器の製作性実証及び繰り返し加熱時の耐久性実証を目的とした、大型ダイバータ試験体の製作及びイオンビームによる加熱実験の結果について報告する。同軸冷却管は銅合金(CuCrZr)製外管と外表面にねじりフィンを取り付けたステンレス製内管の2本の同心円管から構成される。試験体は炭素系複合材料(CFC)製アーマを冷却管にロウ付けした、垂直ターゲットと呼ばれるものである。冷却管材料であるCuCrZrは析出硬化型合金であるため、ロウ付け時の熱処理によりその強度が大きく異なる。そのため、CuCrZrの強度回復を兼ねたCFC材料とのロウ付け熱処理工程及びロウ材の選定試験を行い、大型試験体を製作した。また、本試験体で採用したアーマ部とバックプレート部摺動機構による冷却管に生じる熱応力の緩和効果を熱・機械解析を用いて検討した結果、摺動機構無の場合と比較して、冷却管に生じる応力振幅・ひずみ振幅は、ともに70%程度に低減していることを示した。本試験体がITERダイバータ熱負荷条件に相当する20MW/m,1000サイクル以上、15MW/m
,3000サイクル以上に耐えることを示す加熱試験結果を報告する。この成果はダイバータ製作の技術的可能性を示すものである。
鈴木 哲
高温学会誌, 30(5), p.243 - 247, 2004/09
核融合炉-主としてITER-における炉壁をプラズマ対向材及びその開発という観点から解説する。ダイバータでは、CFC材がインボード側及びアウトボード側垂直ターゲットの下部の表面材料として採用されており、その他の部分はすべてタングステンが採用されている。この理由としては、垂直ターゲットの下部における熱流束が非定常時において最大20MW/mに達し、より高熱伝導性の材料の採用が望ましいためである。ITERでは常温における熱伝導率が純銅を超えるような高熱伝導性のCFC材料を開発して採用している。一方、ダイバータの他の部分に入射する熱流束は5MW/m
以下であり、スパッタリングによる損耗が、表面材料の損耗の主因となる。したがって、タングステンのようにスパッタリング率の低い材料が好適である。また、第1壁は炉壁全面の約80%を占めるため、その表面材料にはプラズマとの適合性が強く求められる。また、第1壁への熱流束はプラズマからの放射熱が主であるため、ITERでは第1壁の表面材料として、粒子負荷等によるスパッタリングによってプラズマへ表面材料粒子が混入しても、プラズマへの影響が小さい低原子番号材料であるとともに、酸素不純物を低減する性質を有するベリリウムが採用されている。
後藤 純孝*
核融合炉, (11), p.34 - 37, 2004/03
JT-60UのW型ダイバータ領域における黒鉛タイル表面の損耗・再堆積に関する研究状況を報告する。分析したタイルは1997年6月-1998年10月のプライベートフラックス領域内側からの片側排気実験時期に使用され、2度のボロナイゼーション,約3000回以上の重水素放電プラズマに曝されたものである。ダイバータ板上のポロイダル方向の損耗深さ分布をダイヤルゲージで、また再堆積層厚さ分布を断面SEM観察により測定した。その結果、外側ダイバータ板では損耗が、また内側では再堆積が支配的であることを示した。ドーム頭頂部では連続的な再堆積層は見いだされない。損耗・再堆積のポロイダル非対称性はダイバータ領域におけるプラズマ条件の内外非対称性(内側がより低温・高密度)に起因すると解釈した。再堆積層の微構造には、柱状あるいは層状構造が存在し、それぞれ柱状組織はダイバータ板上における低熱流束、及び足位置直下の高熱流束の領域の再堆積層の上層で形成されることを示した。
中村 博文; 西 正孝
JAERI-Research 2003-024, 24 Pages, 2003/11
ITERダイバータ部におけるトリチウムの冷却水への透過量の再評価を行った。本評価は、ITERの設計緒元を用い、著者らが近年の実験研究で得てきたタングステンや銅における水素同位体の輸送物性値(拡散係数,トラップ因子,表面再結合係数等)を用いて行ったものである。比較のためにこれまでの評価で用いられてきたタングステンや銅等の輸送物性値を用いた評価も同様に実施した。ダイバータは、アーマ材領域とアーマ材が存在しないスリット領域に分類し、それぞれの領域について評価した。解析の結果、著者らの新知見に基づくトリチウム透過の評価値は、従来の輸送物性値の報告値を使用した結果よりもダイバータ供用期間末期において1桁以上低い値となった。また、新知見によるトリチウム透過はダイバータタイルのスリット領域からの透過が支配的となる可能性を見いだした。このような冷却水への少ないトリチウム透過量は、冷却水の直接排水の可能性をも示唆するように、現行のITERの運転期間中におけるダイバータ冷却水中トリチウム濃度の評価値が十分な安全裕度を有していることを確認するものである。
正木 圭; 柳生 純一; 新井 貴; 神永 敦嗣; 児玉 幸三; 宮 直之; 安東 俊郎; 平塚 一; 西堂 雅博
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.386 - 395, 2002/09
被引用回数:9 パーセンタイル:50.57(Nuclear Science & Technology)JT-60Uでは、大気解放後の第一壁コンディショニングとして、ベーキング,ヘリウムTDC,ヘリウムGDC,トカマク洗浄放電と順次実施し、到達真空度1010
Paを達成している。また、酸素不純物を低減するために、デカボラン(B
H
)を用いたボロナイゼーションを実施しており、プラズマ中の酸素不純物量を0.5%程度まで低減することに成功している。真空容器内に設置されるタイバータタイルは、高熱負荷に晒されるため高い設置精度が要求される。特にテーパー加工はタイルの段差による端部への熱集中を避けるのに有効であり、タイルの損耗を大きく減らすことができた。また、ダイバ-タ領域における堆積量及び損耗量の内外非対称性(ポロイダル方向)からは、外側ダイバータから内側ダイバータへの不純物の輸送が示唆されている。1992年及び1993年には、CFCタイルの化学スパッタリングと酸素不純物の低減を目的として、B
C転化CFCタイルを外側ダイバータに設置し、その効果を実証した。JT-60Uのトリチウム挙動を調べるために、第一壁中のトリチウム量及び排ガス中のトリチウム量を測定した。その結果、生成されたトリチウム量の約50%が第一壁に残留していることがわかった。
佐藤 和義; 江里 幸一郎; 谷口 正樹; 鈴木 哲; 秋場 真人
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.5, p.556 - 560, 2002/00
ITERダイバータへ適用するため、同軸冷却管を有するCFCモノブロックダイバータ試験体を開発した。同試験体は、内管に冷却水を供給し、端部で折返し、らせん状フィンにより外管内を旋回させて冷却を行う二重管構造を有しており、コスト削減及び空間の制約が期待できる。同軸冷却管の熱流動特性を調べるため、限界熱流束を測定し、原研が開発した相関式で評価できることを明らかにした。また、実規模長試験体の加熱試験を行った結果、ITER設計条件の20MW/m,10s 1000サイクルに耐えることを実証した。
正木 圭; 秋場 真人
プラズマ・核融合学会誌, 77(9), p.884 - 893, 2001/09
ダイバータ板では、プラズマディスラプションの熱による材料の蒸発,溶融やダイバータプラズマによるスパッタリングなどにより損耗が発生する。これまで、電子ビームやイオンビーム,プラズマガンなどを用いてディスラプション時の熱負荷を模擬し、その時の母材の材料損耗を評価するという研究がすすめられてきた。しかし、再付着層(特にCFCの場合)が存在する場合の損耗特性の評価は十分に行われていなかった。そこで、JT-60の軽水素放電時(1989~1990年)のダイバータアーマタイル(CFC)に重水素イオンビームを照射してスパッタリング損耗を評価した。その結果、母材に比べて再付着層の部分は10%~20%損耗率が増加していることがわかった。一方、ストライクポイントの光沢部では逆に20%ほど減少することがわかった。JT-60重水素運転時(1991~1993年)に使用された黒鉛系タイル中のトリウチム分析をおこなった結果、1991年から1993年に生成されたトリチウム~310
Bqのおよそ50%に相当するトリチウムが真空容器内の黒鉛系タイルに残留していたことがわかった。平均濃度を比較した場合、第一壁領域よりもダイバータ領域が約2.5倍高い値であった。また、運転時のトリチウム放出挙動についても評価しており、ヘリウムグロー放電洗浄により短時間で効果的なトリチウム除去が行われることがわかった。
佐藤 和義; 石塚 悦男; 内田 宗範*; 河村 弘; 江里 幸一郎; 谷口 正樹; 秋場 真人
Physica Scripta, T91, p.113 - 116, 2001/07
被引用回数:1 パーセンタイル:11.82(Physics, Multidisciplinary)2種類のアーマ材からなるダイバータ模擬試験体を中性子照射して高熱負荷試験を実施し、アーマ材の影響を調べた。試験体は、1次元及び2次元の炭素繊維強化炭素複合(CFC)アーマ材とアルミナ分散強化銅製冷却構造体からなり、無酸素銅の中間層を介して銀ろうで接合した構造である。試験体の照射温度は280~320、照射損傷量0.3~0.5dpaである。本試験体をITER定常熱負荷条件を模擬した5MW/m
で10s間の加熱を実施した結果、照射量0.43dpaの1次元材及び2次元CFC材の表面温度は、それぞれ650
及び1200
に達し、未照射材より高くなった。これ、CFC材の熱伝導率が中性子照射によって低下したためであるが、その低下する割合は1次元及び2次元とも同程度であった。また、1000回の熱サイクル試験を実施した結果、接合部の剥離等は認められなかった。
江里 幸一郎; 谷口 正樹; 佐藤 和義; 荒木 政則; 秋場 真人
Physica Scripta, T91, p.110 - 112, 2001/07
被引用回数:2 パーセンタイル:20.45(Physics, Multidisciplinary)超音波を用いた核融合炉ダイバータのアーマ材と冷却構造の非破壊検査で問題となっている検査時間を短縮するため、多チャンネル振動子の超音波プローブを試作し、その検査性能を試験した。この超音波プローブではポリマー製振動子を採用し、8個の振動子を一つのプローブに設置して、検査時間の短縮を図っている。本実験では、ITERダイバータのレファレンス設計である黒鉛モノブロックアーマと銅冷却管(内径15mm)の接合体を対象として、冷却管内部から周波数20MHzの超音波を用いて接合面を検査した。接合体には、数種類の模擬接合欠陥が導入されている。本試験の結果、ポリマー製振動子を用いた超音波プローブにより接合欠陥の大きさ及び分布が十分な精度で検出できることを確認した。
佐藤 和義; 石塚 悦男; 宇田 実*; 河村 弘; 鈴木 哲; 谷口 正樹; 江里 幸一郎; 秋場 真人
Journal of Nuclear Materials, 283-287(2), p.1157 - 1160, 2000/12
被引用回数:6 パーセンタイル:41.99(Materials Science, Multidisciplinary)中性子照射後炭素系材料の熱衝撃による損耗特性を調べるため、JMTRホットセル内に設置した電子ビーム加熱装置(OHBIS)を使用し、熱衝撃試験を実施した。その結果、試料の損耗量は中性子照射量が増えるに従って増加し、特に、中性子照射量0.46dpaの損耗量は、未照射材の約2倍に達することが明らかとなった。さらに未照射材と照射材の損耗形状を比較した結果、最大損耗深さの変化は認められず、損耗重量の差は、損耗形状がブロードになったため生じることがわかった。しかしながら、中性子照射後材料の熱衝撃試験では、試験中にビーム電流の減少が認められた。これは、中性子照射による熱伝導率の低下により損耗量が増大したため、試料への実質的な熱負荷が減少したためと思われる。このため、実負荷の減少を考慮に入れ熱解析を実施した。その結果、実験結果と同様に最大損耗深さは変化しないことが明らかとなった。
田所 孝広*; 磯部 兼嗣; 大平 茂; 洲 亘; 西 正孝
Journal of Nuclear Materials, 283-287(Part2), p.1048 - 1052, 2000/12
被引用回数:2 パーセンタイル:19.11(Materials Science, Multidisciplinary)プラズマ対向壁候補材の一つであるCX-2002U試料に高フルーエンスD/T RFプラズマを照射し、試料中の深さ方向トリチウム濃度分布をオートラジオグラフィの手法を用いて測定した。D/Tガス照射との比較から、低エネルギーD/T原子が試料内部深さ方向位置100m付近まで拡散していることがわかった。また、深さ方向トリチウム濃度分布から導きだした拡散係数は、照射時試料温度293Kにおいては1.7
10
m
/s,573Kにおいては2.3
10
m
/sとなり、従来のバルク拡散における値と比較して10
程度大きいことから細孔内拡散が保持量に重要な役割を果たしていることがわかった。D/T RFプラズマ照射後、酸素RFプラズマを照射した試料における結果から、試料内部深さ方向位置100
m付近までのトリチウムが除去されていることがわかり、試料内部のトリチウム除去に酸素RFプラズマ照射が有効であることがわかった。
神保 龍太郎*; 中村 和幸; Bandourko, V.*; 大楽 正幸; 奥村 義和; 秋場 真人
Journal of Nuclear Materials, 266-269, p.1103 - 1107, 1999/00
被引用回数:5 パーセンタイル:40.11(Materials Science, Multidisciplinary)次世代核融合実験炉におけるダイバータ表面の化学的スパッター状況をシミュレートする目的で、超低エネルギーイオン源(SLEIS)を用いた。200~700CにおけるB
C-炭素繊維複合材料のスパッター率はSiC添加CFC材とほぼ等しく、2次元CFC材より明らかに小さいこと、化学的スパッター率は入射角度に依存しないことを明らかにした。
山田 禮司; 藤井 貴美夫
Mater. Sci. Forum, 308-311, p.902 - 907, 1999/00
一次元及び二次元の炭素繊維強化炭素材料(CFC)の表面層をSiOを蒸発させ反応させることによりSiC化した。さらに、その表面をCVD SiC被覆を施して耐酸化性に優れた材料を創成した。本材料の耐酸化性及び耐熱衝撃性を評価した結果、耐熱衝撃性はCFCの熱膨張率に強く依存し、その値がSiCのそれと近い程向上した。また、CVC被覆層に入るクラックの方向は、CFCの熱膨張率の最も小さな方向に対して垂直方向に入ることを明らかにした。一次元と比較して二次元CFCはSiCとの熱膨張率の差を製法により小さくできるため、耐熱衝撃性に優れ、クラックが入りにくいため、耐酸化性にも優れていることがわかった。
宇田 実*; 石塚 悦男; 佐藤 和義; 秋場 真人; 山村 千明*; 河村 弘
Phys. Scr., T81, p.98 - 100, 1999/00
被引用回数:2 パーセンタイル:26.00(Physics, Multidisciplinary)核融合炉のプラズマ対向材の候補である炭素繊維強化炭素複合材(CFC材)は、これまで熱衝撃試験の中性子照射データが取得されていない。このため、JMTRホットラボ内に設置したインセル加熱試験装置(OHBIS)を用いて、中性子照射したCFC材の熱衝撃試験を行った。試験の熱衝撃エネルギーは、ディスラプション時に対向材へ吸収される量に相当する20MJ/mである。試験の結果、損耗重量は中性子照射量の増加とともにほぼ直線的に増加し、5.6
10
n/cm
(照射温度283
C)で照射した2次元CFC材に500MW/m
40msの熱衝撃を与えた場合の損耗重量は、未照射材の約2倍になることが明らかとなった。本データは対向材の寿命や真空容器内のダスト生成量等を評価するための重要なデータとなる。
正木 圭; 児玉 幸三; 笹島 唯之; 森本 将明*; 高橋 昇竜*; 細金 延幸; 櫻井 真治; 西堂 雅博
プラズマ・核融合学会誌, 74(9), p.1048 - 1053, 1998/09
JT-60の運転及び関連設備の定期点検は、年間運転計画に基づいて実施されており、W型ダイバータへの改造後初の真空容器内点検が11月に行われた。改造から定検までの5ヶ月間において1753ショットの運転を行っており、最大プラズマ電流は2.5MA、最大NB加熱パワー22MW、トロイダル磁場~4T、ディスラプション回数は270回程度であった。真空容器内調査の結果、外ダイバータ、外ドーム及びドーム頂部のタイルに損耗が見られた。また、外ドームタイル2枚が破断しているのが確認された。これは熱衝撃によるものと思われる。内ダイバータ、バッフルに付着物(カーボン)が確認された。特にダイバータに厚く堆積しており、内側ダイバータ堆積物の総量を評価すると約25gであった。初めて大型実験装置に使用されたアルミナ溶射絶縁板は健全に保たれており、アーキング等による破損は見られなかった。また、W型形状にも変形は見られず、その構造物の健全性が示された。
宇田 実*; 石塚 悦男; 佐藤 和義; 秋場 真人; 山村 千明*; 竹林 修市*; 河村 弘
Fusion Technology 1998, 1, p.161 - 164, 1998/00
核融合炉のプラズマ対向材の候補である炭素繊維強化炭素複合材(CFC材)は、これまで熱衝撃試験の中性子照射データが取得されていない。このため、JMTRホットラボ内に設置したインセル加熱試験装置(OHBIS)を用いて、中性子照射したCFC材の熱衝撃試験を行った。試験の熱衝撃エネルギーは、ディスラプション時に対向材へ吸収される量に相当する20MJ/mである。試験の結果、損耗重量は中性子照射量の増加とともにほぼ直線的に増加し、5.6
10
n/cm
(照射温度283
C)で照射した2次元CFC材に500MW/m
40msの熱衝撃を与えた場合の損耗重量は、未照射材の約2倍になること、及び損耗深さは中性子照射量の増加とともに微増することが明らかとなった。これは中性子照射による熱伝導率の低下が試料の加熱部分を拡大させたことにより、損耗重量及び深さが増加したと考えられる。
正木 圭; 児玉 幸三; 森本 将明*; 笹島 唯之; 高橋 昇竜*; 細金 延幸; 西堂 雅博
Fusion Technology 1998, p.67 - 70, 1998/00
W型ダイバータへの改造後初の真空容器内点検が1997年11月に行われた。改造からこの点検までの5ヶ月間で、合計1753ショット行っており、プラズマ電流は最大2.5MA、NB加熱パワーは最大22MW、トロイダル磁場は~4T、ディスラプション回数は270回程度であった。この11月に行われた真空容器内調査の結果、外ダイバータ、外ドーム及びドーム頂部タイルに損耗が見られた。また、外ドームタイル2枚が熱衝撃により破断しているのが確認された。内ダイバータ、内バッフルには付着物(カーボン)が確認されており、特に内ダイバータに厚く堆積していた。この堆積物総重量(内ダイバータのみ)を評価すると、約25gにもなった。しかし、外ダイバータと比較して、内ダイバータには顕著な損耗跡は見られないことから、この堆積物の主な発生源は外ダイバータタイルと思われる。アルミナ溶射絶縁板(シール部)は健全に保たれており、W型形状(構造物)にも変形は見られなかった。
佐藤 和義; 鈴木 哲; 江里 幸一郎*; 中村 和幸; 荒木 政則; 秋場 真人
Fusion Technology 1998, p.109 - 112, 1998/00
原研におけるITERプラズマ対向機器、特に、ダイバータ板の開発の成果について報告する。ITER7大R&Dプロジェクトの1つとなっているダイバータ板の開発は、ITERを実現する上で最重要項目の1つであり、参加各極の協力のもと精力的に開発が進められている。今回は、特に、実規模大のダイバータ試験体の製作及びイオンビームによる加熱試験の結果について報告する。試験体は設計寸法と同等の1.3m長であり、高熱負荷部には除熱性能と熱応力抑制効果の高い鞍型のCFCタイルを有し、高スパッタリング領域にはタングテスンを使用している。この内、特にタングステンについては、接合部の応力を緩和するため5mm厚さのCVDタングステンをコーティングした。イオンビームによる加熱試験を実施した結果、ITERの定常熱負荷条件(5MW/m,1000回)に耐えることを実証しタングステン接合の見通しを得た。
中村 和幸; 鈴木 哲; 大楽 正幸; 横山 堅二; 奥村 義和; 鈴木 隆之*; 神保 龍太郎*; Bandourko, V.*; 秋場 真人
Journal of Nuclear Materials, 258-263, p.828 - 832, 1998/00
被引用回数:4 パーセンタイル:38.45(Materials Science, Multidisciplinary)ITER用ダイバータアーマータイル材として有望な高熱電導炭素強化複合材(CFC材)のスパッタリング収率低減化を目的として、新たに炭化珪素含有CFC材が開発された。新材料で製作したダイバータアーマータイルの寿命を評価するため、ディスラプション及びスパッタリングによるこの材料の損耗特性を実験的に調べた。その結果、ディスラプションによる損耗特性を劣化させずに、スパッタリングによる損耗特性が改善されていることが確認され、実機適用に関して明るい見通しが得られた。本講演では、これら一連の損耗特性評価試験について報告する。