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藤井 大輔; 岩中 章紘*; 田中 満*
Physical Review D, 110(9), p.L091501_1 - L091501_8, 2024/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Astronomy & Astrophysics)トップダウンのホログラフィック量子色力学(QCD)アプローチから、パイ中間子の重力形状因子(GFF)を運動量移動依存性を含めて初めて計算した。ハドロンのGFFは内部応力分布に関する情報を持っており、QCDがハドロンを形成するメカニズムの解明につながる可能性があるため重要である。このGFFsの前方極限値、すなわちD項も得られた。さらに、このアプローチでは、パイ中間子が無限個のグルーボールスペクトルを介して重力相互作用をする、いわゆるグルーボールドミナンスを観測した。
上澤 伸一郎; 小野 綾子; 山下 晋; 吉田 啓之
Proceedings of 13th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS13) (Internet), 7 Pages, 2024/11
電極間の気相と液相の導電率の違いを利用したコンダクタンス型ワイヤメッシュセンサ(WMS)は、流路断面ボイド率分布を測定する有効な手法の一つである。本研究では、WMSの計測誤差を明らかにするために、単一球形気泡と気泡流についてWMS周りにおける数値流体力学(CFD)解析と静電場解析を実施した。単一気泡における解析結果より、WMS周囲の不均一な電流密度分布に基づく計測誤差があることが明らかにされた。ボイド率の瞬時値とWMS信号の関係は、同じ気泡であっても、WMSを通過する気泡の位置に対して一意に決まらず、従来用いられてきたWMS信号からボイド率への変換方法である線形近似やマクスウェルの式とも一致しないことが確認された。気泡流における解析結果より、瞬時ボイド率の定量的な計測は、ボイド率の偏差が0.2程度と大きく、難しいことがわかった。一方、WMS信号を時間平均するとその偏差は減少することが確認された。このように、既存の変換方法を使用したWMSでは時間平均ボイド率を計測できるものの、瞬時ボイド率を定量的に計測することは困難であることがわかった。
早川 教*; 萩原 裕之*; 今村 亮*; 小野田 雄一; 田中 正暁; 中村 博紀*
Proceedings of 13th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS13) (Internet), 8 Pages, 2024/11
ナトリウム冷却高速炉では、高温のナトリウムが構造物に接触するのを防ぐため、主容器内のナトリウムプールの上部にアルゴンガスで満たされたカバーガス領域が設けられている。この領域では、カバーガスの自然対流による熱輸送、液面と構造物間の輻射、ミストと蒸気間のナトリウムの相変化とともに、蒸発、凝縮、構造物への沈着によるナトリウムの質量輸送も起こる。本研究では、市販のCFDコードFluentにナトリウムミストの輸送・成長モデル、輻射散乱モデルを組み込んだ数値評価法を開発した。評価法の妥当性を確認するため、円筒形のカバーガス領域を持つ実験室規模の試験のシミュレーションを実施し、カバーガス領域内の温度分布とナトリウムミスト濃度、およびカバーガス領域を横切る熱流束が試験結果とよく一致することを確認した。プール型ナトリウム冷却高速炉のシミュレーションでは、過飽和度が大きいカバーガス領域の上部にある環状部を中心に、より低温の領域でナトリウムミストが生成されること、カバーガスがナトリウム液面から上昇する領域では、カバーガス温度とナトリウムミスト濃度が高くなることがわかった。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2024-031, 75 Pages, 2024/08
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「福島第一原子力発電所の廃止措置における放射性エアロゾル制御及び除染に関する研究」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、英国研究グループとの協力のもと、レーザー除染時のエアロゾル拡散制御を行いつつ、同時に高度な微粒子測定と評価が可能な安全なレーザー除染システムの開発を目的としている。日本側では、東京大学が保持する試験装置を活用し、水ミストと液滴を用いたエアロゾル拡散抑止技術の確立と、CFD解析を活用した除染時の流れ場評価を実施し、効果的に制御する除染システムを開発する。具体的には、エアロゾルと水界面の相互作用に関連する技術を応用し、模擬放射性物質へのレーザー照射試験を行い、高精度検出器による10nm10
mのエアロゾル粒子の計測、水ミストやスプレー液滴の電気化学的処理による粒子分散制御、並びに得られたデータを基にして分散制御に関するCFDシミュレーションの精度向上を目指す。最終成果としては、模擬ウェル試験場において日英の研究成果を活用したモックアップ実験を通した実証試験を行う。得られた成果は、両国の廃炉現場における高線量エリアのレーザー除染計画に役立つものと期待される。
寺田 敦彦; 永石 隆二
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(8), p.1135 - 1154, 2024/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)天井と側面に換気口を設けた部屋の床面から漏洩した水素の挙動について、CFD解析を用いて実験結果との照合を行うことで、部屋周囲の風況による影響を明らかにした。室内の水素濃度の経時変化は、天井と床面付近の間で成層化がみられ、計算結果については局所的な流れ場の特性変化を反映できる乱流モデルと比較的大きな乱流シュミット数(1.0)を組み合わせた場合に実験結果の再現性が向上した。風況によって、室内に水素が滞留したケースについて、天井開口部にシンプルな板を設置することで換気の改善が図れることを示した。
相馬 秀; 石垣 将宏*; 安部 諭; 柴本 泰照
Nuclear Engineering and Technology, 56(7), p.2524 - 2533, 2024/07
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)When analyzing containment thermal-hydraulics, computational fluid dynamics (CFD) is a powerful tool because multi-dimensional and local analysis is required for some accident scenarios. According to the previous study, neglecting steam bulk condensation in the CFD analysis leads to a significant error in boundary layer profiles. Validating the condensation model requires the experimental data near the condensing surface, however, available boundary layer data is quite limited. It is also important to confirm whether the heat and mass transfer analogy (HMTA) is still valid in the presence of bulk condensation. In this study, the boundary layer measurements on the vertical condensing surface in the presence of air were performed with the rectangular channel facility WINCS, which was designed to measure the velocity, temperature, and concentration boundary layers. We set the laminar flow condition and varied the Richardson number (1.0-23) and the steam volume fraction (0.35-0.57). The experimental results were used to validate CFD analysis and HMTA models. For the former, we implemented a bulk condensation model assuming local thermal equilibrium into the CFD code and confirmed its validity. For the latter, we validated the HMTA-based correlations, confirming that the mixed convection correlation reasonably predicted the sum of wall and bulk condensation rates.
相馬 秀; 石垣 将宏*; 安部 諭; 柴本 泰照
Nuclear Engineering and Design, 416, p.112754_1 - 112754_18, 2024/01
被引用回数:1 パーセンタイル:31.89(Nuclear Science & Technology)The wall function (WF) enables analyzing condensation flow in a nuclear reactor containment vessel with reasonable computational costs. However, conventional wall treatments rely on the logarithmic laws for velocity, temperature, and concentration, limiting applicability. In this paper, we applied the analytical wall function approach to the condensation flow analysis of steam/air mixtures. This approach features the analytical integration of transport equations considering the buoyancy, the material property change, and the convective terms. We conducted CFD analysis with the analytical wall function models for the forced, mixed, and natural convection and confirmed good prediction, especially when the log law does not hold.
渡辺 奈央; 山下 晋; 上澤 伸一郎; 西原 健司; 吉田 啓之
Proceedings of 20th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-20) (Internet), p.3522 - 3534, 2023/08
JAEAでは、鉛ビスマス共晶合金(LBE)を冷却材とする加速器駆動型核変換システム(ADS)を設計している。LBE流路壁の腐食速度の推定は、安全性や構造物全体の寿命を検討する上で重要な課題である。腐食速度は材料表面に形成される酸化層の状態に依存する。そこで、本研究では数値解析により酸化層の成長および溶解(OLGD)速度を推定することで、ADSにおける腐食速度を評価し設計に反映できる手法の構築を目的とする。OLGD速度は材料とLBE間の酸素と鉄の質量移動速度およびLBE中におけるこれらの移流拡散速度と相互に依存している。したがって、OLGD速度を推定するには、3つの数値解析モデルを連成させて解を得る必要がある。このうち、移流拡散の計算には、ADS中の複雑な流れへの適用性からCFDコードの使用が合理的である。一方、移流拡散に比べてはるかにスケールの小さい現象である材料とLBE間の質量移動およびOLGDについては、何らかの相関式を用いることが合理的である。本報告では、JAEAが開発しているCFDコードJUPITERを用いたOLGD速度の解析手法の構築について述べる。なお、材料とLBE間の質量移動速度およびOLGD速度の相関式については、実験式から導出され先行研究で用いられた既存のモデルを修正して用いた。
Li, C.-Y.; Wang, K.*; 内堀 昭寛; 岡野 靖; Pellegrini, M.*; Erkan, N.*; 高田 孝*; 岡本 孝司*
Applied Sciences (Internet), 13(13), p.7705_1 - 7705_29, 2023/07
被引用回数:2 パーセンタイル:25.45(Chemistry, Multidisciplinary)For a sodium-cooled fast reactor, the capability for stable cooling and avoiding re-criticality on the debris bed is essential for achieving in-vessel retention when severe accidents occur. However, an unexploited uncertainty still existed regarding the compound effect of the heterogeneous configuration and dynamic particle redistribution for the debris bed's criticality and cooling safety assessment. Therefore, this research aims to develop a numerical tool for investigating the effects of the different transformations of the heterogeneous configurations on the debris bed's criticality/cooling assessment. Based on the newly proposed methodology in this research, via integrating the Discrete Element Method (DEM) with Computational Fluid Dynamics (CFD) and Monte-Carlo-based Neutronics (MCN), the coupled CFD-DEM-MCN solver was constructed with the originally created interface to integrate two existing codes. The effects of the different bed configurations' transformations on the bed safety assessments were also quantitively confirmed, indicating that the effect of the particle-centralized fissile material had the dominant negative effect on the safety margin of avoiding re-criticality and particle re-melting accidents and had a more evident impact than the net bed-centralized effect. This coupled solver can serve to further assess the debris bed's safety via a multi-physics simulation approach, leading to safer SFR design concepts.
石塚 悦男; Ho, H. Q.; 北川 堪大*; 福田 理仁*; 伊藤 諒*; 根本 将矢*; 楠木 捷斗*; 野村 拓朗*; 長瀬 颯太*; 橋本 温希*; et al.
JAEA-Technology 2023-013, 19 Pages, 2023/06
「HTTRに関する技術開発」をテーマとした2022年度夏期休暇実習において、5つの大学から8名が参加した。参加者は、原子力電池の検討、HTTR炉心の燃焼解析、Cf製造の検討、冷却機能喪失時の挙動解析、炉容器近傍の熱流動解析について実習した。実習後のアンケートでは、就業体験として有益であったこと、一部の学生においては自身の研究に役立ったこと、他の大学生との議論が良い経験となった等の感想があり、本実習は概ね良好な評価を得た。
Song, K.*; 伊藤 啓*; 伊藤 大介*; 大平 直也*; 齊藤 泰司*; 松下 健太郎; 江連 俊樹; 田中 正暁
Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 10 Pages, 2023/05
自由表面渦によるガス巻込み現象はナトリウム冷却高速炉の炉出力を擾乱させる原因となり得る。そのため、ナトリウム冷却高速炉の実用的な安全設計のために、ガス巻込み現象によるガス巻込み流量を正確に評価する必要がある。本研究では、ガス巻込み現象の正確な評価のためのCFD解析の適用性について検討することを目的に、吸い込み管を有する円筒容器における自由表面渦およびそれに伴うガス巻込み現象のシミュレーションにCFD解析を適用し、CFD解析結果とガス巻込み現象の実験データとを比較した。その結果、CFD解析結果と実験結果とで吸い込み管内部の二相流形態がよく一致し、かつ自由液面における渦のガスコアの形状もよく一致した。よって、CFD解析によって、自由表面渦によって引き起こされるガス巻込み現象を許容誤差の範囲内で適切かつ正確に予測できることが確認された。
吉村 一夫; 堂田 哲広; 藤崎 竜也*; 井川 健一*; 田中 正暁; 山野 秀将
Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 10 Pages, 2023/05
プラント動特性解析コードSuper-COPDに組み込まれたフィードバック反応度評価手法の妥当性確認のため、米国高速実験炉EBR-IIで行われたULOHS模擬試験(BOP-301, BOP-302R試験)のベンチマーク解析を実施している。本研究では、炉心湾曲反応度モデルを新たに加えた1D-CFD連成解析を実施した。BOP-301試験では、本炉心反応度モデルの適用性が確認でき、BOP-302R試験では、炉心拘束系の考慮や炉心・制御棒相対変位反応度のモデル化の必要性が示唆された。
堀口 直樹; 吉田 啓之; 北辻 章浩; 長谷川 信*; 岸本 忠史*
Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 7 Pages, 2023/05
我が国のエネルギー安全保障の観点および環境負荷低減の観点から、軽水炉の連続運転が不可欠である。PWRの水質管理にはLi-7イオンを濃縮したpH調整剤が必要であり、Li-7濃縮技術の開発が重要課題の一つである。環境負荷の少ない技術としてマルチチャンネル向流電気泳動(MCCCE)法が開発されている。これを実用化するためには、チャネル内のLi-7イオン挙動を把握し、Li-7と他同位体を分離させるため実験条件を最適化する必要がある。本報告では、実機の単一チャンネル内のLi-7イオン挙動を把握することを目的に、原子力機構で開発した粒子追跡機能を有するCFDコードTPFIT-LPTをベースとしたイオン挙動の数値シミュレーション手法を開発した。本手法では、電場下のイオンの運動を、電場による速度を粒子に付加して運動させることで模擬した。同位体の運動の差異は付加速度の大きさを変更して表現した。また、個々のイオン挙動を実験計測することは不可能であるが、数値シミュレーションの検証の為に、バルク流体の流速を測定することが重要であると考えた。そこで、実機の単一チャンネルを簡略化したラボスケール実験装置を開発し粒子画像流速計測法(PIV)により流速を測定することとした。実験装置には、実機の実験条件の一つであり数値シミュレーションで難しい条件の一つである脈動流条件を設定し、流速を測定した。結果として、脈動流が再現されることを確認した。この脈動流の実験データを数値シミュレーションの入口境界条件として設定し、数値シミュレーションを実施した。この結果として、電場の影響を受けたイオンが脈動しながら上流へ移動することを確認した。また、電場下の同位体の挙動の差異も確認した。
安部 諭; 岡垣 百合亜
Nuclear Engineering and Design, 404, p.112165_1 - 112165_14, 2023/04
被引用回数:2 パーセンタイル:54.24(Nuclear Science & Technology)Pressurized Thermal Shock (PTS) is induced potentially by the rapid cooling of the cold-leg and downcomer wall in the primary system of a Pressurized Water Reactor (PWR) due to the initiation of Emergency Core Cooling System (ECCS). Thus, fluids mixing in a horizontal cold-leg and downcomer should be predicted accurately; however, turbulence production and damping often hinders this prediction due to the presence of the density gradients. Hence, the Fifth International Benchmark Exercise, the cold-leg mixing Computational Fluid Dynamics (CFD) Benchmark, was conducted under the support of OECD/NEA. The experiment was designed for visualization of the mixing phenomena of two liquids with different densities. The heavy liquid was a simulant of cold water from ECCS, in a horizontal leg and downcomer. We used the Large-eddy Simulation (LES) to investigate the time fluctuation behaviors of velocity and liquid concentration. The CFD simulation was performed with two turbulence models and three different numerical meshes. We investigated the characteristics of the appearance frequency of the heavy liquid concentration with the statistical method. Based on our findings, we propose further experiments and numerical investigations to understand the fluid mixing phenomena related to PTS.
寺田 敦彦; 永石 隆二
Nuclear Science and Engineering, 197(4), p.647 - 659, 2023/04
被引用回数:3 パーセンタイル:47.03(Nuclear Science & Technology)燃料デブリを含む放射性廃棄物の移送、保管、処分過程でみられる部分開放空間内での水素の漏洩挙動を明らかにするために、CFDを用いて、Hallwayモデルのベントサイズやその周囲の風況の影響を研究した。Hallwayモデルは、側面に1つのドアベントと天井に1つのルーフベントをもった部分開放空間の実験モデルである。Hallwayモデルの室底部から水素が漏洩された場合では、室内の水素濃度の上昇は小さかった。水素がルーフベントから排出されるとともにドアベントから外気が流入する煙突効果が起こる際にコアンダ効果で流入した外気の流れが底部に偏流する現象が生じたことが原因と考えられる。室内の水素濃度は、ベントサイズを変化することで室内に流入する外気量とともに変化した。また、室外の風況によって、ドアベント側から風が吹いた場合には低下し、ドアベントと反対側から風が吹いた場合には上昇した。ドアベントからの外気の吹き込みとルーフベントからの水素の排出のバランスに影響を与えたと考えられる。
吉田 啓之; 堀口 直樹
日本機械学会関東支部第29期総会・講演会講演論文集(インターネット), 5 Pages, 2023/03
福島第一原子力発電所(1F)における汚染水の低減、取り出し工法の検討等で必要とされる燃料デブリ熱挙動の推定のために開発している、三次元二流体モデルに基づく多相CFD数値シミュレーション手法の概要やその結果について報告する。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2022-061, 59 Pages, 2023/02
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和3年度に採択された「福島第一原子力発電所の廃止措置における放射性エアロゾル制御及び除染に関する研究」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、英国の研究者と協力して、エアロゾル分散制御をしながら、同時に高度な微粒子測定と評価が可能な安全なレーザー除染システムを開発することを目的としている。日本側では、CFD解析を活用して、セシウム等を浸透した物質へのレーザー加工により発生する放射性エアロゾルを水ミストとスプレーにより効果的に制御するシステムを開発する。具体的には、エアロゾルと水界面の相互作用に関連する英国側研究成果を活用してレーザー加工を行い、高精度検出器による10nm10
mの広範囲なエアロゾル粒子の計測、水ミストやスプレー液滴の電気化学的処理による粒子分散制御、並びに得られたデータを基にして分散制御に関するCFDシミュレーションの精度向上を目指す。最終的には日英の研究成果を活用して、両国の試験施設において実証試験を行うことにより、今後、両国の廃炉現場において適用可能性のある高線量エリアのレーザー除染計画に役立てる。
高野 和也; 大木 繁夫; 小澤 隆之; 山野 秀将; 久保 重信; 小倉 理志*; 山田 由美*; 小山 和也*; 栗田 晃一*; Costes, L.*; et al.
EPJ Nuclear Sciences & Technologies (Internet), 8, p.35_1 - 35_9, 2022/12
日仏高速炉協力を通じ、仕様共通化タンク型高速炉に係る技術検討を進めている。仏実証炉ASTRID600の設計をベースに、ODS鋼被覆管を用いた高燃焼度化炉心や自己作動型炉停止機構といった日本の高速炉実用化に向けた技術の実証が可能である見通しを得た。また、コアキャッチャ等により炉容器内事象終息を目指すASTRID600におけるシビアアクシデント緩和策は、日本における安全設計方針とも整合している。ASTRID600をベースに仕様共通化を図ることで両国の炉心燃料及び安全設計分野の高速炉技術の実証に有用であることを示した。
Alzahrani, H.*; 松下 健太郎; 堺 公明*; 江連 俊樹; 田中 正暁
Proceedings of 12th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS12) (Internet), 6 Pages, 2022/10
ナトリウム冷却高速炉(SFR)において、炉上部プレナム内自由液面部に生じるくぼみ渦によるカバーガス巻込み現象が、SFRの安全設計上の課題となることから、渦によるガス巻込み現象の評価手法の開発が求められている。日本原子力研究開発機構において、3次元CFD解析によって得られた流速分布から渦の存在を予測する評価手法の整備を進められており、3次元CFD解析の効率化の観点から自由液面部の解析メッシュへのAdaptive Mesh Refinement(AMR)法の適用が検討されている。本研究では、詳細化の基準指標として、速度勾配テンソルの第二不変量Q0のみの基準指標、およびQ
0に圧力勾配条件を加えた基準指標について検討し結果を比較した。垂直平板の存在する非定常後流渦の体系へAMR法を適用した結果、Q
0のみの基準指標と比較し、Q
0に圧力勾配条件を加えた基準指標では平板周辺のよどみ領域付近のメッシュが詳細化された。詳細化されたメッシュで過渡解析を実施したところ、Q
0に圧力勾配条件を加えた指標基準による詳細化で得られたメッシュにおける解析結果は、平板付近の圧力分布についてリファレンスとなる一様詳細メッシュの結果と近い分布となった。
呉田 昌俊; 山形 洋司*; 宮腰 賢*; 増井 達也*; 三浦 義明*; 高橋 一憲*
JAEA-Research 2022-007, 28 Pages, 2022/09
ボルテックスチューブにおけるエネルギー分離を促進するために、新たに設計した中空螺旋状フィンを管内に挿入した。本報では、3種類の管を用いて、フィンがエネルギー分離に及ぼす影響を実験的に調べ、次に、数値流体力学(CFD)シミュレーションを行い、実験結果と中空螺旋状フィン付き管内の流動構造との関係を研究した。実験データから、フィンがエネルギー分離を促進し、管長を短くできることがわかった。入口空気圧が0.5MPaのとき、入口から出口までの最大温度差は62.2Cであった。レイノルズ応力モデル(RSM)乱流モデルを組み込んだCFDコードを用いて流体解析をした結果、フィン無とフィン有の場合とで淀み点の位置が大きく変わり、流動構造が全く異なることを確認した。中空螺旋状フィンによって、低温側フィン端と淀み点との間に小さな循環渦構造を持つ強い反転渦流が形成され、乱流運動エネルギーが大きな領域が生成されることによってエネルギー分離が促進されたと考えられる。