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福田 祐仁; 山川 考一
Progress in Ultrafast Intense Laser Science II, p.231 - 251, 2007/00
高強度レーザーとクラスターとの相互作用機構を明らかにするために、レーザー照射によって生成した高温高密度クラスタープラズマからの超高分解X線スペクトル、及び、イオンのエネルギー分布の同時測定を世界で初めて行った。得られたX線スペクトルをもとに、時間依存のプラズマキネティクスモデルを用いてX線発生機構とそのタイムスケールについて考察を行った。さらに、Si結晶によるX線回折実験を行い、発生したX線が応用研究に十分適用可能な強度を有していることを明らかにした。
横谷 明徳; 藤井 健太郎; 牛込 剛史; 鹿園 直哉; 漆原 あゆみ; 渡邊 立子
Radiation Protection Dosimetry, 122(1-4), p.86 - 88, 2006/12
被引用回数:10 パーセンタイル:38.8(Environmental Sciences)軟X線により誘発される、DNA損傷の収率を調べた。軟X線のLETは、線と超軟X線のそれの中間にある。通常のX線発生装置から得られる広いエネルギースペクトルを持つ軟X線は、放射線生物学実験のみならず乳がん検診にも広く用いられている。ICRPの勧告によれば、軟X線の放射線加重係数は
線のそれと同じ1とされている。しかし、そのエネルギースペクトル上には、制動放射により発生する数10keV以下の低エネルギー光子の成分がかなり多い。これらの低エネルギー光子は、光電効果により低速の光電子やAuger電子を多数発生させるためDNAに対してより高密度な電離・励起を与え、複雑なDNA損傷を誘発すると考えられる。われわれはWターゲット,150kVpで運転したX線発生装置より得られる軟X線をDNAに照射し、生じたDNAの鎖切断収率を定量した。さらに、塩基除去修復酵素との反応を利用して定量された塩基損傷の収率についても報告する予定である。
横田 光史
Physica A, 363(2), p.161 - 170, 2006/03
被引用回数:6 パーセンタイル:55.93(Physics, Multidisciplinary)スピングラス転移温度近傍におけるイジングスピングラス模型をクラスター近似を用いて調べた。スピングラス秩序パラメーター関数及び磁場中においてレプリカ対称性が破れるAT線を求めた。
福田 祐仁; 岸本 泰明; 正木 知宏*; 山川 考一
Physical Review A, 73(3), p.031201_1 - 031201_4, 2006/03
被引用回数:31 パーセンタイル:20.46(Optics)プラズマの緩和過程、及び、イオン化過程を考慮した粒子コードを用いて、高強度レーザーとクラスターとの相互作用並びに構造形成プロセスの詳細を調べた。これまでに指摘されていたレーザー誘起電場の発生に加え、印加レーザー強度を超える2極性電場の生成、及び、外部/内部シースの形成が、クラスターの爆発崩壊過程に深く関与していることを明らかにした。すなわち、電子エネルギー分布には、衝突緩和,シース電場の影響によるディップ構造が観測され、イオンエネルギー分布と密度分布には2極性電場の影響による二重構造が観測された。
千葉 敦也; 齋藤 勇一; 鳴海 一雅
JAEA-Review 2005-001, TIARA Annual Report 2004, p.343 - 345, 2006/01
近年、われわれはTIARAにおいてMeV級クラスターイオンと物質との相互作用に関して興味深い結果を得ている。これらの相互作用や物理的現象を解明するためには、クラスターの構造を明確にする必要がある。そこで、比較的小さいサイズの炭素クラスターの構造解析を目的として、Coulomb explosion imaging法を応用した測定システムを開発し、試験的実験を試みた。計算理論では、薄膜透過により解離したクラスター構成原子の平均電荷は、クラスターの構造に依存するという結果が報告されている。ここでは、本システムにより、その検証を行った。その結果、C3について、薄膜により解離した構成原子の平均電荷の構造依存性に関して計算理論と同様な結果を示すことが確認された。
馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖
Surface Science, 593(1-3), p.324 - 330, 2005/11
被引用回数:6 パーセンタイル:68.03(Chemistry, Physical)極低温(9K)で凝縮した固体窒素表面を、低エネルギーHeイオン照射により高密度励起したときのイオン脱離機構について検討した。3keV Heイオン照射では、n=30までのクラスターイオン(N)の脱離が観測された。脱離強度はn=4までが大きく、n
5では急激に減少した。またn
5のクラスターイオンでは、偶数個のクラスターが隣接する奇数個のクラスターより常に大きかった。これらのクラスターイオンの分布は、気相における窒素クラスターイオンの安定性と一致した。また、比較のため測定した固体酸素,固体メタン,固体アルゴンからのイオン脱離強度も、それぞれの気体の気相での安定性と類似の傾向を示した。クラスターイオン分布の照射エネルギー依存性と、イオン照射部の時間に依存した温度分布の計算結果から、クラスターイオンの脱離は、イオン照射部分の局所的,瞬間的加熱による気化現象で説明できることを明らかにした。
横谷 明徳; 鹿園 直哉; 漆原 あゆみ; 藤井 健太郎; 赤松 憲; 渡邊 立子
放射線生物研究, 40(2), p.168 - 184, 2005/06
放射線によるDNAへの作用と活性酸素(ROS)などの内因性ラジカルによる作用が大きく異なる点は、後者がラジカルの熱的拡散によるランダムヒット事象であるのに対し、前者は放射線の飛跡構造(トラック)に大きく依存することである。このような放射線による直接ヒットによるDNA損傷は、放射線のトラックに沿った微小領域に生じた複数の励起やイオン化を起点とする、いわゆるクラスター化して生じたDNA損傷を引き起こすと考えられるが、その化学構造を含めた実体及びこれに対する細胞中での修復作用機序については未だほとんど解明されていない。本稿では、クラスターDNA損傷研究の最近の動向とわれわれのグループが最近行っている実験の試みを紹介し、クラスターDNA損傷の生成機構と生体内での役割について考察する。
千葉 敦也; 齋藤 勇一; 田島 訓
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 232(1-4), p.32 - 36, 2005/05
被引用回数:9 パーセンタイル:41.78(Instruments & Instrumentation)クラスターイオンと物質との相互作用や衝突現象を解明するためには、クラスターの構造や物質への入射角度は重要なパラメートである。今回の実験では、Coulomb explosion imagingを利用し、薄膜を透過したカーボンクラスターCn(n=2,3,6)構成原子の動向を調べるとともに、クラスターの構造に依存すると言われる薄膜透過後のクラスター構成原子の平均電荷測定を行った。実験装置は原研高崎の3MeVタンデム加速器を使用して行った。クラスターイオンビームはスイッチング電極とアパーチャーによりパルス化され、1秒間に数個の割合で薄膜を透過し、その際クーロン爆発により分離したクラスターの構成原子は発光タイプのMCPと衝突する。薄膜とMCPの間に設けた平板電極の印可電圧と構成原子の偏向率から平均電荷を見積もる。測定結果は計算理論値と同様な傾向を示した。
吉沢 道人*; 楠川 隆博*; 河野 正規*; 大原 高志; 田中 伊知朗*; 栗原 和男; 新村 信雄*; 藤田 誠*
Journal of the American Chemical Society, 127(9), p.2798 - 2799, 2005/03
被引用回数:247 パーセンタイル:2.63(Chemistry, Multidisciplinary)水分子の注目すべき特徴として、疎水環境下で水分子同士が水素結合ネットワークを形成して自身の極性を中和するという点が挙げられる。本研究では、配位結合を用いて設計した分子カプセル中の疎水環境下で水分子10個から成るアダマンタン型クラスターを得ることに成功した。このクラスターはIce-Icの最小単位と類似していることから、「氷分子」ということができる。この氷分子のX線及び中性子回折実験から、この氷分子と周囲の疎水部の間に働いているのは当初予想されてたHOH...pi相互作用ではなく、HO:...pi相互作用であり、これによって氷分子が疎水環境下で安定化することが明らかとなった。
飛田 徹; 相澤 一也; 鈴木 雅秀; 岩瀬 彰宏*
日本原子力学会和文論文誌, 3(4), p.331 - 339, 2004/12
軽水炉圧力容器鋼の照射脆化には、高速中性子のみならず熱中性子や線の寄与も含まれる。
線による照射脆化は高速中性子よりも効率的である可能性が指摘されているが、現在までにその定量的な把握はなされていない。試料としてFe-Cuモデル合金を用い、照射温度と速度を一定に制御し、
線照射を模擬した2.5MeV電子線照射と中性子照射を行って照射硬化量を測定し比較した。これにより照射硬化の温度依存性,照射量依存性等を調査した。また、中性子小角散乱法により照射に伴うCu析出を確認した。その結果、dpa(はじき出し損傷量)を基準にすると、電子線(
線)と中性子による照射硬化が照射のごく初期を除いてほぼ等しいことがわかった。照射の初期に関しては、電子線照射の方が照射硬化が低いdpaから生じる傾向にあった。また、Cuの析出と粗大化が照射量に依存しており硬化の主な原因になること,10のマイナス3乗dpaまでに飽和すること等がわかった。以上の結果工学的な観点からは、dpaを指標にすることで
線による照射硬化が中性子による照射硬化と同列に十分な精度で評価できるという結果が示された。
Gordon, E. B.*; 熊田 高之; 石黒 正純; 荒殿 保幸
Journal of Experimental and Theoretical Physics, 99(4), p.776 - 783, 2004/10
固体ヘリウム中への重水素分子のドープ法の開発と、1.3K, 3Mpaの固体ヘリウム中にドープされた重水素クラスターのCARS(Coherent anti-Stokes Raman spectroscopy)法による分光研究を行った。ドープされた重水素のオルト,パラ体の含有量,クラスターサイズを関数としてスペクトルの、強度,線幅,シフト等を検討し、オルト,パラ体のラマン散乱断面積の比が、気相とは10000倍異なることなどを明らかにした。
Nath, K. G.; 下山 巖; 関口 哲弘; 馬場 祐治
Applied Surface Science, 234(1-4), p.234 - 239, 2004/07
被引用回数:6 パーセンタイル:64.34(Chemistry, Physical)ナノクラスター,ナノ粒子など、ナノメートルスケールの大きさを持つ物質の構造と物性の解明はナノテクノロジーの分野では極めて重要な課題となっている。代表的な半導体物質であるシリコンの場合、ナノメートルスケールの幅を持つ線状物質であるシリコンナノワイヤーが注目を集めており、ナノテクノロジーへの応用も期待されている。本研究では、化学的に不活性なグラファイト表面にシリコンナノワイヤーを生成させ、その酸化反応を光電子分光法により調べた。その結果、幾つかのナノ構造を持つ薄膜は、バルクのシリコンに近い構造を持つ厚い膜に比べて酸化しにくいことを見いだした。とくに0.4オングストロームの厚みの極薄膜は、全く酸化が起こらないことが明らかとなった。これらの酸化反応の違いを、ナノクラスターの立体構造及びクラスターサイズとの関係において詳細に議論した。
福田 祐仁; 赤羽 温; 青山 誠; 井上 典洋*; 上田 英樹; 岸本 泰明; 山川 考一; Faenov, A. Y.*; Magunov, A. I.*; Pikuz, T. A.*; et al.
Laser and Particle Beams, 22(3), p.215 - 220, 2004/07
マイクロメートルサイズのArクラスターに高強度レーザー(レーザー強度=10W/cm
,パルス幅=30fs)を照射することによって発生したプラズマからの高分解能X線スペクトルを測定した。発生したHe
(
=3.9491
のフォトン数は、2
10
photons/pulseであり、固体ターゲット照射時に匹敵するフォトン数であることが明らかになった。X線スペクトル測定と同時に、発生した高速多価イオンのエネルギー分布を測定した。発生した多価イオンの平均エネルギーは、約800keVであった。コントラスト比の高いレーザーパルスによって発生した高速電子はクラスターターゲットのisochoric heatingを可能にし、より高い価数のイオン生成、及び、He
線強度の増大をもたらすことが明らかとなった。
福田 祐仁; 赤羽 温; 青山 誠; 井上 典洋*; 上田 英樹; 岸本 泰明; 山川 考一; Faenov, A. Y.*; Magunov, A. I.*; Pikuz, T. A.*; et al.
Laser-Generated & Other Lab. X-Ray & EUV Sources (Proceedings of SPIE Vol.5196), p.234 - 243, 2004/00
10W/cm
を超える強レーザー場中における希ガスクラスターからのX線発生に関する研究を行った。本研究では、レーザープレパルスによるクラスターの破壊を抑制するため、ポッケルスセルを用いてプレパルスを除去し、さらに、特殊ノズルを用いてマイクロメーターサイズの巨大クラスターを発生させた。また、時間依存Bolzmann-KineticモデルによるX線スペクトルのシミュレーションを行い、実験結果を定量的に再現することに成功した。
Abdallah, J. Jr.*; Csanak, G.*; 福田 祐仁; 赤羽 温; 青山 誠; 井上 典洋*; 上田 英樹; 山川 考一; Faenov, A. Y.*; Magunov, A. I.*; et al.
Physical Review A, 68(6), p.063201_1 - 063201_8, 2003/12
被引用回数:52 パーセンタイル:11.58(Optics)極短パルス・高強度レーザー照射によって発生した非平衡プラズマから発生するX線スペクトルのシミュレーションを行うため、時間依存ボルツマン方程式と詳細な原子衝突放射方程式を連立して解いた。シミュレーション結果は、最近日本で測定された極短パルス・高強度レーザー照射アルゴンクラスターから発生したF-likeからHe-likeのアルゴンイオンの高分解スペクトルをよく再現した。
Nath, K. G.; 下山 巖; 関口 哲弘; 馬場 祐治
Journal of Applied Physics, 94(7), p.4583 - 4588, 2003/10
被引用回数:15 パーセンタイル:45.74(Physics, Applied)グラファイト表面に蒸着した低次元のシリコン及びゲルマニウムの電子構造を放射光光電子分光法により調べた。Si 1s, Ge 2p, C 1s光電子スペクトルによると、シリコン及びゲルマニウムと基板のグラファイトとの化学的相互作用はほとんどなく、蒸着層は元素状態で存在するが、これらの電子構造は蒸着層の厚みに依存して変化することがわかった。すなわち、5.5オングストロームのシリコン、及び4.2オングストロームのゲルマニウムは、ほぼバルクと同様の電子構造をとるが、2.7オングストロームのシリコン、及び0.3オングストロームのゲルマニウムの光電子スペクトルでは、バルクより高結合ネルギー側に新たなピークが認められた。これらの高結合エネルギーのピークはナノメートルスケールのクラスターがポリマー化したチェインからできたナノワイヤーによるものであると結論した。
福田 祐仁; 山川 考一; 赤羽 温; 青山 誠; 井上 典洋*; 上田 英樹; Abdallah, J. Jr.*; Csanak, G.*; Faenov, A. Y.*; Magunov, A. I.*; et al.
JETP Letters, 78(3), p.115 - 118, 2003/08
被引用回数:28 パーセンタイル:22.17(Physics, Multidisciplinary)マイクロメートルサイズのアルゴンクラスターに対して集光強度10W/cm
のレーザー光を照射し、発生したX線を測定した。非定常キネティックモデルによって計算された多価イオンからのX線生成量の時間変化は、実験で得られたスペクトルを定性的に説明することができた。
福田 祐仁; 山川 考一; 赤羽 温; 青山 誠; 井上 典洋*; 上田 英樹; 岸本 泰明
Physical Review A, 67(6), p.061201_1 - 061201_4, 2003/06
被引用回数:55 パーセンタイル:10.67(Optics)高強度レーザーとXeクラスターとの相互作用によって発生する高エネルギー粒子(多価イオン,電子)のエネルギー分布及び価数分布を測定した。その結果、高強度レーザーの特性(パルス幅,チャープ)を制御することによって、高エネルギー粒子放出過程を最適化できることを見いだした。
横谷 明徳; Cunniffe, S. M. T.*; Stevens, D. L.*; O'Neill, P.*
Journal of Physical Chemistry B, 107(3), p.832 - 837, 2003/01
被引用回数:25 パーセンタイル:41.84(Chemistry, Physical)相対湿度を制御した条件下で、プラスミドDNAに対して線を照射した後、FpgとNthという二つの塩基除去修復酵素をプローブとして用いて、DNAの鎖切断,塩基損傷及びこれらを含むクラスター損傷の収率を測定した。相対湿度を0
98%まで変えることで、DNAに配位している水和水の量を、5
38分子/ヌクレオチドまで変えることができるため、
線のDNA損傷に与える水和水の効果を調べることができる。得られた結果は、鎖切断に関しては
線照射の場合のそれとほとんど同じであったのに対して、酵素処理により検出される塩基損傷はほとんど観測されなかった。以上の結果から、高LET放射線である
線により、DNA修復酵素が修復できないような複雑なクラスター損傷が生成している可能性が示された。
永谷 清信*; 八尾 誠*; 早川 鉄一郎*; 大政 義典*; 梶原 行夫*; 石井 真史*; 片山 芳則
Physical Review Letters, 89(24), p.243401_1 - 243401_4, 2002/12
被引用回数:15 パーセンタイル:34.55(Physics, Multidisciplinary)中性の自由クラスターのサイズ選択EXAFS(広域X線吸収微細構造)に関する新しい方法を提案した。そこでは、X線吸収過程のみならず、下方遷移過程もまた構造情報を得るために用いられる。この方法を実験的に実証するため、われわれはEXAFSと光電子光イオンコインシデンスを同時に測定する方法を開発し、第3世代強力X線源を用いることによってセレンクラスタービームに対する実験を行った。セレンの小さなクラスターに対するEXAFSスペクトルが得られ、理論的な予言と批判的に比較された。