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秋山 大輔*; 日下 良二; 熊谷 友多; 中田 正美; 渡邉 雅之; 岡本 芳浩; 永井 崇之; 佐藤 修彰*; 桐島 陽*
Journal of Nuclear Materials, 568, p.153847_1 - 153847_10, 2022/09
被引用回数:4 パーセンタイル:56.38(Materials Science, Multidisciplinary)ウラン酸鉄,ウラン酸クロム、およびその固溶体を合成し、これらのウラン酸塩が異なる熱的安定性を示すメカニズムを研究した。熱的安定性を評価するため、ウラン酸塩試料の熱重量分析を実施した結果、ウラン酸クロムの分解温度(約1250C)に対してウラン酸鉄は低温(約800
C)で分解するが、クロムを含む固溶体では熱分解に対する安定性が高まることが分かった。この熱的安定性と結晶構造との関係性を調べるため、エックス線結晶構造解析,エックス線吸収微細構造測定,メスバウアー分光測定,ラマン分光分析による詳細な結晶構造と物性の評価を行ったが、本研究で用いたウラン酸塩試料の間に明瞭な差異は観測されなかった。そのため、熱的安定性の違いは結晶構造に起因するものではなく、鉄とクロムとの酸化還元特性の違いによるものと推定した。クロムは3価が極めて安定であるのに対して、鉄の原子価は2価と3価を取ることができる。このため、ウラン酸鉄の場合には結晶中でウランと鉄との酸化還元反応が起こり、低温での分解反応を誘起したものと考えられる。
鈴土 知明; 高見澤 悠; 西山 裕孝; Caro, A.*; 外山 健*; 永井 康介*
Journal of Nuclear Materials, 540, p.152306_1 - 152306_10, 2020/11
被引用回数:11 パーセンタイル:73.70(Materials Science, Multidisciplinary)熱時効したFe-Cr合金はスピノーダル分解によって硬化を引き起こし、これはいわゆる475C脆性の直接的な原因である。スピノーダル分解が原子的相互作用によってどのように硬化を引き起こすのかを示すため、数値シミュレーションと実験を実施した。数値的な結果では、硬さが短距離秩序(SRO)パラメーターと比例することを示され、実験でもこの関係を統計誤差内で再現した。どちらの結果も、隣接するCr-Cr原子ペアが本質的に硬化を引き起こすことを示唆した。なぜなら、SROがそのようなペアの出現確率に一意的に依存しているからである。硬化の主な原因がそのようなCr-Crペア付近を通過する転位のピン止め効果であることが示唆されたが、このアイデアはさらなるモデリング研究により裏付けられた。
小西 啓之; 山下 正人*; 内田 仁*; 水木 純一郎
Materials Transactions, 46(1), p.136 - 139, 2005/01
被引用回数:3 パーセンタイル:32.70(Materials Science, Multidisciplinary)耐候性鋼の表面に生成するさび層の保護性は、さび層の構造に関係して現れる特性である。塩分環境下でCr添加型耐候性鋼のさび層よりもNi添加型耐候性鋼のさび層が高い保護性を持つことは、それぞれのさび層中におけるCr及びNiの化学状態や局所構造などの特徴が異なることを示唆する。塩分環境下での鋼材さび層の保護性に対するCrとNiの効果の相違を説明するために、塩分環境下で大気暴露したFe-Cr及びFe-Ni合金のさび層中のCr及びNiの周辺構造を放射光を用いたXANES測定によって調べた。Cr K-edge XANES測定の結果よりFe-Cr合金のさび層中のCrの局所構造はCr添加量によって変化し、したがってその構造は不安定であり、CrまたはCrが作る分子はその周辺の原子から比較的強く相互作用を受けると考えられる。一方、Fe-Ni合金のさび層のNi K-edge XANES測定から、Niがさび層構成物質の結晶構造の中の特定の位置を占有しており、このためClイオンなどの影響をNiはほとんど受けず、保護性さび層形成にかかわる役割を阻害されないと考えられる。
菊地 賢司; 倉田 有司; 斎藤 滋; 二川 正敏; 佐々 敏信; 大井川 宏之; 若井 栄一; 三浦 邦明*
Journal of Nuclear Materials, 318(1-3), p.348 - 354, 2003/05
被引用回数:29 パーセンタイル:85.11(Materials Science, Multidisciplinary)流動鉛ビスマス条件で、オーステナイト・ステンレス鋼の腐食試験を3000時間実施した。試験材はSS316は外径13.8mmの管であり、最高温度450C,温度差50
C,流速1m/sである。試験後、管を切断し、光学顕微鏡、SEM,EDX,WDX,X線回折により分析した。鉛ビスマスはドレン後も、配管内部に付着していた。流動条件下での腐食量は0.1mm/3000時間であり、内面は凹凸が激しい。高温から低温部に質量の移行が観察され、低温部にはFe-Crの結晶粒が析出していた。粒径は0.1
0.2mmであり、化学組成は鉄:クロムが9:1であった。これらの結果は、静的な腐食試験では観察されず、流動試験で始めて見出された。
若井 栄一; 菱沼 章道; 宇佐美 浩二; 加藤 康*; 高木 清一*; 安彦 兼次*
Materials Transactions, JIM, 41(9), p.1180 - 1183, 2000/09
中性子照射した高純度と低純度のFe-9Cr合金の微細組織と引張及び衝撃特性が調べられた。照射はJRR-3M(Modified Japan Research Reactor-3)炉にて、255または290
で0.3dpaまで行った。照射による降伏応力の増分は高純度と低純度材料でそれぞれ225MPaと170MPaとなり、それは高純度材料の方が大きくなった。また、それらの延性の低下は高純度材で著しい低下が見られた。衝撃特性に関しては、高純度材料は低純度材料に比べて、延性脆性遷移温度の上昇が大きく、175
であった。透過型電子顕微鏡観察ではこれらのFe-9Cr合金に転位ループが形成していて、その数密度は低純度材料の方がやや高かった。また、高純度材料では、ループ上に
'相に類似した析出物が観察された。降伏応力の増加に対する転位ループの障壁力を分散型障壁物のモデルで評価すると、その強度因子は高純度材の方がやや大きいことがわかったが、これは転位ループ上に形成した析出物が起因していると考えられる。以上のような照射による機械的特性の変化は、転位ループの硬化だけでは説明できず、ループ上の析出物の形成がそれらに大きな影響を及ぼしていると考えられる。
若井 栄一; 菱沼 章道; 阿部 弘亨; 高木 清一*; 安彦 兼次*
Materials Transactions, JIM, 41(9), p.1176 - 1179, 2000/09
鉄イオン照射下で高純度Fe-(18-50)Cr, Fe-50Cr-(5-8)W合金の組織発達と相変態挙動を調べた。薄膜試料を用いて、透過型電子顕微鏡内で300keVの鉄イオン照射を行い、組織の発達過程をその場観察した。また、時効した組織も同様に調べた。Fe-Cr合金では500C照射で転位ループが観察されたが、析出物形成は観察されなかった。Fe-50Cr-W合金では照射によって、転位ループが形成したが、ラーベス相が550
700
Cの範囲で形成した。低温側では1分程度でラーベス相が形成した。また、670
800
C照射では
相が形成した。これらの析出物形成の原因を調べるために、粒界近傍の溶質原子の偏析を調べたところ、
相が形成されない温度ではCr濃度が低下し、W濃度が増加したが、
相が形成する温度ではこれらの濃度変化がみられなかった。他方、熱処理のみではラーベス相が短時間では形成しないことや700
Cで1000時間時効しても
相が形成しないことから、照射により引き起こされる局所的な濃度変化や拡散速度の上昇がラーベス相の形成を著しく促進させ、また、
相形成にも大きな影響を及ぼしたと考えられる。
鷹合 滋樹*; 佐々木 敏彦*; 皆川 宣明; 森井 幸生; 広瀬 幸雄*
Proceedings of 6th International Conference on Residual Stressess (ICRS-6), Vol.1, p.41 - 48, 2000/07
Fe-Cr/TiN系焼結複合材は、TiN粒子によって分散強化した材料であり、優れた耐摩耗性で知られた材料である。複合材料内部では構成材料相間で応力が発生し複雑化する。応力解析法としてはEshelly法、Mori-Tanaka法、等があり、X線回折により実験検証が行われていれば、侵入深さが数10mと浅いため、自由表面による応力緩和の影響は無視できない。中性子回折法はX線に比べFe-Crでは数万倍となり、内部の応力状態及び分散体の平均応力が測定可能である。日本原子力研究所JRR-3Mに設置されたRESAを用いて応力測定を行い良好な結果が得られたので発表する。
神田 北斗; 山県 一郎; 堂野前 貴子; 赤坂 尚昭
JNC TN9400 2000-046, 24 Pages, 2000/02
オーステナイトステンレス鋼では照射により、溶質原子が表面や結晶粒界等に偏析し、合金組成が局所的に変化する事が知られている。粒界偏析挙動を詳細に調べ、理解するために高速炉炉心材料として開発中であるPNC1520の基本合金系であるFe-15Cr-20Ni合金に、原子サイズの違いを考慮したSi,Moを各々添加したモデル合金について照射誘起偏析を検討した。高速実験炉「常陽」により476、3.5
10の26乗n/mの2乗(E
0.1MeV)の条件で照射された試料を、透過型電子顕微鏡(TEM)とエネルギー分散型X線分光分析装置(EDS)により微細組織の観察および溶質濃度を測定した。照射誘起結晶粒界偏析挙動は概ね溶質原子のサイズ効果に従っており、Feよりサイズの大きな(oversize)原子は結晶粒界で枯渇し、小さな(undersize)原子は濃化した。またボイド表面における偏析は結晶粒界とほぼ同等であり、析出物界面における偏析はこれらよりも大きい傾向を示した。また粒界によっては粒界近傍にボイドの存在しないボイド欠乏帯が存在していた。その生成理由の一つとして粒界移動現象によりボイドが掃き出されたことが考えられる。
若井 栄一; 菱沼 章道; 三輪 幸夫; 大内 朝男*; 磯崎 誠一*; 高木 清一*; 安彦 兼次*
Materials Transactions, JIM, 41(1), p.136 - 140, 2000/01
高純度Fe-(9-50%)Cr及びFe-50Cr-(0-8)W合金の引張特性に対して中性子照射の効果を調べた。これらの合金はSS-3タイプの形状の引張試験片にし、加工層を取り除いた後に、原子炉(JRR-3M)において、400、500、600Cの3温度で約0.4dpaの弾き出し損傷量まで照射された。照射後、多くの試験の場合、照射と同じ温度で、真空中にて4.4
10
s
の引張速度で引張試験を行った。この照射によって、これらの合金の降状強度と引張強度は増加した。また、照射によるそれらの強度の増分はこれらに添加したクロム量及びタングステン量の増加に伴い、大きくなる傾向になった。これらの合金の引張特性は多くの場合、延性的な挙動を示したが、500
C以下で照射されたFe-50CrとFe-50Cr-W合金においてのみ、それらの引張試験において、延性が生じないまま、脆性破断が生じた。これらの合金の引張特性は脆性的な挙動を示した温度及びクロム量の領域が状態図における約500
C以下での脆性領域に非常に近いことから、照射によって形成される
'相と格子間型転位ループに密接に関係していると考えられる
若井 栄一; 菱沼 章道; 阿部 弘亨; 三輪 幸夫; 高木 清一*; 安彦 兼次*
Proc of Ultra-High-Purity Metallic-Base Materials (UHPM-98), p.35 - 45, 1998/00
高純度Fe-50Cr-5W、8W合金を用い、照射下の相変態挙動を550C~800
Cの温度領域で調べた。照射は300keVのFe
イオンを0.16dpa/sの欠陥生成速度で、最大約300dpaまで照射を行った。ラーベス相は550~700
Cまで形成したが、照射温度の上昇に伴い、その数密度が減少した。また、シグマ相は670
C以上の温度で粒内に均一に形成した。670
Cと700
Cでは、それ以外に微細な結晶(サイズは約100nm)が形成した。一方、非照射材を時効した場合(700
Cで1000hrまたは82%圧延した後に700
Cで10hr時効)、シグマ相は形成されず、ラーベス相のみが形成した。したがって、600
C以下の温度では照射によって、ラーベス相の形成が促進されるが、温度の上昇とともに、その形成はだんだん抑制される傾向にあることが分かった。またシグマ相の形成は、照射によって誘起されたものである。照射下でのラーベス相とシグマ相の形成は照射誘起偏析と密接な関係があることが判明した。
若井 栄一; 菱沼 章道; 加藤 康*; 高木 清一*; 安彦 兼次*
日本金属学会講演概要,1994秋期 (第115回)大会, 0, p.488 - 494, 1994/00
Fe-Cr合金の原子炉材料への応用において、主な問題は照射脆性と照射によって生じる延性-脆化温度のシフトである。本研究ではこれらの初期過程における転位ループの発達に対する純度の効果を明らかにするために、99.7%と99.99%の2種類の純度のFe-Cr合金を作製し、室温から773Kの温度において1MeVの電子を照射した。低純度のFe-Cr合金においては{100}面にa〈100〉のバーガースベクトルを持つ転位ループのみが観察されたが、高純度のFe-Cr合金においては{100}面にa〈100〉型と{111}面にa/2〈111〉型の2種類の転位ループが観察された。a/2〈111〉型の転位ループの成長速度は723Kより高温側で、a〈100〉型の転位ループより速く、それより低温側ではやや遅くなることが分かった。これらの結果は、転位ループの成長速度がバイアス効果にコントロールされているだけではなく、ループの安定性によってもコントロールされていることを示している。
片野 進; 飯泉 仁
Physical Review Letters, 52(10), p.835 - 838, 1984/00
被引用回数:140 パーセンタイル:97.16(Physics, Multidisciplinary)Fe-Cr合金系における相分離の中性子散乱実験により、この合金が動的スケーリングの性質を有することがわかった。析出領域の大きさを示す波動ベクトルの時間依存症と、構造因子のスケーリング関数は共にある時効時間を境に変化する。このようなクロスオーバー現象は、合金系における析出機構が凝粒過程から凝縮過程に変ることが原因であると結論できる。
片野 進; 飯泉 仁
Physica B; Condensed Matter, 120, p.392 - 396, 1983/00
Fe-Cr合金の相分離に運動学について、中性子小角散乱実験により広範に調べ、最近の理論や計算機シミュレーションの結果と比較した。その結果、相分離過程の本質的な点はこれらの理論的予言によって説明されるものの、実際は相分離過程がより複雑なふるまいをすることがわかった。
片野 進; 飯泉 仁
Journal of the Physical Society of Japan, 51(2), p.347 - 348, 1982/00
被引用回数:14 パーセンタイル:81.51(Physics, Multidisciplinary)Fe-Cr系は重要な金属材料で、数多くの研究がなされた結果、550C以下の温度で広範な組成にわたって相分離すること、そしてこの相分離が系の析出硬化や脆化の原因である事がわかった。今回このFe-Cr系の相分離の機構を詳細に調べる目的で、相図の中央付近の濃度の合金の中性子小角散乱の実験を行なった。この系はX線や電子顕微鏡ではコントラストがつきにくい為、中性子散乱が最も有力な研究手段である。実験は550
Cで、積算して20時間迄時効し、散乱曲線の変化を調べた。一方、相分離の機構に関する理論としては、中央濃度付近の不安定状態にある合金に対するCahnのスピノーダル分解の理論があるが、近年、この理論で無視されている非線型項をとり入れた理論が発展し、また計算機シミュレーションもなされた。実験結果をこれらの理論と比較した結果、Fe-Cr系の相分離の時効による変化は古典的なCahn理論ではなく、最近の理論や計算機シミュレーションの結果でよく説明されることがわかった。
岡本 雅道*; 妹尾 宗明; 田代 晋吾; 馬場 恒孝; 三田村 久吉; 荒木 邦夫; 天野 恕
JAERI-M 8574, 28 Pages, 1979/11
原研においては、ガラス固化試験装置にクロムを主成分とする金属製溶融炉を採用し、1200C~1300
Cの温度域で約150時間、76回に及ぶ試験を行なった。今回、同一材料の新しい溶融炉と交換し、従来の溶融炉を試料として溶融炉に関する耐久性の検討を行なった。本報告ではフリーズバルブ上端に認められた遊離金属の生成機構について論じた。遊離金属の組織観察及び組成分析により次の結果を得た。遊離金属は溶融炉内壁において、炉材成分であるクロムによって還元された廃棄物元素のモリブデン及び鉄と炉材との反応により生成したものであり、種々の組織の集合体である。各組織の組成はFe-Cr-Mo三元系状態図において、炉材組成から低融点領域(およそ20%Cr55%Fe25%Mo)に向う線上に位置している。こうした機構により生成した遊離金属は溶融炉内壁に沿って沈降し、フリーズバルブ上端に堆積凝固したものと推定される。
鈴土 知明; 永井 康介*; Alfredo, C.*
no journal, ,
Fe-Cr合金は熱時効によりスピノーダル分解を起こし、材料の硬化や延性の低下などを招くことがよく知られている。本研究はこの現象の原子論的モデルリングの最初の試みである。我々はまずモンテカルロ法を用いてスピノーダル分解した微細構造を再現し、その構造中の刃状転位の運動を分子動力学で実現した。スピノーダル分解進行の様々な段階で、材料硬化の指標である臨界応力を測定し、実験観察で得られている相分離パラメータと硬化の線形関係を再現することに成功した。
古川 智弘; 高井 俊秀; 渡辺 茂樹*; 石岡 典子*
no journal, ,
近年、われわれはがん治療用アスタチン211の連続製造を可能にする液体ビスマス標的システムの開発研究を開始した。Fe-Cr-Al合金は、このシステムの候補標的窓の一つである。本研究では、液体ビスマス中における候補標的窓の耐食性を明らかにすることを目的に、複数のFe-Cr-Al合金およびその比較対象材料について高温でのビスマス中腐食試験を実施した。ビスマス中腐食試験は、アルゴンガス流雰囲気下で、つまり熱力学的には飽和溶存酸素濃度条件で実施し、試験温度と浸漬時間はそれぞれ500C、500時間である。浸漬後の各種材料の分析の結果、液体ビスマス中での腐食挙動は、ADSや高速炉の候補冷却材である鉛ビスマス共晶合金中での挙動と同様に評価できることがわかった。