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吉川 龍志; 今井 康友*; 菊地 紀宏; 田中 正暁; 大島 宏之
Nuclear Technology, 210(5), p.814 - 835, 2024/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)ナトリウム冷却高速炉安全性強化研究では、燃料ピンの構造健全性を評価するために各種運転条件下におけるワイヤスペーサ型燃料集合体内熱流動特性の解明が重要である。そこで有限要素法による集合体詳細熱流動解析コードSPIRALが開発されている。本研究では、SPIRALにおける壁近傍低Re数効果を考慮したハイブリッド型乱流モデルの妥当性を確認するために、層流-乱流遷移条件及び乱流条件を含む異なるRe数条件下の37本ピンバンドルナトリウム実験の再現解析を実施した。SPIRALによる予測された温度分布はナトリウム実験で測定され温度と一致した。以上によって、SPIRALにおけるハイブリッド型乱流モデルの広範囲Re数条件下ナトリウム冷却集合体熱流動評価への適用性を確認した。
河口 宗道; 平川 康; 杉田 裕亮; 山口 裕
Nuclear Technology, 210(1), p.55 - 71, 2024/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)本研究はもんじゅ模擬燃料集合体における残留ナトリウム膜及び塊の評価手法を開発し、実験的にピンの間のギャップを通ってナトリウムが流れる様子を確認した。ピン表面の残留ナトリウムの量は3種類の試験体((a)単ピン,(b)7本ピン集合体,(c)169本ピン集合体)を使って測定した。実験では、ピンの引き抜き速度やナトリウム濡れ性の改善により、残留ナトリウム量が劇的に増加することを明らかにした。さらに、169本ピンの実験により、短尺であるが模擬燃料集合体の実効的な残留ナトリウム量を測定し、模擬燃料集合体を通って流れるナトリウムの振舞いを確認した。開発した予測手法は、4つのモデル(粘性流れモデル、Landau-Levich-Derjaguin(LLD)モデル、Brethertonモデルに関わる実験式、管内の毛細管力モデル)から構築されており、その計算結果は実験の残留ナトリウム量と同程度な結果を与えた。ただし、ナトリウム濡れ性の不確かさはLLDモデルの予測値の約1.8倍である。この予測手法を使って、もんじゅの模擬燃料集合体に残留するナトリウム量を評価することができる。
曽野 浩樹; 井澤 一彦; 頼経 勉; 須山 賢也; 外池 幸太郎
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 7 Pages, 2023/10
原子力機構にはこれまで9つの臨界実験装置が建設・運転され、2023年現在、4施設が解体済み、4施設が廃止措置に移行し、原子炉運転を前提に現存するのはSTACYのみである。STACYは「ウラン硝酸溶液燃料を用いる臨界実験装置」から「軽水減速材及びウラン棒状燃料を用いる臨界実験装置」に炉心改造され、2024年の運転再開を予定している。STACY更新炉では、福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出しに向けた燃料デブリ臨界データ取得が当面の目的であるが、その後も次世代軽水炉開発ほか、その他教育訓練運転など様々な利用も見込まれる。これらの活動は、日本だけでなく、国際的な共同研究や共同利用にも役立つものである。
上羽 智之; 伊藤 昌弘*; 石谷 行生*
JAEA-Technology 2023-006, 36 Pages, 2023/05
日本原子力研究開発機構で開発しているBAMBOOコードは、高速炉用のワイヤスペーサ型炉心燃料集合体における燃料ピンバンドルの変形を解析するコードである。本研究では、燃料ピンとダクトとの相互作用により生じた隣接する燃料ピン同士や最外周の燃料ピンとダクトとの接触部に対して摩擦を考慮するモデルを開発した。これは、BAMBOOの接触・分離解析の中で摩擦力を考慮するモデルであり、摩擦が生じた場合に解析が数値的に不安定になる状況を避けるため、収束計算によって摩擦力を徐々に変化させていき確定するようにした。モデルの解析機能確認の結果、現実的な摩擦係数を適用した場合、ピン-ダクト接触時期やピンバンドル内の変位の方向について摩擦の影響が僅かに認められた。
吉田 啓之; 堀口 直樹; 小野 綾子; 古市 肇*; 上遠野 健一*
Proceedings of 29th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 29) (Internet), 7 Pages, 2022/08
About the boiling transition (BT) that determines the maximum thermal output of the BWR, it is considered that the spacers have significant effects on the occurrence of BT. And occurrence conditions of BT can be changed by devising the spacer shapes. In the light water cooled fast reactor: RBWR, thermal-hydraulics conditions are more severe than the current BWR. Then, the effect of the spacer on BT should be sufficiently utilized in the RBWR. In the thermal-hydraulics design for the current BWR, large-scale tests were carried out and used to evaluate BT conditions. The RBWR is still in the design stage, and there is room to be changed to many parameters. Then, it is not reasonable to determine the shape of the spacer by evaluation only for large-scale tests. On the other hand, by applying a two-phase CFD method with remarkable development in recent years, we can develop a model that can predict the effect of spacers mechanistically. This research used the detailed two-phase flow simulation code TPFIT developed by JAEA to simulate annular dispersed flow in RBWR subchannels. In the occurrence of BT, it is considered that the two-phase flow pattern is the annular dispersed flow, and we want to evaluate the effects of spacer shape on annular dispersed flow in RBWR subchannels. As the first step of this research, we performed numerical simulations of annular dispersed flow in the simplified subchannel of RBWR. We used a circular tube with the same hydraulic diameter as the RBWR subchannel to consider the basic effects of spacer on the annular dispersed flow. As a simulation parameter, we choose the existence of the spacer. The spacer used in the simulation has a simplified shape and the same blockage ratio as the RBWR. In this paper, we describe the result of numerical simulation. We evaluated droplets' size and velocity based on simulation results for the spacer's existence and non-existence cases.
小野 綾子; 山下 晋; 坂下 弘人*; 鈴木 貴行*; 吉田 啓之
第26回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(インターネット), 4 Pages, 2022/07
原子力機構では、原子炉心部の二相流挙動に対して界面追跡法に基づく機構論的熱流動解析手法であるJUPITERやTPFITを適用する試みを行っている。より詳細な炉内熱流動を把握する計算手法を得ることで、安全評価の適正化や新型燃料の最適設計に資するため、開発が望まれている。しかしながら、界面追跡を用いた解析手法において、伝熱面から沸騰させるためには極めて微小な解析格子を設定する必要があり、原子炉燃料集合体などの大規模な計算体系への適用は不可能であることが大きな課題であった。そこで本研究では、大規模計算体系に対して計算コストを削減した、新しい簡易的な沸騰モデルを開発して、強制流動沸騰について熱流束および流速を変えた再現解析を実施した結果について報告する。
上羽 智之; 根本 潤一*; 伊藤 昌弘*; 石谷 行生*; 堂田 哲広; 田中 正暁; 大塚 智史
Nuclear Technology, 207(8), p.1280 - 1289, 2021/08
被引用回数:3 パーセンタイル:29.11(Nuclear Science & Technology)高速炉燃料集合体の冷却材熱流動、燃料ピンの照射挙動、燃料ピン束の照射変形を連成して解析する統合計算コードシステムを開発した。このシステムは複数の計算コードから構成され、各コードが計算に必要とする情報を他のコードの計算結果から得るようになっている。これにより、照射下の燃料集合体における熱,機械,化学的挙動を関連させて解析することができる。本システムの機能確認のテスト解析として、高速炉で照射した混合酸化物燃料ピン束集合体の照射挙動解析を実施した。解析結果は集合体の横断面図、集合体や燃料ピンの3次元イメージモデル上に描画した。更に、解析で得られた燃料ピンの様々な照射挙動について、照射条件の影響を評価した。
福島 昌宏; Goda, J.*; 大泉 昭人; Bounds, J.*; Cutler, T.*; Grove, T.*; Hayes, D.*; Hutchinson, J.*; McKenzie, G.*; McSpaden, A.*; et al.
Nuclear Science and Engineering, 194(2), p.138 - 153, 2020/02
被引用回数:7 パーセンタイル:55.95(Nuclear Science & Technology)鉛の断面積を検証するために、燃料組成の異なる3つの高速中性子スペクトル場における鉛ボイド反応度価値に関する一連の積分実験を、米国の国立臨界実験研究センターの臨界実験装置Cometを用いて系統的に実施した。今回、2016年と2017年に実施した高濃縮ウラン/鉛炉心と低濃縮ウラン/鉛炉心の実験に引き続き、プルトニウム/鉛炉心での実験が完了した。プルトニウム/鉛炉心の構築では、アルゴンヌ国立研究所のZero Power Physics Reactor(ZPPR)で1990年代まで使用されたプルトニウム燃料を用いている。また、高濃縮ウラン/鉛炉心に関して、実験の再現性を高精度・高精度で保証するデバイスをCometに新に設置し、2016年の実験手法の再検討を行い、実験データの再評価を実施した。更に、これらの燃料組成の異なる3つの炉心における鉛ボイド反応度価値の実験データを用いて、モンテカルロ計算コードMCNPバージョン6.1により、最新の核データライブラリJENDL-4.0およびENDF/B-VIII.0を検証した。その結果、ENDF/B-VIII.0は、全ての炉心における実験データの再現性が良好であることを確認した。一方、JENDL-4.0は、高濃縮ウラン/鉛炉心と低濃縮ウラン/鉛炉心における実験データを再現する一方で、プルトニウム/鉛炉心では、20%以上過大評価することが明らかになった。
小野 綾子; 山下 晋; 鈴木 貴行*; 吉田 啓之
Proceedings of 18th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-18) (USB Flash Drive), p.666 - 677, 2019/08
機構論に基づいた限界熱流束(CHF)予測手法は、軽水炉燃料の最適設計や安全評価に必要である。CHFを予測するためにはバンドル内を流れる気泡の大きさや速度が必要となるが、既存の気泡運動に関する方程式を用いて、複雑な形状の燃料集合体内の気泡の大きさや速度を求めることは不可能である。そこで、本研究では、界面追跡法を用いた数値解析により、直接的に燃料集合体内の二相流データを得る。解析コードは原子力機構で開発しているJUPITERを用い、44バンドル体系において断熱条件で解析した。解析結果と既存の二相流研究データと比較することで解析コードの妥当性を検証し、CHF評価のための数値シミュレーション利用についてその可能性を確認した。
菊地 紀宏; 今井 康友*; 吉川 龍志; 堂田 哲広; 田中 正暁; 大島 宏之
Proceedings of 25th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-25) (CD-ROM), 12 Pages, 2017/07
先進ループ型ナトリウム冷却高速炉の設計検討において、高速炉の安全性向上のための方策の一つとしてFAIDUSと呼ばれる内部ダクトを有する燃料集合体の採用が検討されている。FAIDUSの設計実現性を確認するため、種々の運転条件下における熱流動評価が必要であり、本研究では、模擬燃料集合体を用いた試験を対象とした数値解析を通じ燃料集合体へのASFREコードの適用性を確認した後、内部ダクトのない燃料集合体とFAIDUSの熱流動解析を実施した。得られた結果からFAIDUS内に非対称な温度分布が生じず、FAIDUSの温度分布特性は内部ダクトのない燃料集合体と同様であることがわかった。特に、低流量条件において、浮力による局所的な流れの促進が流量再配分をもたらし、その影響により平坦な温度分布が形成されるとの知見を得た。
菊地 紀宏; 大島 宏之; 田中 正暁; 橋本 昭彦*
第21回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(USB Flash Drive), 4 Pages, 2016/06
高速炉燃料集合体の熱流力設計や安全性評価への適用を目的として、サブチャンネル解析コードASFREを整備し、複数の試験解析を通して燃料集合体内熱流動評価への適用性を確認してきたが、試験結果と比べやや急峻な温度分布となる傾向があった。本研究では、燃料集合体内温度分布の予測精度向上を目的として、流量配分に影響を及ぼす局所的な流動抵抗をより適切に評価するため、サブチャンネル解析の各コントロールボリュームにおいて冷却材が燃料ピンやワイヤスペーサから受ける局所的な流動抵抗を計算する分布抵抗モデル(DRM: Distributed Resistance Model)の精緻化を試みた。具体的には、DRMに組み込まれる燃料ピン配置等の幾何形状を考慮するモデルパラメータを修正した。改良されたDRMの適用性を確認するため、37本ピンバンドル体系ナトリウム試験を対象とした解析を実施し、その適用性を確認した。
小嶋 健介
Proceedings of International Conference on the Physics of Reactors; Unifying Theory and Experiments in the 21st Century (PHYSOR 2016) (USB Flash Drive), p.3283 - 3292, 2016/05
核特性解析への適用性を向上させるために、原子力機構では汎用核計算コードシステムMOSRAを開発している。衝突確率法に基づく格子計算モジュールMOSRA-SRACは本システムの中核を成しており、様々な計算モデルにおける本モジュールの適用性を検証することが求められている。この一連の検証の一環として、実験値との比較により、MOSRA-SRACの適用性を検証した。実験値としては、照射後試験SFCOMPO 99-5を選定した。この試験では、東京電力福島第二原子力発電所で使用された88BWR燃料集合体から引き抜かれたUO
-Gd
O
燃料棒の主要な重核種と核分裂生成物の組成が測定されている。比較の結果、実験値とMOSRA-SRACによる計算値はよく一致することがわかった。ウランおよびプルトニウム核種については、
Puを除き、5%以内で一致した。
Puは30%の過大評価となったが、これは燃料棒のボイド率履歴が不明であるためであると考えられる。核分裂生成物は、約10%以内で一致した。
東内 惇志; 石見 明洋; 勝山 幸三; 上羽 智之; 市川 正一
JAEA-Technology 2015-057, 72 Pages, 2016/03
高速炉の炉心燃料集合体では、燃焼度が高くなると燃料ピン束とラッパ管の機械的相互作用(BDI)が発生する。高速炉燃料の高性能化に向けて、太径燃料ピンのBDI挙動を予測することが必要になることから、照射燃料集合体試験施設(FMF)において太径燃料ピンを対象とした炉外バンドル圧縮試験手法を確立した。これまでに「常陽」や「もんじゅ」の細径燃料ピン、FFTF炉仕様の燃料ピンを対象とした炉外バンドル圧縮試験を実施してきたが、ホットイン後においても従来と同様の炉外バンドル圧縮試験を行うため、バンドル圧縮試験装置をセル外に設置し、圧縮の都度バンドル試験体をセル内に搬入し、X線CT検査装置により内部観察を行う新たな試験手法を確立した。本技術開発によりセルのホットイン後においても炉外バンドル圧縮試験を実施できることを確認した。本技術は、高速炉燃料の健全性評価、BDI解析コードの検証に加え、安全設計ガイドラインの具体化に向けた検討に反映可能である。また、フランスで開発が進められている技術実証炉「ASTRID」のBDI挙動評価にも反映が期待できる。
Bolind, A. M.*; 瀬谷 道夫
JAEA-Review 2015-027, 233 Pages, 2015/12
米国エネルギー省/国家安全保障庁の次世代保障措置イニシアティブ(NGSI)での「使用済み燃料非破壊測定プロジェクト」で検討されている14の最新の使用済み燃料集合体非破壊測定(NDA)技術手法に関する調査研究成果を報告するとともに、このNDAの精度の観点からの議論と批評を行う。この報告書では、現在提案されているNDA方法に関する主たる問題である測定結果の大きな曖昧さ(誤差)が、第一義的には独立な測定手法で行っていないことから発生していることを示す。この報告書では筆者らは、NDA結果を改善するためには、NDAの物理量が3次元構成となっているため、少なくとも3つの独立したNDA手法が必要であることを示す。
秋本 肇
JAEA-Data/Code 2014-031, 75 Pages, 2015/03
鉛ビスマス冷却加速器駆動核変換システム(ADS)の熱設計解析に資するため、軽水炉過渡解析コードJ-TRACをコードの骨組みとして、ADS用熱設計解析コードを整備した。軽水炉, ナトリウム冷却高速炉に対する安全解析及びこれまで行われたADSに対する熱流動解析を対象としてADS用熱設計解析コードに必要な解析機能を摘出した。J-TRACコードに不足する解析機能を追加するため、鉛ビスマス共晶合金(LBE), アルゴンガス, 窒化物燃料の物性値ルーチン並びに液体金属に対する強制対流領域における壁面熱伝達率相関式をJ-TRACコードに組み込んだ。LBE単相流の圧力損失解析、窒化物燃料集合体の熱伝達解析、及び蒸気発生器熱伝達解析を行い、追加した解析機能が所期の通りにJ-TRACコードに組み込めていることを確認した。
神山 健司; 小西 賢介; 佐藤 一憲; 豊岡 淳一; 松場 賢一; 鈴木 徹; 飛田 吉春; Pakhnits, A. V.*; Vityuk, V. A.*; Vurim, A. D.*; et al.
Proceedings of 10th International Topical Meeting on Nuclear Thermal Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-10) (USB Flash Drive), 8 Pages, 2014/12
The relocation of degraded core material through the Control Rod Guide Tubes (CRGTs) is one of essential subjects to achieve the in-vessel retention (IVR) in the case of postulated core disruptive accidents (CDAs) of sodium-cooled fast reactors (SFRs). The CRGT is available as the discharge path by its failure in the core region and heat-transfer from the core-material to the CRGT is one of dominant factors in its failure. In case of a core design into which a fuel subassembly with an inner duct structure (FAIDUS) is introduced, a mixture of solid-fuel and liquid-steel is supposed to remain in the core region since the FAIDUS could effectively eliminate fuel in liquid-state from the core region. Therefore, the objective of the present study is to obtain experimental knowledge for the evaluation of heat-transfer from the mixture of solid-fuel and liquid-steel to the CRGT. In the present study, an experiment was conducted using Impulse Graphite Reactor which is an experimental facility in National Nuclear Center of the Republic of Kazakhstan. In the experiment, the mixture of solid-fuel and liquid-steel was generated by a low-power nuclear heating of fuel and transferring its heat to steel, and then, data to consider the heat-transfer characteristics from the mixture of solid-fuel and liquid-steel to the CRGT were obtained. The heat-transfer characteristic was revealed by evaluating thermocouple responses observed in the experiment. Through the present study, knowledge was obtained to evaluate heat-transfer from the remaining core-materials to the CRGT.
秋本 肇; 玉井 秀定; 大貫 晃; 高瀬 和之
日本混相流学会年会講演会2005講演論文集, p.229 - 230, 2005/08
日本原子力研究所(原研)では、軽水炉技術をベースとし、プルトニウムの有効利用を図るため、転換比1を超える性能を視野に入れた超高燃焼水冷却増殖炉(RMWR; Reduced-Moderation Water Reactor)の設計研究を進めている。水冷却増殖炉では、炉物理上の要請から減速材体積割合を低減する必要がある。このため、燃料棒間隙が1mm程度の稠密格子燃料集合体が採用されており、その除熱性能を把握することが炉心熱設計の重要な課題であり、実験と3次元二相流解析技術の開発を2002年から進めている。本報告では、稠密格子燃料集合体の除熱技術開発に関する研究計画の概要と37本バンドル試験部による稠密格子炉心熱特性試験,モデル実験などで得られた主な実験結果について報告する。
高瀬 和之; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*; 秋本 肇
WIT Transactions on Engineering Sciences, Vol.50, p.183 - 192, 2005/00
原子炉熱設計に必要である炉心内水-蒸気系二相流構造の詳細を大規模シミュレーションによって明らかにする研究を行っている。従来の熱設計手法ではサブチャンネル解析コードに代表されるように実験データに基づく構成式や経験式を必要とするが、新型炉に関しては熱流動に関する実験データが十分ではないため、従来手法による熱設計では高精度の予測は困難である。そこで、著者らは、シミュレーションを主体とした先進的な熱設計手法を開発し、これに従来手法を組合せることによって効率的な新型炉開発の実現を目指している。本論文では、次世代型水冷却炉を対象にして気泡流や液膜流に関する大規模な気液二相流シミュレーションを行い、燃料棒が3角ピッチ状に稠密に配置され、流れ方向にスペ-サを有する燃料集合体内における複雑な水と蒸気の3次元分布を定量的に明らかにした結果を示す。
安藤 真樹; 中野 佳洋; 岡嶋 成晃; 川崎 憲二
JAERI-Research 2003-029, 72 Pages, 2003/12
ROX燃料に添加する共鳴物質としてエルビウム(Er),タングステン(W),トリウム(ThO)に着目し、これら物質のドップラー効果に対する計算予測精度の検証を行うことを目的とし、FCAを用いて実験を行った。実験は、高速炉体系(XX-2)と中速スペクトル体系(XXI-1D2)において、800
Cまでのサンプル加熱反応度価値測定法により行った。解析では、核データにJENDL-3.2を用い、FCA標準解析手法を基本計算とし実験値と計算値を比較した。また、SRACシステムを用いた解析を行い、SRACによる計算の予測精度の傾向を調べるとともに、基本計算の解析結果と比較した。輸送補正を施した基本計算の解析の結果、XX-2炉心では全般的に過小評価となり、XXI-1D2炉心では計算値は実験誤差の範囲内で実験値とほぼ一致した。SRACシステムによる解析の結果、ErサンプルではSRACの方が3%
10%小さい計算値を与え、Wサンプルでは、SRACの方が2%
5%大きな計算値を与えることがわかった。またThO
サンプルでは、XX-2炉心ではSRAC解析
基本計算であるのに対して、XXI-1D2炉心ではその逆となった。
奥野 浩
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(7), p.544 - 551, 2003/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)臨界計算のベンチマーク結果を類似性に従い分類する方法をこの論文では提案した。相関係数を利用する方法の定式化の後に、経済協力開発機構/国際エネルギー機関(OECD/NEA)の下に実施された燃焼度クレジット臨界ベンチマーク問題III-A及びII-Aに適用した。ベンチマーク問題III-Aは照射済みの沸騰水型炉(BWR)燃料集合体の一連の臨界計算で、ベンチマーク問題II-Aは照射済みの加圧水型炉(PWR)燃料ピンの一連の臨界計算である。これらのベンチマーク問題及び結果をまとめた。相関係数を計算し、一連のベンチマーク計算結果の分類を、相関係数の値としてベンチマーク問題III-Aでは0.15以上,ベンチマーク問題II-Aでは0.10以上という基準に従い分類した。2つのベンチマーク計算結果が同一のグループに属するときに、一方の計算結果は他方の計算結果から予想可能であることがわかった。それぞれのベンチマークについて例を示した。評価済み核データが分類の主因子であった。