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井戸村 泰宏
Physics of Plasmas, 31(10), p.102504_1 - 102504_10, 2024/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Fluids & Plasmas)トカマクプラズマにおける水素同位体混合現象をfull-fジャイロ運動論シミュレーションを用いて解析した。モデルプラズマのパラメータは、重水素(D)ペレットを水素(H)プラズマに入射した後にエネルギー閉じ込め時間スケールで水素同位体混合が発生したJETの水素同位体ペレット実験に基づいて選択した。重水素ペレット入射前後のプラズマ分布を用いて2つの数値実験を行った。どちらの場合も、炉心の乱流揺動はイオン温度勾配駆動乱流によって特徴づけられるが、後者の場合、外側の領域に捕捉電子モード乱流が存在する。前者の場合、バルクHイオンの密度分布は準定常状態に保たれ、その粒子閉じ込め時間はエネルギー閉じ込め時間よりも一桁長い。後者の場合、バルクHイオンとペレットDイオンの密度分布は、エネルギー閉じ込め時間の時間スケールで過渡的な緩和を示し、早い水素同位体混合を示す。トロイダル角運動量バランスから、水素同位体混合はトロイダル電場応力によって駆動されることがわかった。
橋本 俊輔*; 中島 健次; 菊地 龍弥*; 蒲沢 和也*; 柴田 薫; 山田 武*
Journal of Molecular Liquids, 342, p.117580_1 - 117580_8, 2021/11
被引用回数:3 パーセンタイル:19.45(Chemistry, Physical)エチレングリコール水溶液中に二酸化ケイ素(SiO)ナノ粒子を分散したナノ流体の準弾性中性子散乱測定(QENS)およびパルス磁場勾配核磁気共鳴分析(PFGNMR)を行った。研究目的は、このナノ流体の熱伝導率が理論値を超えて増加するメカニズムを解明することだった。得られた実験結果は、SiOナノ粒子の周りの液体分子の運動が非常に制限されているため、SiOナノ粒子の添加により、エチレングリコール水溶液中の液体分子の自己拡散係数が低下していることを示す。そして温度一定の条件で、SiOナノ流体中で、液体分子の自己拡散係数が減少するにつれて、熱伝導率が増加した。
奥野 清; 中嶋 秀夫; 小泉 徳潔
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 16(2), p.880 - 885, 2006/06
被引用回数:11 パーセンタイル:51.14(Engineering, Electrical & Electronic)ITER超伝導マグネットの製作に必要な技術開発として、日本,米国,EU,ロシアの国際協力の下で中心ソレノイド・コイル及びトロイダル磁場コイルの開発を実施し、それぞれのモデル・コイルで開発目標を達成するとともに、ITER超伝導マグネットの設計・製作手法を実証した。これらの成果に基づき、設計合理化と製作時のリスク低減を目的として、マグネット要素機器のさらなる性能の向上や、実規模での試作を行っている。超伝導素線では新たな技術仕様を策定し、既にこの仕様を満たす素線が試作された。さらにトロイダル磁場コイル容器では、数十トンの試作を行い、大型製品製造技術を確立しつつある。これらにより、ITER超伝導マグネットの調達準備を進めるとともに、核融合以外の超伝導マグネットにも応用できる普遍的な技術を確立する。
西村 新*; 室賀 健夫*; 竹内 孝夫*; 西谷 健夫; 森岡 篤彦
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1675 - 1681, 2006/02
被引用回数:3 パーセンタイル:23.82(Nuclear Science & Technology)核融合炉において超伝導コイルを安定して運転するためには、NBIポート等の真空容器の貫通部から突き抜けてくるストリーミング中性子による核発熱を抑制するとともに、長期的には放射化を低減することが重要であり、中性子工学の観点から超伝導コイルの材料に関する評価が必要である。本論文は、そのような研究を要する背景を述べ、代表的な超伝導線材であるNbSnの中性子照射試験結果,低放射化超伝導線材の開発、及びストリーミング中性子による核発熱を抑制する遮へい設計の現状を報告する。さらに、高エネルギー粒子の研究に関する最近の動向と、広いエネルギー帯域の線環境下で使用される加速器用超伝導コイルの設計の概要について発表する。
森 雅博; ITER Japanese Participant Team
Fusion Engineering and Design, 81(1-7), p.69 - 77, 2006/02
被引用回数:1 パーセンタイル:9.78(Nuclear Science & Technology)ITER移行措置(ITA)では、各参加極ごとに設けられた参加極チームの協力のもとに国際チームを中心としてITER建設の準備作業が進められている。日本では、原研の中に編成された日本参加極チーム(JA-PT)がITER機器の調達における製作技術と品質管理手法を確証するために必要な多くの技術作業を分担実施して貢献してきた。例えば、JA-PTは、NbSn撚り線の試作試験を日本国内4社の協力を得て進めており、既に一社に対してはITERの要求条件を満足する一つの撚り線構造を決定することができた。他社の試作撚り線を含めて全ての撚り線の確認は、2005年末までに完了する予定である。TFコイルの構造材料や中心ソレノイドコイルジャケットの工業レベルでの試作も進めている。また、真空容器や遮蔽ブランケットモジュールの部分モックアップの試作によって、製作技術と品質試験法の実証を進めているところである。さらに、より信頼性が高く長期間にわたる安定な運転や長パルス運転に向けて、NB及びECシステムに関する幾つかの改善法を見いだすなど、設計の詳細化に資する検討等を実施した。これらの準備作業を実施することによりITER機器の調達仕様を最終化することが可能になる。
Hemsworth, R. S.*; 井上 多加志
IEEE Transactions on Plasma Science, 33(6), p.1799 - 1813, 2005/12
被引用回数:102 パーセンタイル:93.45(Physics, Fluids & Plasmas)本論文は、磁気核融合研究に用いられる中性粒子入射装置の主要機器である、正・負イオン源に関するレビュー論文である。高プロトン比(90%),大電流密度(2kA/m),低ガス圧運転(0.4Pa),高効率、並びにイオンの大面積一様生成といった、高い性能を同時達成するために開発されてきた正イオン源の物理をレビューする。また核融合炉用の高エネルギー中性粒子ビーム生成に不可欠となる、負イオン源開発の現状についても報告する。負イオン源開発の進展により、核融合炉用中性粒子入射装置で求められる、低ガス圧(0.3Pa)での大電流密度(200A/m)負イオン(D)生成,低引き出し電子電流といった多くの要求性能がすでに達成されている。さらに、将来の中性粒子入射装置で求められる高い性能を満足するために必要な開発項目についても言及する。
安藤 俊就*; 木津 要; 三浦 友史*; 土屋 勝彦; 松川 誠; 玉井 広史; 石田 真一; 小泉 徳潔; 奥野 清
Fusion Engineering and Design, 75-79, p.99 - 103, 2005/11
被引用回数:1 パーセンタイル:10.27(Nuclear Science & Technology)トカマク国内重点化装置のTFコイルはNbAl導体を用い、リアクト・アンド・ワインド法で製作することが検討されている。その製作方法の妥当性を実証するために、実機サイズの導体に0.4%の曲げ歪みを加えて巻き線したコイルサンプルを試作し、試験した結果、その臨界電流値は曲げ歪みを加えていない導体サンプルの臨界電流値とほとんど同じであった。このことは、コイル製作時の曲げ歪みによって臨界電流値が約10%低下するとの予想に反し、実機コイルの製作には朗報である。この現象について解析を行った結果、導体のケーブル部を構成するNbAl線が曲げ加工中に互いに滑ったことが予想された。その考察、解析について議論する。
上田 良夫*; 井上 多加志; 栗原 研一
日本原子力学会誌, 46(12), p.845 - 852, 2004/12
核融合開発の現状と今後の展望を、核融合分野外の日本原子力学会会員に理解してもらうことを目的とした、原子力学会核融合工学部会企画の連載講座の第1回である。最も実現に近い核融合炉として、DT反応を用いたトカマク型炉を取り上げ、エネルギー発生に必要な炉心プラズマ条件を概説する。また安全性,廃棄物,トリチウム,環境負荷,必要資源,建設コストの観点から核融合炉の特徴と課題を議論するとともに、トカマク型核融合炉の構成機器を紹介する。
山本 和喜; 熊田 博明; 中井 啓*; 遠藤 聖*; 山本 哲哉*; 松村 明*
Proceedings of 11th World Congress on Neutron Capture Therapy (ISNCT-11) (CD-ROM), 14 Pages, 2004/10
放射線治療上、細胞密度分布を考慮した線量分布が要求されている。次世代ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)用線量評価システムの開発に向けて、照射領域を決定するための新しい方法を提案する。医療画像を用いては腫瘍細胞の拡散浸潤度を十分に評価することはできない。そのためBNCTの治療プロトコールを参考に、腫瘍を囲む照射領域はガドリニウムを用いた核磁気共鳴画像(MRI)のT1画像上に強調される領域から通常2cm余裕を見た任意の距離に拡張する領域として設定されている。この研究では、照射領域境界の細胞濃度を時間-空間球座標系の腫瘍細胞拡散モデルによって議論し、BNCT照射後に生存する腫瘍細胞密度分布を仮想脳ファントムのための2領域拡散モデルによって予測した。
奥野 清
超電導Web21(インターネット), (2004年8月), P. 1, 2004/08
ITER超電導コイルはTFコイル,CS,PFコイルの3種類があり、これらのコイルには超電導素線を約1,000本束ねた撚り線を金属管に封入した強制冷凍型導体が使用される。TFコイルとCSは1213Tの磁場で運転されるため超電導材料としてNbSnが使用され、PFコイルは6T以下の磁場であるためNbTiが用いられる。ITER工学設計活動では、ITER実機環境の高磁場(13T),大電流(46kA)で運転されるCSモデル・コイルを開発した。本開発では、高電流密度と低ヒステリシス損失を同時に実現する高性能NbSn素線を開発した。ITER実機におけるNbSn素線の要求性能は、臨界電流密度が700800A/mm以上、ヒステリシス損失が1000mJ/cm以下で、これらは、モデル・コイルで開発した技術の外挿で十分達成可能である。
奥野 清; Shikov, A.*; 小泉 徳潔
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.141 - 147, 2004/08
被引用回数:15 パーセンタイル:67.43(Materials Science, Multidisciplinary)磁場閉じ込め型核融合炉では、TFコイルが作り出す磁場が高いほど高性能のプラズマが効率的に得られる。このことから、核融合研究は、常に新たな優れた超伝導材料を工業ベースで大型コイルに適用する技術開発の先陣を司ってきた。国際熱核融合実験炉(ITER)では、高性能NbSn超伝導線材の工業的規模での生産を実証するとともに、実規模大のモデル・コイルを製作し、13Tの高磁場で動作する大型超伝導コイルの製作技術を確立した。また、NbSnより高磁場特性が優れたNbAlについても、原研独自の方法で線材の大量生産技術を開発、13Tで動作するコイルを製作し、大型コイルへの適用性を実証した。一方、高温超伝導体については、線材の基礎的な特性評価を進めている。しかしながら、NbAlや高温超伝導体を、核融合炉用としてこれらが本来有する優れた性能を発揮し、高磁場(NbAlで約16T,高温超伝導で20T以上)で使用できるようになるには、大電流化や大型コイル製作のための製造技術,設計手法など、数多くの困難な技術的課題を克服しなければならない。これら核融合炉用超伝導コイル開発における日本とロシアの研究状況について述べる。
Konovalov, S. V.; Mikhailovskii, A. B.*; Kovalishen, E. A.*; Kamenets, F. F.*; 小関 隆久; Shirokov, M. S.*; 滝塚 知典; Tsypin, V. S.*
Doklady Physics, 49(7), p.405 - 408, 2004/07
被引用回数:1 パーセンタイル:11.67(Mechanics)真空容器の外側に設置されたフィードバックシステムによる新古典テアリングモードの制御効果を解析的に明らかにした。磁気島列に対する外部制御パラメータは、ステップ状の平衡電流分布に対して求められた。適切なパラメータの設定により、磁気島幅と回転の応答を説明できた。このフィードバックシステムは磁気島の回転制御をもたらし、特にNTMの分極電流効果の安定化に重要であることを示した。
奥野 清
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1376 - 1381, 2004/06
被引用回数:6 パーセンタイル:36.43(Engineering, Electrical & Electronic)核融合用超伝導マグネットは、大型で強磁場を発生し、また大電磁力,中性子線場で運転される。この特長から、ITERでは、新しい設計概念と、それを実現するための製作法を提案した。ITER工学設計活動では、この新しい設計手法,製作手法の有効性を実証するため、日本,米国,EU,ロシアの国際協力の下でCSモデル・コイル計画を遂行した。CSモデル・コイルは定格13T, 46kAを達成するとともに、0.6T/sのパルス運転にも成功し、開発の全ての目標を達成した。このCSモデル・コイル計画では、以下に述べるような多くの分野で、先進的な技術開発がなされた。(1)高性能ニオブ・スズ超伝導線の開発と実用化、(2)超伝導生成熱処理に耐える高強度ジャッケト材料、(3)最大46kAの大電流化技術、(4)10MGyの吸収線量まで許容する絶縁材料、(5)大型マグネットの製作を容易にしたwind-react-and-transfer方によるコイル製作技術、などである。これらCSモデル・コイルで得られた成果は、ITERマグネットの設計や品質保証計画にフィードバックされ、その設計はさらに洗練されたものとなった。また、これらの技術は産業界を通して、核融合以外の他分野でも有効利用される。
岸本 泰明
プラズマ・核融合学会誌, 79(5), p.460 - 463, 2003/05
「異なった時空間スケールが関与する多階層シミュレーション研究」の視点に基づいて、プラズマが本質的役割を果たす基礎学術分野,磁場核融合分野,レーザー核融合分野,宇宙・天体分野の多階層シミュレーション研究の現状と今後の展開に関して、大規模計算機を中心とした計算科学の視点を含めてレビューしたものである。
小泉 徳潔; 奥野 清
プラズマ・核融合学会誌, 79(4), p.420 - 421, 2003/03
超電導磁石研究室の紹介を行った。超電導磁石研究室は、1977年に設立され、その後、LCTコイル計画,実証ポロイダル・コイル計画を実施した。その実績により、ITERモデル・コイルの実証試験を、当研究室で実施することとなった。そして、モデル・コイルの実験では、定格点13T-46kAまで無事にコイルを励磁することに成功した。
常松 俊秀; 関 昌弘; 辻 博史; 奥野 清; 加藤 崇; 柴沼 清; 花田 磨砂也; 渡邊 和弘; 坂本 慶司; 今井 剛; et al.
Fusion Science and Technology, 42(1), p.75 - 93, 2002/07
被引用回数:1 パーセンタイル:9.78(Nuclear Science & Technology)ITER(国際熱核融合実験炉)工学設計活動における日本の工学技術の研究開発活動と成果について、欧州,日本,ロシア,米国の国際協力により実施されたITERの設計結果と合わせて述べる。ITERを構成する主要機器のうち、超伝導コイル,真空容器,高熱流束プラズマ対向機器,中性粒子入射装置,大電力のミリ波を発生するジャイロトロン等について、ITER実機に外挿可能な規模のモデル試験体を開発・製作・試験するプロセスを通じてITERに必要な新技術が開発された。日本で得られた主な成果は、13T, 640MJのニオブ・スズを用いた超伝導コイル技術,高さ15m,横幅9mの真空容器技術,20MW/mの熱流束を処理できるCuCrZr製の冷却管技術,31mA/cmの電流密度を有する負イオン源技術と1MeVのイオン加速器技術及び1MWの出力機能を有するジャイロトロン技術である。
濱田 一弥; 中嶋 秀夫; 奥野 清; 遠藤 壮*; 菊地 賢一*; 久保 芳生*; 青木 伸夫*; 山田 雄一*; 大崎 治*; 佐々木 崇*; et al.
JAERI-Tech 2002-027, 23 Pages, 2002/03
国際熱核融合実験炉(ITER)の建設判断に必要な技術を実証することを目的として、1992年から工学設計活動 (EDA) が日本,欧州連合(EU),ロシア,米国の国際協力によって進められた。このEDAでは、各種の先端的機器の製作技術開発が行われ、ITERで必要とされる製作技術の実証と技術目標の達成に成功し、2001年7月に終了した。そして、現在、ITER計画は建設に向けた新たな局面へと進んでいる。ITERの超伝導コイル・システムは、トロイダル磁場(TF)コイル,中心ソレノイド(CS)コイル,ポロイダル磁場(PF)コイル,及び不整磁場補正コイルの4種類からなる。これらのコイルの内、CSコイル及びTFコイルは、これまで経験したことのない大型かつ高性能なコイルであるため、EDAにおいて、それぞれCSモデル・コイル計画及びTFモデル・コイル計画を実施し、製作技術開発及び超伝導特性の実証試験を行った。CSモデル・コイルの製作には、高性能超伝導素線製造技術,大型撚線技術,コイル化技術,熱処理技術,超伝導導体接続技術及び高耐電圧絶縁技術の開発が不可欠である。本報では日本が中心となって開発に成功したCSモデル・コイルについて、以上の製作技術を中心に紹介する。
奥野 清; Bessette, D.*; Ferrari, M.*; Huguet, M.*; Jong, C.*; 喜多村 和憲*; Krivchenkov, Y.*; Mitchell, N.*; 瀧上 浩幸*; 吉田 清; et al.
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.153 - 157, 2001/11
被引用回数:2 パーセンタイル:19.35(Nuclear Science & Technology)ITERマグネット・システムは18個のトロイダル・コイル、中心ソレノイド、6個のポロイダル・コイルで構成される。これらマグネットの設計にあたっては、いくつもの技術的課題を解決するとともに、ITERのミッションを達成するため、これまでにない特徴を有する設計となった。会議では、これらマグネットの設計の詳細について報告する。
関 泰; 森 清治*; 西尾 敏; 植田 脩三; 栗原 良一
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(Suppl.1), p.268 - 275, 2000/03
高い安全性、良好な環境影響、高い熱効率と稼働率を目指したDREAM炉概念を提案した。この炉のブランケットには極低放射性のSiC/SiC複合材を構造材として、化学反応性のないヘリウムガスを冷却材としている。非常に簡単な分解保守方式により高いプラント稼働率が得られ、出口温度900Cのヘリウムガスにより50%近い熱効率を実現した。このように魅力的な炉概念ではあるが、口径80cmのヘリウム冷却管を通しての中性子ストリーミングが問題となる。中性子ストリーミングが冷却管に隣接する極低温超電導磁石におよぼす影響、ガスタービン管における被ばく線量に対する効果を調べた。その結果、冷却管をトーラスの内側に引き出す場合には、被ばく線量を十分に低くできないが、トーラスの外側に引き出す場合には、追加遮蔽を施すことにより被ばく線量を十分に低くできることを明らかにした。
渡邊 和弘; 秋場 真人; 秦野 歳久; 今井 剛; 栗山 正明; 小原 祥裕; 奥村 義和; 辻 博史
Proceedings of 10th International Toki Conference on Plasma Physics and Controlled Nuclear Fusion (ITC-10), p.525 - 529, 2000/00
原研における定常トカマク炉に向けての主要な工学技術の開発状況について述べる。電流駆動のための高エネルギーNBIについては、負イオンの1MeV加速、30mA/cmの高電流密度負イオン生成、140時間の負イオン連続生成等にそれぞれ成功し、MeV級のNBI実現の見通しを得た。またRF加熱では、170GHzで450kW,110GHzで1MWの発振出力を、ダイヤモンド窓を用いることにより成功し、ECRF装置の見通しを示した。トカマク本体の工学技術に関しても、F82Hを用いた低放射化のブランケットモデルで2.7MW/mの熱負荷5000サイクル以上を確認し、ダイバータ実規模モデルにおいても、定常熱負荷5MW/mで3000サイクル以上、20MW/m・10Sで1000サイクル以上を確認し、実現性を示した。プラズマ閉じ込めの大型超伝導磁石については、46kAで13Tの磁場を1T/sの速度で発生できる中心ソレノイドコイルモデルを製作し、試験を開始した。