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相原 純; 植田 祥平; 本田 真樹*; 笠原 清司; 岡本 孝司*
JAEA-Research 2024-012, 98 Pages, 2025/02
Pu燃焼高温ガス炉とは、再処理Puの量を安全に減らすための高温ガス炉である。Pu燃焼高温ガス炉では、PuO-イットリア安定化ジルコニア(PuO
-YSZ)の微小球にZrC層を被覆し、更にSiC-TRISO被覆を施した核拡散抵抗性の高い被覆燃料粒子(CFP)を用いる計画である。ZrC層の役割は酸素ゲッターである。平成26-29年に行われたPu燃焼高温ガス炉研究プロジェクトでは、Puの模擬物質としてCeを用いて模擬CFPが製造され、更に、この模擬CFPがHTTR燃料と同様に黒鉛母材で焼き固められ模擬燃料コンパクトが製造された。本報告では、模擬燃料コンパクト製造までの各段階におけるCeO
-YSZ核及びZrC層の微細構造観察の結果を報告する。
武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.
High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02
本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。
植田 祥平; 水田 直紀; 深谷 裕司; 後藤 実; 橘 幸男; 本田 真樹*; 齋木 洋平*; 高橋 昌史*; 大平 幸一*; 中野 正明*; et al.
Nuclear Engineering and Design, 357, p.110419_1 - 110419_10, 2020/02
被引用回数:1 パーセンタイル:9.57(Nuclear Science & Technology)固有の安全性に優れ高効率なプルトニウムの利用が可能なプルトニウム燃焼高温ガス炉が提案されている。プルトニウム燃焼高温ガス炉に用いるセキュリティ強化型安全(3S-TRISO)燃料においては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を不活性母材とするPuO-YSZ燃料核へ、遊離酸素ゲッターの特性を有する炭化ジルコニウム(ZrC)を直接被覆する。本論文では、プルトニウム燃焼高温ガス炉の成立性および3S-TRISO燃料の研究開発について報告する。
相原 純; 後藤 実; 植田 祥平; 橘 幸男
JAEA-Data/Code 2019-018, 22 Pages, 2020/01
Pu燃焼高温ガス炉とは、再処理Puの量を安全に減らすための高温ガス炉である。Pu燃焼高温ガス炉では、PuO-YSZの微小球にZrC層を被覆し、更にSiC-TRISO被覆を施したCFPを用いる計画である。ZrC層の役割は、酸素ゲッターである。主に、このPu燃焼高温ガス炉のCFPにも適用するための現時点で可能な範囲での準備として、高温ガス炉の燃料であるCFPの内圧破損確率評価のための、健全CFPの被覆層の応力計算用コードシステムであるCode-B-2を改良し、Code-B-2.5.2とした。本報告では、Code-B-2.5.2の基礎式を報告する。
小川 益郎*
JAEA-Technology 2019-010, 22 Pages, 2019/07
円管内流れは、流れが実際に遷移し、遷移流が間欠性を示すにもかかわらず、あらゆる小さな外乱に対して線形的に安定である。このことは、流体力学ではまだ解決されていない大きな課題の一つである。そこで、著者は、これまで誰も気がつかず認識してこなかった事実を初めて指摘する。この事実というのは、「円管内の流れは、流れの剥離によって、円管入り口付近に形成される剥離泡から放出された渦のために層流から遷移し、そして渦放出が間欠的であるために遷移流が間欠性を示す。」というものである。この事実は、円管の入口形状が遷移レイノルズ数に大きく影響することや、第3の遷移現象に分類されている外側円筒が支配的に回転する同心二重円筒間の流れが円管内の遷移流れと同様に流れの剥離によって間欠性を示すといった、多くの実験結果によって裏付けられている。本研究によって、高温ガス冷却炉の熱流体設計において最も重要な課題の一つである熱伝達促進のために、急縮小型の入口形状が遷移開始レイノルズ数をできる限り小さくできることを明らかにした。
相原 純; 植田 祥平; 後藤 実; 稲葉 良知; 柴田 大受; 大橋 弘史
JAEA-Technology 2018-002, 70 Pages, 2018/06
HTFPコードは、高温ガス炉(HTGR)の核分裂停止後の核分裂生成物(FP)の燃料棒からの追加放出量を計算するコードである。軽微な変更を施したFORNAX-AコードもHTFPコードと同様の計算が可能である。そこで、本報告において軽微な変更を施したFORNAX-Aコードを用い、HTFPコードとのCsの放出挙動に関する結果の比較を行った。軽微な変更を施したFORNAX-Aコードによる計算結果から評価した被覆燃料粒子(CFP)からのCs-134の放出定数は、HTFPコードにおけるデフォルト値とはかなり異なることがわかった。
笠原 清司; 今井 良行; 鈴木 孝一*; 岩月 仁; 寺田 敦彦; Yan, X.
Nuclear Engineering and Design, 329, p.213 - 222, 2018/04
被引用回数:25 パーセンタイル:91.02(Nuclear Science & Technology)原子力機構が開発を行っている商用高温ガス炉GTHTR300C(Gas Turbine High Temperature Reactor Cogeneration)を熱源とした、熱化学水素製造IS(iodine-sulfur)プロセスのフロー計算による概念設計を行った。水素製造効率を向上させる以下の革新的技術を提案し、プロセスに組み込んだ:ブンゼン反応排熱の硫酸フラッシュ濃縮への回収、硫酸濃縮塔頂からの硫酸溶液投入による硫酸留出の抑制、ヨウ化水素蒸留塔内でのヨウ素凝縮熱回収。熱物質収支計算により、GTHTR300Cからの170MWの熱によって約31,900Nm/hの水素製造が見積もられた。革新的技術と、将来の研究開発により期待される高性能HI濃縮、分解器、熱交換器の採用によって、50.2%の水素製造効率の達成が見込まれた。
野口 弘喜; 竹上 弘彰; 笠原 清司; 田中 伸幸; 上地 優; 岩月 仁; 会田 秀樹; 久保 真治
Energy Procedia, 131, p.113 - 118, 2017/12
被引用回数:25 パーセンタイル:99.72(Energy & Fuels)ISプロセスは最も研究された熱化学水素製造プロセスである。現在、原子力機構は実用材料機器を用いた設備による試験の段階にある。主な課題は、プロセス全体の成立性と過酷な環境下での安定した水素製造の確証である。そのために、耐食材料を用いた水素製造能力100L/hの試験設備を作製した。初めに、工程ごとの試験により反応器や分離器の基礎的な性能を確認した。その後、全工程を接続して運転を行い、8時間連続での10L/hの水素製造に成功した。
田中 伸幸; 竹上 弘彰; 野口 弘喜; 上地 優; 岩月 仁; 会田 秀樹; 笠原 清司; 久保 真治
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.1022 - 1028, 2016/11
原子力機構では、工業製材料を使用した100L/hr規模の連続水素製造試験装置を完成させた。連続水素製造試験に先立って、製作した各機器の機能確認を行うため、5つある工程の工程別試験をそれぞれ実施した。本発表では、5工程のうち、ブンゼン反応工程及びHI濃縮工程の結果を示した。ブンゼン反応工程では、供給された反応原料がブンゼン反応器において混合され、ブンゼン反応が進行しなければならない。反応原料のSOが全て溶液中に吸収されていることから、原料が確実に混合され、かつ、ブンゼン反応が速やかに進行していることを示し、ブンゼン反応器の機能が設計通りであることを明らかにした。HI濃縮工程では、製作した電解電気透析(EED)スタックを用いて、HI濃縮試験を実施した。その結果、既報の予測式に一致する濃縮性能を持つことを確認し、EEDスタックの機能確認を完了した。シリーズ(II)で示す硫酸工程, HI蒸留, HI分解工程の結果と合わせて、工程別試験を完了した。その後、これらの結果を基に、連続水素製造試験を実施し、8時間の水素製造に成功した。
野口 弘喜; 竹上 弘彰; 上地 優; 田中 伸幸; 岩月 仁; 笠原 清司; 久保 真治
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.1029 - 1038, 2016/11
原子力機構では、高温ガス炉の核熱利用技術として熱化学法ISプロセスの研究開発を行っている。工業材料を用いて100L/h規模の連続水素製造試験装置を製作した。初めに、本試験装置の各機器の機能確認を行うため、5つに分割された工程毎に試験を実施した。本報告では、5工程のうち、硫酸分解工程、HI蒸留工程及びHI分解工程の結果を示した。硫酸分解工程では、硫酸分解器による硫酸分解反応試験を行い、酸素製造量は供給硫酸量に比例することを示し、また、SO分解率は約80%であった。以上より、設計通りの性能を有していることを明らかにした。HI蒸留工程では、共沸以上のHIx水溶液を用いた蒸留試験を行い、塔頂から高濃度HI水溶液、塔底から共沸組成のHIx水溶液の生成を確認し、蒸留による分離が設計通りに行われていることを示した。HI分解工程では、HI分解器によるHI分解反応試験を行い、分解率約18%で安定した水素製造が可能であることを示し、設計通りの性能を有していることを示した。シリーズ(I)で示すブンゼン反応工程、HI濃縮工程の結果と合わせて、工程別試験を完了した。その後、これらの結果を基に、連続水素製造試験を実施し、8時間の水素製造に成功した。
相原 純; 植田 祥平; 西原 哲夫
JAEA-Technology 2015-040, 32 Pages, 2016/02
本来のFORNAX-Aは、ピン・イン・ブロック型の高温ガス炉燃料からの核分裂生成物(FP)放出量を計算するための計算コードである。本稿は、このFORNAX-Aのプログラムに軽微な変更を施すことによりどのような計算が可能になるか述べたものである。
Dipu, A. L.; 大橋 弘史; 濱本 真平; 佐藤 博之; 西原 哲夫
Annals of Nuclear Energy, 88, p.126 - 134, 2016/02
被引用回数:6 パーセンタイル:46.39(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉水素製造システムにおけるトリチウム移行挙動評価に資するため、HTTRの50日間の高温連続運転において、世界で初めてとなる運転中の2次ヘリウム冷却設備中のトリチウム濃度計測を含む、HTTRのトリチウム濃度計測を行った。1次冷却設備のトリチウム濃度は起動後に上昇し、原子炉出力60%において最高値1.610
ベクレル/cm
の(STP)に達した。その後、運転時間を通してわずかに減少した。この現象は黒鉛への化学吸着によると想定された。2次ヘリウム冷却設備中のトリチウム濃度は1次冷却設備の濃度よりわずかに低い値を示した。出力上昇過程での2次ヘリウム冷却設備は.7
10
ベクレル/cm
であった。その後、トリチウム濃度は徐々に減少し、運転終了時には2.2
10
ベクレル/cm
となった。HTTR-ISシステムの2次ヘリウム冷却設備中のトリチウム濃度及び評価を行った結果、これらの値は制限値を満足することから、水素製造施設は原子炉施設の安全機能から除外できることを明らかにした。
川本 靖子*; 中屋 裕行*; 松浦 秀明*; 片山 一成*; 後藤 実; 中川 繁昭
Fusion Science and Technology, 68(2), p.397 - 401, 2015/09
被引用回数:1 パーセンタイル:9.11(Nuclear Science & Technology)核融合炉を起動するためには、外部装置からの十分な量のトリチウムの供給が必要である。ここでは核融合炉へのトリチウムの供給方法について検討する。トリチウム製造装置として高温ガス炉の適用を提案してきた。これまでは、燃料を定期的に交換するブロック型の高温ガス炉を対象として解析評価を実施してきた。ぺブルベッド型の高温ガス炉では、燃料交換に伴う時間のロスがない運転が可能であることから、両者を対象としてトリチウム製造量を比較した。トリチウム製造量を計算するにあたっては、連続エネルギーモンテカルロ燃焼計算コードMVP-BURNを使用した。計算の結果、連続運転が可能なぺブルベッド型の高温ガス炉によるトリチウム製造量は、燃料を定期的に交換するブロック型の高温ガス炉によるトリチウム製造量とほとんど同じであることを示した。また、トリチウム製造装置としてのぺブルベッド型の高温ガス炉の課題について議論する。
野本 恭信; 相原 純; 中川 繁昭; 井坂 和義; 大橋 弘史
JAEA-Data/Code 2015-008, 39 Pages, 2015/06
HTFPコードは、高温ガス炉の事故時において、炉心温度変化によりピン・イン・ブロック型の炉心燃料から追加放出される核分裂生成物(FP)の放出量を計算するための計算コードである。本計算コードは、高温ガス炉の事故発生時の炉心温度履歴を入力とし、燃料棒を構成する燃料コンパクト、並びに、黒鉛スリーブからの放出率を求め、放出過程でのFPの崩壊を考慮してその放出率を解析する。本稿では、HTFPコードの概要及び入力データを説明すると共に、高温工学試験研究炉の設計に使用されたHTCOREコードと同じ条件を用いてHTFPコードの検証計算を行い、解析結果を比較した。その結果、HTFPコードの解析結果は、HTCOREコードの解析結果とよく一致し、HTFPコードがHTCOREコードと同等の計算機能を有することを確認した。
武井 正信*; 小杉山 真一*; 毛利 智聡; 片西 昌司; 國富 一彦
日本原子力学会和文論文誌, 5(2), p.109 - 117, 2006/06
GTHTR300では、高温ガス炉固有の安全性を生かし、安全設備を極力簡素化するとともに、発電系設計,炉心設計に独創的なアイデアを取り入れて高性能化することで、経済性の向上を図った。その結果、発電コストは約3.8円/kWhとなり、ユーザー要件である4円/kWhの目標を満足するとともに、既存の軽水炉発電プラントに対する経済的優位性の見通しを得た。
沢 和弘; 植田 祥平; 柴田 大受; 角田 淳弥; 大橋 準平; 栃尾 大輔
JAERI-Tech 2005-024, 34 Pages, 2005/03
第四世代(GEN-IV)原子炉システムの有力な候補となっている超高温ガス炉(VHTR)では、燃料は1520%FIMA,高速中性子照射量6
10
m
(E
0.1MeV)においても健全性を保つ必要があるが、従来のSiC被覆燃料粒子では、このような厳しい条件下で健全性を保ったデータはない。原研で開発してきたZrC被覆燃料粒子は、SiC被覆燃料粒子よりも高温かつ高燃焼度下で健全性を維持できると期待されている。原研では、(1)従来よりも大型の被覆装置によるZrC蒸着技術の開発,(2)ZrC検査技術の開発,(3)ZrC被覆層の照射試験及び照射後試験を開始する。また、反応度投入試験を実施して被覆燃料粒子の破損機構を把握し、反応度事故時の燃料温度制限の緩和を目指す。VHTRでは、炉心の黒鉛構造物も高い中性子照射条件下で健全性を維持しなくてはならない。そこで、黒鉛構造物の超音波伝播特性や微小硬度計による圧子の押込み特性により、黒鉛構造物の機械的特性を非破壊的に評価できる技術を開発する。本報は、文部科学省からの受託研究として2004年11月から開始したこれらの研究開発の計画と2004年度の成果についてまとめたものである。
久保 真治; 笠原 清司; 奥田 泰之; 寺田 敦彦; 田中 伸幸; 稲葉 良知; 大橋 弘史; 稲垣 嘉之; 小貫 薫; 日野 竜太郎
Nuclear Engineering and Design, 233(1-3), p.355 - 362, 2004/10
被引用回数:62 パーセンタイル:95.48(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究所では、高温ガス炉の熱を利用するための水素製造システムの研究開発を行っている。このシステムを実現するためには優れた水素製造法が欠かせない。高温ガス炉の熱を吸熱的に利用できる熱化学水素製造法ISプロセスは、同システムにおける水素製造法の有力候補である。原研は同システムの実用化を視野に入れた技術開発を行うため、ISプロセスのパイロット試験を実施する計画を立案した。パイロット試験装置の水素製造能力は30立米毎時、電気ヒーター(400kW)加熱ヘリウムガスによってプロセスへの熱供給を行う。同装置の建設及び運転を通じて取得できるデータを用いて同実用システムの詳細な評価が可能となる。パイロット試験の終了後にはISプロセスとHTTRを接続する試験を予定している。
久保 真治; 中島 隼人; 笠原 清司; 東 俊一*; 真崎 智郎*; 阿部 博佳*; 小貫 薫
Nuclear Engineering and Design, 233(1-3), p.347 - 354, 2004/10
被引用回数:190 パーセンタイル:99.52(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究所では、高温ガス炉の熱を利用するための熱化学水素製造法ISプロセスの研究開発を行っている。研究開発の内容は、装置材料の腐食評価,熱効率の向上,実用システムの検討,閉サイクル連続水素製造の方法である。ガラス製試験装置を用いた閉サイクル連続水素製造の方法の検討では、まず、ブンゼン反応によって生じる溶液組成について調べ、試験はこれに基づいた。32リットル毎時の水素を20時間にわたって製造することに成功し、これにより運転方法の安定性はほぼ実証できた。
武井 正信; 片西 昌司; 國富 一彦; 泉谷 徹*
日本原子力学会和文論文誌, 2(4), p.490 - 499, 2003/12
我が国では、使用済燃料を再処理し、回収されたプルトニウムなどを有効利用する核燃料サイクルを原子力政策の基本としており、高温ガス炉についても使用済燃料のリサイクルを検討する必要がある。そこで、前処理後のウランを六ヶ所再処理施設で処理することを想定し、GTHTR300使用済燃料の再処理について、技術的成立性及び経済性を検討した。その結果、前処理工程については、燃焼法により被覆燃料粒子を取り出し、回転ディスク式粒子破壊機によりSiC層を破壊し焙焼することによりウランを取出せることが示された。さらに、劣化ウランにより希釈することにより六ヶ所村再処理施設で処理できる見通しを得た。経済性については、前処理施設の概略設計を行いGTHTR300使用済燃料の再処理単価を評価した。その結果、GTHTR300の廃棄物処理・処分単価を軽水炉と同等と仮定して燃料サイクルコストを評価すると約1.32円/kWh,再処理コストは約0.18円/kWhと評価でき、軽水炉と同等以上の経済性の見通しが得られた。
小川 徹; 湊 和生; 沢 和弘
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-11) (CD-ROM), 6 Pages, 2003/04
高温ガス炉の被覆粒子燃料はTRISO被覆を基本とするが、TRISO被覆を構成する被覆層のうちSiC層については、(1)核分裂生成物のパラジウムによって腐食される,(2)内側熱分解炭素層が損傷した場合はSiCが気体のSiOを生成して失われる,(3)1973K以上の高温で分解して低密度となる、等の破損機構が存在する。これらSiCの短所を克服するために開発して来たZrC被覆粒子の経験について述べると同時に、(1)超高温ガス炉,(2)アクチノイド燃焼処理,(3)窒化物燃料高速炉等、将来の被覆粒子燃料の応用について検討する。