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小出 芳彦; 森 雅博; 藤田 隆明; 白井 浩; 波多江 仰紀; 滝塚 知典; 木村 晴行; 及川 聡洋; 伊世井 宣明; 諫山 明彦; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 40(5), p.641 - 645, 1998/00
被引用回数:25 パーセンタイル:61.65(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの負磁気シア放電では顕著な電子系熱輸送の低減現象が観測された。一方、高ポロイダル放電では、電子系熱輸送の低減は明確ではないが、イオン系熱輸送の低減等は負磁気シア放電の特性と類似している。本研究の目的は、負磁気シア放電と高ポロイダル放電の特性を整理・比較することにより、前者で観測される電子系熱輸送の低減現象の起源を解明することである。これまで得られた知見は以下のとおりである: 両者とも中心加熱がその発生に必要である。負磁気シア放電では、(1)電子系熱輸送、イオン系熱輸送、粒子輸送の低減(内部輸送障壁)が小半径の20%程度の領域に局在する。(2)その位置は半径方向に移動し安全係数が極小となる位置で停流する。高ポロイダル放電では、(1)内部輸送障壁は半径方向に移動するが安全係数が極小となる位置が存在しなくても発生・停留する。(2)加熱閾値は電子密度とともに上昇する。
吉田 英俊; JT-60チーム
Fusion Technology, 26, p.406 - 417, 1994/11
JT-60Uの最近の実験結果、特に飛躍的な閉じ込め改善により世界最高値の核融合三重積を達成した高効率・高プラズマ圧力放電に係わる閉じ込め研究の進展、世界最高のプラズマ電流を流した低域混成波電流駆動や中性粒子入射(NBI)による電流駆動、プラズマの圧力勾配によって流れる自発電流駆動に係わる定常化研究の進展、これら高温プラズマの定常運転に際し課題となるダイバータ板への熱負荷軽減やDT反応で生じるHe灰(熱化粒子)の排気等に係わる粒子・熱制御研究の進展についてまとめた。併せて定常化研究を推進する上で重要な平成7年度完成予定の負NBI装置、粒子・熱制御効率を高めるクローズドダイバータ化計画、定常核融合実現に向けて物理上及び工学上の基礎を蓄積し確立することを目的としたJT-60スーパーアップグレード化計画についても言及した。
小出 芳彦; 菊池 満; 森 雅博; 辻 俊二; 石田 真一; 朝倉 伸幸; 鎌田 裕; 西谷 健夫; 河野 康則; 波多江 仰紀; et al.
Physical Review Letters, 72(23), p.3662 - 3665, 1994/06
被引用回数:268 パーセンタイル:98.56(Physics, Multidisciplinary)自発的な内部輸送障壁の形成が、JT-60Uの高領域の改善閉込に伴って観測された。輸送障壁の位置はq=3面であることが明らかとなった。速いMHD崩壊が内部輸送障壁で起り、これが表面輸送障壁形成のひきがねになった。このような改善閉込め放電では、新古典理論値を大きく上回るポロイダル回転速度が観測された。
D.A.Humphreys*; 芳野 隆治
JAERI-M 92-069, 25 Pages, 1992/05
JT-60U・トカマクは、非円形度として1.6~1.8のプラズマを生成するため、垂直位置不安定性現象が発生する。本論文は、JT-60Uプラズマの垂直位置不安定性に関する特性を実験シミュレーション計算の比較を行なうことにより明らかにしている。実験においては、フィードバック制御停止時の垂直位置挙動と、ベータポロイダルを高める時に発生する垂直位置不安定性を解析している。シミュレーション計算においては、プラズマをトロイダル軸対称コイル・ループ群のリジッドな集合体と仮定し、導体に対しては、コイル励磁試験結果を再現するように、設計値を微調したモデルを使用している。すなわち、水平磁場コイルに対し仮想受動コイルを加え、真空容器渦電流モデルを低次化している。得られたプラズマ導体モデルは、プラズマ垂直位置挙動をよく再現し、これを用いて、JT-60Uにて予想される最大のシャフラノフラムダの予測計算を行なった。
石田 真一; 小出 芳彦; 小関 隆久; 菊池 満; 辻 俊二; 白井 浩; 内藤 磨; 安積 正史
Physical Review Letters, 68(10), p.1531 - 1534, 1992/03
被引用回数:54 パーセンタイル:87.25(Physics, Multidisciplinary)大型トカマクにおいて、プラズマ電流の~80%に達するブートストラップ電流を含む放電で発生するベータ限界現象について述べられている。ここで、ベータは、プラズマ圧力の磁場圧力に対する比で定義される。その現象は、JT-60トカマクでの長パルス中性粒子入射加熱時において、トロヨン限界よりも十分に低いある規格化ベータを越えた高ポロイダルベータ放電(~3)で発生した。そのMHD特性は、ごく短い時間スケールの間に起こる大振幅の部分的MHD緩和現象によって特徴付けられる。高ポロイダルベータ放電での凹状電流分布の形成が、そのMHD不安定性を引き起こすために本質的な役割を果たしており、解析結果によれば、ベータ限界現象の発生直前には、理想的n=1キンク・バルーニングモードが不安定になることが明らかになった。
小関 隆久; 安積 正史; 石田 真一; 小出 芳彦; 徳田 伸二
JAERI-M 90-180, 16 Pages, 1990/10
キンク・バルーニング安定性に対する電流分布の影響を線形理想MHD安定性解析コードERATO-Jを用いて数値的に解析した。ここでは、円形断面でピークした圧力分布を持つ高プラズマの安定性を、次の3つの電流分布に対して検討した。すなわち、パラボリック、フラット、及びホローな電流分布である。低ベータプラズマ(0.5)においては、電流分布の違いによる不安定成長率や不安定領域への影響は小さい。一方、高ベータプラズマ(0.5)になると、ホローな電流分布では、成長率が増大して不安定領域が広がり、q2においても不安定となる。JT-60高実験では、速い時定数(~100s)を持った崩壊が、m=3のモードと共に観測された。実験で得られた平衡を再構成し、キンク・バルーニングモードの安定性を解析した結果、限界は、崩壊のときのの実測値とよい一致を示した。