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塙 悟史; 内田 俊介; 端 邦樹; 知見 康弘; 笠原 茂樹*; 西山 裕孝
Proceedings of 20th Nuclear Plant Chemistry International Conference (NPC 2016) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2016/10
腐食電位(ECP)評価における放射線の影響は理論的には想定されるが具体的な検証は行われていない。われわれは、酸化皮膜への中性子照射効果を取り入れたECP解析コードを開発し、中性子の照射により酸化皮膜の電気的抵抗が低下すること、それによりECPが低下すること、ECP低下の程度は中性子線束に依存することを解析的に示した。材料試験炉(JMTR)は、照射環境下での水化学試験に適した照射ループを有していることから、JMTRで照射した場合のECPへの照射影響を解析で予測した。その結果、JMTRの照射ループを用いれば、ECPへの照射影響は十分に捉えられることを確認した。
塚田 隆; 小森 芳廣; 辻 宏和; 中島 甫; 伊藤 治彦
Proceedings of International Conference on Water Chemistry in Nuclear Reactor Systems 2002 (CD-ROM), 5 Pages, 2002/00
照射誘起応力腐食割れ(以下、IASCC)研究における試験データは、従来ほとんどすべてが照射後試験により得られて来た。その結果、IASCCに関して多くの知見が得られたことは事実である。しかし、IASCCは本来炉内で使用される構造材で問題となり、そこでは照射,化学環境(高温水)そして応力は同時に材料に作用している。これらの作用には照射後試験では再現不可能な現象があり、照射は高温水の放射線分解をもたらし、応力付加状態での照射損傷組織は無負荷状態のそれと異なることも知られている。近年、IASCC研究では炉内の照射下高温水中で材料試験を行い、上記の炉内複合環境におけるIASCC挙動を調べようとする機運が高まっている。既にハルデン炉では、照射下IASCC試験を開始しているが、チェコLVR-15炉,ベルギーBR-2炉においても照射下IASCC試験のための高温水ループを炉内に設置して試験の実施を目指している。本発表では、平成13年度にJMTRに設置されたIASCC研究用高温水ループについて、その設計の考え方と装置の仕様と特徴などを報告する。
鈴木 忍; 池島 義昭; 河野 政勝; 渡邊 浩之; 佐藤 均; 田中 勲
JAERI-M 90-196, 45 Pages, 1990/11
OWL-2は、我が国最大規模のインパイル・ループとして1972年2月JMTRに設置されて以来、各種の動力炉用燃料・材料試料の照射試験及び炉工学的試験に使用されてきたが、所期の目的を達成したため廃止する計画である。廃止後には、JMTR改造計画の一環として核融合炉用増殖ブランケットの試験研究を進めて行くうえで必要な新ループの設置を予定している。本報告は、インパイル・ループの設計上考慮した点を中心に、廃止計画に至るまでの経緯と照射試験、タービン型流量計の開発、炉内管構造材のサーベイランステストの結果及び炉内管に発生したTGSCCとその防止対策などについてまとめたものである。
中田 宏勝; 猿田 徹; 寺田 博海; 露崎 典平; 福田 幸朔
JAERI-M 86-068, 17 Pages, 1986/04
材料試験炉(JMTR)に設置されているインパイルガスル-プ(OGL-1)は、高温ガス炉用燃料の開発に欠かせない照射装置であって、同ル-プにより燃料の性能確認の為の一連の照射試験が行われている。ル-プは昭和52年に完成し、以来9体の燃料要素が照射されており、照射中の燃料から放出される核分裂生成物を利用して、一次系EP濃度監視計装の開発と、EPプレ-トアウト測定も行われている。本稿では、これら照射試験の最近の成果について報告する。
高村 三郎; 前田 裕司; 渡辺 光男; 加藤 輝雄; 川上 弘紀; 森 繁
JAERI-M 85-133, 137 Pages, 1985/09
極低温照射装置(LHTL)はJRR-3水平実験孔H-5に昭和42年3月に建設完了した。その後、本装置を用いて固体の照射損傷の基本的性質および超電導磁石材料の照射損傷の研究を中心とした炉内照射を行って来た。昭和59年3月にLHTLは撤去された。本報告書はLHTLの撤去の計画と実施およびその安全性について述べると共に、LHTLを用いて得られた研究成果を述べる。
木内 清; 近藤 達男
JAERI-M 83-063, 18 Pages, 1983/04
BWR一次冷却系配管に使用されている汎用オーステナイトステンレス鋼が、IGSCCによって割れを起こす問題は、今迄数多く検討されてきた。一般にIGSCCは、高温になる程生じ易いことが、高温高圧水の水化学と腐食との関点から示されてきた。この報告は、BWRの実機配管において、100C以下の低温でまた応力も近い場合でも、比較的容易にIGSCCを生じうることを示したものである。また割れの解析結果を基にして、IGSCCの発生および進展が水質条件(溶存酸素、温度、PHなど)、材料側因子および応力などの主要なパラメーターとどのような関係を持っているかについて、実機運転条件といくつかの実験室データとを対応づけて検討を行った。
山本 克宗; 横内 猪一郎; 岡川 誠吾; 比佐 勇; 石渡 名澄
JAERI-M 83-007, 50 Pages, 1983/03
JMTRの高温高圧炉内水ループ(OWL-1)を用いて、一連の人工欠陥燃料照射によるFP放出実験か行われ、この実験中に、ループ1次冷却系内に放出されたFP核種(およびNp)を測定した。ループ1次冷却水中での放射性ヨウ素の化学形は主としてIであったが、原子炉停止直後にはI(IO,IO)が50%以上になることもあった。ループ1次系内に挿入した金属板試料には主としてI,Mo,Npが付着した。FP放出実験終了後に配管等の壁面に付着して1次系内に残留しているIの量と系内水洗時のI濃度との関係について検討した。この他イオン公刊樹脂塔によるlに水中の除去効率、ループの気水分離器内でのIの気液分配、水中のFPの存在形態などについて測定を行った。また、 放射性ヨウ素について、照射初期、定常運転時および冷却水条件の変動時のR/B(放出速度/生成速度)と崩壊定数との関係をプロットし、人工欠陥燃料からのこれらの核種の放出について若干の考察を行った。
佐藤 章一; 池添 康正; 清水 三郎; 中島 隼人; 小貫 薫; 高柳 政二; 鈴木 正年; 長谷川 昭司; 内藤 和夫
JAERI-M 82-081, 65 Pages, 1982/07
低温化学照射装置(LTFL)を昭和56年4月と5月に撤去した。LTFLは、JRR-3水平実験孔を用いて昭和44年3月に建設された。以後、本装置は昭和54年10月の最終運転まで、核分裂片照射効果を中心とする放射線合成化学の研究のための炉内照射装置として利用された。本報告は、LTFLに関連した研究成果と共に、ループ撤去の計画と実施、撤去後の原子炉安全性検査について述べたものである。
石渡 名澄; 山本 克宗; 永井 斉; 広田 徳造; 伊丹 宏治; 都甲 泰正*
JAERI-M 9792, 27 Pages, 1981/11
この報告書は、軽水炉燃料のためのFP放出実験データ集の第3報である。報告書には、第8回FP放出実験の結果の1部分および第9回FP放出実験の結果が記載され、その内容は、第9回実験の照射用燃料棒および吊り下げ棒付き照射用燃料棒の外観、JMTRとOWL-1の運転条件、実験期間中のループ1次冷却水中のI-131とCs-137のレベル変動、そして第8回と第9回の両実験に用いた各燃料棒の照射後試験の記録写真から構成されている。
石渡 名澄
日本化学会誌, (6), p.1027 - 1033, 1981/00
人工欠陥燃料と炉内水ループを用いたFP放出実験において、I-131とCs-137の放出挙動に対するループ1次冷却水温度の条件変動の影響を追及した。 JMTR定格出力運転等価時間として約12日間の照射後に、ループ1次冷却水温度降温操作が始まり、それから6時間後に原子炉停止操作が行われた。上述のような操作が行われている間に、燃料棒から放出されるI-131の様相を明らかにするため、ループ1次冷却水中のI-131量を測定した。併せてCs-137量の測定も行った。 I-131の平均放出率よりも大きい放出率のピークは、ループ1次冷却水温度降温操作時および原子炉停止操作時に出現した。Cs-137の平均放出率よりも大きい放出率のピークは、ループ1次冷却水温度降温操作時に出現した。
斎藤 伸三; 助川 友英
JAERI-M 9114, 185 Pages, 1980/10
NSRR実験用ナトリウムループを試作し、特性試験を行った。試作ループは、NSRR実験孔内に挿入可能なもので、ナトリウム循環系、カバーガス系、真空排気系及び冷却空気系より成る。試料部は7本の燃料ピンまで装荷出来、パルス照射時の試験燃料の発熱量を高めるため外側に水素化ジルコニウムの減速材層を設けた。ナトリウム機器・配管は、全て外筒内に納め外部へのナトリウム漏洩を防止すると共に、外筒内部を真空にし断熱効果を有する設計とした。特性試験の結果、設計目標であるナトリウム温度500C、流速8m/secは十分安定かつ安全に達成出来た。しかし、電磁ポンプ駆動による発熱が大きいためナトリウム温度を低くして高流速を維持することは難しいことが明らかになった。また、ナトリウム注入に先立って試料部交換のための切断、溶接試験を実施し作業の難易性、問題点を把握した。
石渡 名澄; 永井 斉; 武田 常夫
JAERI-M 8184, 39 Pages, 1979/03
JMTR・OWL-1において、人工欠陥燃料試料を照射する方法に依り、FP放出実験を行なった。この報告書は、1975年から1978年までの間のOWL-1一次冷却水中のセシウム137の測定データを示したものである。
石渡 名澄
JAERI-M 7983, 18 Pages, 1978/11
軽水型動力炉の破損燃料からFPよう素が追加放出される現象を明らかにするため、あらかじめ被覆管に欠陥穴を作った二酸化ウランペレット-ステンレススチール被覆管型燃料試料を製作し、水冷却型インパイル・ループの炉内管において照射し、ループ冷却水中にFPを放出させた。実験パラメータとして、ループ冷却水の圧力低減及び温度降下、そして燃料試料被覆管欠陥穴の直径と位置を選定した。各実験について、それぞれ燃料系内および冷却水系内におけるよう素131インベントリーおよびその移行に関する経時変化の様相を求めた。よう素131の追加放出量に関して、ループFP放出実験の結果と実用の軽水型動力炉プラントの測定結果の比較を試みた。
石渡 名澄
JAERI-M 7982, 25 Pages, 1978/11
燃料棒中のペレットからプレナムに放出されたFPガス量を計算するため、計算コード「FPRM-1」を開発した。原子炉内水ループにおいて、プルトニウム利用燃料や開発途上の燃料の照射試験を行う準備のため、提出したコードにより、種々の燃料棒中に生成・蓄積するFPの予備計算を行った。炉内水ループにおいて人工欠陥穴付被覆管燃料棒より放出されたI-131の測定結果と提出したコードによる計算結果を比較したが、両者の値は良い一致を見た。
中村 圀夫; 大岡 紀一
JAERI-M 7459, 36 Pages, 1978/01
OGL-1は日本原子力研究所大洗研究所に設置されている材料試験炉(JMTR)に据えつけられた我国最初の高温・高圧炉内ガスループであり、1977年3月試料部出口平均ガス温度1000Cで100時間の連続運転に成功した。 この資料は同ループで最も使用条件が厳しい部位のひとつである炉内管の供用期間中検査に関するものである。OGL-1は高温、高圧で運転されるために、機器の設計に際して多くの新しい手法が用いられた。この資料では、最初にこのような高温構造物の設計における供用期間中検査の考え方について述べ、さらに検査装置の開発ならびに1976年12月に実施された供用前検査の結果について報告する。
小林 敏明; 佐藤 章一; 池添 康正; 清水 三郎; 中島 隼人
JAERI-M 7246, 14 Pages, 1977/08
昭和51年度には、LTFLを51年12月から、52年3月までの間に4回運転し、57試料を入れた19カプセルを照射した。照射運転は、これまでで最長の12時間照射も含めて順調であった。保守作業として、冷却水系統の洗浄用配管の取付け、計測系統の点検調整などを行った。照射試料の分析により、炭酸ガス分解による一酸化炭素生成と共に、水その他の多くの含酸素化合物が生成していることが明らかになった。たとえば、プロパン添加率1%で10~15MRadの照射により、G(CO)=5.4、G(H)=3.5、G(i-PrOH)=0.2、G(Acetone)=0.1といった値が得られた。LTFLは昭和42年に炉外試験、45年から照射運転を行ってきた。装置の炉内部分の放射能は、取外し時の放射線防護対策の最重要事であるので、これを評価するため、核種別の重量分布の評価を行った。
石渡 名澄
JAERI-M 7092, 27 Pages, 1977/05
BWRプラントの主蒸気管破断の事故解析に寄与するため、原子炉内破損燃料よりのFP追加放出現象の解明を追及した。JMTR・OWL-1の炉内管照射部分に一連の人口欠陥燃料試料を順次装荷して照射し、燃料試料からループ冷却中に放出されたFPを測定した。実験パラメータとして、ループ冷却水圧力の低減変動とループ冷却水温度の変動付与、および燃料試料被覆管欠陥穴の直径と位置を選定した。照射条件とFP放出率の関係および被覆管欠陥穴を経由して出入りする冷却水がFP放出に及ぼす影響を解析した。燃料試料内部の自由空間部分のFP量を推定し、その有用性を討論した。
小林 敏明; 佐藤 章一; 池添 康正; 清水 三郎; 中島 隼人
JAERI-M 6507, 11 Pages, 1976/03
昭和50年度には、LTFLを7月と9月に運転し、30ケの試料を入れた10ケノカプセルを照射した。運転は円滑に行なわれた。当初予定した、あと2回の運転は10月から原子炉が停止したので、次期に延期した。本年度に行った主な保守作業である、2系列の真空ポンプのオーバーホール、その他の作業について述べた。本ループが運転可能となった昭和44年4月以降の全保守作業を年表にまとめた。今期の照射試料は主にプロパン添加炭酸ガス系の反応で物質収支を見るためのものであった。最近に行ったループ照射実験結果の解析により、明らかになった事についても概略を述べた。
北原 種道; 横尾 宏; 海江田 圭右; 豊島 昇; 福島 征夫; 熊谷 勝昭; 山田 忠則; 小菅 征夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 13(3), p.111 - 118, 1976/03
被引用回数:7固体状FPの沈着挙動に関する実験的研究を、インパイルヘリウムループを用いて、ガス温度500C、レイノルズ数1,300~13,000の流動ガスを対象に行った。ステンレス鋼管を流動ガスに曝し、沈着したFPの流れ方向の分布を線スペクトル測定法により求めた。沈着分布の形を基に沈着核種を3つのグループに分類できる。5Zr-Np,7Zr,9Mo,03Ru,32Teを第1グループ、Sr,Ba-La,Ceを第2グループ、I,Iを第3グループとした。Csは第2および第3グループの特徴を示した。指数関数的分布を示す第1グループ核種に対して沈着係数を得た。沈着係数に及ぼす流量(レイノルズ数)の影響を検討した結果、レイノルズ数13,000以下の流れに対して、金属FPの沈着速度は境界層における物質移行によって決定され、表面での吸着にはほとんど影響されないことが分かった。
熊谷 勝昭; 横尾 宏; 北原 種道; 海江田 圭右
JAERI-M 6200, 22 Pages, 1975/08
原子炉内の放射線環境下における抵抗線ひずみゲージの挙動を調べるために一連の照射実験を行った。ベークライト基材、アドバンス(ニッケル-銅合金)素線のゲージをステンレス鋼又はアルミニウム合金の板に接着し、JRR-2に設置されたインパイル・ヘリウムループTLG-1中でゲージ温度を一定(約80C)に保ちながら約300時間照射した。このときのみかけひずみ及び素線-被測体間の基材に流れるリーク電流などを測定した。結果は次のように要約できる。(1)照射によるゲージ感度の変化及びゲージの絶縁劣化は殆んどなかった。(2)みかけひずみは放射線強度に依存して発生するものと、照射積算量に依存して発生するものの2つに分類できる。両者ともゲージ抵抗が減少する方向の変化であった。(3)前者のみかけひずみは主に線によって基材中に流れるリーク電流に基ずくものであると考えられる。一方後者の原因は明確にすることができなかったがゲージ素線の放射線損傷による抵抗減少と推定される。(4)ハーフブリッジ又はフルブリッジ法により、みかけひずみを補償して、動的ひずみは勿論、短期間の静的ひずみも充分測定できる。