Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
三輪 一爾; 武田 聖司; 飯本 武志*
Radiation Protection Dosimetry, 184(3-4), p.372 - 375, 2019/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)福島事故後の除染作業によって発生した除去土壌を再生資材として再利用する方針が環境省により示されている。有効な再利用用途の1つである海面埋立地では、施工時に溶存した放射性Csの他に土粒子に付着した放射性Csの海洋への流出が予想されるため、安全評価上、両形態の核種移行を評価できるモデルが必要となる。そこで本研究では、施工時および供用時の放射性Csの流出をモデル化し、海洋に流出した核種についてはOECDにより示されたSediment modelにより移行評価を行った。沿岸域における核種移行評価にSediment modelを用いることの妥当性を、福島沿岸域の実測値の再現計算により確認した。施工時および供用時の核種流出を評価するモデルおよびSediment modelをクリアランスレベル評価コードPASCLR2に組み込むことで、海洋へ流出した核種からの被ばく線量評価を行えるようにした。
林 伸彦; 滝塚 知典; 坂本 宜照; 藤田 隆明; 鎌田 裕; 井手 俊介; 小出 芳彦
Plasma Physics and Controlled Fusion, 48(5A), p.A55 - A61, 2006/05
被引用回数:7 パーセンタイル:24.57(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60U負磁気シアプラズマにおける強い内部輸送障壁(ITB)構造の物理機構を、1.5次元輸送シミュレーションにおけるモデリングにより調べた。箱型ITBの実験データベースに基づいた2つの比例則を生ずる物理を明らかにした。狭いITB幅がイオンポロイダルジャイロ半径に比例する比例則には、(1)輸送が負磁気シア領域で急に新古典輸送になり,(2)新古典輸送とブートストラップ電流を通して圧力と電流分布が自律的に形成され,(3)正磁気シア領域で新古典と異常輸送の差が大きい、ことが重要であることがわかった。一方、ITB内の閉じ込めエネルギー比例則は、閉じ込めエネルギーがMHD平衡による特定の飽和値に達していることを意味し、輸送や駆動電流に関係なく大きなポロイダル磁場非対称性がある強い負磁気シアプラズマで箱型ITBが形成されると成り立つことがわかった。
松本 太郎; 内藤 裕志*; 徳田 伸二; 岸本 泰明
Physics of Plasmas, 12(9), p.092505_1 - 092505_7, 2005/09
被引用回数:2 パーセンタイル:6.82(Physics, Fluids & Plasmas)磁気流体力学(MHD)不安定性の研究は、プラズマを閉じ込める磁気面の保持/再生にかかわる、トカマク炉心プラズマ研究の中心課題である。核融合プラズマの中心部のような高温になると電気抵抗が小さくなるとともに、むしろ電子慣性,有限ラーマ半径等の非衝突効果(運動論的効果)が磁気再結合過程に深くかかわる。本研究では、ジャイロ運動論的粒子モデルを用いた3次元シミュレーションにより、磁気再結合を伴うMHD不安定性に対する運動論的効果の解明を目的とした。電子慣性の特徴的長さは電子スキン長であるが、それと比較して磁気再結合にかかわる他の素過程の特性長(イオンラーマ半径,抵抗層の厚さ等)が小さい場合、キンクモードは主として電子慣性によって誘起されると考えられる。しかし、このような電子慣性が支配的な運動論的キンクモードに対して、磁力線方向の電子圧縮性がわずかに存在する場合は、磁気再結合点近傍の電流構造を非線形的にY型からX型に変化させる。それゆえ、線形成長過程において電子慣性により支配されていたモードは、非線形的に成長率を加速させ、ある一定以上の成長率に達して内部崩壊に至ることが明らかとなった。また、このような非線形加速は、DTM等の内部モードに共通して現れる現象であることも判明した。
林 伸彦; 滝塚 知典; 小関 隆久
Nuclear Fusion, 45(8), p.933 - 941, 2005/08
被引用回数:13 パーセンタイル:41.28(Physics, Fluids & Plasmas)電流ホール配位トカマクプラズマの分布形成と維持を、電流ホール内に三磁気島平衡に基づく電流制限モデルを適用した1.5次元輸送コードを用いて調べた。負磁気シア領域で急に減衰する異常輸送モデルが、JT-60Uで観測された分布の時間発展を再現でき、負磁気シア領域で輸送は新古典レベルになり、その結果、大きなブートストラップ電流を介して内部輸送障壁と電流ホールのある分布が自律的に形成されることがわかった。新古典レベルの輸送で決まる内部輸送障壁幅は、JT-60U実験と一致し、内部輸送障壁内に閉じ込められるエネルギーは、JT-60U閉じ込め則と一致する。この閉じ込め則は、内部輸送障壁内のプラズマがMHD平衡限界に支配され、閉じ込めエネルギーが自律的に制限されることを意味する。大きな電流ホールを持つプラズマは、ブートストラップ電流による完全電流駆動により維持される。一方、小さな電流ホールでブートストラップ電流割合が小さいプラズマは、誘導電流の染込みにより収縮してしまう。適切な外部電流駆動により、この収縮を妨げ、さらに電流ホールの大きさを制御することができる。電流ホールプラズマが、外部電流駆動に対して自律的に反応することを明らかにした。核融合炉への電流ホールプラズマの適用性を議論した。
相羽 信行*; 徳田 伸二; 石澤 朋子*; 岡本 正雄*
Plasma Physics and Controlled Fusion, 46(11), p.1699 - 1721, 2004/11
被引用回数:3 パーセンタイル:9.95(Physics, Fluids & Plasmas)ニューコム方程式の理論をトカマクにおける低-n外部モードに適用し、安定性行列を計算する方法を確立した。安定性行列によって外部モードによるプラズマポテンシャルエネルギーの変化を摂動のプラズマ表面での値で表すことができる。この方法を用いて、理想外部モードのスペクトルの性質を詳細に調べた。それには外部モードと内部モードの結合,通常シア配位と逆シア配位の安定性の違いなどが含まれる。これらの結果は抵抗性壁モードの安定性解析にも有益である。
林 伸彦; 滝塚 知典; 小関 隆久
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
電流ホール配位トカマクプラズマの分布形成と維持を、1.5次元輸送コードを用いて調べた。輸送コードでは、電流ホール内に三磁気島平衡に基づく電流制限モデルを適用した。異常輸送が負磁気シア領域内で急に減衰する輸送モデルが、JT-60Uで観測された分布の時間発展を再現できることがわかった。つまり、負磁気シア領域内では輸送は新古典レベルになり、その結果、大きなブートストラップ電流を介して内部輸送障壁と電流ホールがある分布が自律的に形成される。新古典レベルの輸送で決まる内部輸送障壁幅は、JT-60U実験とよく一致する。また、内部輸送障壁内に閉じ込められるエネルギーは、JT-60U閉じ込め則と一致する。この閉じ込め則は、電流ホールプラズマでは閉じ込めエネルギーが自律的に制限されることを意味する。大きな電流ホールを持つプラズマは、ブートストラップ電流による完全電流駆動により維持される。一方、小さな電流ホールでブートストラップ電流割合が小さいプラズマは、誘導電流の染込みにより収縮してしまう。適切な外部電流駆動により、この収縮を妨げ、さらに電流ホールの大きさを制御することができる。電流ホールプラズマが、外部電流駆動に対して自律的に反応することを明らかにした。
金子 哲治; 塚谷 一郎; 木内 清
JAERI-Tech 2004-035, 18 Pages, 2004/03
低減速軽水炉用燃料は、高転換比と高燃焼度化を同時に達成するために、MOX燃料とUOブランケットの各ペレット燃料域の積層構造を有している。当該燃料棒は、現用ABWR燃料と比較して、長手方向における不均一な線出力密度分布に伴う熱応力が加わることが特徴である。そのためMOX燃料とUOブランケットに起因した異なる温度分布を持った被覆管の局所的変形挙動の評価が最も重要となる。そのような力学的特性評価試験法として、短尺の被覆管試験片を用いて、実用条件で想定される当該燃料棒の一段の積層部における2軸応力下での熱疲労挙動が再現できる力学的特性評価試験装置を設計した。本装置は、温度分布制御用加熱部,軸方向疲労要素負荷用低サイクル疲労制御部及び内圧疲労要素用の内圧負荷部から構成され、局所的な変形挙動が高精度で測定できる。また、本装置により、炉の起動停止や制御等の運転モードが関係した負荷変動,燃料棒の拘束条件,燃焼度に伴うFP内圧変化の試験を行うことが可能である。
Shelley, A.; 久語 輝彦; 嶋田 昭一郎*; 大久保 努; 岩村 公道
JAERI-Research 2004-002, 47 Pages, 2004/03
高転換,負のボイド係数,高燃焼度の達成を目指すMOX燃料シード・ブランケット型燃料集合体によるPWR型低減速軽水炉の核的検討を行った。集合体燃焼計算結果から、シード燃料棒を内側15層(S15),ブランケット燃料棒を外側5層(B5)に配置したS15B5配列が推奨できる。集合体軸方向構成を最適化した結果、S15B5配列に対して、シード部高さ1000mm2,内部ブランケット高さ150mm,軸ブランケット高さ400mm2の構成が高転換を得るうえで最良である。本構成により、転換比1,炉心部平均燃焼度38GWd/tが達成された。さらに、シード部高さ500mm2とすれば、炉心部平均燃焼度45GWd/tが達成可能であり、その場合、転換比は1よりわずかに小さい0.97となる。両構成ともボイド係数,燃料温度係数は負である。MOX燃料の代わりに金属燃料やトリウムを母材とする燃料(T-MOX:PuO+ThO)を使用した場合の検討を加えた。金属燃料では、転換比は向上するが、ボイド係数は悪化し、一方、T-MOXでは、ボイド係数は改善するが、転換比は減少する。
遠藤 章; 佐藤 薫; 野口 宏; 田中 進; 飯田 孝夫*; 古市 真也*; 神田 征夫*; 沖 雄一*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 256(2), p.231 - 237, 2003/05
被引用回数:7 パーセンタイル:45.73(Chemistry, Analytical)高エネルギー中性子場で発生する放射性エアロゾルの生成機構を解明するために、DOPエアロゾルを浮遊させたアルゴン及びクリプトンガスを45MeV及び65MeVの準単色中性子ビームを用いて照射し、生成されるCl, Cl, Br 及び Br エアロゾルの粒径分布を測定した。生成される放射性エアロゾルの粒径分布に対して、添加するDOPの粒径,照射に用いる中性子ビームのエネルギーの影響,また、生成される核種による粒径分布の違いを検討した。その結果、実測された放射性エアロゾルの粒径分布は、中性子照射による核反応で生成された放射性核種がDOPエアロゾルの表面に付着するモデルを用いて解析できることを明らかにした。
JT-60チーム
JAERI-Review 2002-022, 149 Pages, 2002/11
2000年のJT-60U実験(2月~12月)の結果をレビューする。高 Hモードプラズマ及び負磁気シアプラズマにおいて、完全非誘導電流駆動状態での性能を大きく更新した。高 Hモードプラズマにおいては、プラズマ電流1.5MAにて2.010mkeVsの高い核融合積を得て、NNBの電流駆動効率の世界最高値(1.5510A/W/m)を達成した。負磁気シアにおいては、低域混成波電流駆動とNNB電流駆動を用いて、高密度(グリンワルド密度の80%)にて高閉じ込め(HH~1.4)を得た。その他、電子サイクロトロン波帯(ECRF)加熱装置の増強,連続ペレット入射装置の設置,ダイバータ外側排気溝の設置などの改造を行い、プラズマ性能を向上するとともに研究の進展を得た。
Wang, S.; 小関 隆久; 飛田 健治
Physical Review Letters, 88(10), p.105004_1 - 105004_4, 2002/03
被引用回数:130 パーセンタイル:94.30(Physics, Multidisciplinary)高エネルギーの順方向通過イオンによって内部キンクモードが安定化することを示す理論モデルを構築した。この理論モデルは、最近の実験における高エネルギー順方向通過イオンによる鋸歯状振動の安定化現象の解釈に適用できた。
波多江 仰紀; JT-60チーム
Proceedings of 6th Japan-Australia Workshop on Plasma Diagnostics (CD-ROM), 13 Pages, 2002/00
JT-60Uプロジェクトの主要な目的は、ITER及びトカマク型実証炉の科学的基盤の立証に貢献することである。さらに、われわれの最終目標は、統合高性能プラズマの連続維持の達成であり、すなわち、高ベータ,高閉じ込め,高いブートストラップ電流,完全非誘導電流駆動,熱と粒子の制御を核融合炉心級プラズマにおいて実現することである。このゴールに向けてわれわれは、弱磁気シア(高モード)と負磁気シアプラズマの研究を進めてきた。この二つの運転領域では、内部輸送障壁と周辺輸送障壁が同時に形成可能である。JT-60Uでは、加熱,電流駆動,電流分布制御のため種々の加熱装置を備えており、将来の核融合炉(ITERまたは実証炉)で要求された条件に接近する高い能力を持っている。すなわち、規格化されたラーモア半径と衝突周波数が小さいこと、高磁場,高温(TeTi),プラズマ中心への燃料供給が小さいこと、小振幅ELMなどである。この論文では、炉心級の運転領域に主眼を置き、最新の実験結果を報告する。
JT-60チーム
JAERI-Review 2000-035, 164 Pages, 2001/02
1999年は、負磁気シア放電の長時間化について、(1)DT等価核融合増倍率Q(nT(0)~410m・keV・s)~0.5の0.8秒維持,(2)80%が自発電流の完全電離駆動を実現した。負磁気シア放電の内部輸送障壁(ITB)の物理に関連して、さまざまな研究が進められた。高性能(=2.4,H=2.56)の高 H-modeプラズマ(I=1.5MA,B=3.7T,q=4.2)において、92%の電流駆動を得た。この時のNNB(3.4MW,360keV)による電流駆動効率は、ビーム電流駆動としては最高の1.310A/W/mであった。H-mode研究では、しきいパワー、高プラズマ密度領域での閉じ込めの劣化とペデスタル構造が研究された。1999年より周波数110GHz、入射パワー0.75MW(トーラス入射パワー)のECRF加熱系が稼働を開始した。プラズマへの入射により電流分布の変化、テアリング不安定性及び鋸歯状振動に対する抑制効果が観測された。真空容器壁による安定化効果が大きい配位で、負磁気シアプラズマにおいて最高値の=2.8を得て、ディスラプション時に抵抗性壁モーデを観測した。プラズマの安全係数を2あるいは3以下に落とすことにより、逃走電子の消滅することが示された。プラズマ制御では、新たに蓄積エネルギー、放出損失量ほかの実時間制御が実験で日常的に使用されるようになった。重水素及び不純物中性粒子排気の増強のため、1999年にはW型ダイバータにおいて外側排気口が追加され、両側ダイバータからのポンプ排気が可能となった。排気速度が最大となる配位では、ビーム加熱放電でX点MARFEが存在してもZeffが2.3-2.6に低減した。ヘリウム排気実験においても、従来より45%改善して*/~2.8を得た。放射損失を増大させるAr等の不純物量のフィードバック制御により、高密度(Greenwald密度の70%)で従来より高い閉じ込め性能(H~1.4-1.5)のELMy H-modeプラズマが得られた。ダイバータ領域を空間分解能16chで見込む可視分光器に導入とともに、化学スパッタリングの研究が進展した。
松本 太郎; 徳田 伸二; 岸本 泰明; 滝塚 知典; 内藤 裕志*
プラズマ・核融合学会誌, 75(10), P. 1194, 1999/10
プラズマにおける鋸歯状振動の内部崩壊現象の非線形的な振る舞いを解明するために、ジャイロ運動論的粒子モデルに密度勾配の効果を考慮し、円柱プラズマにおける運動論的m=1内部キンクモードのシミュレーションを行った。一様密度の場合の成長率よりも小さい反磁性周波数を与える密度勾配は、このモードの線形成長課程に及ぼす影響は小さく、プラズマは完全磁気再結合を伴って内部崩壊することが示された。しかし、再結合後に自己生成する径電場のために、非線形課程が大きく変化することが明らかになった、これは、一様密度の場合に得られたトロイダル電場の対照的な流れは、非一様密度の場合は密度勾配によって生じる径電場により対称性が破られることが原因と考えられる。この結果、電流の再集中が阻害され、二次的な磁力線再結合が抑制されることが明らかになった。本発表では、数値トカマク研究におけるこれらの成果を報告する。
松本 太郎; 徳田 伸二; 岸本 泰明; 滝塚 知典; 内藤 裕志*
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.2, p.97 - 100, 1999/00
プラズマ中における鋸歯状振動の内部崩壊現象の非線形的な振る舞いを解明するために、ジャイロ運動論的粒子モデルに密度勾配の効果を考慮し、円柱プラズマにおける運動論的m=1内部キンクモードのシミュレーションを行った。一様密度の場合の内部キンクモードの成長率よりも反磁性周波数が小さい場合、密度勾配は内部キンクモードの線形成長率に与える影響は小さく、磁力線の完全再結合が生じる。しかし、再結合後に自己生成する径電場のために、このモードの非線形過程が大きく変化する結果が得られた。一様密度の場合に得られたトロイダル電流の対称的な流れは、密度勾配によって生じる径電場により対称性が破られる。そのために電流の集中が阻害され、二次的な磁力線の再結合が制御されるという結果が得られた。本発表では、数値トカマク(NEXT)研究におけるこれらの成果を報告する。
広瀬 章*; 山極 満
Canadian Journal of Physics, 75(9), p.599 - 604, 1997/09
シャフラノフシフトの径微分が長波長運動論的バルーニングモード及び捕捉電子ドリフトモードに対して強い安定化効果をもつことを明らかにした。負磁気シア及び大きなバルーニングパラメータによって特徴付けられるトカマクの内部輸送障壁はこれらの圧力勾配駆動モードの影響を受けないと思われる。
江川 邦彦*; 久保 芳生*; 永井 貴之*; 若田 光延*; 田口 修*; 若本 勝嘉*; 守田 正夫*; 礒野 高明; 布谷 嘉彦; 吉田 清; et al.
低温工学, 32(4), p.173 - 180, 1997/00
ITER・CSモデルコイルに使用するNbSn超電導素線を内部拡散法により開発を行った。内部拡散法は高電磁密度が図れるが、低交流損失化が問題であった。これを、Snコア径、フィラメント間隔、フィラメント径を最適化することにより改良し、Ca/Taバリアを使用することにより量産性を向上した。この結果、ITER仕様を満足する素線を600km製造し、量産技術を確立した。
徳田 伸二; 小関 隆久
JAERI-Research 94-030, 13 Pages, 1994/11
ITER TAC4 H-モード分布の持つ理想MHD安定性の性質を調べた。主として、電流分布の変化が高-nバルーニング・モードおよびn=1モードの安定性に与える影響を解析した(n:トロイダル・モード数)。電流分布の変化は磁気軸上の安全係数の変化で特徴づけられ、このとき、全プラズマ電流は一定値に保たれる。このような変化に対して、高-nバルーニング・モードのベータ値限界はg=3.3の値を保つ(g:Troyon係数)。不安定なn=1モードは、q1.0の場合、プラズマ周辺に強く局在し、そのベータ値限界はg=3.7である。q0.9の場合、n=1モードの安定性は内部キンク・モードで決まり、q=0.8でベータ値限界はg=2.4に減少する。この安定性解析によってqを0.9以上に保ち、かつ、プラズマ周辺の電流分布を固定すればg=3.0のH-モード分布が実現されることが示された。
小関 隆久; 安積 正史
JAERI-M 90-170, 23 Pages, 1990/10
中心ピークした圧力分布を持つプラズマのn=1内部キンクモードの安定性を数値的に解析した。本研究では、JT-60トカマクにおける水素ペレット入射実験で観測された、q=1面内で強くピークした圧力分布を用いて解析を行なった。また、ピークした圧力分布とプラズマ形状(すなわち、楕円度と三角度)の効果についても、JT-60Uトカマクのために検討した。圧力が強くピークしたプラズマは、パラボリックな圧力分布をもつプラズマより、q=1面内で定義されるポロイダルベータの限界値が高い。楕円度の増加によってこのポロイダルベータ限界値が下がるが、ピークした圧力分布を持つプラズマにおいては、三角度を付けることによって大きな改善が得られる。一方、n=1内部キンクの第2安定領域ヘアクセスするには、むしろ平坦な圧力分布で、q=1面が大きいプラズマの方が効果的である事が示された。
辻 俊二; 安積 正史
核融合研究, 61(5), p.287 - 306, 1989/05
トカマクにおける鋸歯状振動を、実験と理論の両面からレビューする。大型トカマクで観測される鋸歯状振動は前兆振動が無かったり、後続振動が現れたり、複合鋸歯状振動や巨大鋸歯状振動となったりして、複雑なふるまいを示す。Kadomtsevの磁場再結合モデルは、速い崩壊と、中心部のキンク的動きや冷たい泡の生成を明らかにしたトモグラフィー像とに矛盾する。ポロイダル磁場分布測定によると中心の安住係数が1を大きく切っている状態で内部崩壊が起きており、交換型モデルともくい違う。未だ鋸歯状振動を統一的に理解しうるモデルの構策には至っていないが、個々の現象についての理解は深まりつつある。MHDシミュレーションは、与えられた電流分布や圧力分布に対して崩壊現象のみを計算する手法から、輸送・加熱過程を取り入れて鋸歯状振動の全過程を矛盾なく理解しようとする方向に進んでいる。