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松田 雅昌; 藤田 全基*; 山田 和芳*; Birgeneau, R. J.*; 遠藤 康夫*; 白根 元*
Physical Review B, 66(17), p.174508_1 - 174508_6, 2002/11
被引用回数:11 パーセンタイル:49.91(Materials Science, Multidisciplinary)これまでの中性子散乱実験の結果から、LaSr
CuO
低ホール濃度領域(0
x
0.055)のスピングラス相においては斜めストライプ構造を反映していると思われる静的秩序が存在することがわかっている。われわれはこの相でどのような磁場効果が見られるかを調べるために中性子散乱実験を行った。x=0.014, 0.024の試料における磁場効果(H//CuO
面)を調べたところ、磁場の増加とともに磁気反射強度が徐々に減少することがわかった。系統的な実験を行った結果、これはLa
CuO
で見られるような非対称(Dzyaloshinski-Moriya)相互作用に起因している可能性が強いことがわかった。つまり、磁場中でスピンの回転が起こりスピン構造が変わるために、(1, 0, 0)付近の強度が減少していると考えられる。この結果はスピングラス相においても一軸性の磁気異方性が存在することを示している。また、磁場中で非整合磁気ピークの非整合度やピーク幅がほとんど変化していないことから、この非整合性は磁気相互作用に起因するのではなく、電荷秩序によって引き起こされている可能性が強いことがわかった。上述の磁気相互作用はスピンの方向を決定したり静的秩序を安定化するために働いていると考えられる。
松田 雅昌; 藤田 全基*; 山田 和芳*; Birgeneau, R. J.*; 遠藤 康夫*; 白根 元*
Physical Review B, 65(13), p.134515_1 - 134515_6, 2002/04
被引用回数:141 パーセンタイル:96.49(Materials Science, Multidisciplinary)LaSr
CuO
低ホール濃度領域(0.02
x
0.055)における磁性を調べるために詳細な中性子散乱実験が行われてきた。その結果、この絶縁スピングラス領域において非整合磁気ピークの現れる位置が超伝導相(水平ストライプ構造)で観測される位置と比べて(
,
)を中心に45度回転しており、斜めストライプ構造を反映していることが明らかになった。次のステップとして、われわれは、さらに低ホール濃度領域(0
x
0.02)における磁気相関を調べるために中性子散乱実験を行った。このホール濃度領域では、室温から温度を下げていくとまず反強磁性磁気秩序が起こる。さらに温度を下げていくと30K付近で磁気秩序領域の一部が斜めストライプ相関を持つクラスタースピングラス相に置き換わることが明らかになった。非整合度
の値からスピングラス領域のホール濃度を見積もると0
x
0.02の領域でほぼ2%であった。また、散乱強度からスピングラス領域の大きさ(体積分率)を見積もるとxが0から0.02に増加する際に体積分率が0から1にほぼ比例して変化することがわかった。これらの結果を総合して考えると、La
Sr
CuO
(0
x
0.02)では30K以下でホール濃度が~0%の領域と~2%の領域に相分離し、ホール濃度の増加とともに2%の領域が増大すると考えられる。
松田 雅昌; Birgeneau, R. J.*; 遠藤 康夫*; 藤田 全基*; 平賀 晴弘*; Kastner, M. A.*; 白根 元*; 脇本 秀一*; 山田 和芳*
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.46 - 48, 2001/05
最近の詳細な研究により、絶縁相におけるスピングラス相の静的磁気相関が非整合的であることが明らかになった。ただし、弾性磁気ピークの位置は、超伝導相で見られる位置と比べて45度回転している。水平ストライプモデルからの類推から、この構造はストライプが斜方晶の軸方向(正方晶の軸の対角線方向)に進む斜めストライプであると考えられる。また、絶縁相におけるスピンダイミクスの研究も行い、その結果、低温、低エネルギーでは磁気相関は斜めストライプであると考えられる。また、絶縁層におけるスピンダイナミクスの研究も行い、その結果、低温、低エネルギーでは磁気相関は斜めストライプであるが、高温、高エネルギーではLaCuO
と定性的に同じ磁気相関が見られることがわかった。
片野 進; 佐藤 真直*; 山田 和芳*; 鈴木 栄男*; 深瀬 哲郎*; 山田 和芳*
Physical Review B, 62(22), p.R14677 - R14680, 2000/12
被引用回数:142 パーセンタイル:96.95(Materials Science, Multidisciplinary)超伝導転移温度12KをもつLaSr
CuO
(x=0.12)において超伝導と共存する反強磁性相関に対する磁場効果を、中性子弾性散乱実験によって調べた。CuO
面に垂直にかけた10テスラの磁場で超伝導は強く抑制される一方、反強磁性ピークの強度は、10テスラで零磁場に比べて50%も増大することが明らかになった。この結果は、磁場によるスピンのゆらぎの抑制として理解できる。
小林 淳史*; 小池 洋二*; 片野 進; 舩橋 達; 梶谷 剛*; 川口 勉*; 加藤 雅恒*; 野地 尚*; 齋藤 好民*
Physica B; Condensed Matter, 194-196, p.1945 - 1946, 1994/00
被引用回数:6 パーセンタイル:44.30(Physics, Condensed Matter)LaNd
Sr
CuO
の低温正方晶相(TLT相)におけるCuO
面の変形を中性子回折実験により調べた。この結果、斜方晶的変形はx=0.115で最大になることが明らかになった。これは超電導転移温度T
がこのx=0.115で最低になることとよく対応している。従ってTLT相での超電導の抑制は構造相転移の転移温度の高さ自体よりも、CuO
面の変形の大きさに依存していると結論できる。