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池田 裕二*; Soriano, J. K.*; 大場 弘則; 若井田 育夫
Scientific Reports (Internet), 13, p.4828_1 - 4828_9, 2023/03
被引用回数:0 パーセンタイル:88.07(Multidisciplinary Sciences)We report on the analysis of pure Gd oxide and its detection when mixed in surrogate nuclear debris using microwave-enhanced fiber-coupled micro-laser-induced breakdown spectroscopy. The target application is remote analysis of nuclear debris containing U inside the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station. The surrogate nuclear debris used in this study contained Gd, Ce, Zr and Fe. The sample was ablated by microchip-laser under atmospheric pressure conditions while a helical antenna propagated 2.45 GHz 1.0 kW microwaves for 1.0 ms into the laser ablation plume. The results showed that microwave-induced plasma expansion led to enhanced emission signals of Gd I, Zr I, Fe I, Ce I, and Ce II. Microwave irradiation enhanced the standard deviations of the Gd and Ce emissions and lowered the detection limit of Gd by 60%.
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2022-061, 59 Pages, 2023/02
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和3年度に採択された「福島第一原子力発電所の廃止措置における放射性エアロゾル制御及び除染に関する研究」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、英国の研究者と協力して、エアロゾル分散制御をしながら、同時に高度な微粒子測定と評価が可能な安全なレーザー除染システムを開発することを目的としている。日本側では、CFD解析を活用して、セシウム等を浸透した物質へのレーザー加工により発生する放射性エアロゾルを水ミストとスプレーにより効果的に制御するシステムを開発する。具体的には、エアロゾルと水界面の相互作用に関連する英国側研究成果を活用してレーザー加工を行い、高精度検出器による10nm10
mの広範囲なエアロゾル粒子の計測、水ミストやスプレー液滴の電気化学的処理による粒子分散制御、並びに得られたデータを基にして分散制御に関するCFDシミュレーションの精度向上を目指す。最終的には日英の研究成果を活用して、両国の試験施設において実証試験を行うことにより、今後、両国の廃炉現場において適用可能性のある高線量エリアのレーザー除染計画に役立てる。
廃炉環境国際共同研究センター; 自然科学研究機構*
JAEA-Review 2022-059, 34 Pages, 2023/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和3年度に採択された「中赤外レーザー分光によるトリチウム水連続モニタリング手法の開発」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、中赤外レーザーを用いたキャビティリングダウン計測システムによる「濃度60Bq/ccレベル」トリチウム水短時間計測の原理実証を成果目的とする。令和3年度は、上記目標を達成するため、(1)キャビティリングダウン装置に関する研究、及び(2)環境条件下における水素同位体組成評価と標準試料作製(再委託先: 弘前大学)を行った。(1)においては、中赤外キャビティリングダウン試験を行った。実験室に光学ベンチ(3m1.2m)を設置し、光学ベンチ上に設計した光キャビティを構築した。次に、キャビティリングダウン計測に必須なレーザー光源を開発した。波長4.34
mから4.72
mの範囲に可変可能で、最高出力22mW、ビーム品質M
=1.1のレーザー開発に成功した。(2)においては、標準試料の作製として、複数の試薬会社より市販されている重水標準溶液を利用して水素同位体標準溶液作製を進め、安定同位体である重水試料の準備を行った。また市販の重水試薬を購入し、約100Bq/Lの標準試料作製準備が整った。さらに、屋内外の同位体比計測の測定準備を行った。低バックグラウンド液体シンチレーション計数装置の性能評価を行い、試料量10mLで2,400分計測すると検出下限値は約0.6Bq/Lであることを確認した。これにより一般環境中トリチウム濃度を計測する準備が整った。
余語 覚文*; Lan, Z.*; 有川 安信*; 安部 勇輝*; Mirfayzi, S. R.*; Wei, T.*; 森 隆人*; Golovin, D.*; 早川 岳人*; 岩田 夏弥*; et al.
Physical Review X, 13(1), p.011011_1 - 011011_12, 2023/01
被引用回数:1 パーセンタイル:81.67(Physics, Multidisciplinary)Neutrons are powerful tools for investigating the structure and properties of materials used in science and technology. Recently, laser-driven neutron sources (LDNS) have attracted the attention of different communities, from science to industry, in a variety of applications, including radiography, spectroscopy, security, and medicine. However, the laser-driven ion acceleration mechanism for neutron generation and for establishing the scaling law on the neutron yield is essential to improve the feasibility of LDNS. In this paper, we report the mechanism that accelerates ions with spectra suitable for neutron generation. We show that the neutron yield increases with the fourth power of the laser intensity, resulting in the neutron generation of in
at a maximum, with
Wcm
, 900 J, 1.5 ps lasers. By installing a "hand-size" moderator, which is specially designed for the LDNS, it is demonstrated that the efficient generation of epithermal (0.1-100 eV) neutrons enables the single-shot analysis of composite materials by neutron resonance transmission analysis (NRTA). We achieve the energy resolution of 2.3% for 5.19-eV neutrons 1.8 m downstream of the LDNS. This leads to the analysis of elements and isotopes within sub-
s times and allows for high-speed nondestructive inspection.
勝身 俊之; Thwe Thwe, A.; 門脇 敏
Journal of Visualization, 25(5), p.1075 - 1083, 2022/10
被引用回数:1 パーセンタイル:36.97(Computer Science, Interdisciplinary Applications)希薄燃焼と不活性ガス添加は、水素予混合火炎の燃焼速度を制御するのに有用であり、固有不安定により希薄水素火炎の前面にセル状構造が形成されることはよく知られている。しかし、希薄水素予混合火炎の不安定現象に対する不活性ガス添加の影響は十分に理解されていないため、火炎の不安定性を実験的に調査する必要がある。実験では、不安定現象の特性を解明するために、フラットバーナー上の水素/酸素/不活性ガス(Ar, N, CO
)予混合火炎のセル状構造と変動を、直接観察,レーザー診断および発光強度を使用して取得した。その結果、不活性ガス添加量,当量比,総流量とセル状火炎の特性との相関関係が明らかになり、これらのパラメータが火炎の不安定性に及ぼす影響が議論された。
Porcheron, E.*; Leblois, Y.*; Journeau, C.*; Delacroix, J.*; Molina, D.*; Suteau, C.*; Berlemont, R.*; Bouland, A.*; Lallot, Y.*; Roulet, D.*; et al.
Proceedings of International Topical Workshop on Fukushima Decommissioning Research (FDR2022) (Internet), 5 Pages, 2022/10
福島第一原子力発電所(1F)の事故炉廃止措置における重要な課題の一つが、燃料デブリの取り出しである。ONET Technologies, CEA, IRSNからなるフランスのコンソーシアムがJAEA/CLADSのために実施したURASOLプロジェクトは、燃料デブリ模擬物質の熱的・機械的加工による放射性エアロゾルの生成と特性に関する科学的基礎データの取得に取り組んでいる。VITAE施設で行われる加熱試験はレーザーによる熱的切断の代表的な条件を模擬している。機械的切断では、FUJISAN施設においてコアボーリング試験を実施した。燃料デブリ模擬物質は、非放射性試験と放射性試験のために開発されている。化学的特性評価と粒径情報の取得は、デブリ取り出しで発生する可能性のある放射性粒子の特性推定のために実施された。これらの情報は1Fにおける燃料デブリ取り出し作業において放射線防護上の対策を評価するうえで重要な情報である。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2022-015, 119 Pages, 2022/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「レーザー加工により発生する微粒子の解析と核種同定手法の開発」の平成30年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである(令和3年度まで契約延長)。本課題は令和3年度が最終年度となるため4年度分の成果を取りまとめた。レーザー加工は様々な長所を有するが、利用に際して多量の微粒子が発生することが知られており、放射性物質で汚染されている廃炉廃棄物に対する適用が躊躇されているが、その発生メカニズムは不明な点が多い。そこで、本研究は、その微粒子発生を基礎に立ち戻って検討するとともに、エアロダイナミックレンズを用いて微粒子を捕集することで粒径分布を測定し、さらに微粒子を構成する核種をレーザーによりオンラインで計測するための原理装置を開発する。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2022-014, 106 Pages, 2022/08
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「レーザー共鳴イオン化を用いた同位体存在度の低いストロンチウム90の迅速分析技術開発」の平成30年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである(令和3年度まで契約延長)。本課題は令和3年度が最終年度となるため4年度分の成果を取りまとめた。本研究は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の事故で環境中に放出された主要な難測定核種の1つであるストロンチウム90を、半導体レーザーを用いた共鳴イオン化により元素かつ同位体選択的にイオン化する手法に着目し、特に海洋試料等のストロンチウム安定同位体濃度が高い実試料を対象としたストロンチウム90の迅速分析技術を開発する。
本多 真紀; Martschini, M.*; Marchhart, O.*; Priller, A.*; Steier, P.*; Golser, R.*; 佐藤 哲也; 塚田 和明; 坂口 綾*
Analytical Methods, 14(28), p.2732 - 2738, 2022/07
被引用回数:2 パーセンタイル:67.88(Chemistry, Analytical)環境放射線学の発展に資するために加速器質量分析装置(AMS)による高感度Sr分析法を開発した。AMSの利点は、
Sr/
Srの原子比が10
の様々な環境試料を簡単な化学分離で分析できることである。本研究では
Sr濃度が既知の3種類のIAEA試料(コケ土、動物の骨、シリアの土壌:各1g)を分析し、化学分離とAMS測定の妥当性を評価した。
Srの測定は、優れた同重体分離性能を有するウィーン大学のイオンレーザーインターアクション質量分析装置(ILIAMS)と組み合わせたAMSシステムで実施した。
SrのAMSにおける
Zrの同重体干渉は、まず化学分離によって除去された。Sr樹脂と陰イオン交換樹脂を用いた2段階のカラムクロマトグラフィーにおけるZrの分離係数は10
であった。試料中に残存する
ZrはILIAMSによって効率的に除去された。この簡単な化学分離で一般的な
線検出よりも低い検出限界
0.1mBqを達成した。
Sr濃度に関して本研究のAMS測定値とIAEAの公称値が一致したことから、AMSによる新規の高感度
Sr分析は土壌や骨の高マトリクス試料に対しても信頼できることを示した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2022-007, 59 Pages, 2022/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「レーザー蛍光法を用いた燃料デブリ変質相の同定」の平成30年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである(令和3年度まで契約延長)。本課題は令和3年度が最終年度となるため4年度分の成果を取りまとめた。本研究は、デブリの主要構成元素であるウランに着目し、酸化的環境で安定な6価ウラン(U(VI))に選択的な時間分解型レーザー蛍光分光(TRLFS)法を用い、様々な条件下でデブリ表面に生成する変質相の同定を行うことを目的とする。特に、極低温での測定を行うことで、さらなる高感度・高分解能測定を実現すると共に、量子化学計算や多変量解析、機械学習を援用することで、多成分、不均質なデブリ変質相の同定に繋げる。令和2年度は、極低温TRLFS測定システムの構築として、令和元年度から継続して、極低温TRLFS測定システムの改良を実施した。また、模擬デブリ試料の変質試験により得られた試料を用いて、極低温TRLFS測定を実施した。模擬燃料デブリ変質試験と変質相の同定においては、令和元年度から継続して、模擬デブリ試料の変質試験を行い、得られた試料を極低温TRLFS測定に供した。測定結果と参照試料ライブラリを比較して、異なる条件で模擬デブリ表面に生成する変質相を多変量解析や機械学習を用いて同定した。
Hain, K.*; Martschini, M.*; Glce, F.*; 本多 真紀; Lachner, J.*; Kern, M.*; Pitters, J.*; Quinto, F.*; 坂口 綾*; Steier, P.*; et al.
Frontiers in Marine Science (Internet), 9, p.837515_1 - 837515_17, 2022/03
被引用回数:9 パーセンタイル:97.67(Environmental Sciences)Vienna Environmental Research Accelerator (VERA)における加速器質量分析(AMS)の最近の大きな進歩は、検出効率向上とアイソバー抑制向上であり、環境中の極微量の長寿命放射性核種を分析する可能性を開くものである。これらの核種はU,
Cs,
Tc及び
Srであり、通常は安定して海水中に溶存していることから、海洋混合・循環や放射性物質の広がりを研究する海洋トレーサーへの適応が重要になる。特に、同位体比
U/
Uと
Cs/
Csは元素分別の影響を受けないため、放出源の特定に有力なフィンガープリントであることが我々の研究によって実証されている。検出効率の向上により、10Lの海水試料で主要長寿命アクチニド
U,
Np,
Pu,
Amに加え、非常に稀な
Uを分析することが可能となり、北西太平洋におけるアクチノイドの典型的な深度プロファイルを得ることに成功した。特に
Sr分析に関しては、IAEAの標準物質(例えばIAEA-A-12)を用いて我々の新しいアプローチが海洋学的研究へ応用可能であることを示した。我々の推定では、
Srと
Csそれぞれの分析に必要な海水はわずか(1-3)Lである。
廃炉環境国際共同研究センター; アイラボ*
JAEA-Review 2021-027, 62 Pages, 2021/11
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「マイクロ波重畳LIBSによるデブリ組成計測の高度化と同位体の直接計測への挑戦」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。LIBS(レーザー誘起ブレークダウン分光法)は、核燃料デブリの遠隔組成計測への応用が想定されているものの、放射線の影響による光ファイバーでの損失、レーザ伝送出力の低下及びデブリ性状等により、想定外の信号強度の低下が懸念される。また、一般的にはLIBSは、同位体計測には適さないとされていることから改善すべき課題がある。本研究では、LIBSの測定点に、アンテナを用いてマイクロ波を重畳し、信号強度の大幅な増倍とSN比を改善することで、軽量コンパクトなシステムの実現を目指した。さらに、LIBSの発光強度の向上により、今まで実現が困難だったウラン同位体のその場計測の実現性についても検討を行った。
Saha, P. K.; 原田 寛之; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 渕 葵*; 佐藤 篤*; 柴田 崇統*; 金正 倫計
Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.656 - 660, 2021/10
We have significant progress on the preparation of POP (proof-of-principle) demonstration of 400 MeV H stripping to proton by using only lasers at J-PARC RCS. The motivation of this research is to establish H
charge-exchange injection by using lasers instead of a stripper foil conventionally used at present. A short foil lifetime and residual radiation caused by the foil scattering beam loss are extremely serious issues, especially at high-intensity operation. The R&D of the laser system is in good progress through experimental studies for 3 MeV H
beam at present. We developed a multi-reflection laser cavity system to reduce the seed laser power, which was also successfully tested for 3 MeV H
beam neutralization in July, 2021. Further development of the whole laser system is continued to start the POP demonstration study in 2022.
Grazzi, F.*; Cialdai, C.*; Manetti, M.*; Massi, M.*; Morigi, M. P.*; Bettuzzi, M.*; Brancaccio, R.*; Albertin, F.*; 篠原 武尚; 甲斐 哲也; et al.
Rendiconti Lincei. Scienze Fisiche e Naturali, 32(3), p.463 - 477, 2021/09
被引用回数:2 パーセンタイル:19.8(Multidisciplinary Sciences)In this paper, we have studied an additively manufactured metallic component, intended for ultra-high vacuum application, the exit-snout of the MACHINA transportable proton accelerator beam-line. Metal additive manufacturing components can exhibit heterogeneous and anisotropic microstructures. Two non-destructive imaging techniques, X-ray computed tomography and Neutron Tomography, were employed to examine its microstructure. They unveiled the presence of porosity and channels, the size and composition of grains and intergranular precipitates, and the general behavior of the spatial distribution of the solidification lines. While X-ray computed tomography evidenced qualitative details about the surface roughness and internal defects, neutron tomography showed excellent ability in imaging the spatial density distribution within the component. The anisotropy of the density was attributed to the material building orientation during the 3D printing process. Density variations suggest the possibility of defect pathways, which could affect high vacuum performances. In addition, these results highlight the importance of considering building orientation in the design for additive manufacturing for UHV applications.
菖蒲 敬久; 城 鮎美*; 村松 壽晴*
SPring-8/SACLA利用研究成果集(インターネット), 9(5), p.318 - 323, 2021/08
レーザー溶接は、照射領域が非常に小さく、制御も簡便であることから様々な金属材料に対してすでに実用化されている。本研究では実用化が期待されている異種材料レーザー溶接の課題の1つである、加工影響部付近のひずみ・応力・変形等について高エネルギー放射光X線回折法により評価した。銅と鉄の異材接合に関して内部変形測定を行った結果、線膨張係数が高い銅側はほとんど変形しておらず、鉄側に強い引張ひずみと熱影響部に塑性変形領域が確認された。加えて、鉄の塑性変形領域には銅が混ざったことが原因と思われる残留オーステナイト相が観測され、混在する金属材料中の材料強度評価にさらなる課題が明らかなとなった。
田村 浩司; 大場 弘則; 佐伯 盛久; 田口 富嗣*; Lim, H. H.*; 平等 拓範*; 若井田 育夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(4), p.405 - 415, 2021/04
被引用回数:7 パーセンタイル:72.9(Nuclear Science & Technology)モノリシックNd:YAG / Cr:YAG複合セラミックを備えたコンパクトな光ファイバー伝送レーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)システムを開発し、その特性に対する放射線線量率の影響を、過酷環境下遠隔分析のために調べた。LIBS信号に対する放射線の影響を調べるために、レーザー発振しきい値、出力エネルギー、発振タイミング、時間パルス形状、ビームプロファイルなどのNd:YAGレーザー動作に関連する特性を、010kGy/hrの放射線量率で変化させて金属ジルコニウムのLIBSスペクトルを照射下で測定した。信号強度は照射により大幅に減少したが、最大放射線量率でも有益なスペクトルが得られた。LIBS関連パラメーターの比較から、信号の減少は主に入射パルスエネルギーの減少に起因した。シンチレーション発光スペクトルも放射線照射中に観測され、その信号強度は線量率とともに直線的に増加した。試験結果は、開発したLIBSシステムが、燃料デブリ探査などの過酷な環境において放射線量率の影響を受けるものの遠隔元素分析およびモニタリングに適用可能であることを示している。
Zhou, Q.*; 斉藤 拓巳*; 鈴木 誠矢; 矢野 公彦; 鈴木 俊一*
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(4), p.461 - 472, 2021/04
被引用回数:4 パーセンタイル:56.29(Nuclear Science & Technology)During the decommissioning of Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant, the dismantling of massive fuel debris is important for the defueling process. The production and dispersion of radioactive microparticles highly depends on the cutting technique implemented. Previous studies have been conducted on the development of cutting techniques and the treatment of radioactive particles generation during the cutting process. Besides, adequate understanding of the microparticle products during the cuttings of fuel debris is of vital necessity. Nowadays, geopolymer application is proposed as a covering material during the fuel debris retrieval in order to keep the structural integrity of damaged components. In this study, the microparticle products during mechanical and laser cutting of fuel debris simulants (Hafnium oxide and Tungsten(IV) oxide pellets) and geopolymer material were investigated. The cuttings have been carried out for samples of the simulants, geopolymer, and simulants with geopolymer covering. The generated particles were collected and investigated by laser diffraction particle size analyzer and Scanning Electron Microscope with X-ray spectrometry. Particles with diverse sizes and morphologies were observed from the products of each sample. It also appears that particles with unique sizes and morphologies can generate from the laser cuttings due to the thermal effect of laser cutting.
宮嶋 佑典*; 斉藤 綾花*; 鍵 裕之*; 横山 立憲; 高橋 嘉夫*; 平田 岳史*
Geostandards and Geoanalytical Research, 45(1), p.189 - 205, 2021/03
被引用回数:3 パーセンタイル:25.88(Geochemistry & Geophysics)LA-ICP-MSによる方解石の同位体分析における不確実性は、主にデータの正規化と検証のために使われる標準試料の均質性によって支配される。本研究では、元素・同位体組成の均質な方解石の標準試料を作製するために、元素をドープした試薬溶液から沈殿させたアモルファス炭酸カルシウムを経由して、熱と圧力をかけて結晶化し、U, Pbと希土類元素を方解石に取り込ませた。X線吸収スペクトルから、Uは合成された方解石中にU(VI)として存在し、水性のウラニル・イオンとは異なる構造で存在することが示唆された。本研究の方解石へのUの取り込み率は、既報研究に比べ高かった。合成した方解石中の元素濃度のばらつきは12%未満で、概ね7%以内であった。U/
Pb比のばらつきが各元素濃度のばらつきに応じて3-24%程度である一方で、
Pb/
Pb比のばらつきは1%以下であった。この合成方解石を標準試料として用いて、天然の方解石標準試料(WC-1)の年代測定を行ったところ、3%以内の不確かさで年代が求められた。本研究で提示した合成手法は、元素濃度を任意に調整した均質な方解石の合成に有効であり、また、合成試料はU-Pb地質年代学のための天然標準試料に代わる有望なものである。
中西 隆造; 大場 弘則; 佐伯 盛久; 若井田 育夫; 田邉 里枝*; 伊藤 義郎*
Optics Express (Internet), 29(4), p.5205 - 5212, 2021/02
被引用回数:10 パーセンタイル:82.42(Optics)液体ジェットと組み合わせたレーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)を、水溶液中の微量ナトリウム(Na)の検出に適用した。直径500mの液体円筒ジェットと厚さ20
mの液体シートジェットの2種類の液体ジェットの感度を比較した。液体シートジェットは、円筒形ジェットと比較して、レーザー照射面からの飛沫を効果的に低減し、長寿命の発光プラズマを生成した。Naの検出限界(LOD)は、シートジェットで0.57
g/L、円筒ジェットで10.5
g/Lと決定された。シートジェットで得られたLODは、市販の誘導結合プラズマ発光分析計で得られたLODと同等であった。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2020-053, 64 Pages, 2021/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「レーザー蛍光法に用いた燃料デブリ変質相の同定」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、デブリの主要構成元素であるウランに着目し、酸化的環境で安定な6価ウラン(U(VI))に選択的な時間分解型レーザー蛍光分光(TRLFS)法を用い、様々な条件下でデブリ表面に生成する変質相の同定を行う。特に、極低温での測定を行うことで、さらなる高感度・高分解能測定を実現すると共に、量子化学計算や多変量解析、機械学習を援用することで、多成分、不均質なデブリ変質相の同定に繋げる。令和元年度は、前年度に構築した室温TRLFSシステムを元に極低温TRLFSシステムを構築し、システムの検証を行った。また、3種類の参照試料を合成し、極低温TRLFSシステムを用いた測定へ試料を提供し、得られたデータを参照試料のTRLFSライブラリとして準備した。そして、模擬デブリ試料としてU(IV)Oを作製し、5種類の試験条件で変質試験を開始すると共に、Parallel Factor Analysis (PARAFAC)によるスペクトル分離手法、および、機械学習によるスペクトルマッチング手法を構築した。