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2025年度)つくば特区プロジェクト6会合メンバー*
JAEA-Review 2026-012, 96 Pages, 2026/06
2011年12月に内閣総理大臣によって「総合特別区域」につくば市と茨城県内の一部の地域が指定され、つくば国際戦略総合特区として、つくばの科学技術の集積を活用したライフイノベーションやグリーンイノベーションの推進による産業化を推進するため、9つの先進的な研究開発プロジェクトが進められた。2013年10月からプロジェクトの1つである「核医学検査薬(テクネチウム製剤)の国産化」が日本原子力研究開発機構をプロジェクトリーダーとして、関係機関と連携して研究開発が開始された。本プロジェクトは、診断薬として用いられている放射性同位元素のテクネチウム-99m(
Tc)原料であるモリブデン-99(
Mo)の国産化を目指した基礎基盤技術の確立を目的として開発を実施した。本報告書は、第3期計画(2021
2025年度)期間に実施した活動結果をまとめたものである。
Tc separation/concentration technology from
Mo by (n,
) method, 3末松 久幸*; Yang, Y.*; 北川 大凱*; Do, T. M. D.*; 鈴木 達也*; 藤田 善貴; 藤原 靖幸*; 吉永 尚生*; 堀 順一*
KURNS Progress Report 2024, P. 123, 2025/06
本研究では、中性子照射により
Moを生成し、水中へ抽出するためのターゲット材としての
-MoO
粒子の有効性を評価した。これまでの研究では
-MoO
ウィスカーを使用していたが、抽出率が高い理由が結晶構造によるものなのかウィスカー形状による短い拡散距離のためなのかが明確でなかった。また、ターゲット中に
-MoO
が混在しており、純粋な
-MoO
の特性を評価できていなかった。そこで本研究では、熱蒸発法と金属フィルターを組み合わせることで、大きな
-MoO
結晶を除去し、純度の高い微細な
-MoO
粒子を得ることに成功した。得られた粒子は約130nmの平均粒径を持ち、中性子照射に用いた。照射後、粒子を水中に分散し、定期的に固体と溶液を分離して
Moの放射能を測定した結果、室温条件においても生成した
Moの約75%が水中へ抽出されることが確認された。これは、
-MoO
の結晶構造特性が
Mo抽出に有利に働いている可能性を示唆している。以上の結果から、
-MoO
粒子は、
Moの生成および水中抽出の双方で優れた特性を示すターゲット材料として有望であると結論づけられた。
-molybdenum trioxide particles into waterYang, Y.*; Ngo, M. C.*; 北川 大凱*; 藤田 善貴; 高橋 由紀子*; 鈴木 達也*; 中山 忠親*; Do, T. M. D.*; 新原 晧一*; 末松 久幸*
RSC Advances (Internet), 15(22), p.17222 - 17229, 2025/05
被引用回数:1 パーセンタイル:24.56(Chemistry, Multidisciplinary)本研究は、温度及び加熱時間が
Moの水への抽出に及ぼす影響を調査したものである。
-MoO
粒子は熱蒸発により合成後、X線回折及び透過型電子顕微鏡を用いて特性評価した。これらを京都大学研究用原子炉によって中性子照射し、照射した
-MoO
粒子を、20
50
Cの水中にそれぞれ1
5.5時間分散させることで
Moを抽出した。照射後の
Moの放射能及び抽出した
-MoO
溶液中の
Moの放射能は高純度ゲルマニウム半導体検出器によって測定した。その結果、水温の上昇と加熱時間の増加により、
Moの抽出効率は20.31
1.24%から66.88
1.42%へ向上した。この抽出プロセスの活性化エネルギーは、結晶性MoO
中の単純な原子拡散の活性化エネルギーよりも低く、水和MoO
相の形成またはプロトン伝導の活性化エネルギーと同程度か、より高いことを明らかにした。この結果は、水和MoO
相が
Moの抽出を加速したことを示唆している。本研究は
Moホットアトムの抽出における温度と時間依存性を初めて調査したものであり、放射性医薬品である
Mo/
Tcの大規模生産に向けた有望な手法を提供する。
Mo hot atoms made by a neutron capture method from
-MoO
to waterQuach, N. M.*; Ngo, M. C.*; Yang, Y.*; Nguyen, T. B.*; Nguyen, V. T.*; 藤田 善貴; Do, T. M. D.*; 中山 忠親*; 鈴木 達也*; 末松 久幸*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 332(10), p.4057 - 4064, 2023/10
被引用回数:5 パーセンタイル:58.89(Chemistry, Analytical)テクネチウム-99m(
Tc)は世界で最も広く使用されている医療用ラジオアイソトープであり、モリブデン-99(
Mo)から生成される。核不拡散の観点から中性子放射化法による
Mo生成は核分裂由来の
Moの代替法として注目を集めているが、
Mo比放射能が極めて低いという欠点が存在する。本研究では、
Mo抽出による比放射能向上を目的に、照射ターゲットとしてポーラス
-MoO
ワイヤーを準備した。ポーラス
-MoO
ワイヤーは、2段階の加熱手順によって金属Moワイヤーから調製する。中性子照射後のポーラス
-MoO
ワイヤーおよび抽出に用いた水の放射能測定と同位体測定から
Moのホットアトム効果を確認した。また、ポーラス
-MoO
ワイヤーと市販の
-MoO
粉末での
Mo抽出率を比較した結果、同等の抽出率が得られた。
-MoO
whiskers in
Mo/
Tc radioisotope production and
Mo/
Tc extraction using hot atomsNgo, M. C.*; 藤田 善貴; 鈴木 達也*; Do, T. M. D.*; 関 美沙紀; 中山 忠親*; 新原 晧一*; 末松 久幸*
Inorganic Chemistry, 62(32), p.13140 - 13147, 2023/08
被引用回数:6 パーセンタイル:48.29(Chemistry, Inorganic & Nuclear)テクネチウム-99m(
Tc)は放射性医薬品として最も用いられるラジオアイソトープである。
Tcは
Moの娘核種であり、
Mo/
Tcの生成には核分裂(n, f)法と中性子捕獲(n,
)法が存在する。この内、(n, f)法は世界の生産量の約90%で使用されているが、高濃縮ウランの使用、高放射性廃棄物の発生、核不拡散の観点からも問題となっている。そこで、(n,
)法は、(n, f)法の代替法として開発が進められている。本研究では、熱蒸着法で作製した
-MoO
ウィスカーと
-MoO
粒子を中性子照射して
Mo/
Tcを生成し、水に分散させることで
Mo/
Tcを抽出した。その結果、
-MoO
と比較して、
-MoO
ウィスカーでは高い
Mo抽出率が得られた。また、水に溶解した
Mo濃度を比較した結果、サンプルから
Moが水に移動するホットアトム効果を
-MoO
ウィスカーではより顕著に示した。本研究は、中性子捕捉法の照射ターゲットとして
-MoO
の使用を初めて実証したものであり、
-MoO
は、中性子捕捉によって
Mo/
Tcを生成し、水による放射性同位体抽出するための有望な照射ターゲットになると期待される。
2期報告書(2014
2020年度)つくば特区プロジェクト6会合メンバー
JAEA-Review 2021-016, 102 Pages, 2021/11
2011年12月に内閣総理大臣によって「総合特別区域」につくば市と茨城県内の一部の地域が指定された。つくば国際戦略総合特区では、つくばの科学技術の集積を活用したライフイノベーションやグリーンイノベーションの推進による産業化を推進することを目的とし、9つの先進的な研究開発プロジェクトが進められている。その中で、核医学検査薬(テクネチウム製剤)の国産化は、2013年10月に新たなプロジェクトと認定され、日本原子力研究開発機構をプロジェクトリーダーとして、関係機関と連携して研究開発を実施している。日本は、米国、欧州に次いでモリブデン-99(
Mo)の世界第3位の消費国であるにもかかわらず、そのすべてを輸入している。海外の製造用原子炉のトラブルによる停止や、火山噴火や事故による輸送(空輸、陸送)の停止により、供給が不十分になることから、早期の国産化が強く求められている。本プロジェクトは、診断薬として用いられている放射性同位元素のテクネチウム-99m(
Tc)原料である
Moの国産化を目指した技術開発である。本報告書は、第1
2期計画(2014
2020年度)に行った活動をまとめたものである。
)法による
Mo/
Tc製造用照射ターゲットの製造技術開発と特性評価西方 香緒里; 木村 明博; 石田 卓也; 椎名 孝行*; 太田 朗生*; 棚瀬 正和*; 土谷 邦彦
JAEA-Technology 2014-034, 34 Pages, 2014/10
JMTR再稼働後の利用拡大の一環として、照射試験炉センターでは、医療用ラジオアイソトープ(RI)として用いられるモリブデン-99(
Mo)/テクネチウム-99m(
Tc)の材料試験炉(JMTR)を用いた放射化法((n,
)法)による製造に関する要素技術開発を行っている。
Moは、一般的に核分裂法((n,f)法)で製造されているが、放射性廃棄物量及びコストの低減化や核不拡散上の観点から、(n,
)法による
Mo/
Tc製造に着目した。しかしながら、(n,
)法による
Mo/
Tc製造では、(n,f)法に比べ単位体積当たりの比放射能が低いという欠点がある。本報告書は、照射ターゲットの単位体積当たりの
Mo含有量を増加させるため、高密度MoO
ペレットの製造方法を確立し、得られた高密度MoO
ペレットの特性試験結果をまとめたものである。
T.V.Hung*
JAERI-Research 98-037, 14 Pages, 1998/07
ダラット研究所原子炉(U-Al合金36%濃縮
U燃料)において照射されたTeO
及びMoO
サンプルに関して輸送用鉛容器の必要厚さを、ORIGEN2コード及びQAD-CGGP2コードで計算した。計算において、ORIGEN2内蔵のPWR型(低濃縮ウランUO
の燃料)断面積ライブラリーを用いた。計算結果を実験データと比較しやすいように計算条件はできる限りダラット研究所原子炉での実験条件に合わせた。計算値と実験値は上記の断面積データの仮定にもかかわらず、よい一致を示した。このことから、ORIGEN2コード及びQAD-CGGP2コード並びに、PWR型(低濃縮UO
の燃料)断面積ライブラリーを用いることに問題がないことが明らかとなり、今後のダラット研究所原子炉での他の照射サンプルについても放射能と必要な遮蔽の計算に利用できると考えられる。
orbital in Li
MoO
,MoO
and MoS
佐々木 貞吉; 馬場 祐治; 吉井 賢資; 山本 博之; 中谷 健*
Physical Review B, 50(21), p.15519 - 15526, 1994/12
被引用回数:19 パーセンタイル:73.68(Materials Science, Multidisciplinary)Mo2p
4dの共鳴励起で生成する励起状態4d
のオージェ崩壊過程を放射光光電子分光法により検討した。共鳴励起光によるオージェ電子スペクトルでは、スペクテータオージェ、ノーマルオージェに起因するMo(L
M
M
)線の分裂が認められた。これらのうち、スペクテータオージェ線は励起光のh
とともに4.5-12eVのエネルギーシフトを起こした。この現象は非軌道がバンドライク構造であるとするモデルで理解された。パーティシペータオージェ崩壊のチャンネルについても検討し、Mo3d
線及びMo3d
線の強度が共鳴h
領域で激しく増減するとともに、両者の強度比も大きく変動することを見出した。
馬場 祐治; 佐々木 貞吉
JAERI-M 84-071, 41 Pages, 1984/04
4d還移金属とその酸化物について、半球型電子エネルギー分析器によりX線光電子分光スペクトル(XPS)及びエックス線励起オージェ電子スペクトル(XAES)を測定した。金属の真正表面は、2通りの異なる方法、すなわち超高真空中やすり研摩法及びアルゴンイオンエッチング法で得た。アルゴンイオン照射した金属試料では、内殻電子の結合エネルギー及びオージェ電子の運動エネルギーは、やすり研摩した場合と異なった値を示す。このエネルギーシフトは、イオン照射で誘起された結晶格子の表面損傷によると考えられる。また、Y
O
,ZrO
,Nb
O
,MoO
,RuO
などの酸化物についても測定を行なった。本報は4種のワイドスキャン、33種の内殻スペクトルから、10種の価電子帯スペクトル及び12種のZAESスオエクトルから成る。内殻電子の結合エネルギー、オージェ電子の運動エネルギー及びオージェパラメーターは、化学シフトと共に表にまとめた。
for production of
Tc by neutron irradiation末松 久幸*; 佐藤 壮真*; 南口 誠*; 土谷 邦彦; 西方 香緒里; 鈴木 常生*; 中山 忠親*; 新原 晧一*
no journal, ,
プラズマ焼結MoO
が、試験研究炉を用いた(n,
)法による
Moから
Tc製造のために行われた。試験は、平均粒子径0.8
m、純度99.99%のMoO
粉末を用いて、直径20mmの黒鉛ダイの中に装荷し、加圧した。これを、プラズマ焼結装置に装着し、真空中、100
200
C/minで500
600
Cで焼結した。焼結体は、結晶構造同定のためのXRD分析、化学結合状態の分析のためのEELS分析及び結晶粒子径測定のためのSEM観察を行った。550
Cで焼結した試料について、焼結密度98%を得るとともに、
Tc抽出やMoリサイクルに適した十分な特性が得られた。
Mo/
Tc製造のための照射ターゲットの開発土谷 邦彦; 西方 香緒里; 木村 明博; 石田 卓也; 竹内 宣博*; 小林 正明*; 河村 弘
no journal, ,
放射化法による
Mo/
Tc製造開発の一環として、プラズマ焼結法による高密度MoO
ペレット(目標焼結密度: 90
95%T.D.)の製造方法に着目し、(n,
)法による照射ターゲットの製造技術開発を行い、MoO
ペレット製造特性に与えるMoO
粉末の影響及び開発した高密度MoO
ペレットの照射特性を調べた。この結果、焼結温度がMoO
粉末特性(平均粒子径及び2次粒子の存在)に影響していることが分かった。次に、照射済MoO
ペレットの照射後試験により、低中性子照射量では、照射済MoO
ペレットの粒子径は、未照射MoO
ペレットと比べほぼ同程度の大きさであること、結晶構造に大きな変化がないことが分かった。さらに、溶解したMo溶解液中の
Mo放射能を測定し、
Mo生成量評価には全中性子エネルギーを考慮する必要があることも分かった。
targets; Contribution by vietnamese institutes, staffs and students末松 久幸*; Ngo, M. C.*; Quach, N. M.*; 藤田 善貴; Do, T. M. D.*; 中山 忠親*; 鈴木 達也*; Nguyen, V. T.*; 新原 晧一*
no journal, ,
放射性医薬品はさまざまな医療診断/治療に使用されており、その市場は15年間で10倍に成長している。その中でガンマ線診断に広く使用される
Tcの原料である
Moは、現在高濃縮ウランを原子炉で照射することで核分裂生成物として生成されている。しかし、核不拡散の観点からウランの低濃縮化が世界的に進んでおり、
Mo(n,
)
Mo反応による
Mo製造が注目されている。本研究では、中性子照射ターゲットとしてMoO
の低温相である
-MoO
が、ホットアトム効果によりターゲットから水への
Moの拡散を促進することを明らかにした。この現象を利用することで、
Moおよび
Tcの安定供給に貢献できる。本成果では、ベトナム原子力研究所のダラット原子炉において
-MoO
粉末ターゲットを用いた初の核反応中・水分散実験を実施し、ホットアトム効果を確認した後、ベトナムの学生と職員が新たに
-MoO
ウィスカーターゲットを用いることで水への拡散効率を飛躍的に向上させた。本研究における彼らの貢献についてプレゼンテーションで説明する。