Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
長家 康展; 奥村 啓介; 櫻井 健; 森 貴正
JAEA-Data/Code 2016-018, 421 Pages, 2017/03
高速かつ高精度な中性子・光子輸送モンテカルロ計算を実現するため、日本原子力研究開発機構において、2つのモンテカルロコードMVP(連続エネルギー法)とGMVP(多群法)が開発されてきた。これらのコードはベクトル型アルゴリズムを採用し、ベクトル計算機用に開発されてきたが、標準並列化ライブラリーMPIを用いた並列計算にも対応しており、一般の計算機環境でもモンテカルロ計算の高速化が可能である。両コードは正確な物理モデル、詳細な幾何形状表現法、分散低減法等、実用コードとして十分な機能を有している。これらコードの第1版は1994年、第2版は2005年に公開され、それ以降も様々な改良と機能拡張が行われてきた。第2版公開以降の主な改良点と新機能は、(1)実効増倍率に対する摂動計算手法、(2)厳密共鳴弾性散乱モデル、(3)動特性パラメータ計算機能、(4)光核反応モデル、(5)遅発中性子のシミュレーション、(6)多群定数生成機能等である。本報告書では2つのコードで用いられている物理モデル、幾何形状表現法、新たな機能及びそれらの使用法が記載されている。
篠原 正憲; 石塚 悦男; 島崎 洋祐; 澤畑 洋明
JAEA-Technology 2016-033, 65 Pages, 2017/01
高温工学試験研究炉の起動用中性子源交換作業において、中性子線による作業員の被ばくを低減させるため、燃料交換機遮蔽キャスク下部に仮設中性子遮蔽体を設置した場合の線量当量率をPHITSコードで計算した。この結果、仮設中性子遮蔽体を燃料交換機遮蔽キャスク下部に設置することによって、中性子線による線量当量率を約1桁程度低くできることが明らかとなった。また、実際の交換作業において、仮設中性子遮蔽体を設置した結果、作業員の被ばく積算線量は0.3mSv人となり、前回の0.7mSv人と比較して半減させることができた。
奥村 啓介
JAEA-Data/Code 2015-015, 162 Pages, 2015/10
MOSRA-SRACは、モジュラー型原子炉解析コードシステム(MOSRA)の格子計算モジュールである。本モジュールは、既存の軽水炉や研究炉などを含む多様な原子炉の燃料要素に対し、日本の評価済み核データライブラリJENDL-4.0から作成した200群断面積セットを用いた衝突確率法に基づく中性子輸送計算を行う機能を有する。また、格子内の各燃料物質中の最大234核種に対する核種生成崩壊計算を行う。これらにより、MOSRA-SRACは、炉心計算で使用する燃焼依存の実効微視的断面積及び巨視的断面積を提供する。
長家 康展; 奥村 啓介; 森 貴正; 中川 正幸
JAERI 1348, 388 Pages, 2005/06
高速かつ高精度な中性子・光子輸送モンテカルロ計算を実現するため、2つのベクトルモンテカルロコードMVPとGMVPが日本原子力研究所において開発されている。MVPは連続エネルギー法、GMVPは多群法に基づいている。これらのコードはベクトル計算機上において、既存のスカラーコードに比べて10倍以上の高速化を実現している。両コードは正確な物理モデル,詳細な幾何形状表現法,分散低減法等、実用コードとして十分な機能を有している。これらコードの第1版は1994年に公開され、これまで広範囲にわたって改良及び新機能の追加がなされてきた。主な改良点と新機能は(1)ENDF-6形式のファイル6を用いて表現された散乱モデルへの対応,(2)時間依存タリー,(3)ポイントワイズ応答関数を用いた反応率計算,(4)柔軟な線源の指定,(5)任意温度における連続エネルギー計算,(6)固有値問題における分散のバイアス評価,(7)点検出器及び面検出器評価法,(8)確率論的幾何形状モデル,(9)炉雑音解析機能等である。本報告書では2つのコードで用いられている物理モデル,幾何形状表現法,新たな機能及びそれらの使用法が記載されている。
岸本 克己; 有金 賢次*
JAERI-Tech 2005-016, 83 Pages, 2005/03
現在解体を進めているJRR-2では、1997年に提出した解体届に記載されている原子炉本体の放射化放射能量に対する再評価を行った。再評価では、当初2次元体系で行っていた中性子束分布計算に3次元体系を導入し、3次元輸送計算コードTORTを用いて計算することにより、多様な水平実験孔における中性子ストリーミング効果の影響を精度よく評価することができた。その結果、水平実験孔及び生体遮蔽体における過剰な過大評価傾向が改善され、両構造物の合計放射化放射能量が解体届における評価の1/18(原子炉永久停止から1年後の場合)まで低下した。それに伴い、両構造物が6割程度を占めていた原子炉全体の放射化放射能量に対する割合も大きく低下し、放射化放射能量の上位構造物が変化することとなった。このことは、多様な実験孔を多く持ち、炉体形状が複雑な研究用原子炉の放射化放射能量評価における3次元体系導入の有効性を示している。再評価による原子炉本体の放射化放射能量は、制御棒,熱遮蔽板及び水平実験孔に依存し、原子炉永久停止から1年後では1.910
Bqとなった。
坂本 幸夫
JAERI-Research 2002-025, 34 Pages, 2002/11
原子力施設の防災対策では、施設内外での放射線の線量当量率分布及びエネルギースペクトルの評価が必要であり、施設独自の建家構造を考慮した詳細解析には3次元放射線輸送計算コードが有用なツールとなる。平成11年9月30日に発生したJCOウラン加工工場の臨界事故解析を、モンテカルロ法の放射線輸送計算コードで行い、線量率分布及びエネルギースペクトルの信頼性,敷地外側での線量率分布に影響する因子を検討した。事故現場の転換試験棟を直接見通すことのできる事務棟2階会議室での実測値を再現し、「中性子計数率の時間変化パターン」に従った臨界状態の出力を満たす放射線輸送計算の条件を検討した。壁材及び天井材に用いられている軽量気泡コンクリートに水分量を0.15g・cm程度追加すれば、妥当な結果が得られることを見いだした。また、他のモニタリング位置に関してはファクター3の範囲内で実測値を再現できる値を得た。さらに、事故終息後の
線の線量当量率評価から、臨界直後の変動の大きい期間の核分裂数とその後の事故終息までの変動の小さい期間の核分裂数の比率を評価し、「中性子計数率の時間変化パターン」と矛盾のないことを確認した。
久語 輝彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(3), p.256 - 263, 2002/03
被引用回数:3 パーセンタイル:22.77(Nuclear Science & Technology)非均質中性子輸送計算法であるCharacteristics法のベクトル化手法として、Odd-Even Sweep(OES) 及び Independent Sequential Sweep (ISS)法を開発した。これらの手法はベクトル計算の有効的な利用のために、回帰演算を避けながらベクトル長を長くする。現実的な集合体を計算対象として、両手法の効果を調べた。両手法とも、スカラー計算に対するベクトル計算の計算速度向上比約15の高速演算を達成した。ISS法とOES法の比較という観点からは、ISS法がベクトル-スカラー速度比を低下させずに、記憶容量を節約できること、また、早い収束性を示すことから、ISS法がベクトル化手法として優れていると結論付けられる。
炉物理研究委員会
JAERI-Review 2001-047, 180 Pages, 2002/02
炉物理研究委員会の下に、加速器駆動型未臨界炉システム(ADS)の現状と課題を炉物理的な観点から検討することを目的として、平成11年7月に「加速器駆動炉の炉物理ワーキングパーティー(略称ADS-WP)」が設立された。本ワーキングパーティーでは、第1回ADS-WP会合において、2年間の活動指針を討議し、(1)「高エネルギー領域の中性子輸送計算の問題」,(2)「未臨界炉に特徴的な静特性と動特性(安全性)の問題」,(3)「概念設計、要素技術開発を含むシステム設計の問題」の3課題を重点的に取り上げていくことを決定した。ADS-WPの活動期間は平成11年7月より平成13年3月であり、この間に合計4回の会合を開催し、これらの課題について討議した。また、原研と高エネルギー加速器研究機構との共同による「大強度陽子加速器計画」における原研「核変換物理実験施設」計画への意見・要望の調査・取りまとめを行った。本資料は、上記活動期間中におけるADS-WPの活動成果を取りまとめたものである。本資料がADS-WPの成果を概観し、さらには今後の新たな研究活動の指針選定に役立つことを期待する。
久語 輝彦
JAERI-Research 2001-051, 39 Pages, 2001/11
ベクトル計算機を用いて非均質中性子輸送計算法であるCharacteristics法の高速計算の研究を行った。ベクトル化手法としてOdd-Even Sweep(OES) 及び Independent Sequential Sweep (ISS)法を開発した。典型的な燃料集合体を対象として、両手法により集合体計算を行い、ベクトル計算の効果を調べた。その結果、両ベクトル化手法とも、ベクトル計算のスカラー計算に対する速度向上率15の高速演算を達成した。ISS法とOES法の比較という観点からは、最も時間を要する中性子伝播計算に要する計算時間に差がないこと、外部反復の収束性はISS法が優れていること、及びISS法の記憶容量はOES法の場合の1/5に節約できることがわかった。これらより、ISS法がベクトル化手法として優れていると結論付けられる。ベクトル計算においては、算術関数の代わりにテーブル内挿方式により指数関数を評価しても、全体では約20%の計算時間の節約にとどまる。粗メッシュリバランス法及びAitken加速法はともに有効であり、それらの組み合わせにより、収束に要する反復回数を1/4から1/5に低減できることを確認した。
助川 武則; 畠山 睦夫; 柳原 敏
JAERI-Tech 2001-058, 81 Pages, 2001/09
原子炉に残存する放射化放射能は、基本的には中性子輸送コード及び放射化計算コードにより求めることが可能であるが、原子炉の複雑な構造等、諸々の問題を考慮した場合、測定値で確認する必要がある。そこで、放射化放射能の評価方法について、JPDRを対象とした評価で採用した計算と測定の方法やその結果を分析することで検討した。その結果、炉内構造物等では比較的精度良く計算でき(約2倍)、生体遮蔽体では2~10倍程度の誤差があったが、水分量や背筋割合が計算値に強く影響することがわかった。原子炉圧力容器母材や生体遮蔽体表面部の詳細な測定結果は、放射化計算の手法を検討する有効なデータとなった。また、試料採取法による放射能測定や線量当量率の測定が計算値の検討に有効であり、複雑形状の構造物、生体遮蔽体の深部等では計算値の補正に役立った。全体として、計算値と測定値を組み合わせることによって施設全体の放射能濃度分布を精度良く決定できることが判明した。
遠藤 章; 山口 恭弘; 坂本 幸夫; 吉澤 道夫; 津田 修一
Radiation Protection Dosimetry, 93(3), p.207 - 214, 2001/00
被引用回数:6 パーセンタイル:43.51(Environmental Sciences)JCO臨界事故における事故現場周辺の主たる放射線被ばくは、ウラン溶液が注がれた沈殿槽内の核分裂反応で発生した中性子及び線によってもたらされた。そこで、周辺住民の線量を評価するために、JCO敷地内外におけるモニタリングデータ及び放射線輸送シミュレーション手法を用いて、周辺環境における中性子及び
線の線量当量を評価した。事故発生から終息までの期間における時刻及び距離ごとの積算線量を算出した。その結果、避難要請が行われた350m圏以遠の住民等の線量は、1mSv以下と推定された。本評価値は、家屋の遮蔽性能及び行動調査とあわせて、各個人の線量を推定するための基礎データとなった。
前川 藤夫; 今野 力; 大山 幸夫; 宇野 喜智; 前川 洋; 池田 裕二郎
Fusion Engineering and Design, 42, p.275 - 280, 1998/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)原研FNSのD-T中性子源を用い、核融合炉の遮蔽体中に存在するボイド領域が遮蔽能に与える影響を調べるためのベンチマーク実験を行った。直径1200mm、厚さ1118mmのステンレス鋼の深さ300mm近傍にボイド領域を設けた遮蔽体とボイドのない遮蔽体について、D-T中性子入射時の各種の中性子・線応答をボイド領域の背後で測定した。また輸送計算を行い、実験・計算の両者に対してボイドの有無による応答の比(ボイド効果)を導出した。14-MeV中性子に対するボイド効果は最大4と顕著だが、1MeV以下の中性子束と
線束では効果は高々1.3と小さかった。モンテカルロ法輸送計算コードMCNP-4とMVPによる結果は実験値と良く一致した。しかし2次元S
法に基づくDOT-3.5コードの結果は1回散乱源法を採用にも関わらずボイドの背後でレイ効果が現れ、計算精度低下の一因となった。
奥村 啓介; 金子 邦男*; 土橋 敬一郎
JAERI-Data/Code 96-015, 445 Pages, 1996/03
SRACは、様々なタイプの原子炉の炉心解析に適用できる核計算コードシステムである。1996年にSRACの第2版レポート(JAERI-1302)が出版された後、プログラムと核データライブラリーに数多くの修正と追加を行い、ここに新しいSRAC95システムが完成した。本システムは、6種類のデータライブラリー(ENDF/B-IV,-V,-VI,JENDL-2,-3.1,-3.2)、統合された5つのモジュラーコード;16種類の格子形状に適用できる衝突確率計算モジュール(PIJ)、Sn輸送計算モジュール(ANISN,TWOTRAN)、拡散計算モジュール(TUD,CITATION)、及び燃料集合体と炉心燃焼計算のための2つのオプションコード(新規導入ASMBURN、改良COREBN)により構成される。今回の改訂版には、新型炉の核設計研究を支援するために、特に燃焼計算に重点を置いて多くの新しい機能とデータを組み込んでいる。SRAC95は、従来のIBM互換計算機のみならず、UNIXをOSとするスカラーまたはベクトル計算機で利用することができる。
S.Zimin*; 真木 紘一*; 高津 英幸; 佐藤 聡; 常松 俊秀; 井上 多加志; 小原 祥裕
JAERI-Tech 94-015, 37 Pages, 1994/08
ITER/EDA設計における中性子粒子加熱(NBI)ポートの遮蔽解析を行った。対象とした設計はトロイダル磁場コイル(TFC)個数24であり、DOT3.5を用いた2次元解析を実施した。先ず、全体モデルにてTFCにおける絶縁材吸収線量、核発熱率、及びNBIポートにおける中性子束の評価を行い、続いてNBI詳細モデルにて、NBIポート内部におけるクライオパネルの核発熱と銅電極の損傷率(dpa)を評価した。解析の結果、現ITER/EDA設計におけるTFC及びNBIポートの核的応答は全て許容値を下回ることが分かった。
藤村 統一郎
Computer Physics Communications, 82, p.111 - 119, 1994/00
被引用回数:1 パーセンタイル:21.48(Computer Science, Interdisciplinary Applications)三次元中性子輸送問題を高精度で解くための定式化を行い、検証計算を実施した。二重有限要素法に基づいた変分法による定式化では、空間変数に一次関数を適用するとともに、角度変数に階段関数を適用している。ここに、多角柱形状の原子炉体系を反射条件を用いて解く場合、新しく開発した体系打切り誤差解消アルゴリズムにより、厳密な離散式が導出される。この解法の検証のため、二つの問題について計算を行った。MOZART炉心をモデル化した問題では、不規則な要素分割に対する非等方散乱計算においても、この解法が有効に働くことが示された。また、NEA-CRPのLWRをモデル化したベンチマーク問題では、粗いメッシュでも固有値や中性子束が、他の輸送方程式の解法による解と同精度に求まることが示された。
大山 幸夫; 前川 洋; 日米協力研究グループ
日本原子力学会誌, 36(7), p.612 - 618, 1994/00
ブランケット内での中性子核反応を利用したトリチウム燃料の増殖再生はDT燃料を用いる核融合炉概念においては、その成立性に関わる重要課題である。工学的な設計においては、核データ、計算手法、構造のモデル化などの問題が相乗的に関わっており、トリチウム増殖比等の炉パラメータの設計余裕度を設定するためには、核設計計算の信頼性を実験的に確認することが必要である。このため日米核融合協力協定のもとにFNSを用いたブランケット中性子工学に関する協力研究が1984年から1993年まで続けられた。この計画によって核的模擬による工学実験技術及び核パラメータ測定法の大きな進展がもたらされ、設計手法を含めた核設計の安全係数の評価へと結実させられた。本稿では、これらの協力研究で得られた成果について紹介する。
S.Zimin*; 高津 英幸; 森 清治*; 真木 紘一*; 関 泰; 佐藤 聡; 多田 栄介
JAERI-M 93-141, 75 Pages, 1993/07
ITER/CDAで設定された炉構造に対してニュートロニクス解析を実施した。2次元輸送計算コードDOT3.5を使用して炉運転中の中性子及びガンマ線束分布、トリチウム増殖比、核発熱を求めた。またCINACコードにより誘導放射能計算を行い、放射能濃度、崩壊熱および炉停止後の生体線量率を求めた。本計算により、炉内および炉周辺の運転中と炉停止後の放射線環境が明らかになり、炉機器の設計条件として有用な情報を提供することができた。
小手川 洋; 笹本 宣雄; 田中 俊一
JAERI-M 87-010, 28 Pages, 1987/02
連続エネルギ-モデル・モンテカルロコ-ドMCNPを用いて、JPDR遮蔽コンクリ-トにおける放射化放射能の実験値の解析、黒鉛球中・低エネルギ-中性子透過実験の解析を行ない、本コ-ドの熱中性子および熱外中性子輸送計算の精度を評価した。その結果、熱中性子スペクトルは精度良く計算できるものの、ほぼ1/Eスペクトルに近い熱外中性子スペクトルに対して過大評価する事が明らかになった。
伊勢 武治; 丸尾 毅; 一色 正彦; 熊井 敏夫; 宮坂 靖彦; 鈴木 正年; 福本 享*; 成田 秀雄*
JAERI-M 86-028, 107 Pages, 1986/03
JRR-3改造炉に設置予定の中性子導管の物理設計及び遮蔽設計のために行われた解析につてまとめた。すなわち、冷中性子導管及び熱中性子導管の出口でのエネルギ-分布及び空間分布を求めた。また導管を囲む遮蔽コンクリ-トの遮蔽効果も評価した。解析計算では、液体水素散乱カ-ネルはYoung-Koppelモデルを、冷中性子源スペクトル及び導管遮蔽にはANISNコ-ドを、導管中の中性子輸送にはMORSEコ-ドを用いた。
山口 誠哉; 大山 幸夫; 中村 知夫; 前川 洋
JAERI-M 85-086, 40 Pages, 1985/07
核融合炉中性子工学実験への適用を目的とし、Li、
Liガラス・シンチレー夕を用い、
Liによるトリチウム生成率を測定する方法を開発した。本方法の利点は、(1)感度が高いので、重照射を必要とせず、(2)オンラインで測定できることである。
線パックグランドは、両シンチレータの波高分布を差し引くことにより除いた。差引の際に必要となる、両シンチレ一タの
線検出効率比は、測定により決定した。
Li(n,n'd)
He反応等の競合反応の寄与については、運動学的解析による評価を行なった。また、自己遮蔽効果、および、
粒子・トリトンの逃げの割合についても検討を加えた。本方法を、D-T中性子場に置いた核融合炉ブランケット模擬体系内におけるTPR分布測定に応用し、測定されたTPR分布を中性子輸送計算の結果と比較検討した結果、本方法が、核融合炉中性子工学実験において有効であることが実証された。