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末武 航弥*; 緒方 奨*; 安原 英明*; 青柳 和平; 乾 徹*; 岸田 潔*
第16回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(インターネット), p.304 - 309, 2025/01
地層処分の安全性評価において、廃棄体処分坑道の掘削に伴うEDZ(掘削損傷領域)の進展範囲や、掘削後の岩盤の透水性変化挙動を予測することは非常に重要である。本研究では、三次元坑道掘削シミュレーターを用いて、幌延深地層研究センターで実施されている原位置坑道掘削とその後の透水試験を対象とした再現解析を試みた。その結果、掘削によるEDZの進展範囲と透水試験の結果について、原位置試験と類似する結果が得られた。このことから、本シミュレーターがわが国の大深度泥岩帯においての掘削に伴う力学的影響や、掘削後の岩盤変形-浸透といった連成現象とそれによる透水性変化などの予測評価に関して、有効であることが確認された。
Arthur, R.*; 笹本 広; Alt-Epping, P.*; 舘 幸男
Applied Geochemistry, 155, p.105707_1 - 105707_8, 2023/08
被引用回数:2 パーセンタイル:42.81(Geochemistry & Geophysics)地質媒体中でのナチュラルトレーサープロファイルを対象に、過去から現在に至るまでの変遷をモデルによる評価することは、放射性廃棄物の地層処分における性能評価手法をサポートする上でも役立つ。本研究では、北海道幌延地域における古水理地質学的な変遷から推察される境界条件に基づき、前進モデリングにより物質移行モデルを開発した。本研究で対象とした2つのボーリング孔(距離にして約1km程度離れた場所に位置)で認められたプロファイルの違いについては、間隙率や透水係数の違いによる影響というより、むしろ、局所的な割れ目の分布密度や連結性の違いによる影響が大きい可能性が示唆された。
鎌田 健人*; 奈良 禎太*; 松井 裕哉; 尾崎 裕介
第15回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(インターネット), p.205 - 209, 2021/01
放射性廃棄物処分のようなプロジェクトを考える場合には、岩盤が有する物質の閉じ込め性能を評価することが重要であり、それに関して、岩盤内のき裂が透水性に及ぼす影響を調べることが必要不可欠である。しかし、き裂を含む泥岩の透水性の変化については未だ十分に研究されていない。そこで本研究では、北海道幌延地域に分布する泥岩の円柱形供試体に巨視き裂を導入し、透水性への影響を調べた。まず、圧裂引張試験によりき裂を導入した供試体に対して変水位透水試験を行い、透水係数を測定した。その後、トランジェントパルス法により測定したインタクトな供試体の透水係数と比較した。その結果、き裂導入により1オーダー程度の透水係数の上昇が確認された。本研究の結果から得られた透水係数の上昇の程度は、花崗岩や玄武岩などを用いた先行研究と比較すると小さい値であった。
Planel, B.*; Davy, C. A.*; Adler, P. M.*; Hauss, G.*; Bertin, M.*; Cantarel, V.; Lambertin, D.*
Cement and Concrete Research, 135, p.106108_1 - 106108_14, 2020/09
被引用回数:12 パーセンタイル:43.84(Construction & Building Technology)Recently, geopolymer (GP) cements have proven adequate to immobilize oil emulsions as GEOIL composites. When used for radioactive waste storage, the vicinity of GEOIL with Portland Cement (PC) concretes may induce leaching by the PC pore water. This research identifies the preferential water flow pathways, and quantifies the water permeability of hardened GEOIL mortars using a typical PC pore water. Two alkali-activated GP cements are used, either made of 100% metakaolin (MK) or of 80%MK-20% slag, for oil proportions of 0, 20, 40 or 60%vol. For the identification of the preferential water flow pathways, two water flow scenarii are investigated numerically. Either water flows through the oil emulsion (Scenario 1) or water flows through the GP cement mortar pores (Scenario 2). The 3D structure of the oil emulsion is quantified by X Ray micro-computed tomography (X Ray micro CT), and the pore structure of GP cement mortars is identified by image analysis. Fluid pathways are predicted for both scenarii by 3D numerical simulations. Secondly, water permeability experiments are conducted on GEOIL mortars. Water permeability K of highly alkaline PC water is deduced over several weeks. The results validate Scenario 2; for 20 or 40%vol oil, water flows preferentially through the GP cement mortar pores (at a permeability below 10
m
), instead of through the percolating oil emulsion.
奈良 禎太*; 加藤 昌治*; 佐藤 努*; 河野 勝宣*; 佐藤 稔紀
Proceedings of 5th ISRM Young Scholars' Symposium on Rock Mechanics and International Symposium on Rock Engineering for Innovative Future (YSRM 2019 and REIF 2019) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2019/12
地下を利用する様々なプロジェクトにおいて、長期的な地下水流動を評価することは重要である。長期的には花崗岩中の亀裂は鉱物の充填によって水みちが変化する。通常、岩石を対象とした室内試験では蒸留水を使用するが、実際の岩盤中では地下水に粘土鉱物が含まれる。そのような状態を模擬した透水試験を実施し、粘土鉱物の蓄積により透水性が低下する結果を得た。
宮川 和也; 青柳 和平; 笹本 広; 赤木 俊文*; 山本 肇*
Proceedings of 5th ISRM Young Scholars' Symposium on Rock Mechanics and International Symposium on Rock Engineering for Innovative Future (YSRM 2019 and REIF 2019) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2019/12
高レベル放射性廃棄物の地層処分場の掘削により、坑道周辺岩盤の損傷や、溶存ガスの発生等による不飽和領域の形成といった掘削影響領域が生じる。そこでは、岩盤の透水性の増大や、地下水の水質変化といった、地層が有する放射性核種の移行を遅延させる機能に影響を与えることが考えられる。そのため、大規模地下施設の建設・操業・閉鎖に伴う地質環境(水理地質構造や地下水の流動特性・物質移動特性・地球化学特性等)の変化過程や定常状態に達するまでの時間やプロセスを、確度の高い情報に基づきモデル化するための一連の技術開発が必要である。本研究では、溶存ガスが岩盤中の不飽和領域の形成に与える影響を調べるために、幌延深地層研究所の深度140m, 250m, 350m調査坑道の条件を模擬した数値・感度解析を実施した。その結果、溶存ガス濃度は、不飽和領域の形成に対して、飽和度と領域の広がりの両方に影響する一方で、岩盤の透水性は、主に不飽和領域の広がりのみに影響することが分かった。
野原 壯; 宇野 正起*; 土屋 範芳*
Geofluids, 2019, p.6053815_1 - 6053815_16, 2019/08
被引用回数:3 パーセンタイル:26.42(Geochemistry & Geophysics)この地質学的研究は、地熱活動の痕跡を評価するために、花崗岩の電子プローブマイクロアナライザ解析を利用している。角閃石-長石温度計を適用し、ガラス状脈の温度は約700Cと推定された。ボーリング岩石コアの肉眼および顕微鏡の観察の結果は、角閃石および斜長石によるマイクロフラクチャーの充填が、超臨界流体の流れの軌跡であることを明らかにした。粒界マイクロフラクチャーおよび平行マイクロフラクチャーは、白亜紀後期における花崗岩体の定置直後に起こったと考えられる超臨界流体の限られた活動によって形成された痕跡と認識された。現在の高い透水性は、超臨界流体に関連したマイクロフラクチャーネットワークと関係すると考えられた。超臨界流体による割れ目の痕跡は、深さ1200mの坑井を用いて簡易的に把握された。各試験区間の透水性と割れ目の特徴とに基づいて代表的なタイプが提案された。緑泥石充填の割れ目タイプは、相対的に小さい割れ目分布密度を示したにも関わらず、高い透水性に対応した。この研究の結果は、透水性の向上は、花崗岩を流れた超臨界流体によって活性化されたことを示した。
加藤 昌治*; 奈良 禎太*; 岡崎 勇樹*; 河野 勝宣*; 佐藤 稔紀; 佐藤 努*; 高橋 学*
材料, 67(3), p.318 - 323, 2018/03
放射性廃棄物の地層処分においては、岩盤を天然バリアとして使用する。このことから、低透水性の岩盤やき裂を充填している粘土の存在は、より好ましい環境を提供すると考えられる。室内での透水係数の測定方法のうち、トランジェントパルス法は低透水性の材料の透水係数測定に有効であるが、粘土に適用された事例は無く、かつ、そのままの方法・手順では適用が困難である。このため、供試体の下流側の圧力を下げる場合で透水係数を求める方法を提案し、変水位法で得られた値と比較して問題ないことを確認した。
中田 弘太郎*; 長谷川 琢磨*; 大山 隆弘*; 石井 英一; 宮川 和也; 笹本 広
Geofluids, 2018, p.7823195_1 - 7823195_21, 2018/01
被引用回数:12 パーセンタイル:59.96(Geochemistry & Geophysics)高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価におけるシナリオの一つとして、地下水シナリオがある。地下水シナリオに基づく安全評価において、長期間にわたり地下水の移動が遅いことは重要な要因である。本研究では、透水性の低い堆積岩地域の一例として、北海道幌延地域に分布する新第三系の海成堆積岩である声問層と稚内層中の地下水の安定性について、塩素やヘリウムの同位体及び水の安定同位体を用いて調査・考察を行なった。その結果、稚内層の深部地下水は、約100万年前から始まった地層の隆起後も、天水の影響を受けることなく、安定に存在している可能性が示された。一方、声問層や稚内層浅部の地下水は、地層の隆起後、天水の影響を受けており、このことは地下水年代測定の結果からも支持された。本地域の様に、地層の圧密・続成作用を受けた厚い堆積層では、間隙水・結晶水の放出等の影響を受け、地下水の絶対年代を正確に推定することは難しい。しかし、本研究において検討した地下水年代測定の結果と地史との比較は、地下水の流動性に関わる概略的な評価(長期にわたる地下水の安定性の有無)を行う上で有効な手段であると考えられる。
山崎 雅直*; 津坂 仁和*; 大谷 達彦*; 進士 正人*
土木学会論文集,F2(地下空間研究)(インターネット), 71(1), p.1 - 10, 2015/04
本研究は、立坑掘削に伴う坑壁地質観察により得られた割れ目の長さの総和を壁面面積で除した割れ目頻度と、割れ目情報(長さ、方向、開口幅)からステレオロジーの概念を適用して推定した透水係数とは、現地の透水試験結果と高い相関性が得られたことから、坑壁地質観察から地盤の透水係数を簡便に予測する手法を提案する。適用にあたっては高品質の坑壁地質観察記録が重要であり、北海道幌延町において日本原子力研究開発機構が建設中の地下研究施設の立坑掘削時の記録を用い、クラックに関する情報を基に、立坑の3次元クラックテンソルと透水テンソルを推定し、近傍の深層ボーリング孔を用いた透水試験結果と比較した。
山口 徹治; 坂本 好文; 赤井 政信; 高澤 真由美; 飯田 芳久; 田中 忠夫; 中山 真一
Physics and Chemistry of the Earth, 32(1-7), p.298 - 310, 2007/00
被引用回数:44 パーセンタイル:72.49(Geosciences, Multidisciplinary)モンモリロナイトの溶解速度,水酸化物イオンの拡散係数及び透水係数をベントナイト-砂混合土圧縮体について実験的に調べ、定式化した。これらの式を用いてベントナイト系人工バリアの透水係数の変化を予測するために、物質移行-化学反応連成解析コードを開発した。
Kulsartov, T. V.*; 林 君夫; 中道 勝*; Afanasyev, S. E.*; Shestakov, V. P.*; Chikhray, Y. V.*; Kenzhin, E. A.*; Kolbaenkov, A. N.*
Fusion Engineering and Design, 81(1-7), p.701 - 705, 2006/02
被引用回数:45 パーセンタイル:92.80(Nuclear Science & Technology)核融合炉構造材料へのセラミック被覆は、トリチウム透過防止膜として使用されることが考えられている。本研究では、リン酸クロム(CrPO)を含む酸化クロム-二酸化ケイ素のセラミック皮膜がある場合とない場合におけるF82H鋼について、水素及び重水素透過実験を行った。まず第1段階として、300
600
Cの100
1000Paの水素及び重水素雰囲気において、皮膜のないF82H鋼中の透過実験を行った。得られた拡散係数,透過定数及び溶解度は、以前に公刊されている値と良い一致を示した。第2段階としては、皮膜を施したF82H鋼中について、400
600
C, 1000
1500Paの重水素雰囲気において、上と同様な透過実験を行い、皮膜の透過低減係数(PRF)を算出した。600
Cにおける透過低減係数は約400であった。この値は、同じ皮膜を316ステンレス鋼に施した場合の透過低減係数(約1000)に匹敵する値である。本発表は、国際科学技術センター(ISTC)によるパートナープロジェクト(K-1047p)として実施した研究の成果の一部を発表するものである。
Chen, J.; 浅野 雅春; 八巻 徹也; 吉田 勝
Journal of Membrane Science, 269(1-2), p.194 - 204, 2006/02
被引用回数:141 パーセンタイル:95.88(Engineering, Chemical)高性能の電解質膜を得るために、スチレンに代わるモノマーとして、スチレンの誘導体であるメチルスチレン(MeSt)及びt-ブチルスチレン(tBuSt)さらに架橋剤として、電解質膜に導入した時に柔軟性の付与が期待できるビスビニルフェニルエタン(BVPE)と高密度の架橋構造の付与が期待できるジビニルベンゼン(DVB)を組合せた新規な電解質膜を放射線グラフト重合法により合成した。得られた四元系MeSt/tBuSt/DVB/BVPE(40/40/2.5/17.5wt%)電解質膜の耐久性加速試験(60C,3%過酸化水素水溶液中)の結果、スルホン酸基の脱離時間が300時間に達した。また、メタノール透過性ではナフィオンに比べて、四元系電解質膜は1/6まで抑制できることがわかった。
栗田 源一; Bialek, J.*; 津田 孝; 安積 正史*; 石田 真一; Navratil, G. A.*; 櫻井 真治; 玉井 広史; 松川 誠; 小関 隆久; et al.
Nuclear Fusion, 46(2), p.383 - 390, 2006/02
被引用回数:9 パーセンタイル:30.44(Physics, Fluids & Plasmas)限界ベータの値は、アスペクト比が3のトカマクでは、/
2,
と
は、各々強磁性体壁と真空の透磁率を表す、の強磁性の効果によって約8%減少することが示された。高アスペクト比のトカマクでは、観測されなかったトロイダル・プラズマ回転とプラズマ散逸の効果によってできる抵抗性壁モードに対する安定窓がアスペクト比が3のトカマクでは存在することが示された。安定窓に対する強磁性の効果もまた調べられた。VALENコードによる有限抵抗の安定化板と真空容器の形状を含めたNCT(国内重点化装置)プラズマの限界ベータ解析が始められ、安定化板の受動的安定化効果に対する結果が得られた。NCTプラズマの現状の設計案に対する真空容器及び能動的フィードバック制御の安定化効果を含んだ計算もまた行われた。
武田 哲明; 岩月 仁*
Nuclear Technology, 146(1), p.83 - 95, 2004/04
被引用回数:14 パーセンタイル:65.28(Nuclear Science & Technology)高温工学試験研究炉(HTTR)に接続する水素製造システムにおいては、中間熱交換器や水蒸気改質器に使用されている高温耐熱材料中の水素同位体透過は重要な問題である。本研究では管の外側に存在する水素が重水素の透過量に及ぼす影響を調べることが目的である。管内の重水素の分圧が100Paより低く、外側の水素分圧が10kPaより高いとき、管外の水素分圧が増大すると重水素の透過量が減少した。対向透過における重水素透過量は、金属表面での水素,重水素,HD分子の平衡状態を考慮し、重水素拡散係数に対する効果係数を用いた解析により定量的に予測することができた。これより、HTTRの1次系から水素製造システムへ移行するトリチウム量は、改質器反応管内の高分圧水素の存在により、少なくすることができると予想できる。
武田 哲明; 岩月 仁*; 稲垣 嘉之
Journal of Nuclear Materials, 326(1), p.47 - 58, 2004/03
被引用回数:22 パーセンタイル:78.58(Materials Science, Multidisciplinary)高温工学試験研究炉(HTTR)に接続する水素製造システムでは中間熱交換器の伝熱管や水蒸気改質器の反応管に使用される高温耐熱合金の水素同位体透過が重要な問題となる。そこで、中間熱交換器の伝熱管に使用されているハステロイXRの水素,重水素透過係数を取得するため水素同位体透過実験を実施した。本論文ではハステロイXRの水素及び重水素透過係数の活性化エネルギーと前指数部の係数を求めた。
武田 哲明; 岩月 仁*; 西原 哲夫
JAERI-Tech 2002-090, 30 Pages, 2002/11
高温工学試験研究炉(HTTR)に接続する水素製造システムでは、中間熱交換器の伝熱管や水蒸気改質器の触媒管に使用される高温耐熱合金中の水素同位体透過が重要な問題となる。そこで、安全審査や数値解析コードの開発に必要なデータを取得するため、機器要素試験の一つとして水素透過試験を実施した。本研究の目的は、ハステロイXRや他の高温耐熱合金に対する水素同位体透過係数を取得するとともに、酸化膜が水素同位体透過量の低減効果に及ぼす影響を定量的に評価することである。試験の結果から、原子炉運転初期に伝熱管表面に形成される酸化膜により、HTTR1次系から熱利用系に透過するトリチウム透過量は低減されると予想される。本報告書は、伝熱管表面に酸化膜が形成された場合のハステロイXRに対する水素と重水素透過量の低減効果と酸化膜の形成状態についてまとめたものである。
岩井 保則; 山西 敏彦; 西 正孝
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(1), p.95 - 104, 1999/01
被引用回数:12 パーセンタイル:66.16(Nuclear Science & Technology)中空糸膜を用いた排ガス中の水素ガス回収システムの定常シミュレーションモデルを提案した。このモデルでは膜の非多孔質部分の拡散、支持構造体中の拡散及び膜表面におけるガス境膜内の拡散を考慮した。システムのガス流れとしては、十字流、混合流、向流、並流の4つの流れを想定した。膜透過の物質移動においては膜の非多孔質超薄膜層が律速段階となっており、全体の物質移動の約99%を支配していることが明らかとなった。当研究室においておこなわれた窒素-水素系あるいは空気-水素系の実験結果は流量10m/h、供給圧2580Torr、透過圧80Torrの実験条件において、十字流モデルの結果と一致することが明らかとなった。又水蒸気が混在する空気中からの水素回収において水素回収率は計算結果とよく一致するが水蒸気の回収率は計算値が若干低くなった。この原因は水蒸気の透過係数の不確定性が考えられる。
横山 須美; 野口 宏; 木内 伸幸; 山本 英明; 加藤 正平; 友岡 仁*; 江田 邦臣*
保健物理, 34(1), p.57 - 66, 1999/00
トリチウムを取り扱う場合、作業者は防護具を着用する。この防護具のトリチウムに対する防護性能を評価するために、基礎的なデータである、素材に対するトリチウム水蒸気の透過パラメータ(透過係数、拡散係数及び溶解度)を把握しておく必要がある。このパラメータを、5種類のプラスチック膜、6種類のゴム膜及び5種類のラミネート膜について測定した。この結果、透過係数は使用予測範囲の温度や湿度では、ほぼ一定であること、膜の厚さにも依存しないことが明らかになった。また、ラミネート膜は、内側に挟んだ膜の溶解度が大きい場合、これらの膜を構成する個々の膜の透過係数より小さくなることがわかった。さらに、HTOで汚染した膜を3~4日乾燥すると、膜の性能は元の状態に戻ることが明らかとなった。
三宅 康洋*
PNC TN9440 94-021, 84 Pages, 1994/09
自然循環崩壊熱除去条件での複数集合体内の熱流動現象を多次元熱流動解析コードを用いて解析する際のモデル化手法及び集合体間の熱移行がある条件での集合体内温度分布の予測手法の確率を図ることを目的として,集合体間熱移行に関するCCTL-CFR試験について,AQUAコードを用いた解析を行なった。解析の内容は以下の3点である。1.CFR試験解析。 .横方向の熱の流れに関するパラメーター解析。 3.軸方向流動抵抗分布,パーミアビリティー分布の効果の検討。 試験解析の結果,解析結果は実験結果と非常によく一致した。解析結果の傾向としては,被冷却の条件では,実機の3%10%レベルの流速条件の範囲で集合体の温度分布が実験と非常によく一致している。また,被加熱の条件では,加熱されている壁近傍の流体温度を相対的に低く評価する傾向にある。 試験解析及びパラメーター解析の結果から,今後,AQUAコードによる集合体内熱流解析手法として,以下を用いることが有効といえる。 (1)メッシュ分割-スタガードハーフピンメッシュ分割(2)軸方向の流動抵抗,PERMEABILIRY-内部サブチャンネルと周辺及びコーナーサブチャンネルに分類して入力する。 (3)径方向流動抵抗及びPERMEAVILITY-感度は小さく,PERMEAVILIRYについてはメッシュ分割内の流路に対応したものを用い,流動抵抗については用いないものとする。