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仲野 友英; 朝倉 伸幸; 竹永 秀信; 久保 博孝; 三浦 幸俊; 清水 勝宏; 木島 滋; 正木 圭; 東島 智; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 46(5), p.626 - 634, 2006/05
被引用回数:21 パーセンタイル:57.01(Physics, Fluids & Plasmas)長い時間スケールにおけるプラズマ・壁相互作用を理解するため、放電時間を15秒から65秒に、中性粒子ビーム加熱時間を10秒から30秒に伸張した。長時間Hモード放電の後半ではダイバータ板が粒子飽和することが確認された。放電中にダイバータ板での粒子吸収が徐々に減少し、その後、粒子を吸収しない状態に達した。この壁飽和現象によって、ダイバータ排気を有効にしているにもかかわらず中性粒子ビーム以外の粒子供給がなくても主プラズマの密度が上昇した。また、総入力エネルギーが350MJに達したが、カーボンブルームと呼ばれる急激な炭素不純物の発生や、主プラズマの不純物による希釈は観測されなかった。
二宮 博正
Nuclear Fusion, 45(10), p.S13 - S31, 2005/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Fluids & Plasmas)第20回IAEA核融合エネルギー会議で発表された閉じ込め実験,プラズマと材料の相互作用実験、及び革新的閉じ込め概念の三分野に関するサマリーである。発表のハイライトは、高ベータで高自発電流割合での長時間維持が電流拡散時間以上に達したこと,放電シナリオ最適化とそのITERへの外挿が顕著に進展したこと、及び閉じ込めと輸送物理に関する理解が大きく進んだことである。
嶋田 道也; Costley, A. E.*; Federici, G.*; 伊尾木 公裕*; Kukushkin, A. S.*; Mukhovatov, V.*; Polevoi, A. R.*; 杉原 正芳
Journal of Nuclear Materials, 337-339, p.808 - 815, 2005/03
被引用回数:65 パーセンタイル:96.45(Materials Science, Multidisciplinary)ITERは燃焼プラズマの研究と実現を目的とした核融合実験炉である。その特徴は、加熱パワーのほとんどがアルファ加熱によって供給されるということである。ITERは現在運転中の装置からの顕著なステップであり、かつ核融合炉開発において不可欠のステップである。ITERの成功は、プラズマ壁相互作用の制御のいかんにかかっていると言っても過言ではない。ITERは熱束,粒子束及び時間スケールにおいて現在の装置を一桁ないし二桁上回るからである。ITERにおけるプラズマ壁相互作用の制御の戦略として、セミクローズ・ダイバータ,強力な燃料補給と排気,ディスラプション及びELM制御,交換可能なプラズマ対向材料、及び段階を追った運転などを計画している。
山田 礼司
Journal of Nuclear Materials, 174, p.118 - 120, 1990/00
被引用回数:8 パーセンタイル:81.56(Materials Science, Multidisciplinary)エネルギーを有するプロトンを黒鉛に照射した際に生成するCHの収率は、他のCH、CH生成収率よりも大きい。照射量依存性を調べると、高照射量になるに従い、CH生成収率は増加し、他の収率は減少する。この結果は、CH生成収率には照射効果が強く影響を与えていることを示唆している。また、質量数28の測定結果と計算結果を比較すると、質量数28にはイオン衝撃脱離によるCOの寄与が大きいことを示し、質量数28の結果を炭化水素生成収率を決定することに使用することはできないことを明らかにした。
村上 義夫; 阿部 哲也
J.Vac.Sci.Technol.,A, 5(4), p.2305 - 2310, 1987/04
核融合装置のプラズマ壁相互作用に関係する材料の研究開発は、プラズマ閉込めの研究を進展させるうえで解決しなければならない現在及び近い将来の問題を含んでいる。検討を要する主要な課題は、i)不純物放出と表面侵食、ii)水素同位体のリサイクリング、iii)高熱負荷への対応、iv)プラズマディスラプションは影響などである。原研における壁材開発と関連するプラズマ壁相互作用の研究は主に装置開発の立場から行われ、新しい材料・プロセスの開発と性能試験に重点が置かれた。JT-60ではTiC被覆モリブデン及び同インコネルタイルが使用され、初期のプラズマ実験で被膜の密着性のよいことが示された。TiC及びCのその場コーティング技術の開発も進めている。次期大型装置のためには強制冷却した壁コンポーネントの開発が必要である。主な技術課題は、核融合装置環境下で使用できるセラミック(黒鉛含む)材料の改良やセラミック-金属接合の開発などであろう。
馬場 祐治
JAERI 1304, 76 Pages, 1987/02
keVオーダーの軽イオン衝撃した金属およびセラミックスの表面化学状態変化およびその機構を、XPS,AES.SIMSにより解析した。H衝撃したSc,Ti,V,Y,Zr,NbではXPSスペクトルの内殻ケミカルシフトおよび価電子帯領域のMetal-Hピークにより水素化物の形成が認められた。得られた水素化物層は熱化学的に合成した水素化物に比べ、より高温まで安定である。一方、H衝撃したSiC,SiN,SiO表面はそれぞれ炭素、ケイ素、ケイ素過剰となる。またH,D,He衝撃によりTiC,TiN,TiO表面はチタン過剰となる。重照射下におけるにTiC表面のC/Ti比およびSIMSスペクトルのTi/C比の入射エネルギー依存性は、チタンおよびグラファイトのスバッター収率の比と対応することから組成変化は構成元素のスパッターに帰因することが明らかになった。
村上 義夫
フィジクス, 7(8), p.528 - 531, 1986/08
核融合装置は原子力分野では初めての本格的な真空装置であるが、高温プラズマを取扱うことや装置の大型化のために真空科学技術に新たな課題を投げ掛けている。ここでは、これらに関連して、プラズマ-壁相互作用、大型装置のための真空技術、漏れ探し、真空排気系のそれぞれについての課題を述べる。
工藤 博司
Hot Atom Chemistry, p.501 - 511, 1984/00
ホットアトム化学の知識および実験法は、核融合炉研究開発の分野にも応用されている。プラズマー壁相互作用の研究並びにトリチウム増殖ブランケットの開発に関連したホットアトム化学研究の最近の成果を、総説としてまとめた。