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論文

J-PARC RCSにおけるビーム力学的研究とビーム損失の低減

發知 英明; 原田 寛之; 岡部 晃大; Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 田村 文彦; 吉本 政弘

加速器, 16(2), p.109 - 118, 2019/07

RCSのようなMW級の大強度陽子加速器では、ビーム損失により生じる機器の放射化がビーム出力を制限する最大の要因となる。RCSでは、ビーム損失の原因となる様々な効果(空間電荷効果,非線形磁場,フォイル散乱等)を取り込んだ高精度の計算モデルを構築し、数値シミュレーションと実験を組み合わせたアプローチでビーム損失の低減に取り組んできた。計算と実験の一致は良好で、計算機上で、実際に発生したビーム損失を十分な精度で再現できたことは画期的なことと言える。数値シミュレーションで再現したビーム損失を詳細に解析することで、実際の加速器で起こっている現象を十分な確度で理解することが可能になっただけでなく、それを低減するためのビーム補正手法を確立するのに数値シミュレーションが重要な役割を果たした。ハードウェアの改良と共に、こうした一連のビーム力学的研究により、1MW設計運転時のビーム損失を10$$^{-3}$$という極限レベルにまで低減することに成功している。本稿では、ビーム増強過程で問題になったビーム損失について、その発生機構や解決方法を報告すると共に、その際に数値シミュレーションが果たした役割について具体例を挙げて紹介する。

報告書

平成30年度研究開発・評価報告書; 評価課題「J-PARCに関する研究開発」(中間評価)

J-PARCセンター

JAEA-Evaluation 2019-003, 52 Pages, 2019/06

JAEA-Evaluation-2019-003.pdf:6.61MB

日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」という)は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」(平成28年12月21日内閣総理大臣決定)及びこの大綱的指針を受けて作成された「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」(平成29年4月1日文部科学大臣決定)、並びに原子力機構の「研究開発課題評価実施規程」(平成17年10月1日制定)等に基づき、平成31年3月1日に第3期中長期計画に対する中間評価をJ-PARC研究開発・評価委員会に諮問した。これを受けて、J-PARC研究開発・評価委員会は、委員会において定められた評価方法に従い、原子力機構から提出されたJ-PARC研究開発の実施に関する説明資料の検討及びJ-PARCセンター長並びにディビジョン長による口頭発表と質疑応答を実施した。本報告書は、J-PARC研究開発・評価委員会より提出された中間評価の内容をまとめるとともに、「評価結果(答申書)」を添付したものである。

論文

Signal response of the beam loss monitor as a function of the lost beam energy

山本 風海

Proceedings of 4th International Beam Instrumentation Conference (IBIC 2015) (Internet), p.80 - 84, 2016/02

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は3GeVまで加速した陽子ビームを後段の主リングシンクロトロンおよび物質生命科学実験施設に供給している。RCSの入射エネルギーは2013年までは181MeVであったが、2014年に400MeVに増強された。RCSの偏向および四極電磁石は大口径であり、ヨークの厚さも200mm以上ある。そのため、これら入射エネルギーでの陽子の阻止能を考慮すると、電磁石のビームロスモニタに対するシールド効果はビームロスが発生した際のビームエネルギーに強く依存する。入射の最中にビームロスが発生した場合、陽子は電磁石のヨークを貫通できない。しかし加速後にロスが発生した場合、陽子は容易に電磁石を通過する。そのため、もしロスした陽子の数が同じでもビームロスモニタの応答はエネルギーによって変わってくる。ビームロスモニタの応答を評価するために、信号強度のロスエネルギー依存性をシミュレーションにより評価した。計算の結果、信号強度はロスした際のエネルギーやロスの発生個所に依存することが判明した。また、電磁石のシールド効果が無ければ信号はロスしたパワーに比例することがわかった。

論文

Beam loss caused by edge focusing of injection bump magnets and its mitigation in the 3-GeV rapid cycling synchrotron of the Japan Proton Accelerator Research Complex

發知 英明; 谷 教夫; 渡辺 泰広; 原田 寛之; 加藤 新一; 岡部 晃大; Saha, P. K.; 田村 文彦; 吉本 政弘

Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 19(1), p.010401_1 - 010401_11, 2016/01

AA2015-0742.pdf:2.84MB

 被引用回数:6 パーセンタイル:31.2(Physics, Nuclear)

J-PARC 3-GeV RCSでは、入射ビームを位相空間上の広い範囲に一様に分布させてビームの空間電荷密度を緩和させるペイント入射と呼ばれる入射方式を採用している。このペイント入射は、空間電荷由来のビーム損失を低減させるだけでなく、入射中のフォイル散乱由来のビーム損失を低減させる役割を担う。ペイント入射による十分なビーム損失低減を実現するには、ペイント範囲をより大きくとることが必要になるが、ペイント範囲を拡幅した際に別種のビーム損失が付加的に発生してしまうという課題を残していた。本研究では、そのビーム損失が、入射バンプ電磁石のエッジ収束力によるベータ関数の周期性変調によって発生する共鳴現象に起因していることを明らかにすると共に、6台の補正四極電磁石を用いたベータ関数変調の補正手法を考案し、その有効性を実験的に立証することに成功した。本論文では、そのビーム試験結果を紹介すると共に、実験結果と数値シミュレーション結果の詳細比較から明らかになったビーム損失の発生・低減メカニズムを解説する。

論文

Measurement system of the background proton in DeeMe experiment at J-PARC

山本 風海; Saha, P. K.; 青木 正治*; 三原 智*; 中津川 洋平*; 清水 宏祐*; 金正 倫計

JPS Conference Proceedings (Internet), 8, p.012004_1 - 012004_5, 2015/09

ミュオン電子転換過程は、標準理論を超えた多くの理論ではその存在が自然と考えられているが、発生確率は非常に小さく、未だ発見されていない。DeeME実験では、このミュオン電子転換過程を探索するが、信号とノイズの識別のためには10$$^{-14}$$のバックグラウンドプロトンを検出する必要がある。そこで、このような微小の陽子がターゲットに入射しているかどうか検出する測定システムの検討を行い、評価した結果測定可能であることを確認した。

論文

J-PARC RCSにおけるペイント入射用電磁石電源の高精度出力調整

加藤 新一; 高柳 智弘; 原田 寛之; 堀野 光喜; 飛田 教光; 植野 智晶*; 金正 倫計

Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1180 - 1184, 2015/09

大強度陽子加速器であるJ-PARC 3GeV RCSでは、ビームロスの原因となる空間電荷力を緩和するために、多重入射中にLinacからの入射ビームを位相空間上の任意の範囲に意図的に広げて入射するペイント入射を行っている。水平方向のペイントは、個別に電源を持つ4台の水平ペイントバンプ電磁石の出力を多重入射時間の0.5msで立ち下げ、入射点での周回軌道の位置と傾きを時間的に変動させることで行われる。ビームロス低減のためには、シミュレーションと実験から検討した時間変動パターンを、低出力の領域まで正確に再現する必要がある。また、閉軌道変動を抑制するために、4台の水平ペイントバンプ電磁石の出力バランスを保つ必要がある。そのため、高精度の出力調整が必須である。水平ペイントバンプ電磁石用電源は、電流と電圧の指令値を制御回路に入力することで電流を出力する。そこで、指令電圧値を変化させた時の出力電流の応答特性を調査した。この結果、再現したい時間変動パターンからの誤差を補正するために必要な、指令電圧値の微小量が判明し、高精度の出力調整が可能となった。また、現在RCSで用いている時間変動パターン以外のパターンにおいても、出力電流の応答特性は同一であることを明らかにし、様々な時間変動パターンに対しても高精度の出力調整が可能であることを示した。さらに、調整時間の大幅な短縮を目的として、自動的に出力調整を行うルーチンを現在開発中である。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロンでの大強度運転の状況

山本 風海; 金正 倫計

Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.377 - 381, 2015/09

J-PARCでは2014年夏季にイオン源の増強を行い、リニアックは設計性能のピーク電流50mAでの運転が可能となった。3GeVシンクロトロン(3GeV Rapid Cycling Synchrotron, RCS)でも夏の保守作業期間に大強度ビームを受け入れるための準備作業を進め、作業後に設計最大出力である1MW相当の出力を達成すべく調整を開始した。調整の初期段階において、800kW相当を超えた加速粒子数での運転時に高周波加速空胴の電源出力が不足し、バケツが維持できずほとんどのビームが失われることが判明した。そのため、空胴共振点を変更し必要な電流値を下げる、電源出力の余裕分を使用しインターロックの値を見直す、等の対処を行い、年明けの調整運転時に1MW相当の試験運転に成功した。また、供用運転としても段階的にビーム出力を増加していき、物質生命科学実験施設(MLF)に向けて500kWの出力での連続運転を達成した。本件では、このような大強度運転を達成するためにRCSで実施した作業内容と、大強度運転条件の下での加速器の状況について報告する。

論文

J-PARC RCSにおけるビームコミッショニングの近況報告; 1-MW出力の実現へ向けて

發知 英明

Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.103 - 107, 2015/09

RCSは、2014年秋より、1MW設計運転の実現を目指した最終段階のビーム調整を開始し、2015年1月に1MW相当のビーム加速を達成した。RCSのような大強度陽子加速器では、ビーム損失により生じる機器の放射化が出力強度を制限する最大の要因となるため、ビーム損失の低減が1MW設計連続運転を実現するための重要な研究課題となる。2015年1月のビーム試験では、ペイント入射法の最適化により、空間電荷由来のビーム損失をほぼ最小化することに成功した。また、2015年6月に実施したビーム試験では、新規導入した補正四極電磁石を用いて入射過程におけるベータ関数の変調を補正することにより、ペイント範囲の拡幅を実現し、入射中の荷電変換フォイル上での散乱現象に起因したビーム損失を大幅低減させることに成功した。本発表では、ビーム増強過程で顕在化したビーム損失の発生機構やその低減に向けた取り組みを中心に、RCSビームコミッショニングの最近の進捗状況を報告する。

論文

新しいJ-PARC RCS入射水平シフトバンプ電磁石用パルス電源の開発

高柳 智弘; 植野 智晶*; 堀野 光喜; 飛田 教光; 林 直樹; 金正 倫計; 入江 吉郎*; 岡部 晃大; 谷 教夫; 内藤 伸吾*; et al.

Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1169 - 1174, 2015/09

J-PARC 3GeV RCSのビーム入射システムにおける水平シフトバンプ電磁石用の新しい電源を開発し製作した。新しい電源は、LINACの入射ビームエネルギーが181MeVから400MeVへとアップグレードをするのに合わせ、現在の2倍以上の電源容量が必要になる。さらに、電磁石のセラミックダクトを覆うRFシールドのループコイルのインダクタンスと励磁場の共振によるビームロスを防ぐために、電流リップルノイズの低減が要求される。そこで、新しい電源の主回路方式に、これまでのIGBTの半導体スイッチを利用したチョッパ方式から、コンデンサの充放電を利用した転流方式を新たに採用することにした。コンデンサ転流方式は、台形波形(バンプ波形)を出力する際に常時スイッチングを行うチョッパ方式と異なり、原理的にはバンプ波形の分岐点での3回のスイッチ操作で形成が可能である。出力試験の結果、スイッチングに起因するリプル電流の発生が大幅に低減されたことを確認した。さらに、バンプ電磁石に起因するビームロスが低減し、RCSの所期性能である1MW相当のビーム加速に成功した。本論文では、転流方式を採用した新シフトバンプ電源の特性について述べる。

論文

Recent progress of J-PARC RCS beam commissioning; Toward realizing the 1-MW output beam power

發知 英明

Proceedings of 6th International Particle Accelerator Conference (IPAC '15) (Internet), p.1346 - 1348, 2015/06

RCSは、2014年10月より、1MW設計運転の実現を目指した最終段階のビーム調整を開始し、2015年1月に1MWのビーム加速を達成した。RCSのような大強度陽子加速器では、ビーム損失により生じる機器の放射化が出力強度を制限する最大の要因となるため、ビーム損失の低減が1MW設計連続運転を実現するための重要な研究課題となる。2015年1月のビーム試験では、入射ビームの分布形状やペイント入射法の最適化により、空間電荷由来のビーム損失をほぼ最小化することに成功した。また、2015年4月のビーム試験では、新規導入した補正四極電磁石を用いて入射過程におけるベータ関数の変調を補正することにより、ペイント範囲の拡幅を実現し、ビーム損失を許容範囲内にまで低減させることに成功した。本会議では、ビーム増強過程で我々が直面したビーム損失の発生メカニズムやその低減策について報告する。

論文

Numerical study for beam loss occurring for wide-ranging transverse injection painting and its mitigation scenario in the J-PARC 3-GeV RCS

發知 英明; 谷 教夫; 渡辺 泰広

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 778, p.102 - 114, 2015/04

 被引用回数:5 パーセンタイル:34.97(Instruments & Instrumentation)

J-PARC 3-GeV RCSでは、入射ビームを位相空間上の広い範囲に一様に分布させてビームの空間電荷密度を緩和させるペイント入射と呼ばれる入射方式を採用している。このペイント入射は、空間電荷由来のビーム損失を低減させるだけでなく、入射中のフォイル散乱由来のビーム損失を低減させる役割を担う。ペイント入射による十分なビーム損失低減を実現するには、ペイント範囲をより大きくとることが必要になるが、ペイント範囲を拡幅した際に別種のビーム損失が付加的に発生してしまうという課題を残している。本研究では、詳細な数値シミュレーションを行って、そのビーム損失が、入射バンプ電磁石のエッジ収束力によるベータ関数の周期性変調によって生じる共鳴現象に起因していることを明らかにするとともに、6台の四極電磁石を用いたベータ関数変調の補正手法を考案して、実際の機器設計を行った。本論文では、ペイント範囲を拡幅するために必要となる補正機器の導入を目指して行った一連の数値シミュレーションを紹介・解説する。

論文

Beam instrumentation at the 1 MW Proton beam of J-PARC RCS

山本 風海; 林 直樹; 岡部 晃大; 原田 寛之; Saha, P. K.; 吉本 政弘; 畠山 衆一郎; 發知 英明; 橋本 義徳*; 外山 毅*

Proceedings of 54th ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High-Intensity, High Brightness and High Power Hadron Beams (HB 2014) (Internet), p.278 - 282, 2015/03

J-PARCの3GeVシンクロトロン(Rapid Cycling Synchrotron, RCS)では300kWの出力で物質生命科学実験施設(MLF)およびメインリングへビームを供給してきた。2014年の夏季シャットダウン時に、1MW出力を目指してリニアックでイオン源およびRFQの入れ替えを行った。1MWで信頼性の高いビーム運転を行うためには、さらなるビームロスの低減が必要となる。また、ユーザにとってはビーム出力が上がった際のビームのクオリティも重要である。そのために、入射および出射ビームのハローの測定精度が上がるようモニタの開発を進めた。具体的には、入射ビームのハロー測定用にはバイブレーションワイヤモニタ(VWM)とリニアック-3GeVシンクロトロン輸送ライン上のスクレーパを利用するモニタ二種類の開発を行い、VWMに関しては原理実証を終え、スクレーパを利用するモニタに関しては既存のモニタと比較して一桁以上感度を向上することに成功した。出射ビームのハロー測定では、OTRモニタを用いてビーム中心部と比較して$$10^{-6}$$の量のハローまで測定できるようになった。また、RCSからのビーム取り出し後に遅れて出る陽子がわずかでも存在すると、MLFで計画されているミュオン-電子転換過程探索試験DeeMeにおいてバックグラウンドの元となり、実験の精度が大きく低下する。このような陽子を測定する手法を開発し、予備試験によってその存在比がコアビームの$$10^{-18}$$程度であり要求を満たすことを確認した。

論文

Lessons from 1-MW proton RCS beam tuning

發知 英明

Proceedings of 54th ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High-Intensity, High Brightness and High Power Hadron Beams (HB 2014) (Internet), p.6 - 11, 2015/03

J-PARC 3GeV RCSは、1MW出力を目指す世界最高レベルの大強度陽子シンクロトロンである。2013年及び2014年の夏季作業期間に入射器であるLinacの増強作業が実施され、RCSへの入射エネルギー及び入力粒子数が設計値へと引き上げられ、2014年10月より、RCSは、1MW設計運転の実現を目指した最終段階のビーム調整を開始した。RCSのような大強度陽子加速器では、ビーム損失により生じる機器の放射化が出力強度を制限する最大の要因となるため、ビーム損失の低減が1MW設計運転を実現するための重要な研究課題となるが、この10月のビーム試験では、入射ビームの分布形状やペイント入射法の最適化等により、770kW相当のビーム加速で生じるビーム損失をほぼ最小化することに成功した。本会議では、ビーム増強過程で我々が直面したビーム損失の発生メカニズムやその低減策について報告する。

論文

Commissioning the 400-MeV linac at J-PARC and high intensity operation of the J-PARC RCS

發知 英明; J-PARC Beam Commissioning Team

Proceedings of 5th International Particle Accelerator Conference (IPAC '14) (Internet), p.899 - 903, 2014/07

2013年の夏のビーム停止期間中にJ-PARC Linacの出力エネルギーが181MeVから設計値である400MeVへ増強された。RCSは、このエネルギー増強された入射ビームを用いて550kW相当の大強度ビーム加速を0.5%以下という低いビーム損失で達成した。本論文では、400-MeV linacの現状を紹介するとともに、RCSで最近実施した大強度加速試験に関する実験結果を報告する。

論文

Progress and status of the J-PARC 3 GeV RCS

金正 倫計

Proceedings of 5th International Particle Accelerator Conference (IPAC '14) (Internet), p.3382 - 3384, 2014/07

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、先の東日本大震災の際機器が大きく移動した。これが原因で400kW以上のビームパワーでは、ビームロスが大きくなることが分かったため、機器の再アライメントを実施した。また、J-PARCでは1MW達成に向けて、リニアックのエネルギーを181MeVから400MeVに増強した。これに伴い、RCSでも400MeVのビームを受け入れ、3GeVまでの加速、取り出しに成功した。本条件で300kWのユーザー運転を実施している。大強度試験も併せて実施し、短時間ではあるが、560kW相当のビームを0.3%以下のロスでの運転に成功した。

論文

Secondary electron emission yields from the J-PARC RCS vacuum components

山本 風海; 芝田 健男*; 荻原 徳男; 金正 倫計

Vacuum, 81(6), p.788 - 792, 2007/02

 被引用回数:6 パーセンタイル:69.25(Materials Science, Multidisciplinary)

J-PARC計画3GeVシンクロトロン(RCS)は1MWという大強度のビームを中性子ターゲット及び50GeVシンクロトロンに供給する。RCSは25Hzという早い繰り返しで運転されるため、その変動磁場によって引き起こされるエディー電流に注意しなければならない。そのため、われわれはマグネット内に置く真空容器の材料を金属ではなくセラミックとしている。しかし、セラミックの二次電子放出率は金属と比べて高く、ビーム不安定性を引き起こす可能性がある。また、RCS内にはビームロスを局所化するコリメータを配置するが、ここから出てくる放射線も二次電子の発生源となる。これらの影響を低減するために、TiNコーティングが検討されている。今回はこのTiNコーティングの条件を変えて二次電子放出量を測定した。また、より二次電子放出係数の低いコーティングとしてダイヤモンドライクカーボンコーティングに関しても試験を行った。

論文

Magnetic field measurement of the extraction kicker magnet in J-PARC RCS

神谷 潤一郎; 植野 智晶*; 高柳 智弘

IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 16(2), p.1362 - 1365, 2006/06

 被引用回数:4 パーセンタイル:67.29(Engineering, Electrical & Electronic)

キッカー電磁石はJ-PARC 3GeVシンクロトロンの出射用パルス電磁石である。それは、1MWのビームパワーの陽子ビームを蹴り出すために大口径を有している。それゆえ、負荷ケーブルとのインピーダンスミスマッチ、及び端部漏れ磁場が、磁場分布の精度に影響を及ぼす。われわれはシミュレーションと測定によりそれらの影響を分析し、磁場精度を改善することを行った。本論文ではそれらの研究結果を報告する。

論文

Evaluation of the 3-Gev proton beam profile at the spallation target of the JSNS

明午 伸一郎; 野田 文章*; 石倉 修一*; 二川 正敏; 坂元 眞一; 池田 裕二郎

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 562(2), p.569 - 572, 2006/06

 被引用回数:10 パーセンタイル:35.66(Instruments & Instrumentation)

JSNSでは3GeV陽子ビームが早い繰り返しのシンクロトロン(RCS)から水銀の核破砕中性子ターゲットに輸送される。水銀ターゲット容器におけるピッティングによる損傷を減らすためには、陽子ビームの電流密度のピークを下げることが最も効果的である。本研究では、第一ステップとしてターゲットでのビームプロファイルを評価した。ビームプロファイルはRCS出口の位相空間で決定される。位相空間における分布は、空間電荷効果を考慮したSIMPSONSコードにより計算した。実空間における、プロファイル分布はベータトロン振幅の行列変換により導出した。RCSにビームを入射する場合において、コリレーテッドペインティングよりもアンタイコリレーテッドを用いることによりピーク電流密度が減ることがわかった。

論文

3GeVRCS制御システムの概要,2

高橋 博樹; 榊 泰直; 佐甲 博之; 吉川 博; 伊藤 雄一*; 加藤 裕子*; 川瀬 雅人*; 杉本 誠*; 渡邊 和彦*

Proceedings of 2nd Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 30th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.531 - 533, 2005/07

J-PARC 3GeV RCSは、高い周波数(25Hz)で連続的にMLFとMRにビームを入射する。そのため、RCS制御システムには、MLFとMRの入射ビームを区別した監視・操作を行うという、他に類をみない機能が必須である。本発表では、昨年の検討状況報告に引き続き、開発を進めている25Hz同期データ収集を可能としたDAQシステムとRCSの加速器構成機器データ管理システムを中心に、現状報告を行う。

論文

Evaluation of nonlinear effects in the 3-GeV rapid cycling synchrotron of J-PARC

發知 英明; 野田 文章*; 谷 教夫; 木代 純逸*; 町田 慎二*; Molodojentsev, A. Y.*

Proceedings of 2005 Particle Accelerator Conference (PAC '05) (CD-ROM), p.916 - 918, 2005/00

本講演では、J-PARC RCS内に存在する非線形磁場を考慮したトラッキングシミュレーションを示し、誘起されたベータトロン共鳴の補正手段を議論する。

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