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池之上 翼; 中西 貴宏; 嶋寺 光*; 川村 英之; 近藤 明*
E3S Web of Conferences (Internet), 530, p.02005_1 - 02005_10, 2024/05
福島第一原子力発電所の事故は海底堆積物の放射能汚染を引き起こした。河川からのCsの供給は海底堆積物中のCsの長期的な挙動において重要なプロセスである可能性がある。本研究では、海洋拡散モデルと陸域および河川におけるCsの挙動予測モデルを組み合わせて、海底堆積物中のCsの10年間の挙動予測シミュレーションを実施した。原子力発電所の北側の海域では、海底堆積物中のCs濃度が事故初期には低く河川からのCsの供給量が多いため、河川からのCsの供給が沿岸における海底堆積物中のCs濃度に大きな影響を与えることがシミュレーション結果から示唆された。原子力発電所近傍及びその南側の海域では、事故初期における海水からの吸着が大きいため、沿岸における海底堆積物中のCs濃度の時間変化に与える河川からのCsの供給の影響は比較的小さいことがシミュレーション結果から示唆された。全体として、これらの結果は河川からのCsの供給が10年間の時間スケールで海底堆積物中のCs濃度の時空間分布に影響を与えており、その影響は原子力発電所の北側の海域で特に大きいことを示していた。
上平 雄基; 川村 英之; 小林 卓也; 内山 雄介*
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(8), p.752 - 763, 2019/08
被引用回数:8 パーセンタイル:62.42(Nuclear Science & Technology)STEAMERにROMSによるダウンスケーリングシステムを導入し、海況場及び原子力施設から放出された放射性物質の濃度分布の詳細な予報値が計算可能となるシステムを構築した。構築したシステムを用いて2016年1月寒冷期の福島県沖のサブメソスケール現象及び潮汐が流動構造、濃度分布に与える影響を評価した。その結果、解析領域での寒冷期の濃度分散、三次元的な物質混合にはサブメソスケール現象による寄与が大きいことが示唆された。潮汐は水平の混合を抑制する一方で鉛直混合を強化し、結果として潮汐非考慮では見られなかった放出口近傍沿岸に張り付いた濃度分布を形成していた。潮汐による寄与はサブメソスケール現象に比べて小さいが、濃度希釈過程に影響を及ぼすことが示唆された。
五明 由夫*; 田島 輝彦; 藤沢 登
J.Vac.Sci.Technol., 15(1), p.103 - 110, 1978/01
低トロイダル磁場でのトカマク放電による壁表面の清浄化効果を、放電特性の変化および壁表面、残留ガス種の変化を観察することにより、実験的に調べた。放電洗浄により、壁表面はリミターおよび壁材であるモリブデン、ステンレス要素、炭素、酸素、構成される平衡状態に達する。2500回の放電により、その平衡状態とともに、Zeff=4.5の安定で再現性のよいプラズマが得られた。壁表面サンプルには、前述と同様の要素のより構成される推積層が観察された。推積層厚さは、ベロー山位置サンプルの方が、それより3.4cmプラズマから遠ざかったサンプルに較べ、5~10倍厚い値であった。ここで調べた放電洗浄の効果とは、放電中の金属粒子の壁への推積と、放電休止期間中の残留ガス成分の壁への吸着とによって決定されると考えられる。
上平 雄基; 川村 英之; 小林 卓也; 内山 雄介*
no journal, ,
本研究では、米国で開発された領域海洋モデリングシステムROMSを用いて、2段階のネスティングにより福島県沖合を対象として、水平解像度を1キロメートルまで高解像度化することが可能なダウンスケーリングシステムを構築し、準中規模渦に伴う沿岸海洋力学過程を解析するとともに、それらが福島第一原子力発電所起源の放射性セシウムの輸送に与える影響を評価した。ダウンスケーリングに必要となる水温・塩分等の海洋物理場の初期・境界条件データには、気象庁気象研究所で開発された海洋データ同化システムMOVEで計算されたデータを使用した。表層渦運動エネルギーと密度の分散の空間分布には明確な対応が見られ、福島県沖合では傾圧不安定による渦生成が引き起こされることが分かった。また、原子力機構が開発した海水中物質移行予測モデルSEA-GEARNを用いて、福島第一原子力発電所から海洋中に放出された放射性核種の移行計算を実施した。その結果、放射性セシウム濃度は、沿岸では準中規模渦と陸棚波によって支配されるのに対して、沖合では中規模渦によって支配されていることが示唆された。さらに、福島県沖合では傾圧不安定によって引き起こされる乱流が、放射性セシウムの輸送に大きな影響を及ぼしていることが示された。
上平 雄基; 川村 英之; 小林 卓也; 内山 雄介*; 古野 朗子
no journal, ,
本研究では、ダウンスケーリングによる沿岸域の高解像度モデルを導入した高度な海洋拡散予測システムを用いて、福島第一原子力発電所事故に適用し、水平スケールが数キロメートルのサブメソスケールの海象に伴うCs-137の海洋中移行過程を解析した。その結果、事故直後に福島県沖で発達していたサブメソスケール渦に伴う鉛直循環流によってCs-137が中深層に活発に輸送されていた。また、大気沈着を考慮しないシミュレーションを行った結果、中深層に輸送されたCs-137の大部分が原子力発電所から海洋に直接放出されたものである可能性が示唆された。